星に導かれし者 ~戦闘狂の外部協力者は、転生した探偵見習い?~ 作:伊達 翼
冒険者ギルドから出て、そのまま俺は街を出てすぐの平原までやってきた。
改めて思うが、よく森でモンスターに遭遇しなかったな、俺。
まぁ、遭遇してても逃げの一手だろうが…。
とりあえず、周囲を見回し、誰もいないことを確認。
誰もいませんね、っと。
俺は麻袋の中からメモリを一本取り出そうとして考える。
ふむ。どれがいいだろう?
色別だし、適当なのを選んでもいいか。
そうして俺は麻袋の中に手を突っ込み、軽く混ぜてから一本のメモリを取り出す。
取り出したのは…。
「青紫色か。えっと、このシンボルは…なんだっけか?」
サブカル文化的に十二星座の名称は覚えているが、シンボルまでは覚えがないので首を傾げてしまう。
まぁ、起動させればわかるか。
ということで、早速メモリを起動させると…
『
という電子音が響く。
ピスケス…?
…………あ~、魚座か。
どんな能力を秘めてるんだろ?
つか、やっぱ、ファンタジーな世界に電子音ってどうなのよ?
違和感しかねぇな…。
そこまで考えて俺は重要なことに気付いた。
これ、どこに挿すの?
いや、いくつかコネクタというかスロットっぽいやつはあるんだけど…どれに挿すのが正解なのか、サッパリわからん。
とりあえず、ネクサスの右側にもコネクタがあったはずなので、まずはそこに試しで挿してみることにした。
挿した後、下に向かって九十度曲げることでネクサスの内部に収納できた。あ、これで邪魔にならないのね。便利だこと。
で、ネクサスに装填したはいいが…どんなことが出来るのさ?
そもそもメモリ自体の効果がわからんので、何とも言えない。
こんなことなら鑑定眼のスキルも取得するんだったな…失敗した。
仕方ない。レベルアップしたら鑑定眼のスキルを取ろう。
とは言え、わからないならわからないなりに検証するまでのこと。
ネクサスに装填した魚座のメモリを抜き、今度はナイトブレスのスロットに装填してみた。
すると、あら不思議。ローブが出てきましたよ。
………………えっ、出ただけ?
あんまり今は役に立ちそうになかったので、すぐにメモリを抜いて今度はスタードライバーのスロットに装填。
ピカリッ!
一瞬にして旅人装備から青紫色を基調にした忍び装束的な衣装に変身した!
なんだ、これ!?
忍び装束て…忍者か!?
つか、スタードライバーは衣装変換なの!?
無駄に高性能だな!
スタードライバーからメモリを抜くと、元の旅人装備に変わる。
ほっ。無一文なのに着替えてたら盗賊か何かと間違われかねないし…いや、あの格好で盗賊だったら、抜け忍じゃねぇかな…?
そんなわりとどうでもいいことを考えた後…
最後はファルゼンか。
頼むから今度はマシなことになってくれ…。
腰裏のアタッチメントからファルゼンを抜き、柄頭から差し込むタイプのスロットにメモリを装填した。
すると、グリップからやや反りのある三尺程度の片刃の刀身が伸びて日本刀のような形状になった!
しかも鞘まで現れた!
おぉ!
今までに比べたらなんかいい感じだな!
まぁ、青魔導士なのに、日本刀を持ってるのもどうかと思うが…。
つか、この世界に日本刀みたいなものは存在するのだろうか…?
しかし、これはこれで心強い。
伯父さんに鍛えられた剣術がこれで活かせる。
しかもメモリを抜けばグリップに戻るだろうから場所を取らないだろう。
となると…他のメモリだと別のアイテムだったり、衣装なり、武器が現れる可能性が出てきたな?
ネクサスのみ未だよくわからんのが残念でならないが…。
まぁいい。
この日本刀を使い、ブルースライムの討伐を成功させようじゃないか!
とりあえず、抜き身は危ないので鞘に収めてから改めてブルースライムを探すことにしたのだが…。
あれか?
平原の見晴らしはいいので、すぐに一匹だけいるそれっぽいのを見つけた。
見た目は正にスライムだし、色もよくある青だ。
こいつがブルースライムだな。
しかし、確か討伐するなら証拠となる部位が必要だったはず。
スライムの討伐となると…核、かな?
一応、それっぽいものも見えるが…さて、斬撃で倒せるのか?
魔法も試してはみたいが…俺、あんまMPがないしな~。
一発くらいなら使ってみてもいいかもだが…。
ここは節約も兼ねて近接戦でなんとかしよう。
そう決めた俺は、抜刀の構えを取り、間合いを詰めようとじりじりとにじり寄っていく。
『!』
ブルースライムに気づかれたようだ。
だが、突っ込んでくるなら好都合!
このまま、斬り込む!
伯父さん仕込みの抜刀術を用いて突っ込んでくるブルースライムに横一閃を叩き込む。
『?!?!』
HPや耐久がそこまで高くないのか、一撃で仕留めることに成功した。
……したのだが、俺は抜刀の際に妙な違和感を感じていた。
いつもより身体のキレが良くないというか…。
これはアレか?
対応したスキルを持ってないと身体がついていかないとか…?
もし、そんな仕様があったのなら、マジでスキル決めをミスったとしか言いようがないのだが…。
しかし、ある程度ならスキル無しでも動けるようだが…。
というか、この世界でのスキルの重要性が浮き彫りになったような気がしないでもない。
色々と検証しなくてはならないことができたな…。
これは早々にレベルアップし、鑑定眼を入手しなくては…。
ひとまず、色々と検証するにしてもまずはレベリングが必要だな。
というわけで、まずは規定数のブルースライムを討伐しなくては…。
それから俺は一体目のブルースライムで感じた違和感修正すべく動いたが、どうもやはり身体は軽いが、動きが鈍いという変な感覚を覚えていた。
そういや、軽業をD級まで上げてたからそれで身体自体は軽かったのかもしれないな。
そうして三体目のブルースライムを倒したところで…
~♪
レベルアップ時によく聞くようなファンファーレが聞こえてきて、次いで目の前にステータス画面が表示される。
おっ、レベルアップしたのか。どれどれ。
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レベルアップ! レベル1→レベル2
シノブ 19歳 男 人間 星導者
レベル:2
称号:なし
HP:25/25(+10)
MP:25/25(+8)
筋力:12(+8)
耐久:3(+2)
敏捷:24(+18)
魔力:9(+6)
幸運:11(+6)
スキル:星に導かれし者(固有スキル)
青魔法(F級)
軽業(D級)
成長率倍化
スキルポイント倍化
スキルポイント:80
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倍化の影響か、結構貰えたな。これが一般的かどうかは知らんが…。
ステータスも上昇値が俺的には良い塩梅だ。相変わらずの紙装甲には変わりないが…。
まぁ、スキルの取得は宿を決めてからでもいいか。
ぐぅ~。
すると、お腹の虫が盛大に鳴いた。
そういや、一文無しだったから飯もまともに食ってないことに今更ながら気付く。
駆け出し冒険者な俺の懐にも優しい宿があればいいんだが…。
色々と検証するにしても明日からでもいいだろう。
うん、決定。今日はもう戻ろう。
とりあえず、ブルースライム三体分の核を回収した俺は、一度パーズへと戻ることにした。
もちろん、ファルゼンからメモリを抜いて麻袋の中に戻してからだが。
武器無しで外に繰り出たんだから、できるだけ違和感を持たれないようにしないとな?