カードゲームで世界が滅ぶ世界に転生してカードショップを開店したら、周囲から前作主人公だと思われている 作:暁刀魚
「私は、カウンターエフェクトを一枚セッティング、これでターンを終える!」
ダイアは、残っていた最後の手札をセットしてターンを終えた。
先ほどの攻防。
ダイアは完全に何もできなかった。
しかし、対するミチルもそうするために三枚のカードを使用している。
手札の枚数で言えば、ミチルもそこまで余裕はない。
とはいえ――
「私のターン! 私はまず<エンシェント・スタートアップ>を発動! フィールドに『大古式聖天使』モンスターがいる時、一枚ドロー! 更にそのカードが『エンシェント』カードだったら、相手に見せてもう一枚ドロー!」
<エンシェント・スタートアップ>。
フィールドに『大古式聖天使』がいる時、プレイヤーを一人選択。
そのプレイヤーはカードを一枚ドローするという、ちょっと変わったカードだ。
当然のようにミチルは一枚目で『エンシェント』カードを引き当て、二枚ドローする。
これだけでも、かなりのアドバンテージの回復だ。
そしてモンスターを連続展開。
「次はこの子! <大古式聖天使 アブソーバー・ウリエル>!」
どうやらこの流れは――
「そして<大古式聖天使 シードエコー・ラファエル>! 最後にこの子! <大古式聖天使 エッセンス・ガブリエル>!!」
ミチルは、四大天使を並べることを選んだようだ。
当然ながら、この攻撃を通せばダイアの負け。
さぁどうする……?
「バトル! 私は<アブソーバー・ウリエル>で攻撃! 攻撃時のエフェクト、相手フィールドのカウンターエフェクトをすべて破壊!」
「ならば! <グランシオン・セットアップ>! セメタリーの『グランシオン』モンスターをデッキに戻し、一枚ドロー! 更にそのモンスターが『グランシオン』カードなら一枚ドロー!」
どうやらダイアのそれは、<エンシェント・スタートアップ>と同じようにリソースを回復するカードだったようだ。
当然ながらダイアは『グランシオン』カードを引き当てた。
しかもそのカードは――
「俺は、たった今ドローした<グランシオン・ドレッドベア>のエフェクト! ターン最初のドロー以外で手札に加わった時、このモンスターをディフェンス状態でサモンできる!」
防御札になりうるカードだ。
その後も、ダイアはドローしたもう一枚のカードや、セメタリーのカード。
あらゆるカードでミチルの攻撃を捌き切る。
「さすがはダイア、無駄なく攻撃を受けきったな」
「でも、フィールドはがら空きですよ……?」
「問題ない、ダイアには
ミチルがターンを渡して、ダイアのターンだ。
「私のターン! ドロー!」
にやり、とダイアが笑みを浮かべる。
「ミチルくん、君の封殺は素晴らしかった! だからこそ、私もそれに返そう!」
「……それって!」
「カウンターエフェクト! <破滅の雷>を発動! 相手モンスターをすべて破壊する!」
出た、ダイアの汎用カード<破滅の雷>。
いわゆるサンダーでボルトな相手モンスター破壊効果。
相手のデッキのモンスターまで破壊するわけじゃないから、そこは注意だ。
「っく! 私は<エッセンス・ガブリエル>のエフェクト! 自身以外の『エンシェント』モンスターをセメタリーに送って、送った枚数分ドロー!」
ミチルは<ウリエル>と<ラファエル>をセメタリーに送った。
<ミカエル>をセメタリーに送らないのか? と思うが。
「<シスター・ミカエル>は1ターンに1度、デッキからカードを一枚ドローすることで破壊を免れる。ただし、このターンの終了時に<シスター・ミカエル>はセメタリーに送られるよ」
「デメリットのような顔で、カードをドローしないでもらおうか」
「更に! セメタリーの<ラファエル>のエフェクト! このモンスターがセメタリーにいる時、フィールドのモンスターが破壊された時!」
このとき、<ラファエル>は<ガブリエル>のコストとしてセメタリーに送られている。
<ガブリエル>のコストとしなかった場合、破壊は<ガブリエル>と同時。
なので、<ガブリエル>のコストにしない限り<ラファエル>はエフェクトを使用できないのだ。
逆順とコストの話は、前にもどこかであったな。
「破壊されたモンスターと、手札のモンスターでさらなるサモンを行う!」
「新たなモンスター……!」
「来て! <極大古式聖天使 オリジン・ドラグバニシメント>!」
現れたのは、ダイアのエースにそっくりなモンスター。
だけど、特徴的なのはその名称だ。
オリジン、といえば――
「私の『バニシオン』時代のエースか!」
「未来のダイアは、『バニシオン』も『グランシオン』も使うけどね」
おいおい、二つのダイアが合体とか、絶対ただの強化じゃ済まないだろ。
何にしても、ミチルは切り札を切ってきたか。
……いや、これはまだ完全な切り札じゃないか?
「なるほど。では、反撃と行こう!」
とはいえ、今はダイアの反撃だ。
セメタリーのカードを利用して、ダイアは再び展開を開始する。
手札はすっからかんだってのに、ダイアの攻撃は全く緩まない。
やがて――
「では、呼び出させてもらおうか! <グランシオン・エンデ・ドラグバニシメント>!」
ダイアは、二体目のエースを呼び出す。
確かこのモンスターは――
「<エンデ・ドラグバニシメント>は1ターンに1度、<心火の楽園>がフィールドにある時、相手モンスターをすべて破壊する!」
「<オリジン・ドラグバニシメント>は相手モンスターのエフェクトで破壊されないよ!」
「だが、<シスター・ウリエル>は破壊させてもらう!」
二発目の全体破壊。
実質的なサンボル二度打ちは、流石にミチルだって苦しいか?
「させない! <
「そう来たか。ということは……」
全然そんなことはなかったな。
そうして、ミチルのフィールドに、進化したミチルの<ミカエル>が降臨する!
「来て! <極大古式聖天使 アセンシスター・ミカエル>!」
<アークロード>と対になる<アセンシスター>のミカエル。
神々しくも、どこか女性らしさを感じさせるフォルムが、<オリジン・ドラグバニシメント>に寄り添うように現れる。
そこからは、激しい攻防だ。
逆順の関係上、<アセンシスター>は変わらず<エンデ・ドラグバニシメント>の破壊エフェクトを受ける。
しかし<アセンシスター>は破壊されることでメリット効果を発生させる。
具体的には、その破壊を無効にして相手のカードを替わりに破壊する。
「ならば、それは躱させてもらおう! <
「ということは……出てくる、<デウス>が!」
「いいや、今回呼び出すのはこちらだ……!」
そうして、ダイアが呼び出すのは――
「<グランシオン・エンシェント・ドラグバニシメント>!」
――俺の『古式聖天使』に酷似したモンスター!
「パパのそっくりさん!」
「そっくりドラゴンだな! これにより<アセンシスター>は対象不在だ。そして<エンシェント・ドラグバニシメント>はフィールドに<心火の楽園>がある時、セメタリーの<ドラグバニシメント>を一体蘇生する!」
かくして、ミチルのフィールドには<アセンシスター・ミカエル>と<オリジン・ドラグバニシメント>が。
そしてダイアのフィールドには<エンシェント>と<エンデ>のドラグバニシメントが。
同時に並び立った。
その後、ダイアの攻撃は<アタック・ストッピング>で無効。
ターンがミチルへとわたる。
「……なんだか、壮観だね」
「否定はしない。それになにより、君とのファイトは楽しいよ、ミチルくん」
「私も! だからこそ、私は私の全力で行く!」
かくして、ミチルはさらなるモンスターを展開。
もう一体、エースを呼び出すつもりのようだ。
このタイミングで新たなエースとなると、四大天使の進化バージョンだろうか。
会場も、次なるミチルのエースに興奮を高める中、ミチルが呼び出したのは――
「さぁ、こっからが本番! 来て、私のエース! <極大古式聖天使 エクス・メタトロン>!」
――<エクス・メタトロン>。
かつて、これまで何度も俺のファイトを助けてくれた絶対エース。
それが今、ミチルのエースとして、降臨した。