犬系女子との付き合い方   作:りんご(仮)

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ゴールデンウィークの時期がやってきました。皆さんは何連休ですか?私は11連勤です。もう一度言います、11連休ではなく11連勤です。7日まで休みありません。泣いていいですか?

今回は完全オリジナルです。しばらくは猫組メインになりそうなので犬組メインで中和します。


だいじゅうよんわ

いつものように学校から帰ってくると俺宛に一つの荷物・・・小包が入っていて差出人は今外国で仕事している父さんからだった。添えられた手紙を読む。日頃から父親らしいことが何一つできてないということで父さんが住んでるところの有名なパティシエが作ったチョコレートが送られてきた。父さん曰く、俺が最近お菓子作りに凝ってることをじいちゃんが話したらしく俺にはこれくらいのことしかできないと言われた結果チョコレートを送ることにしたらしい。ついでに仕事の風景の画像も届いていたけど仕事の関係で今、父さんは貴之さん・・・まゆのお父さんと一緒にいるらしい。俺は心配ないから兄弟水入らずで過ごしてほしいとだけ手紙に書いて返した。今時はリモートでも話せるし時代が進歩してるが竜崎家は代々手紙で気持ちを伝えるというのも大切にしてるから今回は手紙を添えて送ってきた。

 

「ふむ、しかしこんな高級そうなやつを一人で食べるのもなぁ・・・」

 

ネットで調べると世界的に有名らしく並ぶのに3〜4時間待ち、ネットでも予約で5年待ちの代物らしい。確か話によると職場の同期からもらったらしいがそういえば父さん甘いものだめだったんだよな。そのうちまとめて休みを取って帰ってくると言ってるがいつになることやら・・・

 

「じいちゃん、父さんにもらったチョコだけどせっかくだからいろはにも差し入れしてくるから」

「あやつも元気そうでやっておるようじゃな。便りがないのは元気な証拠という言葉があるが父親としてはもう少し手紙を送って欲しいところじゃ。貴行はたまにリモートするがあやつは仕事の忙しさもあって全くしてこないからのう」

「それでもこうやって手紙をくれたし、何より元気そうでよかったよ」

「そうじゃな・・・今日は猪熊さんも店はいるし心配せんでええ」

「猪熊さんにも差し入れようか?」

「いやええじゃろ。猪熊さん、最近の健康診断で血糖値が高かったらしくて甘いもの控えてるらしいから」

 

うちの唯一のスタッフである猪熊さんは大の甘党でありこういうのに目がないのだがいかんせん歳なこともあり長生きのために甘いものを摂生してるらしい。そういえばこの前も体調崩してたし心配だ。

 

「そっか、じゃあとりあえずいろはの家に行ってくるから」

 

そう言って俺は家を出て隣のいろはの家に向かう。ベランダで毛繕いしていてこむぎはスヤスヤと夢の中だった。起こしたら悪いしこむぎは寝かせておくか。

 

「よっ、いろは」

「辰輝くん、いらっしゃい。あっでもごめんね、今さっきこむぎ寝ちゃって・・・その袋、こむぎ用の新作でしょ?」

「えっ?ああっ・・・これは違うんだ。父さんから久しぶりに手紙と荷物が来てな。中にすげぇ高級なチョコが入ってるんだけど一人で食べるのもアレだと思ってさ。よかったらいろは食べるか?」

「これって世界的に有名なパティシエが作ってるメーカーのやつだ!辰輝くんのお父さん、よく手に入れたね!?」

「職場の人からもらったらしいけど父さん甘いものダメでさ。パートの猪熊さんも血糖値が高いから甘いものは控えてるらしいし。せっかくだ、お前の部屋で食うか」

「うんっ、そうだねっ」

「それでこむぎはどうする?起こすか?」

「いやっ、気持ちよさそうだし寝かせておくよ。家の中で人間の姿にするわけにもいかないし」

 

まあ、そりゃそうだな。他の人ならともかく家族に対して人のこむぎを紹介するのはちょっとまずいもんな。まああの人たちならある意味快く受け入れそうではある。特に剛さんはうちのこむぎと同じ名前か偶然だなとか言いかねない。とりあえずこむぎをそっと抱き抱えたいろははソファで寝かせてそのままいろはの部屋へ向かう。

 

「陽子さんや剛さんにも後で差し入れしておいてな。一応俺の父さんとはそれなりに付き合い長いし」

「うんっ、お父さんたちも喜ぶよ。辰輝くん紅茶なんだけど・・・」

「はいよっ、すぐに用意するからちょっと待ってろ」

 

俺は慣れた手つきで犬飼家のリビングを借りる。元々小学生の時までは結構な頻度で犬飼家ではお世話になっていた。というのもじいちゃんは前職が絡むと店を閉めてしまう。今はその理由で閉めることはほとんどないが小学生の頃までは割とあった。全然話そうともしてくれないが喫茶店に飾ってる画像を見る限りおそらく海外で働いてたのだろう。外国に飛ぶとなると結構時間もお金とかかるから1週間家を空けるのも仕方ないのかもしれない。ここ2年くらいはそんなことないけど。

そんなわけで犬飼家のキッチンに何があるかはお見通しでなんなら紅茶もいろはの両親からはお墨付きをもらってる。伊達にじいちゃんの孫を何年もやってるからな。

 

「お待たせいろ・・・・は」

 

部屋を開けるとそこにはだらけきった顔のいろはがそこにいた。ふにゃふにゃでまるで饅頭のような顔をしていた。キュアチューブで見たことあるぞ。なんか実況と解説を始めそうだ。てかなんでそんなふにゃふにゃに・・・とりあえず紅茶を机に置いて声をかけようとしたその時だった。

 

「あーっ、辰輝くんだ」

「お前っ、一体どうし・・・うわっ」

 

俺はいろはにダイブされてそのまま床に押し倒されてしまう。よかった、紅茶を先に机に置いて・・・ってそうじゃねぇ。

 

「いろは、一体何を・・・」

「えへへ、辰輝くんだぁ。ぎゅーっ!!辰輝くんの匂いだ。安心する〜すーっクンクン」

「いろは、離れろって・・・てか匂い嗅ぐな」

「だーめっ、絶対に離さない。匂い嗅ぐのもやめてあげなーい」

 

そう言っていろはは抱きしめる強さをあげて俺を離そうとしない。いろはから漂う独特な甘い匂いで俺までおかしくなりそうだが俺までいろはみたいになったらいよいよ終わりだ。とにかく一度冷静になって確認しないと。なんでいろはがこんなことに。そう思って床に倒れた状態で周りを見渡す。そこには一枚の紙切れが落ちていた。俺は頑張って手を伸ばしてその紙切れを取る。

 

「なになに?英語で書いてあるな。えーっと洋酒入りのチョコなので少量ですがアルコールを含みます。小さい子にあげるのは控えてください」

 

と書かれていた。つまりあのチョコはブランデー入りのチョコということになる。俺が目を離した隙にいろはがつまみ食いしたってことか?いやそれよりもまさかいろはお前・・・

 

「いろは、もしかして酔ってる?」

「えへへ、そんなわけないじゃん。私はいつもどーりだよ。だからこうやって辰輝くんに抱きつくのだっていつものことだよねー」

「待ていろは!これはいつもの範疇軽く超えてるだろ!てか洋酒入りのお菓子で酔うやつがあるか!」

「だから私は酔ってないってば!いつも通りだよー」

「酔ってるやつはみんなそう言うんだよ」

 

しかしどうする?俺は酔った人間を介抱なんてしたことがない。じいちゃんはお酒ほとんど飲まないしウチの周りの大人は節制が効くタイプがほとんどだ。てか洋酒入りのチョコで酔うとかどんだけ酒弱いんだよ。アルコールと言ってもほんの少量だろ?

 

「てか匂い嗅ぐな。今日体育あったしそのっ・・・匂うだろ?」

「ええっ?なんで、全然臭くないよ。むしろ癖になりそう・・・」

 

俺は全力で抵抗するがいろはが離れてくれる気配がない。この場にこむぎがいればまだなんとかなってたかもしれないがこむぎは今下の階で寝てる。つまり使い物にならないということだ。

 

「いろは、お願いだから離れてくれ」

「やだっ!」

「いやでも・・・」

「やだっ!」

「あのっ・・・」

「絶対やだ!辰輝くんから離れないっ!」

 

そう言って頬を膨らませながらいろはは抗議してくる。普段と全然違いすぎて天変地異が起きている。いろはが幼なじみじゃなかったら普通に理性飛んでる自信がある。いやっ、そんなところに自信を持ってる場合じゃねぇ。とにかく間違いが起きる前にいろはを説得しないと。

 

「いろは・・・どうやったら離れてくれるんだ?」

「・・・辰輝くんは私のことが嫌いなの?」

 

そう言ってウルウルと涙目になる。「私のことよりこむぎが好きなんでしょ!」と言ってくる。なんでそこでこむぎが・・・確かにこむぎは数少ない俺に懐いてくれてる動物ではあるから好きといえば好きだが別にいろはが嫌いというわけでもない。

 

「俺は別にいろはのことを嫌ってはいない。てかなんでそんな風に思うんだよ・・・」

「不安なんだよ・・・いつも当たり前のようにいる存在がいつか突然消えてしまうんじゃないかって。あの日、こむぎが出て行った時。胸が張り裂けるくらい不安になって・・・うぇぇえん!こむぎ、辰輝くん、いなくならないでよ!ひとりはさみしいよ!」

 

そう言っていろはは泣き出してしまった。時々今のいろはを見てると忘れそうになる。元のいろはは・・・初めてあったあいつはまゆ以上に繊細な子だ。繊細な上で変に勘がいい奴だからいい子にしてるというのを必要以上に無理して振る舞っていたことがある。いろはは自覚がないだけで溜め込んでしまう方のタイプだ。今はある程度のガス抜きもできているが・・・

 

「大丈夫だ、心配するな!いきなり俺が消えることなんてないから」

「・・・ほんと?」

「それに俺は将来は喫茶店を継ぐつもりでいる。だからどの道この街から離れるつもりはないから心配するな」

 

竜崎家は歴史を辿るとみんな外国で仕事しているという経歴がある。婿入りした貴行さんも今はカメラマンで世界を回ってるし。そういう観点から見たら俺が将来アニマルタウンから出る可能性は0ではないんだが・・・少なくとも喫茶ドラコネットがある限りは俺はこの街から離れるつもりは微塵もないわけだ。

 

「勝手にいなくならない?」

「いなくならないから心配すんな。ずっと不安だったんだな」

「うんっ・・・・」

 

そう言って泣きじゃくってるいろはを撫でてやる。いろはには教えておくがそう簡単に幼なじみという糸は切れないものだ。だってそれが幼なじみだからな。でなきゃ何年もお前と腐れ縁やってないんだよ。今もそして高校になってもなんやかんやで俺たちはずっと一緒にある程度の距離を保ちながら生きていく。それが幼なじみというものだ。

 

「辰輝くん・・・」

「何だよ」

「もう少しこのままでいい?」

「・・・好きにしろ」

「じゃあ好きにするね・・・」

 

そう言ってスーッと言いながら俺の匂いを嗅いでくる。こむぎで慣れたと思ったけど直接人間であるいろはにこうされると色々と思うことがある。まあでも俺たちが気がついてないだけでいろはもずっと溜め込んでだんだろうな。

しばらく撫でてやったら泣き疲れたのかそのままいろはは寝息を立てていた。せめて俺から離れて寝て欲しかったけど動けないしどうしたらいいのやら。

 

「ワンワンっ!」

 

どうやらこむぎが起きたらしいが俺もいろはも動けないため扉を開けることができない。すまんなこむぎ、諦めてくれと心の中で思ったら光る音が聞こえた。おいまさか・・・

 

「たつきのにおいがしたけど来てるの!」

 

こむぎは人間に変身してそのままドアを開ける。部屋には冷めた紅茶とチョコレートが机に置かれておりいろはは俺に抱きついたまま寝ていた。さてと俺の命日はここまでか・・・さらば来世は鳥になりたい。

 

「いろはばっかりズルい!こむぎも辰輝とおねんねするっ!」

 

そう言ってこむぎはしゃがむがそもそもこむぎに嫉妬の感情はないか。俺といろはがこんな状態でもこむぎからしたらじゃれあってる風にしか映らないわけで・・・だったら!

 

「その前にこむぎ助けてくれ!いろはが抱きついて離してくれない・・・ってそのままお前も抱きつくな!収集つかなくなるだろうが!」

「あれっ・・・クンクン。なんか甘い匂いがするよ。ねぇねぇたつき、机の上に置いてあるのなーに?」

「えっ?チョコレートだけど・・・」

 

ここでチョコレートと答えてしまったのがまずかった。大人しく石ころとか答えておけばそれだけでこむぎに関しては簡単に牽制できた。けど馬鹿正直に答えてしまったために・・・

 

「チョコレート!いろはが言ってた甘くて美味しいやつだ!こむぎも食べる〜」

「待てこむぎ!ストップだ!ストーップ!」

 

ダメだ、いろはがまずコアラのように抱きついてるから動けない。そして俺が静止したときには既にこむぎがもぐもぐと言いながらチョコを頬張っていた。遅かったか・・・まあでもこむぎは犬だし普通に考えて洋酒入りのチョコで酔うわけ・・・

 

「おいひぃ〜あれっ・・・なんか身体がポカポカしてきた」

 

こむぎが顔を赤くしながらぽわぽわーっとしていた。おいおいマジかよ、こむぎまで酔ったとか言わないでくれよ。収集つかなくなるから。

 

「なんか暑いなぁ・・・そうだ暑いなら服を脱いじゃえばいいんだ!」

 

そう言ってこむぎはそのまま服に手をかけてばんざーいしようとする。待て待て待て!人間の状態で服を脱ぐのはアウトだ!多少強引だけど俺は力ずくでいろはを引き剥がすとその勢いでいろははタンスに頭をぶつける。すまんいろは、だがこうするしかなかったんだ。俺は急いで起き上がりこむぎの両手を抑える。

 

「たつき・・・じゃましないで!」

「落ち着けこむぎ!服を脱ぐのはまずい!」

「だって暑いんだもん!じゃあたつきが脱がせてよ!」

「できるかぁ!!!!」

 

俺は全力で取っ組み合いになりながら服を脱ごうとするこむぎを全力で阻止する。もしこの場に陽子さんと剛さんが来たらもう色々とアウトだ。けど勝の言うようにこむぎの身体能力は犬の状態から受け継がれてるから正直俺と力の差はあんまりない。やむ終えない、こうなったら。

 

「こむぎ、すまんっ!」

 

俺はこむぎをそのままベッドまで誘導して押し倒して両手を塞いだ。今ここで脱がせるくらいなら押し倒してでもこむぎを止める。こむぎは抵抗するが直接的な意味での力では俺の方が上だ。体力さえ切れてくれれば自動で犬に戻ってくれる。そうすれば俺の勝ちだ・・・

 

「痛たたたたっ。私何してたんだっけ?確か辰輝くんと・・・・辰輝くん」

 

俺がこむぎを抑えてる間にいろはがどうやら起きたらしい。頭をぶつけたおかげか酔いが覚めてる感じだ。いつも通りのいろはだ。

 

「よかったいろは、酔いがさめたんだな・・・・」

「辰輝くん・・・こむぎと何してるの?」

 

そこにはハイライトを失ったいろはがそこにいた。俺はとりあえず自分の状況を確認した。酔って服を脱ごうとしたこむぎを俺が全力で止めようとして力技ではあるが無理やりいろはのベッドに押し倒して・・・

 

「いろはさん・・・あのっ話を聞いてくれませんか?」

「私が寝てる間にこむぎとイチャイチャしてたんだ。へーっ、ふーんっ・・・」

「だからこれはちがっ・・・」

 

その後の出来事はよく覚えてないけどこれだけは分かった。いろはとこむぎには絶対にお酒は与えてはいけないと。そして俺もああはなりたくないので大人になってもお酒を飲まないと固く誓った。ちなみに色々と伏せていろはにはこの件のことを話した。

 

「とりあえずお前らは成人しても絶対にお酒飲むなよ」

 

ちなみにキュアスタでその事を愚痴ったらいつも仲のいいフォロワーの一人が洋酒入りのチョコで酔うなんてありえないよね、分かるよその気持ちとリプが帰ってきていた。深くは聞かなかったけど多分この人も経験者なんだろうなと思い世界には案外洋酒入りのチョコで酔う人も結構いるらしいと結論付けた。




というわけでよくあるお酒で酔っ払う回でした。多分あのメンバー酒強いやつ誰もいない説ある。そんなわけで箸休めの回でした。次回はアニメ12話です。またしばらく猫組のターンが続きます。定時上がり利用してゴールデンウィーク終わるまでに更新できたらします。
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