原作と関わらないように生きようとしたら、メインヒロイン全員知り合いだった   作:荒星

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第7話

 中学校に入学して4ヶ月。僕は相変わらず、周りと馴染めずに独りぼっちだった。

 

 別になんてことはない。ただただ10歳頃から身体の制御が上手く行くようになって以来、急にコミュニケーションの取り方や感情の理解が上手く行かなくなっただけだ。

 昔は身体が勝手に行動してたり言動も身体に引っ張られて、精神年齢相応になってしまうとは言っても上手くやってくれていた。しかしそんな状態は、10歳頃に一度一年ほど記憶が途切れてから急に僕に主導権が切り替わった時に無くなったのだ。

 そうなると大変だった、だって今までは勝手に身体がしてくれていたのだから。暫くは歩こうとしても直ぐに転ぶし、身体の至る所が上手く動かない。だが、それについては半年ほどでほぼほぼ元通りになった。

 しかし、問題は人との接し方だった。どう笑い、どう怒り、どう泣いたらいいのか最初の一年は分からず。今もどう上手いこと話せばいいのか分からなくなっていて、どうも上手くいかない。そのせいで僕は完全にコミュ障状態だった。

 どうやら僕はその記憶の無い一年ほど海外に両親と一緒に引っ越していたが、馴染めなかったらしく気が付いたら叔父さん監督の元、両親の居ない家で一人暮らしをする事になっていた。

 で、海外に一年居たわけだから元々の友達とも疎遠になり、更にコミュ障も相まって友達は全滅。ぼっちの誕生である。

 因みに最初、家事は両親が雇ってくれたというヘルパーさんがやってくれていたが、前述した通りのコミュ障で特に家で人と関わりたくなかったので断った。叔父さんは心配していたが、今は僕自身がしている。

 

 僕が憧れていた世界だったが、現実は空虚なモノだった。

 

「と言う訳で生徒会に入って欲しんだよね。内申点稼ぎにもなるし」

 

 担任に呼び出されて来ていた職員室にて考え込んでいると、唐突にそう言われる。

 

 考え込んでいたせいで聞いていなかったが、人手が足りないから生徒会に入れという事らしい。どうせ家に帰っても何もする事無いし、将来の為に点数稼ぎするか。

 

「いいですよ」

 

 僕は、こちらを見ずに宿題のノート確認をしている先生に返事をした。

 

 

 

 

 放課後。僕は楽しそうにするクラスメイト達を尻目に、生徒会室に向かっていた。

 

「生徒会、か。勢いで返事しちゃったけど、大丈夫かな。僕、マトモに喋れる気がしないんだけど」

 

 あ、ヤバい。考えたら足が重くなって来た……。だけど気が付いたら、もう扉は目の前にあった。腹をくくるしかない。

 もしかしたら、これを機に友達が出来たりするかもしれないし頑張ろう。

 

「失礼しまーす」

 

 扉を開けると……。

 

「……君か、物好きな新入りは」

 

「えっと……」

 

 そこにはグルグル眼鏡にボサボサ頭の、多分先輩なのだろう女子生徒が不機嫌な顔で机の上の書類から顔を上げてこちらを見ていた。因みに、机と椅子は2セットしかない。どうなっているのだろう。何故この人一人だけなんだ?

 

 僕が呆然としていると、先輩は不機嫌そうに呟く。

 

「いつまでそうやって立っているつもりだ? 椅子と机は用意したんだから、さっさと座り給え」

 

「は、はい」

 

 僕が暫く不思議そうな顔でキョロキョロと室内を見渡していると、先輩は眉をしかめた。

 

「何か質問でもあるのかな」

 

「へッ? あ、その。あの……」

 

「さっさと話したまえ。それとも抱いた疑問さえ質問すら出来ない輩なのかな」

 

「あ、えっと。何で先輩一人なのかなって」

 

「知らない? そんな馬鹿な。普通誰かに聞くだろう……。それとも、人の話も聞かずに適当に入るとでも返事する残念なヤツなのか? でないとここに入るなんて発想……あぁ、もしかして私と同じか」

 

 この人、ボソボソした感じで喋るし口悪いな……。いや、確かにあってるんだけど。

 

「この生徒会に居るのは私一人だ」

 

「へ?」

 

 今なんて?

 

「だから、私一人だと言ったんだ。その耳は節穴か?」

 

「な、何故? 普通はもっと何人か居るものでは?」

 

「先輩方なら時期的に引退した。二年生の生徒会員は居ない、一年生も噂や話を聞いたんだろう。君以外に誰も入っては来ない」

 

「おかしくないですか?」

 

「そもそも私は空気を読むとか、他人を気遣うとか出来なくてね。一年生の始めにクラスの気にくわない奴に注意したら、嫌がらせされるようになってね。私は嫌がらせで生徒会に入会する事になった」

 

「だからって先輩一人になるってのは……」

 

「話は最後まで聞き給え。私は生徒会に入会する事になったが、私に嫌がらせしていた連中はどうやったのか全クラスで口を合わせる事に成功したらしい。お陰で今の私の学年からの立候補はゼロ。先生方も、最初こそ誰か見つけようとしていたらしいが諦めた。だから必然的に私一人になったんだ」

 

「そ、そうだったんですか……」

 

 僕が引きつった笑みを浮かべると、先輩は紅茶を入れて僕の机に置いてくれた。

 

「僕は、その。入学してからずっとコミュニケーションに失敗して、学内に友達が一人も居ないんですよね……。それと職員室に呼び出されちゃったんですけど、考え事してたら先生の話聞き逃しちゃって」

 

「……はぁ、何をやっているんだ。君は」

 

「いえ……。先生に友達とかの交友関係を聞かれた時にちょっとトリップしちゃって」

 

「そうか……まぁ良い、君は友達の数をステータスとして自慢するタイプか? そうじゃないなら友達なんて居ようと居まいと変わらん。それで君自身の価値が変わる訳じゃない、気にするな。それでも尚友達が居ないのが気になると言うのならば、私が愚痴くらい聞いてやろう。ただし、しっかりと仕事をする前提だが。私の名前は高田凛子という。君、名前は?」

 

 高田先輩はそう言うと、右手を差し出して来た。確かに口は悪いけど、この人自身は悪い人じゃないのかな。僕は高田先輩の手を取り少し笑うと、鈴木先輩も少し口角を上げた。

 

「有馬末広です。よろしくお願いいたします」

 

「あぁ、よろしく。有馬君」

 

 

 

 こうして、僕達二人の日々が始まった。




 腰がーッ! 腰そのものがーッ! 一年ぶりにパン工場行ったら腰が筋肉痛でイカレました……。やべ、見直す前にミスって投稿しちまった。疲れてると碌な事ないな……。8話書きながら凛子の名字がまさかの両親離婚後の名字になってた事に気が付いた、過去回なのに……。

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