星に導かれし者 ~戦闘狂の外部協力者は、転生した探偵見習い?~ 作:伊達 翼
おはようございます。
異世界生活も二日目に突入しました。
宿屋の部屋で起床した俺は一言呟くことにした。
「夢オチではなかったか」
一応、自分の頬をつねってみるが、痛かった。
それにここは昨日寝た時に見た精霊歌亭の部屋である。見慣れた俺の部屋ではないことは確かだ。
さて、朝飯を食ったら検証と、宿代を稼ぎにギルドへ向かいますか。
………
……
…
身支度…というほどでもないが…をしてから枕の下に隠した装備一式とメモリの入った麻袋を手に、俺はまず下の酒場でクレアさんの出してくれた朝食を平らげ、冒険者ギルドへと向かった。
うん。やはり、クレアさんの料理は絶品だな。
ぜひとも今後もお世話になりたい。
故に今日も頑張って討伐依頼を中心に頑張ろう。
まぁ、メモリの力を検証するのがメインでもあるんだが…。
特にファルゼンに装填した時の力を確かめないとな。
魚座は鞘付きの日本刀なのは確認済みだから…あとは十一本分か。
とは言え、だ。射手座はなんとなく容易に想像できるが、他がなぁ~。
まぁ、確認も大事だから結局は試すんだけどさ。
この武装の種類によってはスキル構成も改めて考えなくてはならないしな。
結構重要だな。
ふむ。
しかし、一本一本確かめては何日かかるかわからんしな。
ここは一つ、検証も兼ねて
現状、ネクサスの反映効果って、なんというかわかりにくいしな。
今回はネクサス以外に使うか。装身具、守護服、武装。目に見える形のやつをまずは確かめるかな。
昨日見てたメモリに宿った記憶…漢字二文字の単語…の意味はいくつかわかるっちゃわかるが、効果がいまいちまだ掴めてないからな。反映させてデバフ系のデメリットだったら、目も当てられないし。
というわけで、今回から色々試してレベリングしないとな。
そして、俺は冒険者ギルドからE級の討伐依頼を受けることにした。
昨日受けたF級の討伐依頼の感覚から、俺は少し違約金覚悟で上のランクの討伐依頼を受けることにした。
受付嬢から聞いた話によると、ケルヴィンさんですら最初の二つはF級であったらしいが、その後はE級を中心に依頼をこなしてったそうだ。
しかし、俺の場合、金の問題もあるが…それよりもメモリの性能を早く知りたいという欲求が勝っている。それを短期間、かつ実入りが良さそう、且つ実験台にできそうな集団戦を行うにはE級からの方がいいだろうという判断だ。
尚早な判断かもしれないが、いずれは通らないとならない道だ。
ならさっさと通った方がいいだろう。一対多の戦い方も伯父さんから教わっているので、退き際も弁えてるつもりだ。
それに俺…現状ソロパーティだしな~。
悲しきかな。こんな特殊職業…そうそう公にはできんのよ…。
こういうことに気兼ねしない仲間が欲しい…。
とは言え、現状は無い物ねだりだ。
ならば、今ある装備を使って上手く立ち回るしかない。
受付嬢からも大丈夫かと心配されたが、俺は大丈夫だと言って依頼を受けた。
今回のE級討伐依頼の対象モンスターはコボルトを十体ほど倒さなくてならない。
しかし、コボルトか。
サブカル的に犬が人型を模したようなやつだったか?
これは俺の精神面を試すいい機会かもしれん。
伯父さんに教わった対人戦は、あくまでも武術の試合的なものだ。殺しはしない。
モンスターと言えど、人型生物を殺せることができるのか…。
一瞬の迷いが死に繋がりそうだが…やるしかない。
ここはきっと…そういう世界なのだから…。
冒険者ギルドを後にした俺は、一回だけ深呼吸をしてからコボルトのいるとされる平原と森の境目へと向かうのだった。
………
……
…
街から出た後、俺は道脇を逸れて人目につかない場所に移動する。
「起動する際の電子音は、もうお約束というかなんというかだな。今は極力隠してるけど、いずれバレそうだよな~」
そういうわけで麻袋の中から青紫色こと魚座のメモリを取り出し、早速起動する。
『
さて、今回は初手ということもあり、ファルゼンに装填しておこうか。
ファルゼンに魚座のメモリを装填し、日本刀の形を取らせ、鞘に収めてからその場に一旦置く。
さてと、お次は…。
昨日、鑑定眼を使った時点で色と名前は覚えたので、目的のメモリを二本取り出す。
その二本のメモリの色は銀と赤紫。蟹座と蠍座である。
魚座を含め、この三本は水のエレメントに属するメモリだ。
そう、俺が立てた推測は、同じエレメントに属するメモリは同時に使えるんじゃないか?
というものだ。
問題はナイトブレスとスタードライバーのどっちにどっちを装填するか、だが…。
まぁ、どうせローテするし、物は試しだ。
『
『
とりあえず、二本とも起動させた後、蟹座のメモリをスタードライバーに、蠍座のメモリをナイトブレスにそれぞれ装填した。
ピカッ!
次の瞬間、旅人装備から銀を基調にした兜のない東洋の鎧武者のような衣装が身に纏われ、右足首にアンクレットが出現した。
お、おぉ~。
なんと和風な装いか。
これに魚座の日本刀を持てば、立派な武者じゃないか。
まぁ、アンクレットはやや不釣り合いかもしれんから、効果がわかり次第、蠍座だけネクサスに装填してもいいかもな。
そんなことを考えながら置いていた魚座を装填済みのファルゼンを持ち上げる。
うん。特に異常も感じないし、エレメントに関する仮説の立証はできたかな?
ただ、若干動きにくいが…まぁ、こればかりは慣れか。
あとは…戦闘時にいかにしてメモリを手早く交換できるか、かな?
これは結構大事なことだ。
状況に応じてメモリの交換ができれば戦術の幅がグッと広がる。
まぁ、絶対に隙を作るだろうし、そこを補えるような仲間が欲しいなぁ(切実)。
今はまだ検証段階だから事前に用意はするが、それが終わればその練習もしないとな。
あと、青魔導士としての腕も磨かないとか…。
一応、冒険者ギルドに登録した時は職業を青魔導士にしたし。
………………本来の職業を名乗ってるならともかく、魔導士としての格好とは程遠いな~。
しみじみとそんなことを思いつつ、俺は改めてコボルト討伐へと向かった。
他の冒険者とエンカウントしませんように。
って、これ、もしかしてフラグかな?