原作と関わらないように生きようとしたら、メインヒロイン全員知り合いだった   作:荒星

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第16話

「そういえば生徒会長、このダンジョンってどんなモンスター居るんですか?」

 

 勇獅がそう聞くと、愛華は溜息を吐いた。

 

「アンタ何も聞いて無かったの? ここは1層から5層まではスライムとゴブリン、5層からはコボルトが出てきて、8層からはワーグ。で、ボスはオークが出てくるって言ってたでしょ」

 

「え? ははは……そうだっけ?」

 

「全く……」

 

 頭を抱えた愛華を苦笑いで見ながら、凛子さんは解説する。

 

「スライムに関してだが通常種は耐久力が低く、攻撃もほぼダメージの無い体当たりだけだから苦戦するような敵ではないな。ゴブリンに関しては偶に集団で掛かってくるが、そもそも小さな体躯に見合った力しかない。よっぽど群れなければ、ソロでも問題なく倒せる程度だ」

 

「じゃあコボルトとかワーグ、オークはどうですか?」

 

 例えばコボルトはゲームだと、ゴブリンよりちょっと硬くて攻撃力が高いって感じだったけど。

 

「ゴブリンの武装は棍棒や錆びた武器等貧弱な一方、コボルトは防具を着込み鉄の剣のようなしっかりとした武器を装備している。だから多少なりともゴブリンよりは警戒する必要があるが、膂力や素早さは基本ゴブリンと変わらないな。後コボルトは犬をそのまま人間にしたような見た目だ」

 

 どうやら、攻撃力と防御力の違いは装備の違いだったらしい。確かにゴブリンが錆びた武器と腰布しか落とさなったのに対し、コボルトは鉄や銅製の武器を落としてたな。

 

「8層から出てくるワーグは強敵だ。動きは素早く、酸を吐き出す。このダンジョンでは発生しないが、オークと徒党を組んで出現することもある。そして、ボスのオークは動きが遅い代わりに体力と攻撃力が高い。しかし炎に弱いからこのダンジョンにおいては、弱点を突くことの重要性を嫌と言うほど学べるありがたい存在だな」

 

「なるほど……」

 

 だが、ストーリーの関係上このダンジョンで戦う事になる強化オークは雷が弱点である。まぁ、弱点なんか関係ないとばかりに覚醒した主人公が覚醒技で跡形もなく消し飛ばすんだけどね。

 

「このダンジョンで死ぬ事は決してない。だが、油断はしないように」

 

「「「「「はーい」」」」」

 

 そう締めくくった後、僕たちの返事を聞いて満足気にしながら凛子さんは戻ってくる。

 

「君なら例のレアスキルを使えば楽勝だろう。だが……」

 

「分かってます。切り札は取っておけ、ですよね」

 

 僕のレアスキルで分かっている事は、身体能力向上、動体視力の強化、治癒能力超強化、魔力の爆発的な上昇の三つと、発動から暫く維持したままにすると、体中に激痛が走り維持が出来なくなる事である。因みにスキル名やその他詳細は分かっていない。

 

 何故なら以前、叔父さんに連れられてスキルの鑑定をした事があった。本来スキルカードに手をかざすと、その人の保有スキルがカードに一覧となって現れる。

 しかし僕がスキルカードに手を翳した途端に、カードが真っ黒に染まって端からボロボロに崩れ去ってしまったのだ。

 

 あの時は啞然としたし、焦りに焦った。何故なら、スキルカードは文字通り国宝級のレアカードなのである。ダンジョンから見つかる量は少なく、ギルド一支店につき一枚程度しかない。

 

 正直終わったと思った。億単位は余裕で行くだろう賠償が待っているからだ。しかし、何故か叔父さんがどうにかしてくれた。ぶっちゃけ職権の乱用だと思わないでも無かったが、聞いてみると大丈夫とだけ返ってきた。

 

 なのでそれ以降スキル鑑定はしていない。怖いから。

 

「とりあえず、このダンジョンはスキル発動しないで頑張ってみます」

 

 放っておいても我らが主人公様が強化オークを倒してくれる。だから僕が無理する必要もないだろう。

 

 そう思った矢先の事だった。

 

「スライムだ!」

 

 先頭を歩いていた遊矢の声がし、臨戦態勢に入る。相手はスライム三匹のようだ。

 

「前衛は前に! 私達引率は下がるから頑張るんだぞ!」

 

 前衛は僕と主人公、遊矢はダガーと弓の二つを使うので前衛寄りの中衛。アイリスと愛華の2人が後衛だ。凛子さんと石塚副会長は見学である。

 

「行くぞ!」

 

「ちょ、ちょっと勇獅!?」

 

 焦る愛華を尻目に、主人公はスライムに向かって突撃した。流石に一人で行かせるわけには行かないので、僕も追従してスライムに向かう。そして主人公は突撃したそのままの勢いで闇雲に剣を振るった、しかし。

 

「攻撃が当たらない!? あいたっ」

 

 スライムがぴょんぴょん跳ね、剣を避け主人公の額にぶつかる。もう一匹のスライムに対しても、愛華がファイアーボールを避けられていた。なるほど、ゲームでレベルが低い内はミスしまくるのは、現実世界でも戦闘経験が低いという形で現れるんだ……。

 

「ハッ!!」

 

 勿論当てるつもりはある。だけど僕も当てられないんだろうな……と頭の片隅で思いつつ、跳ねるスライムに向かって僕は全力で飛び込む様に剣を突く。だが……。

 

「あれ? とっとっと」

 

 何故か一発でスライムを木端微塵にし、驚いたせいで勢いが止まらずによろけながら止まった。

 

「末広、お前すげえな。一発かよ」

 

「いや、正直当たると思ってなかったよ……」

 

 僕が困惑していると、皆が集まってくる。如何やら残りのスライムも片付け終わったらしい。

 

 僕達はそのまま、ダンジョンの奥へ進んだ。

 

 




 このすばやっぱ面白れぇ……。三期は特にアニメ作画に寄せてる感じがしましたね。原作の美少女パーティーメンツも良いけど、ギャグに全振りのアニメ版作画もやっぱり良い。
 因みに、末広君のレベルは10レベです。実はレベル30ある大男を過去に倒してるので……。
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