犬系女子との付き合い方   作:りんご(仮)

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気がついたら今回でプロローグ、こむぎ回含めて30話です。ハーメルンでわんぷりの供給があまりにもないので自給自足してがんばってます。もう本編でプリキュア全員揃ったからいつ増えてもおかしくないんやけどな。気長に待ちます。今回は前回の続きです。


だいにじゅうはちわ

前回のあらすじ

 

元気のなさそうなまゆを心配したいろはとこむぎはまゆの親戚である俺に助けを求めてきた。落ち込んでいるまゆをなんとかしてほしいと。

 

俺は了承して事情をなんとかまゆから聞き出せたが果てしなくくだらない内容だった。しかし俺にとってはくだらないことでもまゆにとっては一大事らしい。今までやってきたことを突然禁止にされるのが嫌な気持ちはまあ分からなくはない。正直俺も1週間料理せずに過ごせと言われたら発狂する自信はある。要はコンビニ弁当やカップ麺で過ごせと言われたら数日で多分根を上げるだろう。別にコンビニ弁当やスーパーの惣菜、カップ麺が嫌いというわけではないがそれでも俺は料理好きだし常に料理したものを食べてるとあんまりそういうのを食べたいとは思わない。たまにならいいかもしれないが。

 

そんなわけで俺は解決案にユキのぬいぐるみを作ることを提案した。本人がダメなら等身大のぬいぐるみを作る。まゆの裁縫技術はプロレベルなので問題ない。まゆにとっての一筋の光、このまま解決に向かう。そう信じて疑わなかった・・・・自分をぶん殴りたい。今はその思いでいっぱいだった。

 

「良かれと思って提案したのに悪化してどうする」

「今のまゆはただの精神異常者よ。なんかすごく不気味に笑うし・・・・けど普通のまゆもたまに不気味に笑うこともあるわね」

「あるのかよ・・・」

 

と数日放っておいたらユキが訪ねてきてユキの等身大のぬいぐるみを量産し始めてそのユキに話しかける始末。言ってしまえばまゆは元気になったが状況が前より悪化したのである。最悪すぎる。

 

「ちなみにそのユキのぬいぐるみって何体くらいいるんだ?」

「10体越えたくらいから数えるのをやめたわ。本物の私がいるのになによ。まゆのバカ・・・」

 

そう言ってユキは頬を膨らませる。笑う場面ではないのかもしれないが自分のぬいぐるみ相手に嫉妬するとか案外可愛いところもあるじゃん。まあいくらなんでも作りすぎだけど相変わらず好きなことに関しては極端というかなんというか・・・

 

「おや・・・誰かと思ったらユキちゃんじゃないか。こんにちは」

「こんにちはマスター。お邪魔してるわ」

「まだ注文は聞いてないがいつものでよかったかの?」

「どうするユキ?今日も飲んでいくか?」

「そうね・・・そうさせてもらうわ」

 

地味にユキはここの常連さんになっておりキュアニャミーの正体をみんなに明かす前にも度々訪れている。ユキは静かなところや人があんまりいないところを好むので喫茶ドラコネットはユキにとってはかなり自分にあった喫茶店らしい。じいちゃんもそこそこユキに話しかけるのでユキもマスターと呼ぶくらいには打ち解けている。

 

まあ言い換えればここは平日は極端にお客さん少ないのも普通だしな。そしてユキの現在のお気に入りは喫茶ドラコネット特製のミルクティー。最初は普通に牛乳飲んでただけだが最近は普通にお店のミルクティーも飲むようになった。ユキは可愛いというよりかは美人という方が似合うしカップを片手に飲むのは絵になるんだよな。中身猫だけど。

 

「それで・・・わかってはいたけどあなたが一枚噛んでるのよね。この件」

「・・・・」

 

そう言ってユキは早くいつものまゆに戻せと言わんばかりに俺を睨んでくる。確かに提案したのは俺だがまさかこんなことになるとは俺も思ってなかった。

 

「ユキ、欠乏症という言葉を知ってるか?」

「・・・医学的な意味では人間の体に必要な物質。ビタミンやミネラルが不足してることを指してる言葉よね」

「詳しいな。まあ概ねそんな感じだ」

「それがなに?まゆとどう関係してるの?一応あの子、ちゃんと食事は取ってると思うけど」

「・・・簡単に言えば人体的な意味での欠乏症はそういう意味だが行動面とかその他の意味でも使われることがあるんだよ。もちろん毎日必要な栄養を摂取しなかったら欠乏症になる。けどそれは何も食事だけとは限らない。例えばそうだな、少し意味は変わってくるがいきなりまゆが3日以上風呂に入らなくなったらどう思う?」

「それはいくらなんでもありえないでしょ」

「まあそうだな、けどもし仮にそうなったとしてお前はどう思う?」

「心配になるわね」

「そうだな」

「回りくどいわねさっきから。はっきり言ったらどうなのかしら?」

 

そうだな流石に周りくどかったか。

 

「つまりまゆが今まで当たり前のようにやってたことをある日突然やめてしまった。けど今までそれをずっとずっとやってきたから今のまゆはそれをしたくてたまらないという欲求衝動に駆られてる。それの原因の一つが欠乏症に近い、まあそんな感じだ」

「つまりその欠乏症を紛らわすために余計に裁縫にのめり込んでしまったってこと?」

「今までのまゆは裁縫しててもお前が声をかければ構ってくれただろ?」

「まあそうね。けど最近呼びかけてもまゆは全く反応しないのよね。思わず普通に声出して呼んでるけどそれでも反応ないし・・・もしかして私が知らないうちにまゆを怒らせたとか?」

「もしそうならむしろお前のぬいぐるみを量産しないだろ」

「それもそうね・・・」

 

普段は頭いいし回転も早いのにまゆのことになると結構ポンコツなところあるよなこいつ。

 

「辰輝は原因知ってるんでしょ?いいから早く教えなさい。私がなんとかするわ」

「・・・まあそうだよな。実際お前絡みの問題だしなんとかできるのもお前しかいないのも事実だしな。こればっかりは」

「・・・何をそんなに渋ってるのよ辰輝」

多分俺と同じ反応するんだろうなユキも

「何よその目は・・・」

「分かった、教えてやるよ。けど俺から聞いたとか言うなよ。まゆには誰にも言うなって言われてるから」

 

最も悩んでる対象の本人が目の前にいるなら別なんだけど。回りくどいことせずに手っ取り早くこいつに真実を教えるしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「実はな。最近まゆがお前を抱きしめたり吸えなくて困ってるらしいんだ」

 

「・・・・・は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポカンとして数十秒後・・・・ユキが絞り出した声がは?の一言だった。まあそう言う反応になるよな。とりあえず何があったかはユキに説明だけしておいた。

 

「なるほどね・・・よく考えたらまゆは最近そう言うのをしてこなかったけど・・・・」

「今まではユキが嫌がろうがお構いなしにやってたけど今のお前なら喋れるだろ?初めてユキと喋れるようになったときに真っ先に思い出したのはお前に対する今までやってきたことだ」

「・・・確かにまゆは顔を真っ赤にして『嫌〜』って悲鳴を上げながら走り出したことあったけど、あれってそういうことだったのね」

「友達もそうだが今のまゆが1番恐れてるのは友達よりもお前に嫌われることだ。ずっと寄り添ってまゆを守り、辛い時でも支えてくれたお前に嫌われる。それが何を意味するか今のお前にはそれが痛いほど分かるはずだ」

「けどだったらなんで・・・私相手に遠慮なんてする必要ないのに」

「・・・お前はこの前に一度、こんなことを言ったな。まゆが事あることに吸ってくるけど嫌ではないって」

「いくらなんでも頻度が高すぎるとも言ったけどね」

 

そうっ、ユキが初めてキュアニャミーの正体を俺に明かしたあの日、愚痴でもなんでもいいから言ってみろと言ったら最初に出てきたのはこの話題だったのは覚えてる。

 

「もしかしてまゆがそれをやめたのは・・・」

「まあ・・・そういうことだな」

「まゆのバカ・・・一言くらい言ってくれたらいいのに!」

 

そう言ってユキはミルクティーを飲み干して立ち上がってお金を机の上に置く。

 

「行くのか?」

「ええっ・・・少しまゆに説教してくるわ。数日この私を蔑ろにしたことも含めて・・・ね」

 

うわぁ・・・真実を知ってめちゃくちゃ怒ってるなユキのやつ。くだらないと思ったのと同時にユキにとってはそんなことで?と思っているがまゆにとっては一大事なことに変わりない。

 

「ユキ・・・」

「なによ辰輝」

「分かってると思うがまゆが猫吸いをやめたのはお前に嫌われたくないからだ。まあその程度で今更お前がまゆを嫌うなんて天地がひっくり返ってもあり得ないだろうがな」

 

むしろいい機会だ。お前たちは一度互いのことがどれくらい好きなのかを認識しておいたほうがいい。お前らの好きと言う矢印はこむぎやいろはが互いに向けてる矢印以上に大きく重いことを。この二人は飼い主とペットという関係でもあり互いが互いに依存している関係でもある。まあ簡単に言えばどっちも気持ちが重たいんだよお前ら。

 

「当たり前よ。整えた毛並みをぐしゃぐしゃにされたり頻度が多すぎなければ私は気にしないわ。まあ度がすぎると手は出るけど」

「度が過ぎたら手は出るんだな」

「・・・親しき仲にも礼儀ありって言葉があるでしょ?まゆはその辺りのブレーキ効かないから困るのよ。まあ悪い気はしないけど・・・」

 

ブレーキが効かないのはお前も大概だろと思ったが言われたら睨まれそうだから黙っておいた。

 

「辰輝・・・」

「なんだ?」

「ありがとう、相談に乗ってくれて。やっぱりあなたは頼りになるわね。昔からずっと」

「・・・そうかよ」

「私はまゆのおかげでひとりぼっちじゃなくなったけどそのきっかけをくれたのは他の誰でもないあなた。素直じゃなかった私と一歩踏み出す勇気を持てなかったまゆ。そんな私たちをあなたは繋ぎ止めてくれた。感謝してるわ本当に」

「頑張ったのはお前らだ。俺は手助けしたに過ぎない」

「それでも・・・やっぱりあなたはすごいと思う。人の距離との取り方とか・・・あなたはすごくドライな性格だしどっちかというとまゆみたいな状況になってもあまり気にも留めなさそうだけど・・・けど仲間を大切にして信頼して親身になってくれる」

「買い被りすぎだ。いくらなんでも」

 

確かに俺は人間関係に対してはものすごくドライなところがある。それこそ幼なじみを蔑ろにするくらいには誰かと一緒に行動したり遊んだりということがない。それは今も割と変わらないけど少なくとも色んな人と出会ったことが交流がなんだかんだでプラスになってる。友達はいないよりいた方がいいと思うが俺は多く欲しいとは思ってない。少数でも楽しく過ごせるならな。特に悟と仲良くなったことが個人的には一番のプラスだと思ってる。休日と会うくらい仲のいいやつって俺の中では男子は悟くらいだしな。

 

「そう言う優しいあなただから友達になれたのよ」

「・・・そうだな。なあユキ、俺は他の動物とも仲良くなれると思うか?」

「それは結局あなたの体質次第じゃない?あなたの体質はかなりひどいものだけど100パーセント仲良くなれないわけでない。それを証明してるのがいるじゃない。すごく身近に」

「それもそうだな・・・・」

まあ私が最初じゃないのが癪に触る部分だけどね

「なんか言ったか?」

「なんでもないわ。それじゃあ私はもう行くけど辰輝、最後にあなたに一つ言っておくわ」

「なんだよ・・・」

 

ユキはドアノブに手を開けてガチャリと音を立てる。外を見ると夕陽が出ておりもうそろそろ暗くなる時間を示していた。

 

「私はあなたと友達で終わるつもりはないから」

「ん?・・・それはどう言う意味だ?」

「それは自分で考えなさいっ。それと一つあなたにお願いがあるのよ」

「なんだよ」

「今度まゆと私と3人でお出かけしなさい」

「おでかけ・・・なんでまた。お前散歩好きだっけ?」

「別に散歩が好きか嫌いか言われたらそんなに好きではないけど・・・でも私はあなたたちと3人で出かけたい。なんだかんだでしたことないでしょ?」

「言われてみればそうだな・・・」

「一度お花見には行ったけど私は途中まで寝てたから何も事情知らなかったし」

 

そうか、もし出かけるとしたら花見以来になるのか。赤ちゃんツアーには同行してないしまゆがニコガーデンに行ったときにはユキは正体隠してたし。そもそも俺もその時はニコガーデン行ってないんだが。

 

「まあそう言うことなら分かった。それは構わないが・・・」

「ふふっ、プランは辰輝に任せるわ。決まったらまた教えてちょうだい。楽しみにしてるわ」

 

そう言ってユキはそのまま行ってしまった。なんにせよぬいぐるみ量産するよりかはいつも通りの方がまゆらしくていいか。人に引かれないくらいのスキンシップまでは更生させた方がいいかもしれないが。ふと振り向くとじいちゃんが穏やかな笑みを浮かべている。

 

「・・・じいちゃん、どうしたんだ?」

「最近、辰輝が楽しそうじゃなって。いい友を持ったな」

「ああっ・・・そうだな」

「辰輝くんっ、シフォンケーキの件でちょっと聞きたいことがあるんですがマスター、少しだけ辰輝くん借りてもいいですか?」

「構わんよ。今はお客さんもいないしのう、辰輝よ、お客さんが増えたら戻ってきてくれ」

「ああっ・・・分かった」

 

そんなわけで俺は同居人であるソラに頼まれてシフォンケーキの作り方、クリームの量や焼き加減のチェックをしてその夜・・・スマホから着信がなる。相手は猫屋敷 まゆと書かれてあった。さてとちゃんと仲直りができたのだろうか。

 

「もしもし、まゆ。どうかしたか?」

『聞いてよ辰輝くんっ!ユキがいつも通りに吸っていいって言われたら吸って頬擦りしたらユキに顔を引っかかれたの』

『せっかくグルーミングしたのにあなたが台無しにするからでしょ!あとかれこれ1時間私は現在進行形でまゆに拘束されてるんだけどいっそのこと人間に変身してまゆを殴り飛ばしていい?』

『なんでそんなこと言うの!ユキ、好きなだけ吸っていいって言ったのそっちだよ!』

『言ったけどいくらなんでも限度があるでしょ!本当にまゆはその辺のブレーキが昔から効かないんだから』

 

仲直りできたのかと思っていたがこの二人、また喧嘩していた。てか更に悪化してないか?ユキも構ってあげると言われた手間30分くらいは覚悟してたらしいけどもう1時間以上まゆが離してくれないらしい。俺を無視して二人はそのまま口喧嘩してるので馬鹿馬鹿しくなった俺は電話を切って着拒にした。喧嘩するほど仲がいいということわざがあるが・・・もう知らん、勝手にしろ。

 

そう思いながら俺はメエメエからもらったニコガーデン産の胃薬を使い切ってしまった。仕方ない、またニコガーデンに行ってメエメエからもらわないとな。とりあえずニコガーデンに行くにはトランク持ってるいろはにお願いするしかないのでいろはにお願いしに後日そのことを話したらついでにまゆがキュアリリアンになったことを報告するのも含めてニコガーデンに行くという話でまとまった。




てなわけで次回はアニメ本編20話です。今のところヒロインレースがユキ一強な件について。いろははそろそろ危機感持たないと人間になったユキほど本作で強敵な人いないと思うのよ。次回の投稿は土曜日を目標にします。

そう言えばアンケート消えたり現れたりを繰り返しているんですけどddos攻撃の余波が残ってるんですかね(アンケート消してはいないし別に今後の物語に関係するアンケートでもないから気にはしてないけど)

ヒロインレースと並行してゆっくりとわんぷり組とソラを絡めていきたいと思います。

わんだふるぷりきゅあ、メインキャラは誰が一番好きですか?

  • 犬飼こむぎ/キュアワンダフル
  • 犬飼いろは/キュアフレンディ
  • 猫屋敷ユキ/キュアニャミー
  • 猫屋敷まゆ/キュアリリアン
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