犬系女子との付き合い方   作:りんご(仮)

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お待たせしました。新章、喫茶ドラコネット編スタートします!前回の話の続きです!おそらく最初で最後のわんぷりメンバーが誰も出ない回になると思います。


喫茶ドラコネット編
だいにじゅうろくわ


じいちゃんが帰ってきている。ユキとまゆが仲直りしてあの二人ならもう大丈夫だろと思った俺はその場を後にして帰路に着く。じいちゃんが帰ってくる前にお店の風通しとか手入れとかしようと思って家に戻ると喫茶ドラコネット・・・お店の電気がついていた。じいちゃんが出かける前に渡してくれた不思議なペンダントを始めじいちゃんには聞きたいことが山ほどある。俺は少しでも早くじいちゃんと話すためにお店から入ると一人の知らない女の子がいた。

 

じいちゃん曰く喫茶ドラコネットの新しい従業員らしく俺に近い年のスタッフは多分初めてかもしれない。ここは基本的に年配の従業員が多く、その中でもここの責任者を除く最高齢者は60代の猪熊さんだった。しかし猪熊さんももう歳なのと年々持病の悪化もありオープニングスタッフから長くいてくれてくれたが辞めることを決意したらしい。そのお別れもじいちゃんが戻ってくるのが遅かったせいでできないままになってしまったけど。そして猪熊さんが抜けたことによりお店が回らなくなることを危惧したじいちゃんは新しいスタッフを雇うため数日家を開けていた。そして新しくメンバーに加わったのが・・・

 

「私の名前はソラです。ソラ・ハレワタールといいます。年齢は15歳(・・)です。これからしばらくの間、よろしくお願いしますっ!」

 

彼女の名前はソラ・ハレワタール。じいちゃんの故郷から連れてきた新しいここのスタッフらしい。じいちゃんが目でお前も挨拶をしろと訴えかけてくる。まあ新メンバーの顔合わせも含まれてるだろうから一応こっちも自己紹介はしておくか。

 

「えっと・・・ここ喫茶ドラコネットのマスターの孫の竜崎 辰輝です。年齢は14歳です。よろしくお願いします。ハレワタールさん」

「ふふっ、ソラでいいですよ。ハレワタールはよびにくいでしょうから。あっ、私の方が歳は上ですけど別にさん付けもいらないので呼びやすい方でどうぞ。これから一緒に働く大切な仲間なんですから。無理に敬語を使うより自然体でいてくれた方がこちらとしても嬉しいです」

「そっか・・・分かった。ソラがそういうなら普通に接するけどいいか?」

「・・・マスターから話を聞いてましたけどその砕けてる感じの方がいいですね。辰輝くん、これからよろしくという意味を込めて握手しましょう」

「ああっ・・・」

 

そう言ってソラ・ハレワタールさんことソラと握手を交わす。真面目で礼儀正しくそれですごく元気な人だなと俺は思った。

 

「とりあえずソラにお店について色々教えないといけないが・・・辰輝、お願いしていいか?」

「えっ!いやっ、それはここの責任者でありマスターであるじいちゃんがやるべきなんじゃあ・・・」

「普通はそうなんじゃが、辰輝よ。お主は将来的にはここを継ぎたいと言っておったよな」

「そりゃあまあ・・・継げるなら継ぎたいと思っているが・・・」

「これから先、こういう場面も増えてくる。責任者になるとなおさらな。辰輝にはそういう経験はないしソラは年の近いスタッフでもある。基本的なことは辰輝が教えてやりなさい。ソラもそれでいいか?」

「はいっ、私はそれで問題ありません」

「年の離れた人に教えるよりまずは年の近い人間に教えるのが辰輝にとってもいいじゃろ」

「じいちゃん・・・」

 

やっぱり俺の憧れる人はすげぇよ。普段何を考えてるのか分からないのに人に対する距離感や配慮は完璧と言ってもいいくらい立ち回りが上手い。俺もじいちゃんのそういう立ち振る舞いや心構えがもっとあればいろんな動物とも仲良くなれるんだろうけど・・・・

 

「それでは辰輝くん、よろしくお願いします」

「・・・ところで気になってたんだけど一つ聞いていいか?」

「なんでしょうか!私に答えられることならなんでも答えますよ」

 

そう言って目をキラキラさせながらソラは俺にドーンとこいと言うかのように質問してしてオーラを出す。じいちゃんはサラッと言っていた。じいちゃんの故郷はここにいるソラさんと同じ場所だと。俺はじいちゃんのことを何も知らない。じいちゃんがどこで生まれた人なのか昔は何をしていたのか。じいちゃんに聞いてもはぐらかさられてばっかりだったけどソラは出身地同じらしいしじいちゃんのことをもっと知りたいから踏み込むことを決めた。

 

「じゃあ一つだけ。ソラはどこ出身の人なんだ?」

「・・・えっと、あのっ・・・それは・・・」

 

その質問をした途端にソラの目が泳いでいた。動揺もしているし汗がダラダラ流れている。出身を聞くのはそんなに地雷の質問だったのだろうか。

 

「あのっ・・・ちなみになんですけど。辰輝くんのおじいさん・・・マスターの龍郎さんがどこ生まれの人かは知らないんですか?」

「知らん。だから同じ出身であるソラに聞いたんだが・・・・」

「龍郎さんっ!?もしかして自分のことを何も教えていないんですか!?」

「仮にそれを言って辰輝が信じると思うか?」

「いやっ、それはそうかもしれませんが・・・」

「・・・なんか知らんけど俺はじいちゃんの言うことなら信じるぜ。じいちゃんは基本的に隠し事多いし自分のことを全然話さないけど。それでも俺はじいちゃんのことを知りたいって思ってる。尊敬している大切な俺のじいちゃんなんだからさ」

「・・・と言ってますが少なくともお孫さんの辰輝くんには話してもいいんじゃないんですか?てか龍郎さん、もしかして辰輝くんに今日から私がこの家に住み込みで働くことも言ってないんですか!?」

「・・・は?」

 

いや待て待て待て待て!?住み込みで働くってことはこれからソラと一緒に一つ屋根の下で暮らすと言ってるのか!?は?俺は何一つじいちゃんから聞いてないんだが。

 

「ちょっとしたサプライズじゃよ。びっくりしたか?」

「びっくりしたとかしてない以前にそうなら最初に言ってくれよ!?もしかして貴行さんの部屋を掃除したのも・・・」

「これからはソラにそこの部屋を使ってもらおうと思っててな・・・」

「じいちゃん・・・あんた一体何者だよ」

「・・・・・」

 

俺はじいちゃんがよく分からなくなってきた。ここにいるソラも素性は全くわからないがじいちゃんが俺に何かを隠している。隠し続けている。それは俺を思ってるために隠してることも。けどっ・・・

 

「俺はじいちゃんのことがもっと知りたいんだよ!大好きで尊敬してて憧れてるあんたのことがもっと知りたい。例えどんな現実を突きつけられても俺はじいちゃんを信じるし俺にとってじいちゃんは大切な家族の一人だ!それこそ実の親よりも長く過ごしてきたんだ!だから教えてくれ!じいちゃん」

「・・・あまり小さい頃からワシのことを辰輝に教えると混乱させるから黙っておいたのじゃが。まあ今の辰輝(・・・・)なら大丈夫じゃろ」

 

なぜかやたらと今の俺について強調したがじいちゃんは決意したのか全てを話すと約束してくれた。

 

「辰輝よ、もしワシがこことは異なる世界から来たと言ったら信じるか?」

「・・・・・は?」

「この世界とはまた別の次元にある世界のことですね。不思議なことにこの世界には色んな次元が色んな力や方法で繋がれているんです。私もここにいる龍郎さんも元は別の世界の人間です」

「スカイランドという国がある。ここからだとスカイランドに行けないが・・・お主、ソラシド市は知っておるか?」

「ここから車で1時間くらいで行ける街だったよな。じいちゃんがたまに買い物とか用事で行ってるから知ってはいるけど・・・」

 

あとソラシド市には50年来の付き合いのある友人がそこに住んでいるらしい。今も連絡取ったり、馬術クラブを通して会う程の仲らしいけど・・・じいちゃんがそのスカイランド人になるのなら俺は一応混血になるのか。4分の1だからクォーターになるけど。

 

「そこからゲートを開いて行けるところにあるスカイランド。そこがワシの故郷なんじゃよ。辰輝よ、そこに貼ってある写真があるじゃろ」

「ああっ・・・これのことか」

 

喫茶ドラコネットの壁にはじいちゃんが昔撮った何枚かの写真が飾られているがその写真の全てがどこで撮られたのか分からないものばかりだった。貴行さんもいつかそこに行って同じ写真を撮りたいと言ってカメラマンになったらしいけど・・・

 

「じいちゃん・・・まさかこの写真は!?」

「ワシの故郷、スカイランドで撮った写真じゃよ」

「いい景色ですよね。私は護衛隊の任務(・・)でここに写ってる場所は全部行ったことありますけど」

「元々カメラで色んな場所を巡って写真を撮る。それがワシの生きがいの一つでな、友人に頼まれて少し(いとま)をもらってからこの世界の調査も兼ねて地球にやってきたのじゃが・・・そこでこの町で運命的な出会いをしてな。もっとももう病気で亡くなってしまったが・・・」

「それがおばあちゃん・・・なのか」

 

会ったことはなく写真でしか見たことないが俺が生まれる少し前におばあちゃんは病気で亡くしてしまった。とても動物に懐かれてた人らしく全てを包み込んでくれる優しさが絵になる。そんな人だったらしい。じいちゃんの一目惚れと言ってたらしいが・・・

 

「辰輝よ、なぜワシが喫茶店を始めたか知っておるか?」

「いやっ・・・そういえばなんでじいちゃんは喫茶店を始めたんだ?前職の仕事の経験が役にも立つと言ってたけど・・・」

「前職の仕事の経験が役に立つのも事実じゃったが何より亡き妻がやりたいと言ったんじゃよ。じゃが結局前職の引き継ぎとか任期とか色々あってな。ここで喫茶店を始めれる頃にはもう・・・」

 

元々身体が弱い人だってことは話に聞いてたけどその重い病は現代の医療技術を持ってしても治せなかったらしい。けど死んでなお夫婦の夢を叶えると決めてじいちゃんは俺が生まれた頃くらいに喫茶ドラコネットを始めたらしい。

 

「だから少しずつ成長して辰輝が喫茶ドラコネットを将来継ぎたいと言ってくれた時は嬉しかった。じゃがワシも今は70代。今はまだ元気じゃが10年も経つと多分続けられないかもしれない。まあ諦めるつもりもないがのう」

「じいちゃん・・・」

「だからといってワシのせいで青春を不意にして欲しくないという気持ちもあるんじゃ。人生は一度きり、辰輝には後悔してほしくないんじゃよ。だからもっと楽しく学校生活を送ってほしい。家の手伝いをしてる時も辰輝は楽しそうにしておるのは分かっておるがな・・・」

 

じいちゃんが俺に気を使っていたのは知ってはいた。けど改めて・・・いやっ初めてじいちゃんの本音を・・・想いを聞かされるとこっちも思うところもある。じいちゃんの言うように俺は心の底からこの店が好きだし手伝うのも好きだ。じいちゃんが年配なのも、その割にすごく元気なのも知ってるが分かってる上で俺はじいちゃんに少しでも負担を減らしたいという思いもあって極力手伝うようにしてきた。同じスタッフの猪熊さんは年々体力が低下してることもあったし。

 

「もしかしてじいちゃんがソラを連れてきたのは・・・」

「辰輝に負担をあまりかけさせたくないってのもある。それに今は色々やることもあるじゃろ。お店のことはあまり気にしなくてもいい。まあ辰輝が好きで手伝ってくれてるのも理解はしてるが・・・」

 

これからは友達のことを優先してあげなさい。そうじいちゃんは言った。じいちゃんは初めて自分が異世界の人間だと言うこと、そして一緒に働くソラも異世界の人間だと教えてくれた。今の俺になら信じてもらえる。それは今の俺がこことはまた異なる世界のニコガーデンに関わってるから。それをじいちゃんが知ってて話してるのか知らずに話してるのか分からない。じいちゃんは自分が異世界の人だということを打ち明けてくれた。なら俺も打ち明けないといけない。だからすまんメエメエ。約束を破る俺をどうか許してくれ。

 

「じいちゃん・・・実は俺・・・」

 

最近、いろはたちと異なる世界から来た動物たちを助けてること。それとその動物を助ける際にペンダントを壊してしまったこと。プリキュアやガルガルの存在のことは伏せつつ、異なる世界のニコガーデンの動物を助けてることをじいちゃんに打ち明けた。あっ、やべっ。ここにはソラもいること忘れた。まあソラも同じ異世界人ならそこは理解してくれるかもしれないが。一応後で口止めはしておくか。

 

「そっか。話してくれてありがとな辰輝。それとペンダントのことじゃが心配せんでもそれはスカイランドで買った魔除けグッズじゃよ」

「魔除けグッズ?」

「こんな感じでスカイランドには魔除けグッズが色々あるんです。私もこのスカイランドのペンダントを持ってます。スカイジュエルが魔物たちの攻撃を守ってくれる優れものなんですが・・・私は正直持っててもしょうがないんですよね。一応規則で隊員はつけないといけないという決まりになってますので」

「魔物って・・・スカイランドには魔物がいるのか!」

「魔物にも色々種類がありますがね。私はその魔物を退治したり人々を助ける青の護衛隊に所属してるんです。今は訳あって隊長の命令という形としてこの世界でアルバイトをすることになったんですが・・・とにかくこのお守りは私ではなくあなたに必要なことは確かです」

 

そう言ってソラは自分の首についていたスカイランド産の魔除けのペンダントを俺に渡してくれた。ちなみに余談だがこのペンダントには襲ってくる動物を牽制できる力も備わってるらしい。俺、これつけてる間はそんなことなかった気もするが・・・まあガルガルの攻撃を防いでくれたのは事実か。ソラ曰くこのスカイジュエルで作ったペンダントには魔力が込められてるらしくその力で障壁が展開される仕組みになっているらしい。

 

「私は魔物退治ができるくらいには強さに自信があります。なのでもし辰輝くんが何か困ったことがあったら私に声をかけてください。相談くらいにはのってあげますので」

「そっか・・・じゃあもしその時はソラに頼るかもしれない。何かあったら相談するよ」

「辰輝よ・・・頑張るのはいいことじゃが無理せぬようにな。そのためにソラを連れてきてるのじゃから」

「分かってる・・・無理はしないつもりだ」

 

そうだ、まゆがプリキュアになれるようになった以上、俺は無闇にガルガルに近づく必要はない。ユキは猛反対してたが今のまゆは自分自身で身を守れる、まゆがプリキュアになれることに関しては俺は反対していない。むしろまゆはプリキュアになる前からニコガーデンの動物を助けることに関してはとても前向きな姿勢でいる。不本意ではあるだろうがまゆが頑張ると決めた以上嫌でもユキはまゆに付き合うだろう。まゆはニコガーデンの動物を助けたい。けどそんなまゆが傷つくことが嫌なユキ。そんな二人がお互いの気持ちを理解して助けて力を合わせればきっとそれは今までにない大きな力になる。

 

「日も暮れてきたし話はここまでにしよう。辰輝、ソラを部屋に案内してあげなさい」

「分かったよじいちゃん、ソラ。部屋はこっちだ。この部屋を綺麗にしておいたからしばらくはここを使ってくれ」

「ありがとうございますっ」

「俺は晩御飯を用意するからな」

「晩御飯・・・もしかして辰輝くんが作ってるんですか!?」

「ああっ・・・料理は数少ない俺の趣味だしな。と言ってもじいちゃんが今日帰ってくることも新しい住人ができることも知らなかったからカレーの作り置きくらいしかないが・・・」

 

そうっ、じいちゃんがいつ帰ってくるか分からないせいで何も準備できていない。作り置きしたカレーがあるくらいだがそういえばソラは辛いものは大丈夫なのだろうか。竜崎家のカレーライスは基本辛口で俺とじいちゃん二人だけが食べるなら基本はそのスタイルなんだが・・・あらかじめ教えてくれればもう少し何かやったんだけどな。

 

「カレーあるんですか!?私、カレーライス大好きです!!!」

「そ、そうか・・・」

「あれですよね、寝かせるとより美味しくなるって言いますよね」

「肉や野菜、スパイスに含まれる旨味成分が溶けてコクのある味になるんだよ。あと汁にとろみも出るしな」

 

ただこれも語弊があって鍋に残したままだとウェルシュ菌が繁殖して食中毒を引き起こすことがある。これは再加熱しても防げないが容器に移して冷蔵庫でしっかり冷やしてから再加熱したらその菌は死滅して防げるから本当に寝かせたカレーをより美味しく食べるならその辺の知識も必要になってくる。料理が慣れてきたときくらいに陥りやすい罠の一つとも言えるな。

 

「じいちゃんもカレーでいいか?」

「うむっ。すまんのう急に帰ってきて。当初は3日で帰るつもりでいたんじゃが・・・」

「何か問題でもあったのか?」

「問題というか・・・」

「シャララ隊長に捕まったり、あと王様たちにも捕まっていましたよね。龍郎さんはスカイランドではヨヨさんに並ぶすごい人でしたもんね。私も知ったときにはびっくりしました」

「隊長・・・王様?」

 

知らん名前の人や王様という不穏な単語が聞こえてきたが最後のヨヨさんというのは聞いたことある。ソラシド市にじいちゃんの古き友人の名前が確かそのヨヨさんという名前だったと思う。

 

「じいちゃん、そういえば聞きそびれたんだけどじいちゃんって前職なんだったんだ?」

「・・・ただのセバスじゃよ」

「龍郎さん・・・セバス・タツロウはスカイランドでは元王宮執事長をつとめていました。スカイランド王国の宮殿の執事やメイドをまとめるリーダーであり王様を守る武闘派の側近でもありました。そして私の師匠です」

 

なんかとんでもないパワーワードが飛び交ったんだが。スカイランド元王宮執事長で王様を守る武闘派の側近?

 

「ソラよ、ワシはお主を弟子とは思っておらぬし認めてもいないからな」

「なんでですか!シャララ隊長の師匠なら実質私の師匠じゃないですか!?そもそも私が子どもの頃、独学で修行してたときにこのノートを渡したのもあなたじゃないですか!私が生身でここまで強くなったのもこのノートがあったからです」

 

そう言ってソラはどこからともなく一つのボロボロのノートを書いておりそこには「スカイランド神拳という道」というタイトルが書かれていた。タイトルを見て分かったがその筆跡は紛れもなくじいちゃんの字だ。・・・まずスカイランド神拳ってなんだよ。

 

「まずワシはあやつを弟子だとは言ってない。ワシはただのしがない執事であやつが勝手に一番弟子と名乗ってるだけじゃ。礼儀作法や立ち振る舞いを教えたのは当時の王宮執事長をやってたワシなのは確かじゃが・・・」

「私はこのノートのおかげで強くなれました。当時の我流での修行はどうしても限界がありましたから。辰輝くんも見ますか?」

 

どうぞと言ってソラは俺にじいちゃんの書いたであろうノートをペラペラめくる。そこには気持ちのあり方や強くなるためのメニュー、スカイランド神拳の技とか色々記載されていた。

 

「表にほとんど出さなかっただけで龍郎さんはかなりの武闘派でもあったらしいんですよ。知ってたのは隊長や王様含めてごく少数だったらしいですが・・・」

「・・・ワシは目立つことがあまり好きな方じゃないから色々黙ってたんじゃが」

 

色々黙ってたのには理由があったけど単純に恥ずかしくて隠していたという方が大きかったのか。じいちゃんは目立つことが好きではないのは知ってたから喫茶店の内装もすごくゆったりして落ち着きのあるものになっていたけど単純にじいちゃんの性格が出てただけだったのか。ただ、それで去年の夏祭りのときには人が想定外なくらい増えててじいちゃんすごく動揺してたけど。その夏祭りでたい焼きに似た何かを作ってたときに人が殺到して大変だったなあれは。そのたい焼きの名前忘れてしまったけど。

 

「龍郎さんは私が知ってる中で誰よりもスカイランド神拳を極めてる人です。シャララ隊長も『もっと成長したいなら師匠に色々と教えてもらえ』と言われて再びこの世界で住むことを決めたんです」

 

なるほどな、ソラがここに住む目的はスカイランドでは偉大とされてるじいちゃんから色々教わりたくて来たのか。てかこの感じだとソラは前にも住んでたようなニュアンスに聞こえる。

 

「最初は断られたんですけど私がなんでもするからどうかお願いしますって言ったらそしたら龍郎さんが自分のお店が人手不足だから喫茶ドラコネットで住み込みでバイトするならという条件付きで話が決まったんです」

 

つまりソラはじいちゃんから教えを請いたい。じいちゃんは人手不足だから教える代わりにソラにここのお店の従業員としてしばらく一緒に暮らしてほしい。互いの利害が一致した結果らしい。年の近い人の方が俺もやりやすいだろうし今後のためにもソラを連れていくことを決めたらしい。

 

「温めはこんなもんでいいか。さてとソラ、カレーライスできたぞ。まあ温めただけなんだけど辛口でもよかったか?」

「ありがとうございます。昔は中辛までしか食べられませんでしたが今は辛口も大好きです」

「そっか、それならよかった」

「ちなみに辰輝くんはなんでカレーライスって言うか知ってますか?辛いからカレーライスって言うんじゃないんですよ」

「それくらい知ってる。カレーというのはそもそも元はインドの料理。名前の由来は色んな説があるけど香り高いもの、美味しいものという意味で使われるターカリーを英語にしてカレーって呼ばれるようになったとか」

 

実際のところどうなのかは知らないけど色んな説があるらしい。詳しくは俺も知らない。まあとりあえず今後どうするかはまずカレーを食べてから考えよう。

 

「うーんっ、これです。この辛さ、やっぱりカレーは辛口に限りますね!お肉やそれにじゃがいもも口の中でホロホロと溶けてそれがルーにしっかり絡んでてすごく美味しいですっ!」

「そっか、それはよかったよ」

 

にしてもいろはと同じで美味しそうに食べるよな。まあそういうのを見るのが好きだったからこそ今日までずっと料理をやってきたわけだが。

 

「辰輝くん・・・改めてこれからよろしくお願いします」

「それはいいんだけど大丈夫なのか?年頃の男子と同じ家に住むって」

「うーんっ・・・私は大丈夫ですよ。2年前に一緒に住んでた男の子いましたけど辰輝くんが14歳なら年齢も同じですし博識なのでもし会うことがあればですけど辰輝くんとは仲良くなれるかもしれないです」

 

博識ってことは悟と似たようなタイプになるのか。性格は違うけど俺と悟は仲良いしもしかしたらそのソラの友達とも会ったら仲良くできるかもな。

 

「それより辰輝くんは不安ですか?私と一緒に暮らすことが」

「まあ色々あるけどじいちゃんが連れてきた人だ。心配はしてないし、出会って間もないけどソラなら信用できる」

 

真面目で嘘が苦手そうなところはどことなくいろはに似ているところがあるしな。

 

「とりあえず部屋は綺麗にしてある。物はあまりないからもし足りないものがあったら言ってくれ。次の休みにまとめて買いに行こう」

「はいっ、その時はよろしくおねがいします。あっ、ついでにこのアニマルタウンを案内してくれると嬉しいです」

「そっか、ソラはこの町に来たばかりだしな。分かった、次の休みにな」

 

ちょくちょくじいちゃんから買い物を頼まれることもあるかもしれないしアニマルタウンの地理はある程度把握してもらう必要もある。そんなわけで喫茶ドラコネットの新しい従業員のソラ・ハレワタールとしばらくの間、一緒に暮らすことになった。




そんなわけでもう知ってる人も多いと思いますが新キャラでソラ・ハレワタールの登場です。はいっ、前作のプリキュアの主人公です。本編の話してた通りなのですが一度纏めるために近いうちに人物紹介&設定集を投稿します。私がオリキャラを考える能力が0だったためにひろがるスカイプリキュアの本編から1年以上経過した状態の世界線で出しました(高校生以上じゃないとバイトできないという現実のルールを守るため)

感想でもありましたがドンブラザーズの黒介斗の立ち位置に非常に似ています。意識したわけではないですが前作主人公、喫茶店だったり別の世界のヒーローだったりとプリキュアのはずなのに対象がソラだったからこそなんかすごく噛み合ってしまってますが普通に偶然です(なんならソラちゃんは敵サイドだったとはいえ感謝祭でブラックスカイという公式設定も存在する)時系列は感謝祭の後にもなります。

当初は主人公をもっと自由に動かしたい、けど主要メンバーでは喫茶店メインの話もできない。という問題を打破するためにオリキャラ作らずにあえて前作主人公を起用するという形で設定しました。言ってしまえばこの作品のプロローグの時点でソラちゃん出すことを決めてました。

しかしタグで追加するつもりもなく本当にドンブラの番外戦士のような立ち位置の人になってるのでそこはよろしくおねがいします。あっ、だからといって出番が少ないとかそんなことありません。アニメ本編にあまり絡まないだけでオリジナルの話ではバンバン出す予定です。

それでは次回もよろしくお願いします。次回もオリジナルですが普通にわんぷりメンバーとの話になります。それはそれ、これはこれなので。
プリキュアが揃った今、やっとやりたかったラブコメの話やヒロインレースをどんどんやっていく予定です。その話書いたら次回がアニメ本編20話→ソラとのお出かけにつなげていきます。

わんだふるぷりきゅあ、メインキャラは誰が一番好きですか?

  • 犬飼こむぎ/キュアワンダフル
  • 犬飼いろは/キュアフレンディ
  • 猫屋敷ユキ/キュアニャミー
  • 猫屋敷まゆ/キュアリリアン
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