カードゲームで世界が滅ぶ世界に転生してカードショップを開店したら、周囲から前作主人公だと思われている   作:暁刀魚

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321 思わぬ所で頂上決戦! ミチル対ダイア! ③

 <エクス・メタトロン>。

 俺の絶対的なエース。

 現在、その<メタトロン>は俺の手から消失している。

 <終焉覚醒>の反動で、一時的にカードとして存在を保てなくなっているのだ。

 これを再び取り戻すことは、今後の俺の目標の一つだが――

 

「どうも、未来の俺は<メタトロン>を取り戻したみたいだな」

「そして、ミチルに餞別として渡した……と」

「まぁ、同じデッキを使うわけだしな」

 

 しかしまぁ、まさか未来でも<メタトロン>がエースだとは。

 俺の相棒は凄まじいな。

 

「ふ……こういう大きな舞台で、<メタトロン>ともう一度戦う機会があるとはな」

「嬉しそうだね、ダイア」

「嬉しいとも。なにせ、しばらくはたとえ店長と戦う機会があっても<メタトロン>と戦う機会はないと思っていたからな!」

 

 それに関してはまぁ、俺が<メタトロン>を現在所有していない以上、どうしてもな。

 

「だったら勝負! <オリジン・ドラグバニシメント>で<エンデ・ドラグバニシメント>を攻撃!」

「おっと! <エンシェント・ドラグバニシメント>のエフェクト、他モンスターが攻撃された時、攻撃対象をこのモンスターに変更する! 更に攻撃力をアップだ!」

「こっちも行くよ! <オリジン・ドラグバニシメント>のエフェクト! 攻撃時、相手モンスターをすべてセメタリーに送る! このとき、相手のカウンターエフェクトはエフェクトを無効化される!」

 

 <心火の楽園>にはフィールドの『グランシオン』モンスターがいる時、フィールドを離れない。

 これが無効化されたことで、<エンデ・ドラグバニシメント>は破壊される。

 だが、<エンシェント・ドラグバニシメント>には耐性があり、そのまま攻撃は続行した。

 結果として、<オリジン・ドラグバニシメント>と<エンデ・ドラグバニシメント>がフィールドに残る。

 

「<エンデ・ドラグバニシメント>が破壊されたことで、セメタリーの<グランシオン・バスタータートル>のエフェクト! このモンスターをディフェンス状態でサモンして、このターンの『グランシオン』モンスターの戦闘による破壊を無効にする!」

「なら、<エンシェント・ドラグバニシメント>を攻撃するだけだよ! ダメージだけ受けてよね!」

 

 最終的には、ダイアはフィールドに<バスタータートル>と<エンシェント・ドラグバニシメント>を残したまま、このターンを耐えきった。

 だが、フィールドには<アセンシスター・ミカエル>と<エクス・メタトロン>の二体。

 俺がこの二体を同時に立たせる場面は少ないから、結構レアな光景だ。

 

「私のターン!」

 

 そしてダイアは、<エンシェント・ドラグバニシメント>と<バスタータートル>を素材に――

 

「さぁ、光栄に思うよミチルくん、またこうして<メタトロン>とこのカードをぶつけることができるのだから!」

「楽しそうだね。でも、勝つのは私だよ! だって私は、ミチルなんだから!」

「解っているとも、故に全力で応えよう! 来い!」

 

 現れる。

 言うまでもなくそれは、ダイアの最終エースだ。

 

 

「<グランシオン・デウス・ドラグバニシメント>!」

 

 

 現れるは楽園の竜。

 すべてを終わらせた後にある、神の如き始まりの竜!

 

「さぁミチルくん! ()()()()()()()()()()()()()()!」

「……こっちをチャレンジャー扱いするんだ、いい度胸じゃん!」

 

 そうは言うが、この世界、この時代にミチルをチャレンジャー扱いできるのはダイアだけだろ。

 逆に、ダイアに「いい度胸」なんて言えるのもミチルくらいだが。

 どっちも化け物であることには変わりないな。

 

「ならまずは、その<デウス>に帰ってもらおうかな! <エクス・メタトロン>でサモンを無効にして手札に戻す!」

「カウンターエフェクト! <心火消沈(グランシオン・ロックダウン)>! <心火の楽園>がフィールドにある時、相手モンスター一体のエフェクトの発動を無効にする!」

「むう!」

 

 これにより、<デウス・ドラグバニシメント>はフィールドに着地した。

 そして、これだけでは終わらない。

 

「素材にした<バスタータートル>のエフェクト! <アセンシスター・ミカエル>には手札に戻ってもらおうか!」

「<メタトロン>じゃなくてよかったのかな!?」

「ここは初見のカードではなく、既知のカードとの対決を優先させてもらうよ」

 

 ダイアは、<アセンシスター・ミカエル>にまだ使っていないエフェクトがあるのではないかと警戒したのだ。

 <デウス・ドラグバニシメント>にはフィールドの相手モンスターのエフェクトを一回無効化できるエフェクトがある。

 だが、それを<アセンシスター>が踏み越えてこないとも限らない。

 例えば、破壊されてセメタリーに送られた後のエフェクトとかな。

 

「……ふふ、正解。って言っておこうかな」

「そうか、ならばバトルだ! <デウス・ドラグバニシメント>で<エクス・メタトロン>を攻撃!」

「迎え撃って<メタトロン>! 自身のエフェクトで<エクス・メタトロン>は攻撃力を上げる!」

「させんさ、<デウス・ドラグバニシメント>のエフェクトでそのエフェクトは無効!」

 

 激しい両者のぶつかりあい。

 このまま行けば、<デウス・ドラグバニシメント>が勝つだろう。

 だが、当然ながらミチルもこの程度でやられたりはしない。

 

「……なら! 私は、手札の<古式聖天使 カロル>のエフェクト! これで<メタトロン>の攻撃力が<デウス・ドラグバニシメント>を上回る!」

「やはり来たか……!」

 

 <カロル>は、自身を手札から捨てることで『古式聖天使』の攻撃力をアップするカード。

 ポイントは、<デウス・ドラグバニシメント>には相手モンスターがサモンされた時、相手のカードすべてをセメタリーに送るエフェクトがある。

 これを回避するにも、<カロル>は適したカードだ。

 ミチルがこの場面で手札に握っているのも、当然と言えば当然だろう。

 

「だが、私とてそう簡単に破れるわけにはいかないぞ! セメタリーの<アンバランス・アント>のエフェクト! 自身をデッキに戻し、フィールドモンスターの攻撃力をアップ、代わりに守備力を下げるぞ!」

「やっぱり、攻撃力を上げる手段を残してた!」

 

 かくして、両者の攻防はダイアの勝利で終わる。

 ここまでの攻防で、お互いのライフは少しずつ削られてきた。

 残るミチルのライフは――三桁に突入した。

 いわゆる、鉄壁というやつだ。

 対するダイアのライフは、まだ残っている。

 

「でも、これでこのターン、私を倒す手段はなくなったよね」

「……そうだな、だが<エクス・メタトロン>は敗れた。ここから君は、どうするつもりかな」

「ふふふ。それはこれから、見せてあげる」

「なら、楽しみにしておこう。カードを一枚伏せてターンエンド!」

 

 ここまで、両者は全力を出し切ってファイトをしてきた。

 恐らく、このファイトはもうすぐ決着が付く。

 正直、どちらが有利とはいまだ言えない状況だ。

 <エクス・メタトロン>を倒したダイアに流れがあるとも言えるし、鉄壁に入ったミチルが勝負強さを見せる可能性もある。

 勝者は見えない、だが終盤であることに違いはない。

 この状況を動かすのは――

 

「私の! ターン!」

 

 ミチルが、カードをドローする。

 それを確かめるより先に、続けてミチルは言葉を紡いだ。

 

「ねぇ、ダイア。貴方も見てたよね? パパとヤトねぇのファイト」

「蒸気世界でのファイトか。ああ、実に見事なものだった」

「私も、ちょっとだけ見てたよ。だからダイア――パパがあの時、最後に使ったカードは、当然覚えてるよね」

 

 ――まさか。

 ミチルはダイアに問いかけてから、視線をカードへと向ける。

 自分が引いたカードが、見るまでもなく何なのか解っていたからだろう。

 改めて確認し、そしてダイアの方へと向き直る。

 

「パパがそのカードを使った時、<メタトロン>はその存在を保てなかった。それはパパが”あの子”の事をまだ理解していないから」

「……ミチルくん、君は!」

「でも、私は違う! 私はあの子のお姉ちゃんだから! 答えを出したパパを、既に見ているから!」

 

 かくして、ミチルはカードを掲げる。

 

「カウンターエフェクト! <()()()()>!」

 

 やっぱり、そのカードを使うのか!

 皆が驚きの声を上げる中、ミチルだけが強者の笑みを浮かべたまま、それをプレイする。

 

 

「さぁ、最後の攻防だよ! 来て、私の最強! <終焉の聖天使(エンシェント・スーパーノヴァ) メタトロン-デウス・エクス・マキナ->!」

 

 

 かくして、ここに。

 ミチルは自分の最強を証明する。

 ダイアに勝つことで、最強を――!

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