星に導かれし者 ~戦闘狂の外部協力者は、転生した探偵見習い?~   作:伊達 翼

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第二話『静謐街パーズ』

「ん…?」

 

 次に目を覚ました時、俺は見知らぬ土地…具体的に言えば、木々が生い茂った森の中…にいた。

 どうやら、俺は樹木の根元辺りで眠っていた、ような設定なのだろう。

 

 魔物とかいたら危なくね?

 

 と思わなくもないが、ともかく目覚めたからには色々と確認しなければならない。

 

「よいしょ…《ゴトリ》…っと?」

 

 立ち上がった拍子に何かを落としたようだ。

 はて、なんだろうか?

 

 すぐに視線を下に向けると、草むらに…………。

 

「…………ファンタジーの世界にこれを持ち込んでしまっていいのだろうか?」

 

 しばしの思考中断から復帰した俺は、落ちていた妙に厚みのあるスマートフォン(・・・・・・・)を持ち上げる。

 

「まぁ、転生特典だし、いっか」

 

 結論、こんなもんを持たせる特典が悪い。うん、そういうことにしよう。

 

「さてさて、それははともかく、あとは?」

 

 座ってた場所や自分の身を調べてみると、さらにいくつかのアイテム?らしきものを発見した。

 

 まず、これまた機械的なバックルがベルトを展開して腰に巻かれていたり、左腕になんか知らんがカバー付きのブレスレットが装着されてたり、何に使うか今んとこ見当がつかない引き金の付いたグリップがあったりと…おおよそファンタジー世界に持ち込んでいいのか、甚だ疑問な装備一式があった。

 さらには木の根元に麻袋に入ったUSBメモリ型の端末がざっと十二本。全部色違いで、表面中央に黄道十二星座のシンボルが描かれたモノだが、この世界に黄道十二星座の概念はあるんだろうか?

 

 俺の記憶が正しければ…これはそう、特撮モノでよくあるような変身アイテムではないか!!

 いや、サブカル文化を堪能してた身からしたら嬉しくはあるが…実際に手にすると、こう…慣れないとならない感がひしひしと伝わってくるような……うん。

 

 とりあえず、人目につかないところで練習したい…。

 人前でやるには少々ハードルが高いような気がしないでもない。

 

 っと、こんなもんかね?

 

 周囲にもう何もないことを確認しながら俺は最後に、女神様が説明で言ってたステータス画面とやらを出すことにした。

 

-----

 

シノブ 19歳 男 人間 星導者

レベル:1

称号:なし

HP:15/15

MP:17/17

筋力:4

耐久:1

敏捷:6

魔力:3

幸運:5

 

 

スキル:星に導かれし者(固有スキル)

    青魔法(F級)

    軽業(D級)

    成長率倍化

    スキルポイント倍化

 

 

スキルポイント:0

 

-----

 

 ふむふむ。

 紙装甲だが、まぁ問題はないかな。

 しかし、なんだろうな。この星導者ってのは?

 職業、なのか?

 名前、年齢、性別、はわかる。で、おそらくは種族なんだろうな。となると、最後は職業的なやつになるんだろうが…。

 う~ん…………………まぁいいか。特殊ジョブみたいな感じで考えておけば。

 

 ステータスもレベルを考えれば、まぁまぁだろう。多分。

 ここから成長率倍化やスキルポイント倍化の恩恵があると考えれば、きっと大丈夫だろう。

 あとは…レベル上限が気になるくらいだが…ま、そこは上がった時にまた考えよ。

 

 スキルは…固有以外は女神様のとこで確認済みだしな。固有だけ改めて調べるか。

 

-----

 

『星に導かれし者』

黄道十二星座の力に導かれし者で、職業・星導者を得る。

星々の記憶が秘められた十二本のメモリの力を操ることができ、それらを用いるための装備一式も同時に与えられる。

装備はスマートフォン型の『ネクサス』、ブレスレット型の『ナイトブレス』、バックル装備の『スタードライバー』、グリップ型の『ファルゼン』がある。

十二本のメモリ群は『黄道が導く記憶(エクセンシェダーメモリ)』と総称される。

 

 

・関連項目

 

『星導者』

星々の力を操り扱う者に与えられる職業。

星占術師や星詠みとはまた別として扱われる。

 

 

-----

 

 なるほど。

 ………サッパリ意味は分からんな。

 

 あと、今気づいたが、所持金はどうだったかとズボンのポケットを調べたら雀の涙程度しかなかった。

 それと言語や読み書きについては…確か、自動的な転生特典の一つで習得済みだったか。

 

 装備については……まぁ、またあとでゆっくりと調べるか。

 今はとにかく、近くの街に行って宿を確保しなければ…。

 野宿もできないことはないが、現状でのそれは危険だろうしな…。

 

 というわけで、俺はネクサスというスマホを操作して地図データを引っ張り出す。

 

 え~っと、この近くで街というと…パーズ、という街があるようだ。

 まずはそこを目指しましょうかね。

 

………

……

 

 そうして俺は森の中を歩いていく。

 

 改めて見ると、俺の格好は旅人が着るようなものだ。この世界の標準的な旅人装備なんだろうか?

 そこに不釣り合いな装備がいくつか…と、ちょっと…どころか、結構怪しいのでは?

 

 とは言え、これらを全部持ち歩くにしてもベルト部分の左側にはネクサスを収められるポケットがあったり、腰裏の方にはグリップを装着できるアタッチメントがあったりと…無駄に良いこと尽くしなので外すに外せない…。

 まぁ、メモリもこんな麻袋ではなく専用のケースか何かに収納しておきたい気持ちが強いといえば、強いのだが。

 

 そんなことを考えつつ、俺はネクサスに表示されるマップを頼りにパーズを目指しているわけだが…そろそろ見えてきてもおかしくは…………お?

 

 まだ少し距離があるものの、周囲を石壁で囲われた大きい街が見えた。

 

 アレがパーズか。

 さてさて、どうなることかね。

 

 

 

 俺は期待と不安を同じくらい膨らませながらも、あと少しという距離にあるパーズへと向かうのだった。

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