原作2巻終了です。
感想にてリアスの二つ名追加が当てられてて驚きました。
使い魔編を書いてから3巻です。
レーティングゲーム保護者観覧席。
「フェニックス卿。今回の婚約をこのような形で破棄することになってしまい」
グレモリー家現当主は自ら申し出た婚約の結末に謝罪をしようと口を開く。
「みなまで言わないでください。グレモリー卿、純血悪魔同士の良い縁談でしたがどうやらお互い欲が深過ぎたようだ。お互いすでに純血の孫がいるにもかかわらずさらにと望んだのだから」
「私はあの子に自分の欲を重ね過ぎたのです」
「一族繁栄こそが当主の務めでしょう。
それに息子も得られるものがあったようだ」
非公式なレーティングゲーム。
メディアにのせて報道こそしないがその結末、あるいは試合映像そのものが上級悪魔間で共有されるだろう。ならば敗北こそしたが正攻法で戦い赤龍帝に挑んだライザーの評価は上がりこそして下がりはすまい。
「フェニックス卿」
「貴方の娘さんは良き眷属達を赤龍帝を持った、これからの冥界は退屈しないでしょうな」
何かが起きる、長き時を生きる悪魔達はそのような予感があった。
その渦中に二天龍たる赤龍帝が居るとも。
巻き込まれるであろうグレモリーと強く縁を結べたことはフェニックスとしては僥倖であった。
「しかし今代の赤龍帝は強いのですがずいぶんと愉快な存在ですな」
「ええ秘匿案件【M】を上層部から任されている上、あのような弱点があるとは」
「逆によいのかもしれません。明確な弱点のある忠実な赤龍帝ならば、上層部も過度な干渉や人質など弱みを握ろうとはしないでしょうから」
「ですな」
自身より強すぎる存在の制御。
それは政を行う者達の義務。
わかりやすい例としては元【六大龍王】が一体【魔龍聖】タンニーンだろう。
転生悪魔最上位であるかのドラゴンは【ドラゴンアップル】という弱みゆえに現悪魔政府に従っているのだから。
それを赤龍帝兵藤一誠が求められる可能性は多いにあったのだ。
「時にグレモリー卿」
「なんですかなフェニックス卿」
「その赤龍帝殿と私共フェニックスはより強き縁を結びたいと考えているのですよ」
「それは、そうでしょうな」
兵藤一誠が放った魔法。
あの炎凰を見て心焼かれたのはフェニックス卿もなのだ。
「どうかご協力頂けますかな?」
断ったらどうなるか分かってんのかゴラァというフェニックス卿からの気迫をグレモリー卿は感じ、また弱みと申し訳なさしかない立場では了承せざるを得なかった。
(リアス、お前の初恋は前途多難だぞ)
想い人である赤龍帝の体質もあるが、今後女性関係で大いに揉めることだろう。
余談だが、リアス・グレモリーは今回の件で悪魔間での縁談が全て無くなることになる。
フェニックスとの婚約破棄もそうだが、最後の赤龍帝の撃退がよろしくなかった。
リアス・グレモリーの口付けは死の口付け、唇を合わせることで直に破滅の魔力を相手の体内に打ち込むと誤解が広まってしまった。
無論、面白がった老人達の悪ふざけもある、悪魔とはそういう種族だからだ。
フェニックスとの破談と聞いて縁談を捩じ込もうとしていた貴族達もこれを聞いて一斉に取り止めた。
もはやリアス・グレモリーは兵藤一誠に貰ってもらわねば嫁の口はないかもしれない。
今回の件で良いこともあった。
悪魔政府内部には現赤龍帝兵藤一誠を神器研究の検体とすべきという意見もあったのだ。
悪魔政府上層部は秘匿案件【M】との関係もあってその気はなかったが、連中は主であるリアス・グレモリーの若さと未熟さを理由として強引に兵藤一誠を取り上げようとまで画策していた。
だが、リアス・グレモリーが赤龍帝を討てる存在であると判明したためその企みは阻止されたのだ。
なおその神器研究部署だが、上層部から後のトラブルの種になると危険視され秘密裏に処分されることとなる。調査すると捕えた神器保有者で遊んでいただけの部署だと判明したという理由もあるが。
リアス・グレモリー。
赤龍帝殺し、死の接吻、などの新たな異名が冥界にて広まる。
なお堕天使側に所属するとある白いのが当代赤龍帝は上級悪魔の娘以下と評価を下げることとなる。
「と、そのような感じで私リアス・グレモリーも兵藤家に住まわせていただくことになりました。ふつつか者ですがどうぞよろしくお願いしますわ。お父さま、お母さま」
「イッセーェェェ!!今すぐ着替えて出かける準備だっ!!グレモリーさん家とフェニックスさん家に謝罪しないと!!父さんも一緒に頭下げるからっ!!ところでカーナビに住所でるかな?」
兵藤家のリビング。
リアス部長の挨拶に、アーシアは涙目で頬を膨らませ、母さんは娘が増えると喜び、父さんは婚約破棄させたと誤解してパニックだ。あとカーナビには出ないと思う。
あの父さん、俺がぶっ壊したわけじゃないから。謝罪はグレモリー家の当主様がしていると思う。でも取引だから大丈夫なのかな?
あの一件のあと、部長が突然俺の家に住むと言い出した。意味はよくわからないけど、美少女と住めるなら歓迎さ(ヤケクソ)!!
「その上でご両親には提案というかお願いがあるのですが」
部長が切り出したのは自宅の改装についてだ。
今回の件で赤龍帝の名は冥界に広まってしまった。だからセキュリティのために建材に魔法的な処置を施し、さらに他の眷属達をまとめて暮らせるようにできる家に建て替えたいと。
この家に思い入れがあるなら、家ごと冥界のグレモリー領に運び管理保存するとまで言ってくれた。
「そこまでして頂けて、費用もそちら持ちでしたら」
「断る理由はないわねえ」
俺も生まれ育った自宅に愛着はある。
けどセキュリティまで言われるとさすがに頷かざるをえない。保存されるのだったらまた帰れるから余計にだ。
「ありがとうございます、ご要望がありましたらなんでも言ってください。シャンデリアでもカラオケルームでも空に浮かせるでも」
「「いやそこまでは」」
せめて親族を呼べる普通の家にして欲しいです。
「ううう」
「アーシア、貴女が不満に思うのは理解できるわ。でもね?」
アーシアに語りかける部長、何を話しているんだろ?
「イッセーの体質をなんとかしないとイチャイチャするなんて夢のまた夢なのよ!!」
なんかビシッと指さす部長。なにしてんだろあの人。
「私はデートしましたけど」
「よろしい戦争ね」
落ち着きがないなあ。
「遊びに来たぞ!!我が弟子よ!!」
そんな喧騒の中、突然師匠が登場。玄関のチャイムを鳴らしてください。
「何しにきたのよライザー!!」
「弟子との親睦を深めに来たんだ!!」
ババーンと宣言するお師匠と詰め寄る部長、師匠の後ろには申し訳なさそうなレイヴェル様。
「すいませんイッセー様。お兄様って同性の友人が居ないから、ついはしゃいでしまって」
同世代貴族で友人は難しいだろうしなあ。
ギャーギャー言い合う、部長達は婚約破棄以前より遥かに仲が良いように見えた。
「また女の人が、イッセーさんの女誑し」
「貴女もなのねお嬢さん!!」
「ローン返済が無くなったか、この分の支出は何にあてようか」
リビングの騒ぎは当分おさまりそうにない。
「にぎやかになったなあ」
『でも悪くはないだろう』
その喧騒は陽介さん達との旅を思い出させる。あの僅かだが確かにあった楽しい時間を。
今後ももっと賑やかに楽しくなっていくんだろうな。
「ところでドライグ、朱乃さんに貸した古代魔導具をどうしよう?」
『あんな顔してたら返せとは言えんよなあ』
補足・説明。
恋する乙女達の宝物
リアス
レーティングゲームで渡されたチラシ
アーシア
クレーンゲームでとってもらった人形
朱乃
剣型古代魔導具
イッセーは古代魔導具の回収は諦めました。異世界のオーパーツだから所持してたらかなり問題です。イッセーは同じ物を複数所持してるので執着はしてません。