天魔の業龍→カオス・カルマ・ドラゴン
蒼雷龍→スプライト・ドラゴン
霹鎚殲滅→ルガルドス ゴレット バストール
炎凰殲滅→バライブート フォルグ バストール
転移魔法陣の光が止むとそこは見知らぬ森の中だった。
「ここは悪魔が使役する使い魔がたくさん住みついている森なのよ」
そんな穴場スポットもあるのか。
グランバハマルを連想してしまう深く生い茂った森。こんな場所でどれくらいサバイバルライフをしたことか。
「ゲッ「セイ」」
そんな過去を思い出したせいか突然現れた青年を殴り飛ばしてしまった。サバイバルライフでは一瞬の油断が命取りだからだ。
「何してるのイッセー?」
そんな俺の行動に呆気に取られた部長。
「つい」
「彼の名前はザトゥージ。使い魔捕獲のプロフェッショナルで今回の案内人なんだけど」
「すいませんでした」
「いいってことよ。目と目が合ったらバトル、それが使い魔トレーナー。けどリアルファイトは勘弁してくださいお願いします」
顔を殴られ木に叩きつけれた青年はアーシアに治療されてから体を起こしそう言った。右手には五百円、俺に渡す気らしい。
「さてどんな使い魔をご所望かな?強いの?速いの?それとも毒持ちとか?」
彼は五百円を俺に渡した後にそう話した。断ったけどルールだから受け取らないといけないらしい。
「人間の両親と同居してるので毒持ちはちょっと。自分は神器的に難しいので、アーシアの護衛になるような使い魔が良いですね」
そこで俺は要望を伝えた。
両親に悪魔家業を隠しているなら契約した使い魔は普段は別の場所に預けただろう。けど知っているから実家で共に暮らす家族になる。
「実家住まいで使い魔か。人間界となるとあんまり大きいのも無理か。赤龍帝って聞いてたから【天魔の業龍】ティアマットとかオススメしようかと思っていたが」
『やめとけやめとけ。アイツは赤龍帝を狙ってるから関わらんほうが良い』
知り合いなのかドライグ?
『五大龍王の一角でな、神器封印以前に付き合いがあった。ちなみにメスだ』
あらもしやストロベリーな間柄?
『アイテム借りたまま封印されたから追いかけ回されている』
おい待てテメェ、何してやがる。
しかも現在進行系かよ!!
『歴代赤龍帝も何人かそれで殺られたなあ。借りたアイテムは神器封印後に盗賊に盗まれて世界中に散らばってな、多分今頃各神話の宝物庫の中じゃないか?』
最悪な借りパクのパターンかよ!!
つーか神滅具の悪評ってこれも原因の一つじゃねえのか?!
保有者を伝説の龍王が追いかけ回す、充分過ぎる程に呪われたアイテムだよ。
堕天使が発見次第抹殺認定するのも納得できちまうじゃん!!
『ま、相棒なら勝てるから平気平気』
嫌だよそんな罪悪感と申し訳なさしかない龍王殺し。いやまあ各神話に返却をお願いするとかそれも無理だけど。
わかりやすい例としては大英博物館のロゼッタストーンだろう。発見された場所、発見した人物の出身国、書かれている言語、盗難された事実、現在保有している事実などからその所有権にて各国で揉めた・揉めている代物である。
神話レベルで昔の元の持ち主だと主張しても返却を受け入れる国などないのだ。
いや龍王が来ると脅せばなんとかなるかも知れないが。
話は大分それたが元に戻す。
「とりあえず無しで、アーシア優先でお願いします」
イッセーならイケるわ!と目をキラキラさせてる部長がいるけどメスだから体質的にもアウトだと思いますよ、ドライグの話を聞いたから脅威認定して狩るとか無理だし。
「ならこれだ、ヒュドラ!」
「五百円おかわりかな」
パキリと指を鳴らしてザトゥージを睨む。
客の要望に応えない案内人とかいらんだろ。
「すんませんマジでやります。これ以上は使い魔フーズが買えなくなっちゃう」
自分の食費を減らせや。
「アーシアはどんなのが良い?」
「かわいい使い魔が欲しいです」
アーシアに尋ねるとそんな言葉が返ってきた。そうだよ部長達の使い魔みたいので良いんだよ。
「ではこちらです」
その後かわいいのと要望を出したにもかかわらず縄張り争いで筋肉質なアマゾネス化したウンディーネを勧めやがったザトゥージから再び五百円を徴収した。
筋肉質な巨漢はミルたんとその友人達でお腹いっぱいなんだよ。冥界上層部からはミルたん(魔法少女)増殖はできる限り阻止せよと勅命を受けているし。
誤魔化すために魔法少女になれるのは一人が限界と伝えたらバトルロイヤルを始めたからなあの連中。
勝ち残ったものが魔法少女になれる、血を血で洗うバトルが日夜繰り広げられてるとか。
そんなことを考えてたせいだろう。
ガサリと茂みから音がしたので見たらそこに、
「にょ?」
ミルたんが居た。
一瞬脳内に某クマさんの歌がフルコーラスで流れたけど冷静に信じがたい現実を認識する。
いやミルたんだから信じがたくないか(諦め)。
目の前の麦わら帽子をかぶり、虫取り網を持ち、肩からプラスチックの虫取りかごを下げたミルたん(ヒルマノスガタ)にとりあえず話を聞くことにする。
なお部長達はミルたんとの初遭遇に度肝を抜かれて絶句していた(アーシアもヒルマノスガタは初めて)。
「密猟者か?!」
意識を取り戻したザトゥージが務めを果たそうとするのを首トンで止める。
自殺はアカン。
「どうしたんですか?」
「ミルたんは使い魔が欲しくなったにょ」
あー魔法少女には付き物ですからね。マスコット的な使い魔。なんか元凶だったりきっかけだったり巻き込んだりする存在のイメージが強いけど、ミルたんが欲しがるのも納得だ。
「最初は前に異世界で倒した亀さんにしようとしたけど赤いおじさんに止められたからやめたんだにょ。だからここに探しにきたんだにょ」
「でも生態系崩れそうだから帰ってください」
『ミルたん相手でも言いたいことを言えるから上層部に酷使されてんじゃないのか?』
「むう、悪魔さんがそう言うなら諦めるにょ。あ、不法侵入の罰則とかどうなるにょ?」
「えっと、初犯だから今回は大丈夫だそうです。次からは事前に伝えてください。使い魔の件も依頼でなんとかしますので」
悪魔契約のタブレットで確認したらこんな返答だった。次元をぶち抜ける存在に不法侵入で咎めても無駄だしなあ。
「わかったにょ。
あと仕事で暫く出張だから駒王町は任せたにょ」
ヤバい、ミルたん不在とか治安が一気に荒れるぞこれ。
「承知しました、お疲れ様です」
そう告げてから去るミルたんを見送って、俺はフーと息をついた。
ミルたんの不在と使い魔の件か、また忙しくなりそうだ。
「あの、兵藤さんさっきの人は」
そう尋ねるザトゥージさんに俺は、
「秘匿案件です」
「いやでも俺は管理者でもあるから上司に報告義務があるんだけど」
「書類には【M】と書いて頂ければ全ての部署で認められます。だからお気になさらずに」
人差し指を口元に当ててそう告げる。
冥界の新たな裏ルール、秘匿案件【M】。
その影響は計り知れない。
なんとか全員を説得して再度捜索へ。
正直もう帰りたいけど、アーシアの為だ頑張ろう。
「蒼雷龍?」
俺の問いにザトゥージが頷く。
「そう蒼雷龍。その名の通り、蒼い雷撃を使うドラゴンさ」
ミルたんとの遭遇後に移動していた俺達グレモリー一行は、道すがら最近出没するレアドラゴンの話をふられた。なんでも子龍が一匹この森に迷い込んでいるらしい。
「ゲットするなら今が良いな。子龍だからまだ懐く可能性があるし、成長性も期待できる」
ドラゴン族でも上位クラス筆頭という蒼雷龍。もし使い魔にできるなら頼りになりそうだ。かわいければアーシアも大丈夫だろうし。
「おおアレだ!!」
ザトゥージさんが指さす場所を見れば、蒼い輝きを放つ鱗のオオワシくらいの大きさのドラゴンらしき生き物が巨木の枝で羽を休めていた。
子龍ってあんなサイズなんだな。
「蒼雷龍、生で見るのは初めてだわ。ブルーダイヤのように蒼く輝いているわ」
つぶらな瞳もラブリーで見た目もカッコイイ、なんか良い感じだな。
さて使い魔にするならどうするのか、ボールを投げるか餌を投げるか泥を投げるか、どれにするか。
けどその前に、
「霹鎚殲滅」
近寄るモンスターを排除しないとな。
「キャッ」
「何をっ」
「イッセー?!」
「アバババババ」
ヤベ、ザトゥージさん巻き込んだ。
精霊魔法の雷撃で此方に襲いかかろうとしていたスライムと触手を焼き払う。炎凰殲滅よりは森の被害はマシだろうしね。
「兵藤先輩こんなことも出来るんですね」
「そして超容赦ないね」
スライム系と触手系は雑魚認定されるのおかしいくらいエグくて強いからサーチアンドデストロイが基本なんだよ。
「イッセー君とお揃い、うふふ」
お揃いというか精霊魔法は大概のことできるんですけど。これらのモンスターはザトゥージさんから害は無いけど殲滅はしてよいと散策中に聞いていたし。
「ガ」
すると巨木に居た蒼雷龍がこちらに降りてきて仲間にして欲しそうにじっと見てきた(多分)。いやジャンルが変わってません?
「ガー♪」
『仲間にしないとあのイケメンと帽子を焼くぞと言ってるぞ』
かわいい顔して蛮族かよ!!
そして木場が巻き込まれているなオイ(ザトゥージは良いや)。
『ドラゴンのオスは他種族のオスが嫌いだから』
ユニコーンみたく絶滅しかけても知らんぞ。
『処女好き変態馬と一緒にされても』
ユニコーンの認識って人間以外だと実はかなり悪いよな。
「あー、俺じゃなくアーシアの使い魔になってくれないか?あと人間界で暮らすけど良いか?」
「ガー♪」
『三食昼寝ブラッシング付きを所望する、だってよ』
要求が高い?いや普通のペットだコレ。
まあそれぐらいなら。
「うちの両親は人間で雷撃をしないなら良いけど」
「ガー♡」
『よかろうその条件ならばこの未来の龍王が従ってやろうフハハ、と言っているぞ』
うん。
まあまだ子龍だしね。
とりあえず、
「蒼雷龍、ゲットだぜ!!」
『ピッ○○チュウ』
俺は蒼雷龍を抱えてそう叫んだ。
「何をしているのイッセー」
「なんかやらないといけない気がして」
「ア、アーシア・アルジェントの名において命ず!汝、我が使い魔として契約に応じよ!」
森の入口に戻り、アーシアが契約儀式の魔法陣を展開しだす。魔法陣の中央でちょこんと座る蒼雷龍の姿は中々愛らしい。
朱乃さんが教えてくれたからといってすぐに出来るアーシアは術士としてかなり素養があるそうだ。
「普通、蒼雷龍は悪魔に降らないドラゴンなんだけど、兵藤さんの雷魔法と、あの娘が特別清い心の持ち主みたいだからか前代未聞だが契約完了しそうだ」
ザトゥージがそう言う。
ほう、テメェはそんなドラゴンを勧めやがったのか?もっかい五百円徴収すべきか検討しているとアーシアの契約が無事完了した。
「くすぐったいです、ラッセーくん」
アーシアと子龍のじゃれ合い、心温まる良い光景だな。
「「ラッセー?」」
グリンと揃った動きでリアス部長と朱乃さんがアーシアを見る。
「はい、雷撃を放つ子ですし、イッセーさんから名前を頂きました。イッセーさんみたく優しくて立派な子になって欲しくて。なんか私達の子供みたいですね」
えへへと笑うアーシアの姿は可愛らしいけど、なんでだろ冷や汗が止まらない。
『外堀(ボソッ)』
お黙り!!
「さあ、イッセー!!貴方の使い魔がまだだし、もう一度捕まえに行くわよ!!」
俺の手を掴みながらリアス部長が叫ぶ。
やめて意識が飛んじゃう。
「次は私達にピッタリな子を見つけましょうね」
朱乃さん、蒼雷龍よりピッタリな使い魔は中々居ないんじゃないかな?
「僕達は何もしてないね小猫ちゃん」
「割といつもそう」
そんな風に騒ぎながら使い魔ゲットは終了した。
あ、ミルたんの使い魔どうしよう。
なお後日、報告書に【M】と書いて本当に通ったことにザトゥージは驚いたそうだ。
兵藤家に新たな家族が加わった。
蒼雷龍の子龍・ラッセー。
アーシアの使い魔であるこのドラゴンは日中は家でゴロゴロとのんびり過ごしている。
うちの両親にもあっさりと懐き、意外と頭も良いから家事の手伝いもする。
頬ずりする父さんをうざったそうにはするが攻撃したりはしない(母さんにはチクる)。
悪魔家業時にはアーシアの護衛もしてくれる頼りになる存在だ。
ただ、師匠とレイヴェル様には威嚇するのが唯一の問題かな。
俺の使い魔はまだまだ先になりそうだが、アーシアが使い魔をゲットしたから良しとしよう。
というかそれ以上に、
ミルたんとティアマットの件、マジでどうすんだよオイ。
中級悪魔兵藤一誠の苦労は絶えないようだ。
補足・説明
ミルたん友人達
現在もう一枠の魔法少女枠を賭けたバトルロイヤル中、人死はルール違反なので大丈夫。
○ッパ
危うくミルたんの使い魔になりかけた。マ○オの説得でギリ助かった。
ミルたん使い魔
次章のフラグでもある コメントは次章終了後にお願いします
ティアマット問題
赤龍帝の籠手は呪われたアイテム、はっきり分かんだね
スライムと触手
グランバハマルだと説明したくないくらいエグくてグロい。イッセーも記憶を消すレベルな時点でお察し(おじさんも消してる)。ドライグ哀れ。認識したら本能で殲滅する。
ラッセー
強いドラゴンなイッセーと清らかなアーシアに惹かれた。彼がイッセーを親父アーシアをお袋呼びしているのをドライグは武士の情けで黙っている。
ザトゥージ
結局しばかれ収入マイナス千五百円
イッセーからの評価もマイナス
秘匿案件【M】
元ネタはからくりサーカス。
しろがねと書くとなんとかなるアレ。