星に導かれし者 ~戦闘狂の外部協力者は、転生した探偵見習い?~   作:伊達 翼

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勢いで始めてしまいました…。

まぁ、色々と設定が緩い部分も多々あると思いますが…。
温かい目で見ていただければ幸いです。


第一話『転生』

 あれ?

 俺、どうしてこんな一面真っ暗な暗闇みたいなとこにいんの?

 

 一寸先は闇、どころか本当に何も聞こえないし、見えない…いや、言葉は正確に言おう。

 見えないんじゃない。

 視界一面が黒く見えてる(・・・・・・)んだ。

 

 ………………あんま変わんなくね?

 

 そんな独り言…というか、思考を巡らせていると、直前の記憶を思い出す。

 

 あ~、そうかそうか。

 俺、子供が轢かれそうになったのをダイビングして助けたようとしたのか。そんでさては轢かれたな?

 なんて、テンプレな…。

 あの子は無事だったろうか。

 身を挺したのだから無事であってほしいものだが…。

 

 そこまで考えて俺…紅神(べにがみ)(しのぶ)…は、ふと意識を周囲に向ける。

 

 これが死後の世界というやつかね?

 なんとなくだが、死後というとまずは三途の川をイメージしてたんだが…そうでもないんだな。

 

 という感じに死後のイメージ云々を考えた後、俺は死ぬ前のことを考える。

 

 思えば、この十九年…親父の探偵稼業を手伝い、伯父さんに武術の扱きを受け、叔母さんに座学と何故か帝王学を教わり…そして、息抜きにサブカルを楽しんだが…やはり、時間は有限なんだな、と今は思う。

 

 うんうん、と頷いててみるが、実際に頷いているのかは甚だ疑問だし、視界が黒いしでいまいち感覚がわからんがな。

 

 すると…

 

 ピコン。

 

 うん?

 なんだ、この音は?

 この状況下では違和感しかない…そう、まるで電子音のような音は…?

 

『異世界へようこそ!』

 

 ふと視界を見上げる…見上げたのか?…と、視界に半透明の板が浮かび、そんな文言があってその下にあるボタンが光り輝いていた。

 

 これを押せ、と?

 

 他にやることもないし…とりあえず、という気持ちでボタンを押した。

 あ、今、普通に手が見えたわ。

 肉体自体はあんのか?

 不思議空間が過ぎるだろうよ。

 

『おめでとうございます! あなたは厳正なる抽選の結果、異世界への転生権を獲得しました。これより、あなたの魂を転生神(急遽代行の神)の下へ送ります。そちらで転生の準備を行ってください』

 

 ………………。

 

 きっと、今の俺はアホ面を晒していることだろう。

 

 いや、ちょっと待て。

 なんだ、その急遽代行の神って…?

 日本では八百万というくらいだから、それこそ神も千差万別なんだろうけど…。

 急遽て…本来の転生神?とやらどうした?

 

 って、ちょい待て?!

 なんか周りが光り輝き出して…!?

 

 次の瞬間、俺の目の前は真っ黒な暗闇の空間から、若干星々が煌めくような宇宙空間みたいな場所に移動していた。

 

『な、なんじゃこりゃぁああ!!』

 

『アンタ、その世代じゃないわよね?』

 

『あ、すみません…つい、なんとなく…』

 

 目の前で俺の絶叫に呆れている神様?に謝罪する。

 

『つか、神様?もこのネタ知ってるんすね』

 

『気にするとこ、そこかい? まぁいいけどさ。で、転生の件だけど…』

 

 見た目は俺と同世代の女性に見えるどこかサバサバしたような雰囲気を持った神様…この場合、女神様か?…はそのまま此度の転生の説明をしてくれた。

 

『本来は私の管轄じゃないんだが、あいつの部下の天使が泣きついてきてな。仕方なく今回だけ変わってやったんだ。ありがたく思え』

 

 説明をしてくれた後、女神様は愚痴をこぼしながら俺にそう言ってきた。

 

『はぁ』

 

『気の抜けた返事だな、おい。ともかく、アンタが転生するのは…まぁ、アレだ。剣と魔法のファンタジー世界だよ。アンタはその世界に転生するに当たり、スキルやら何やらを決めなきゃならない。あ、時間は気にしなくてもいい。ここは時間の概念がないからね。準備はしっかりするんだね』

 

 なるほど。

 剣と魔法のファンタジー世界と来たか。

 これまたテンプレな…。

 だがまぁ…今まで経験したことのないことが出来るのは、こう…ワクワクしますなぁ!

 

『アンタ、順応早すぎない?』

 

『おっと、声に出てました?』

 

『私だって神の端くれだよ。アンタの内心なんて見え見えさね』

 

 そういうもんか。

 まぁいいや。ともかく、スキルスキルっと…。

 

『って、うお!? なんだ、この数!?』

 

『ホント多いわよね。ま、ゆっくり考えなさいな』

 

『むむむ…』

 

 そうして俺はスキル一覧を長々と確認すること体感で数時間。

 

『これは必須。これもあって困らないからいいとして…残りをどうするかな…』

 

 俺は今、スキル『成長率倍化』と『スキルポイント倍化』を見つけ、それを選んだわけなのだが…他にこれといって目ぼしい、というか心躍るスキルがない。

 

『なぁ、女神様。スキルポイントってスキル以外に使い道ないの?』

 

『ん~? ちょっと待ってなさい。え~っと………あぁ、一応あるわね。転生時限定だけど』

 

『それはなんぞ?』

 

『見た目の変化とかね。結構な量を消費すれば、整形紛いも可能みたいよ?』

 

『え~…』

 

 それを聞いて俺はあからさまに嫌な顔をする。

 

『興味なさそうね?』

 

『そんなんしたら前世の全否定じゃね? 前世の親に謝れよ、って俺なら言うね』

 

『あっそ』

 

『あ、でも、髪と瞳の色は趣味色にしたいかも』

 

『おい』

 

 さっきの言葉はなんぞや、と言いたげな女神様のツッコミを笑って誤魔化す俺。

 

『まぁ、色程度ならそこまで使わないからいいけど…趣味色って何よ?』

 

『あぁ。ゲームのエディットで使ってんだが、黒の混ざった銀髪と、右が琥珀で、左が真紅のオッドアイ的な?』

 

『男の子ね~』

 

 ホントに呆れたような声音で言われちゃ、こちらとしても恥ずかしい限りである。

 まぁ、色だけは変えてもらうが…。

 

『あとは………おっ? なんだこれ?』

 

 俺は転生特典一覧とやらにあったあるスキルに目を付けた。

 

『あぁ、それはホントに転生時の特典ってやつね。普通なら手に入らない、後天的に取得が無理なスキルね』

 

『へぇ~』

 

 その一覧にあったスキルの中で、俺はふと心惹かれた『星に導かれし者』とやらを選択した。

 

『それでいいの?』

 

『あぁ。スキルポイントをごっそり持ってかれたが、悔いはなし。あとは残りのポイントで適当に、っと…』

 

 そして、俺は残ったスキルポイントで『軽業(D級)』と『青魔法(F級)』とやらを取得した。

 

『よし。これでいいかな?』

 

 まるでゲームのアバター作成してる感じで楽しかったので、よしとしようか。

 ここまで悩むのも久方振りだが…。

 

『決まったのね?』

 

 俺が満足げにしているのを見て女神様が声をかけてきた。

 

『イエス・マム』

 

『誰がアンタの上官よ。ともかく、転生していきなり死ぬようなことはするんじゃないわよ?』

 

『それはもちろん。せっかく拾った命、無駄にはしたくない』

 

『そ。なら、よい転生後ライフを送りなさい』

 

『色々とありがとうございました』

 

 俺がお辞儀すると、女神様は適当に手をブラブラさせる塩対応をしてきた。

 

『いいのよ。ただ、あいつが帰ってきたら文句を言ってやるわ』

 

『あいつ?』

 

『本来の転生神よ。ったく、面倒な代行をやらせんじゃないわよ』

 

 神の世界ってのも大変なんだな…。

 

『じゃ、今度こそおさらばよ。せいぜい頑張りなさい』

 

 それを最後の言葉に俺の意識は遠のいていった。

 

 

 

 しかし、異世界ファンタジーに転生か。

 やっぱり、ワクワクしてきますなぁ!!

 

 そうして俺…シノブ(変更権があったらしいが、結局名前は変更しなかった。だって今更他の名前で呼ばれても違和感しかねぇし)は剣と魔法のファンタジー世界へと転生するのだった。

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