犬系女子との付き合い方   作:りんご(仮)

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約2週間前の時点で公式がおしゃべりユキの商品紹介をしてて実質こんな感じでしゃべれるのが確認できるのを知ったけど2週間前に知りたかったぜ。多分次の話でだいたい見えてくるだろうからそろそろやりたかったこの作品の本質が書ける気がします。てなわけで今回は完全オリジナル回です。この作品では数少ないほのぼの回オンリーとなります。

時系列は7話後です。まだ春休みのため8話前にもなるので正確には7話後〜8話前になります。

この話に起きた出来事に関してましては全てニコダイヤの奇跡の力で片付けます(クズの思考)


だいはちわ

こむぎが家出する数日前の話をしよう。まゆが学校に行くのを不安がってることに気がついた俺たちはまゆを元気付ける方法を考えていた。

いろはは家にあるお散歩バッグをまゆにプレゼントしたらしい。俺にも何か出来たらいいんだが・・・

 

「なあ、じいちゃん。この街に来たばっかりのまゆに何かしてやりたいんだけど何かいいアイディアとかない?」

「ふむ・・・なら街を案内してあげなさい。まだそんなに詳しくないじゃろ。猫屋敷家とは親戚同士じゃが基本こちらが出向くことが殆どだったしのう」

「街を案内かぁ・・・」

 

確かにそうだな。まゆはまだこの街に来たばかりでアニマルタウンについてはあまり詳しくない。にしてもアニマルタウンを案内するとしてどうするか。アニマル商店街?アニマルショッピングモール街?この街にはいろんな場所がある。どこを案内すれば・・・

 

『ニュース番組、最後は花見の特集です。今年は例年より遅咲きでございますが無事に桜も満開になりました。今ここアニマルタウンの海浜公園も桜が満開になっており週末にかけてお花見で賑わうことでしょう』

 

ふと備え付けのテレビでやってたニュースが目に入る。花見か、昔家族で行ったことあるが両親が海外で仕事してるのもありここ数年は行っていない。アニマルタウンの海浜公園は桜の名所として知られており毎年多くの人や動物たちで賑わう。歓迎するかつ、アニマルタウンの案内ならうってつけじゃないだろうか。

 

「というわけでまゆに・・・親戚にアニマルタウンを知ってもらうために週末に花見をやることになった。いろはとこむぎも誘ってるからよかったら悟もくるか?」

 

週末の予定が空いてることが確認できたので電話で親友の兎山 悟を花見に誘うことにした。

 

「誘ってくれるのは嬉しいんだけど僕がいて本当にいいの?その辰輝くんの親戚さんは僕、会ったこと無いけど」

「心配ないと思う。大人数ならともかく少人数でやるからな。それに新学期になれば会うこともあるかもな。同じ学校かつ同じ学年だしな。もしかしたらクラスになるかもしれないし」

 

というのは建前で男1人だと気がひけるので悟を呼びたいってのが本音だ。一応いろはもまゆもどっちも身内に近い存在ではあるんだがやっぱり男一人だと多分落ち着かない。

 

「うんっ、そういうことなら僕もお邪魔しようかな、大福連れてきても大丈夫?」

「ああっ、まゆも飼い猫を連れてくるしな、まあ新学期前だし楽しく行こうぜ」

「うんっ、それじゃあ僕と大福で席を確保しておくね」

「おうっ、散歩ついでにこむぎといろはもそっちに寄越すから頼んだぞ」

「・・・分かった。それで料理とかは?」

「俺が全部用意するから飲み物とか用意しといてくれ」

「うんっ、じゃあ当日ね」

 

と、そんなわけで無事に悟も誘うことができたから今回のメンバーは俺、悟に大福、いろはとこむぎ、まゆとユキだ。ご飯は・・・4人分、5人分、どっちで用意すればいいんだ?まあ5人分用意しても問題ないか。食べ盛りだし大丈夫だろ。そんなわけで週末、俺たちはアニマルタウンにある海浜公園で花見をやることになった。

 

 

 

 

 

 

 

当日の朝、いろはとこむぎが朝の散歩がてら飲み物の調達、悟はレジャーシートを持参していい場所を確保するために既に朝早くから動いてるらしい。このお花見はまゆの歓迎会も含まれてるからまゆに関しては何もしなくてもよかったんだが本人も何かやりたいと言ってたからデザート(お菓子)の依頼をした。そして俺がお弁当担当だ。

 

とりあえず重箱の一箱はおにぎりで詰めておくか。ちょうどよく5段の重箱があったのでこれを使うことにした。こむぎが人間で来たとき用対策としてバランスが取れるようにするためだ。

あとは唐揚げ、卵焼き、ウインナー、ミートボール、ポテトサラダにプチトマト。あとはサンドイッチと食べやすいサイズでピンチョスも用意しておくか。

 

「朝から気合が入ってるようじゃな」

「じいちゃん、おはよう」

「手伝おうか?」

「いいよ、一人で出来るしそれにじいちゃんも用事あるんだろ?」

「昔馴染みと会う約束をしててな。明日の夜には帰ってくるから明日も店を閉めたままじゃからな」

「了解、じゃあなおのこと手伝いはいいから行って来なよ」

「そうするかの。それじゃあ辰輝、行ってくるからのう」

「ういっ、いってらっしゃい」

 

さてと早速準備しますかね。そんな感じで料理を作っていたら続々とメールが来る。悟からは場所の確保のメールが来ていた。そこにはいろはとこむぎと大福が写っており見たところかなりいい場所が取れたらしい。にしてもメールによると人が多いらしいな。見たところこむぎは犬の姿で大福と遊んでいるらしい。

 

それとは別にメールでまゆも準備出来たらしく送られてきた写真に写ってるバスケットの中にはマカロンとカップケーキが入っていた。相変わらず女子力はすごく高いやつだなと感心する。俺も味なら自信はあるが見た目を可愛く作るセンスがあまりないからその辺は羨ましく思う。これも経験や感覚の差があるのだろう。もう一枚写真が添付されておりお散歩バッグの中にはユキがくるまって寝ていた。まだ眠いかユキのやつは。そういえば料理とは別に試したいことあったんだよな。まあ厳密にはこれも料理ではあるが一応用意しておくか。そして時間が朝の9時前になり、だいたいの用意ができた。こむぎの犬用クッキーも持ったしそれじゃあ行きますか

 

今から出るとメールで伝えて俺はリュックを片手に出発する。紙皿やお箸とかも用意してくれてるみたいで俺はお弁当を持ってくればオッケーの状態だ。俺は家を出て鍵をかけてから歩くこと数十分、目的地である海浜公園につく。春休み中に加えてお花見シーズンということもあり多くの人で賑わっていた。久しぶりにお花見シーズンの時の海浜公園に来たけどめちゃくちゃ人いるな。悟に場所の確保を任せて正解だったなこりゃ。

 

「さてと確かこの辺だったが・・・」

「おーい、たつきーこっちこっち。おーい」

「よっ、こむぎ。てかメールの時は犬だったのに今は人の姿になってるんだな」

「人の姿になるのはいいけどまゆちゃん来るから犬の姿には絶対に戻らないでね」

「うんっ、分かった」

 

というわけで今日のお花見はこむぎ(人間の姿)で参加するらしい。フォルムチェンジかよ。

 

「おはよう、辰輝くん。今日は誘ってくれてありがとう」

「スンスン・・・」

「えっと大福がね、『今日は誘ってくれてありがとうだぜ。辰輝の兄貴・・・』って言ってるよ」

「・・・辰輝の兄貴?てか大福ってそんなキャラなのかよ」

「スンスン・・・」

「『悟のマブダチなら大福にとっても辰輝はマブダチだ』って言ってるよ」

「おう・・・なんというかお前のところのウサギ、渋いな」

「正直この前こむぎちゃんと会話してるときに僕もびっくりしてる」

 

確かコイツ、メスだったっけ?いやっオスだったか。まあどっちでもいいがなんというかあれだな。動物は見かけによらないってことか。ていうより辰輝の兄貴ってなんだよ。お前は俺の舎弟かなにかか。確かに動物にあまり懐かれない俺だけどこむぎ、ユキを除いて心を許してくれてるのは大福だけだ。初めて会って挨拶した時も友好的なのは俺と悟が瞬時に親友と見抜いてたからなのか。なんというかよく見てるウサギだなコイツ。

ちなみに中学1年生の時、まあ入学した時の部活は乗馬に興味があったから馬術部に体験入部したけど馬に鼻息吹きかけられたり蹴り飛ばされそうになって馬場園先生に竜崎はやめておけと言われて1週間粘った末結局断念した。流石にこむぎと違って馬にやられたら怪我だけでは済まなそうだからな。結局俺は帰宅部で落ち着いてる。まあ店の手伝いもあるからこれはこれでいいが。

 

「さてとあとはまゆとユキだけだが・・・」

「まゆちゃんはこの場所知ってるの?」

「海浜公園の場所は教えてるから着いたら連絡してくれとだけ伝えてる」

 

すると数分後、まゆから海浜公園に着いたと電話があった。そのままナビをして無事にまゆとユキも着いた。

 

「お、お待たせ辰輝くん。えっと・・・いろはちゃんとこむぎちゃんも」

「おはよう、まゆちゃん。すごいでしょ海浜公園の桜並木は」

「うんっ、すごく綺麗だね。辰輝くん、誘ってくれてありがとう。ところでえっとそちらは?」

「俺の親友の兎山 悟だ。同じ中学でめちゃくちゃ生き物に詳しいやつだ」

「よろしくね、えっと・・・」

「あっ、あのっ。猫屋敷 まゆです」

「猫屋敷さんね。よろしく」

「じゃあ軽い挨拶も済んだわけで始めますか」

 

前々回のお出かけと前回のお泊まり会でこむぎが人の時であれば人間の食べ物を与えても平気なのは分かった。にしてもこむぎを人間と想定して5人分用意しててよかった。

 

「ところで犬のこむぎちゃんは一緒じゃないの?」

「えっとあのっ、そのっ・・・まだ家で寝てて置いてきたというか・・・」

「えっ、こむぎならここに・・・もごもごもご」

「話がややこしいことになるからお前は黙っていような」

 

俺は咄嗟にこむぎの口を塞ぐ。そういえばこの前のPretty Holicの件でまゆからしたらいろはの飼ってる犬と友達が同じこむぎという名前だと認識してるんだっけ?まあ同一人物なんだけどな。絶対に言えないけど・・・

 

「というわけで全員揃ったわけだし始めるか。それでまゆ、ユキのやつは?」

「連れてきてるんだけど・・・まだ寝てて」

「まあそのうち起きるしいっか」

 

そう言って俺はリュックから重箱を。いろはは飲み物、そして悟は紙皿と紙コップと割り箸を取り出す。重箱を分けて蓋を開けるとおーっとみんな反応を示してくれるがそんな大層なものではないと思う。

 

「にしてもこれ、君が一人で作ったの?」

「えっ?そうだけど・・・そんなに凄いことでもないだろ」

「花見を企画したのは辰輝くんだけど当たり前のように重箱におにぎりやらサンドイッチやらおかずを詰め込んでくるなんて普通の男子中学生はしないと思うよ、全部手作りだよねこれ」

「まあそうだけど・・・凄いってほどでもないとは思うがうーん・・・そういうもんなのか」

「辰輝くんが料理部の助っ人を頼まれるのも分かるよ」

「いやいろは、そもそも料理部の助っ人ってまずなんだよ。頼まれたことは確かにあるが・・・」

 

いろはもそうだが俺もよく部活から助っ人の依頼を頼まれる。この前も1年の時のクラスメイトだった猪狩 勝に頼まれてサッカーの練習試合の助っ人として参加したこともあるように何かと俺も頼まれることがあるが文化部の・・・それも料理部から助っ人が来るなんて思ってもいなかった。まあ内容が動物用の料理がテーマだったから一つ教えてやったことあったけど。動物飼ってない俺に助っ人の依頼するなよと思う。まあ陽子さんとのやりとりでその辺のノウハウがあるのも事実だが・・・

 

「とりあえず全員揃って軽い挨拶も済んだってことで乾杯の音頭を取ろうか。辰輝くんお願いね」

「わかった。ええっ、今日は来てくれてありがとう。今日は一応まゆとユキの歓迎会もといアニマルタウンのことを知ってもらおうと思って企画したんだ。いろはがまゆに動物用のお散歩バッグをあげたみたいに俺も何かしてやりたくてな。てことで改めてまゆ、ユキ。アニマルタウンへようこそ!それじゃあ話はこれくらいにして乾杯っ!」

「「「「「乾杯っ!」」」」」

 

そんな感じでみんな各々とおかずを取り始める。おにぎりは今回具の中身はかなりこだわった。昆布にシャケにツナ、おかか。純粋な塩むすびにサンドイッチも中身のレパートリーは色々してある。

 

「うーんっ、おいしい。これ中身おかかだ」

「こっちはツナだね」

「私の食べたのはこんぶだ」

「なんかよく分からないけどたつきの作ったものならなんでも美味しいワン・・・じゃなくて美味しいよっ」

 

にしても本当に桜が綺麗だな。昔家族と行ったっきりだったもんな。そういえば父さんと母さんは元気にしてるだろうか。最近はこっちから全く連絡とってないし向こうもめちゃくちゃ忙しいから連絡取れないんだろうけどそのうち連絡してやるか。俺はスマホを取り出して一枚写真を撮る。今度外国にいる両親に送ってやろう。

 

「こむぎ、桜すごくきれい・・・」

「こっちも、こっちも美味しいワン」

「こむぎ語尾、語尾がワンになってる」

「というよりこむぎちゃんは花より団子だよね」

「確かに、それは言えてるな」

「いろは、花より団子って?」

「うーん説明しようにも言葉のまんまだし・・・」

「見た目や品位よりも実質や実利を重視することの例えだよ。まあでも犬飼さんの言うようにこうやって花を見るよりも食べ物に夢中になってるから意味合いとしては言葉通りそのまんまってことには変わりはないけど」

「へぇ・・・」

「もーっ、こむぎ口元汚れてるよ」

「いろは、拭いて拭いて」

「仕方ないなぁ、じっとしててね」

 

このメンバーは基本的にみんな花を楽しむタイプだと思ってたがこむぎはどう考えても例外だよな、性格的に。ユキはむしろ花を見て楽しむタイプだと思うがまだ寝てるのだろうか。

 

「ふにゃあ・・・」

「ユキ、おはよう。起きた?」

「うにゃあ?」

 

ユキはふらふらしながら俺の元に歩いてきてそのまま丸くなった。まだ寝ぼけてるなこれ。

 

「わぁユキちゃんだぁ。近くで見ると可愛いなぁ」

「ねぇいろは!こむぎは?こむぎは?」

「こむぎももちろん可愛いよ」

「えへへ・・・」

 

そう言いながらいろははこむぎの頭をなでなでする。それを見たまゆの心境はおそらく猫に対抗する人なんて珍しいなぁなんて顔をしてた。見た目だけなら人なんだが同じ土俵ではあるんだよな。俺たちからはしたらなんと思わないが事情を知らないとやっぱり不思議な感じに見られるのか。

 

「ねぇまゆちゃん。ユキちゃん撫でてもいい?」

「うーんっユキは基本的に他の人に撫でられるのはあまり好きじゃないんだよね。ある程度気を許した相手じゃないと」

 

そっか、いろはは実際にこうやってユキと会うのは初めてなんだっけ?いろはにとってはまゆが白猫を飼ってるってことを知ってるくらいの認識なんだろうな。

 

「こむぎもね、ユキを撫でようとしたらすごく威嚇されたよ」

「そんなことあったな」

「大丈夫!?ユキが噛みついたりとかしてないよね!?」

「うんっ大丈夫だよ。猫パンチされただけだから」

「猫パンチ?よく分からないけどごめんねこむぎちゃん。ユキが」

「謝る必要ないぞ。こいつユキにパンチされて喜んでいたからスキンシップ程度にしか思ってないから」

「ならいいんだけど・・・喜んでた?」

 

まゆは少し考えていたが「まあユキは可愛いし」とだけ呟いて考えるのをやめた。そんな感じでまゆはいろはとこむぎ、俺は悟と話をしながら花見を楽しんでいた。途中でまゆがトイレに行きたくなったらしく公園のトイレの場所だけ教えてあげた。とりあえずまゆが楽しそうで安心した。あとは新学期がうまくいけばいいが・・・

 

「ふわぁあああ食べた食べた。食べたらなんか眠く・・・」

 

そんなことを考えていたらこむぎが突然ひかりだして元の犬のこむぎに戻ってしまいいろはと悟はめっちゃ取り乱していた。とりあえず周りを確認するがみんなワイワイ騒いでて誰にもこの状況を見られてないのはある意味奇跡だった。大人数で行く場所は気をつけないとな。

 

「けど誰にも見られなくて本当によかったよ」

「偶然猫屋敷さんがトイレに行っててくれたのもよかったね。ユキちゃんもまだ寝てるし」

 

ユキも俺の膝の上で未だに夢の中だった。とりあえず俺たちは口裏を合わせてまゆが戻ってくるとこむぎは友達に声をかけられてそっちに行ったとだけ伝えて犬のこむぎは起きていろはがいないのを知ってついてきたで無理やり誤魔化した。まさか満腹になって眠くなって犬に戻るとは。人間の状態で食事に関しては少し考えないとな。

 

「ふにゃあー」

「おっ。起きたか?ユキ、おはよう」

「にゃあ?」

「お花見にユキを連れてきたんだけど寝ぼけて辰輝くんの膝の上で寝てたんだよ。ユキにもご飯をあげないとね。えーっと・・・あっ」

 

まゆが青ざめた顔をしながら泣きそうになってた。

 

「どうしたの?まゆちゃん」

「どどどどうしよう!?キャットフードわすれちゃった!お菓子作るのに夢中になりすぎて!うっかりカバンの中に入れ忘れた。ごめんねユキ、私がうっかりしてたばっかりに」

 

落ち込んでるまゆを見てユキは「何やってるんだこのご主人は」みたいな顔をしていた。こむぎが食べるものの悟があげてる大福のエサもユキは食べない。というより猫は基本的にあまり食べないし他の動物に比べてもそれほど栄養は必要ないからキャットフードで事足りることがほとんどだしな。まあでも・・・

 

「まゆ、心配することはないぞ?」

「えっ、どういうこと?辰輝くん」

「こんなこともあろうかと・・・いやまあまゆがキャットフードを忘れたのは想定外だったが心配するな」

 

俺は朝用意したあるものをカバンから取り出してタッパーから紙皿に移し替える。

 

「辰輝くん、これなに?」

「猫用に用意したごはんだ。まゆもそうだがユキにも何かしてやりたくてな。とりあえずじいちゃんにレシピ教わって作ってみたんだ。しめじとかぼにゃ、にんじんを細かく切ってフードプロセッサーにかけてマンダイとその他の具材を火にかけて蓋をして煮込んだ料理だ」

「マンダイ?」

「赤マンボウの別名だね。マンダイは食材としてはクセが少ないからいろんな料理に使えるって聞いたことあるよ」

 

まあ僕は料理あまり得意じゃないけどねと悟は付け加えた。マンダイ自体は魚の名称としてはマイナーなものだしやっぱりこいつの生き物の知識半端じゃないな。あまり浸透してないから一般人はあまり知らんぞマンダイなんてものは。

 

「ってつまりこれユキのために作った料理ってこと」

「ああっ・・・初めて作ったしユキが気にいる保証はどこにもないけど」

 

そう、結局そこが問題なのだ。ユキとはそれなりの仲ではあるがこむぎ程一緒に過ごしたわけでなくたまに会うくらいの間柄だからこむぎと違ってユキの好みは正直分からない。だから食べてくれる自信はまあない。ユキは気まぐれで気難しいところあるし不安ではあるが・・・

 

「にゃあ・・・」

「すごいっ、食べたよ辰輝くん。どう、おいしい?」

「にゃっ!ハグハグ」

「おおっ!食べた」

「ユキが美味しいって言ってるよ」

「そっか・・・そりゃよかった」

「すごく嬉しそうだね辰輝くん」

「当たり前だろ。こんなに美味しそうに食べてくれるんだぜ。嬉しいに決まってるだろ」

 

そう思いながらユキの頭・・・正確には頭の裏のハートの模様の部分を撫でてやる。これは最近知ったことだけどユキは頭の上を撫でられるよりかは頭の後ろの部分を撫でられるのが好きらしい。なんかここだけやたら喜んでる気がするから。

 

「私も辰輝くんの作ってくれる料理好きだよ。この前のオムライスも美味しかったし」

「私はこの前ドラコネットで食べたショートケーキ美味しかったなぁ」

「辰輝くんの淹れてくれるコーヒーも美味しいよね」

「なんだよお前ら突然」

 

よせやい、照れるだろうが。そんなことを考えていたらみこむぎも辰輝の作る料理すごく美味しいワン」と言って唐突に現れた。誰も気がつかないうちに起きたこむぎはバレないように変身して人の姿になっていた。心臓にめちゃくちゃ悪いからやめてくれ本当に。マジでヒヤヒヤするからさ。

 

「こむぎちゃんおかえり。そうだ、デザートにマカロンとカップケーキ作ってきたんだけどよかったら食べる?」

「食べる食べるっ!」

「すごいっ、まゆちゃん、お菓子も作れるんだ」

「うんっ・・・嗜む程度だけどね」

「嗜む程度にしてはクオリティ高すぎるんだよな」

「そういうキミも大概だと思うけどね」

 

うるさい、俺は喫茶店の孫だから作れるんだよ。まあじいちゃんのスパルタ教育の賜物ではあるが。あれでうちのじいちゃんは教えることに関してはめちゃくちゃ厳しいからな。そのかわりに絶対に上達するという保証はついてるが。

そんなわけでまゆの作ってくれたスイーツを食べて雑談したり、人の状態でのこむぎと遊んだりして今日はお開きとなった。

 

「それじゃあまゆちゃん、また新学期ね」

「うんっ、今日はみんなありがとね」

「それじゃあ僕はこっちだから」

「おうっ、じゃあ今度は新学期。わんにゃん中でな」

「まゆ、悟バイバイ。ユキと大福もね」

 

そんな感じで今日はお開きとなった。まゆも楽しそうにしてたし今日のお花見は成功かな?ユキに作った料理も気に入ってくれたし。猫はあんまり手作り料理は必要ないがまた機会があったらじいちゃんに聞いてみるとするか。

 

「ワンっ!」

 

まゆと悟と別れた後、物陰に隠れてこむぎはワンダフルパクトの力で元の犬の姿に戻る。

 

「というわけでお散歩して帰るワン!」

「いいよね、辰輝くんっ」

「仕方ねぇな。んじゃ、行くか」

「やったワン、それじゃあ町中お散歩するワン!」

 

そう言って俺たちは走り出す。なんだかんだで散歩するのはいいなと思うのだった。




私は何も学習してないので前々回から更に1000字増えてます。というわけでオリジナル回のお花見でした。本編が季節イベントネタをやらなかったら問答無用で代わりにやります。次回はようやく新学期編の話が書けます。

最近はあんまり恋愛面をかけてませんが新学期から深掘りする予定でいたため次回から本格的にこの物語の本質に触れていこうと思います。前座がまあ長かったよねという話。アニメ本編が次にユキの話やるため猫屋敷サイドもようやくこの辺の話を書けます。それでは引き続き本作もよろしくお願いします。人物設定のページをそのうち用意しますがそれはキュアニャミー、キュアリリアンが出た後になります。ご了承ください。
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