星に導かれし者 ~戦闘狂の外部協力者は、転生した探偵見習い?~   作:伊達 翼

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第三話『冒険者』

 そして、辿り着いたパーズの門前で、俺は門番と話していた。

 

「ようこそ、パーズへ。君は冒険者かい? すまないが、ギルド証か、身分証を見せてくれないかな?」

 

 おっと、いきなり難題が降ってきたぞ。

 俺はどっちも持ってねぇ。

 

「すみません。どっちも持ってないんですよ。なにぶん辺境の田舎育ちなもんで」

 

 と適当なことを言ってみた。

 つか、ちゃんと言語は理解できてるな。これなら読み書きも問題なさそうだ。

 

「あ~、なら仕方ないね。ここで身分証は発行できるから、そちらに移動してもらおうかな?」

 

 よくあることなのかどうかは知らないが、門番の人は朗らかに笑って案内してくれた。

 

「それにしても珍しいモノを身に着けているね」

 

 ただ、移動中に門番の人からネクサスとかの装備について色々と聞かれたので、適当にはぐらかしたけど…やっぱ、目立つんだな…。

 

 

 

 そうして俺は身分証を発行してもらい、雀の涙程度しかなかった所持金を全て失ってしまった。

 ちょうど身分証を発行できる金額だったとは…これは早々に金を貯めなくては…。

 

 しかし、門番の人の言から冒険者なるものがあるのは確認済みだ。

 それとなく門番の人に聞いたら冒険者ギルドもあるそうなので、その道順も聞いておいた。

 

 異世界転生して冒険者になる。

 こういうテンプレも嫌いじゃない。

 

 そして、やってきました。冒険者ギルド!

 ネクサスで調べれば一発だったかもしれんが、コミュニケーションは大事よ。うん。

 あと、ここに来る途中までに色々な視線が俺に向いてきたが…やはり、装備のせいだろうか?

 

 とりあえず、気を取り直して…。

 ではでは、失礼します。

 

 入り口から冒険者ギルドへと入ると、まずは受付カウンター、次いでカウンター横の酒場も目に入ってきた。

 

 いいね、この雰囲気。まさに冒険者ギルドです、みたいな。

 ゲームではなく、リアルで味わえるとは。

 あと、こういうのはイメージだが、酒場には筋肉系のオッサンが多いと思ったが、若い男女もちらほら見える。

 やはり、装備のせいか妙に目立ってしまうな。

 ともかく用事を済ませてしまおう。

 

 俺は受付カウンターの列に並び、自分の順番を待つ。

 

「お待たせしました。本日はどのようなご用件でしょうか?」

 

 落ち着いた雰囲気の受付嬢に問われ、俺は用件を伝えた。

 

「すみません、冒険者登録をしたいのですが…」

 

「登録ですね。かしこまりました。それではこちらの用紙にご記入をお願いします。代筆は必要ありますか?」

 

「いえ、大丈夫です」

 

 受付嬢から用紙を貰い、読みは問題ないことを確認した。これなら書きも大丈夫だろう。

 で、えっと…記入項目は、名前と職業のみ。

 名前はともかく、職業はどうするか…。下手に『星導者』なんて明らかな特殊ジョブの名称を書いてもきっと混乱を招くだろうしな。となると…一応、青魔法を使えることだし、青…魔法使いか? それとも魔導士か?

 

 変な二択を自分自身に突きつけた俺は、名前を書きながらのこの刹那でどちらにするかを決めた。

 

「これでいいですか?」

 

 俺は名前に『シノブ』と職業の方に『青魔導士(・・・)』と書いた用紙を受付嬢に手渡す。

 

「シノブ様ですね。少々お待ちください」

 

 うっし。正解だったらしい。魔法使いと書いたらどうなっていたかはわからないが…ともかく、変な疑念を持たれずに済んだのは大きい。

 

 内心でガッツポーズをしながらしばし待っていると、受付嬢が戻ってきて、ギルド証を渡される。

 ギルド証はカードになっているらしく、カードには翼が描かれていて、Fの文字も書かれ、カードの色は青という感じのものだった。

 

「それでは冒険者ギルドのシステムについて簡単なご説明をさせていただきます」

 

 そこで俺は冒険者ギルドのシステムやルールなどの説明を受けた。

 

 簡単に言えば、冒険者にはランクがあり、Sを頂点にAからFと下がっていくとのことだ。

 俺はまだ登録したばかりなので、F級からスタート。

 依頼はいたるところから受け付けており、その依頼をギルドがランク分けし、冒険者に掲示している。

 また、依頼は一つ上のランクの依頼までなら受けられるとのことで、F級でもE級の依頼を受けられるが、依頼を失敗すると違約金が発生するとのことだ。

 そして、依頼を十回達成すると、冒険者のランクが上がる。つまり、昇格するとのことだ。達成する依頼の回数は上位ランクになっても同じとのことだが、C級の昇格から試験も実施されるらしい。

 さらにパーティに自分以上のランクを持つ者がいるなら、受けられる依頼はその上限まで上がるが、仮に依頼達成したとしても自分のランクの達成数に加算されるだけ。

 この制度を利用して実力に見合わない者が昇格する可能性もあるかと思ったら、それを防ぐための昇格時の試験があるとのことだ。

 なるほど。確かに道理だと思った。

 依頼には討伐、護衛、採取、特殊の四種類があり、討伐系の依頼は倒したモンスターの身体の一部を討伐証明として持ってこなければならないので注意が必要。

 

 ここまでの説明を受け、俺は早速宿に泊まるための資金稼ぎのために依頼を受けることにした。

 

「初心者でもこなせそうな依頼はありますか?」

 

 そう尋ねて提示されたのは二つ。

 

ブルースライム×3の討伐

薬草×5の採取

 

 うん。確かに手頃な依頼だな。

 人目につかず、固有スキルの練習をするなら、討伐の方がいいか。

 

「では、ブルースライムの討伐依頼でお願いします」

 

「かしこまりました」

 

 依頼を正式に受けてから、冒険者ギルドを後にする。

 

 今は無一文なので装備は新しいものは買えないが、俺には『星に導かれし者』がある。

 練習がてら、色々と試してみようかな。

 

 

 

 あと、今更ながらこの世界では『魔物』ではなく『モンスター』なのね。

 まぁ、口に出してないからいっか。

 これから気をつけよっと。

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