異世界イッセー   作:規律式足

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 エピローグです。
 短めです。
 というか蛇足?



第十五話 旧校舎のディアボロス エピローグ

 

 その後の話をしよう。

 

 無事救出されたアーシアは俺がリアス部長に提案した選択肢から悪魔に転生、リアス・グレモリーの眷属になる事を選んだ。

 使用した駒は僧侶、魔力を向上させる特性がついているそうだ。神器【聖母の微笑】の能力に向上も見込めるだろう。

 悪魔へと転生したアーシアは俺達の通う駒王学園の生徒になるそうだ。また男子連中が大騒ぎしだすだろうな。なお学年は二年で俺がアーシアの生活をフォローできるよう同じクラスにしたそうだ。

 

『果たして臨戦態勢を解除した相棒にそんなことができるのだろうか』

  

 妹だと思い込めばなんとか。

 

『ソレを本気で言っているのか?』

 

 何が?

 

『いやいい。アルジェントよ哀れな』

 

 変なヤツだな。

 まあドライグは置いとくとして、今回で最も警戒していた堕天使勢力【神の子を見張る者】だが、やらかした堕天使連中の引き渡しに応じ、賠償として何らかの取引があったそうだ。リアス部長も悪魔上層部からその取引の功績を評価されたそうだ。  

 現段階ではグレモリー家の次期当主で上級悪魔だがこの調子なら最上級悪魔も夢ではないだろう。

 俺自身にもミルたんの件で中級悪魔昇格の打診、というか通達が来ているそうだ。なんと転生悪魔史上最速の昇格だという(転生して一月足らず)。

 貴族社会である悪魔政府にとって本来階級の昇格は極めて困難である。特に現在は戦争時ではないので分かりやすい手柄を得る手段がない。

 レーティングゲームでタイトルや賞を得る程の活躍するという手段もあるにはあるが、トップランカーが半ば固定されてる現在では狭き門だ。

 それらを飛び越えての昇格には、無論ミルたんの存在がある。

 二天龍、聖書の神、堕天使総督、四大魔王をリアルタイムで知る悪魔上層部のお歴々は強者を見定める眼が肥えている。

 だからこそ次元の壁を拳一振りで砕くミルたんの実力を正確に測れたのだ。当然その危険度も。

 中級悪魔昇格と同時にミルたん係の辞令が出されたのだから彼らの本気度合いが分かるというもの。

 俺としてもミルたんが怖いから辞退したくて堪らないのだが断るのは不可能だろう。

 中級悪魔・兵藤一誠の悪魔生活はまだ始まったばかりだ。

 

『そういえばミルたんが友人を紹介したいとか言って無かったか?』

 

 始まったばかりだ。

 

『おい相棒?』

 

 始まったばかりだから。

 

『目を逸らしても現実は変わらんぞ』

 

 そんな連中も魔法少女にしたらさらに昇格するじゃんやだー。

 

『担当も押し付けられるだろうな』

 

 冥界は、悪魔政府は、きちんと功績を評価してくれるホワイトな職場です。けど生贄制度(個人に仕事を押し付ける)は現在も合法でした。

 

「あら、ちゃんと来たわね」

 

 部室に辿り着くと、そこには部長だけしかいなかった。

 事件解決後の休日。

 俺の偽告白してきた堕天使の返り討ちから始まった一連の堕天使騒動は決着した。

 故に今日はソレに関わった者達を労うお疲れ様会だ。現場に向かったグレモリー眷属は勿論、ソーナ・シトリー眷属も総出で駒王町のパトロールをしてくれたのだ。他にも突入までの期間に朱乃さんは個人的な伝手で堕天使へとコンタクトを取り、小猫ちゃんは従えている野良猫達による調査、木場は警護についていたそうだ。

 なお警護の話が出た日に軽く木場と手合わせをしてみた。木場は騎士の駒の特性である速度と剣さばきを合わせた、陽介さんに近い戦闘スタイルだった。

 振るわれた木場の剣を軽々といなしたことに驚かれたが、陽介さんに近い戦闘スタイルであるがゆえに対応に慣れていただけだ。向こうには手も足も出なかったけど。

 

「おはようございます、部長」

 

「ええ、おはよう。しかしあれだけの魔法を使ったのに余裕そうね」

 

「いやまあ、あの程度なら」

 

 教会聖堂を凍りつかせた精霊魔法はこちらだとかなり強力な魔法らしい。メイベルなら凍神剣でいくらでもできることなのに。

 

「全く、堕天使を返り討ちにする、赤龍帝から史上最強と断言される、裕斗より強い、中級悪魔に認定される。とんでもない子を眷属にしてしまったわ」

 

 頭痛を堪えるように額に手を当てるリアス部長。しかし改めて並べると凄いな俺。

 

「後悔してますか?」

 

「いいえ、頼もしいわ」

 

 そう言って優しい表情で部長は笑った。

 

「おはようございます、部長、イッセー君」

 

「おはようございます、部長、イッセー先輩」

 

「ごきげんよう、部長、兵藤君いいえイッセー君」

 

「おはようございますぅ、部長さん、イッセーさん」

 

「リアス、生徒会一同到着したわ」

 

 参加者は全員揃い、お疲れ様会をはじめる。

 アーシアの自己紹介、本人は嬉しさからつい主に感謝してしまいダメージを負う。そんな特性もあるのか知らんかった。

 匙は俺達の無事を喜んでからよくやったと褒めてくれた。人情に熱いヤツだ。

 木場はイケメンだからか生徒会の娘達に囲まれて談笑していた。

 小猫ちゃんはひたすら料理を食べている。

 部長は生徒会長と幼馴染らしい意地の張り合いをして、朱乃さんはそれをあらあらと見ていた。

 

 良いよな、こんな空気。

 そんな風にグラス片手に眺めていたら、

 

「イッセーさん!!」

 

 俺の名を叫びながらアーシアは抱きついてきた。

 

「こんな楽しい日を迎えられたのは貴方のおかげです。ありがとうございます!!」

 

 そう、最高の笑顔で言ったのだ。

 

「たく、二度目だよ。そんなにお礼はよいって。けどさアーシア」

 

「はい?」

 

「もう限界」

 

 カクリと身体から力が抜けて崩れ落ちる。 

 臨戦態勢を解除された俺に女性との接触は耐えきれるわけがなかったのだ。

 

「イッセーさーん!!お医者様ー!!」

 

「「「いや君(貴女)が治しなよ(さい)」」」

 

「そうでした」

 

 意識が遠くなる中、アーシアの手と治癒の温もりを俺は感じていた。





 補足・説明

 兵藤一誠、中級悪魔昇格+ミルたん係。
 悪魔上層部からの命令です(無慈悲)。
 なお魔法少女が増えたら担当も増えます。

 木場の戦闘スタイル
 軽装かつ高速剣技と異世界おじさんに近いが格の差は圧倒的。
 
 朱乃の呼び方
 ぶっちゃけ結構一誠を気に入ってます。性格もそうですが。女性にビクッと反応するのがS的に良いらしい。
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