異世界イッセー   作:規律式足

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第六話 オカルト研究部

 

 駒王学園が誇るイケメン王子木場裕斗のあとに続きながら向かった先は校舎の裏手。

 木々に囲まれた場所には旧校舎と呼ばれる、現在授業などで使用されていない建物があった。開校時に使われていた校舎なわけだが人気がなく不気味な佇まいなため、学園七不思議のネタにされることもあるそうだ。

 それにしてはガラス一枚割れていないきちんと整備されている感じだ。

 

「ここに部長がいるんだよ」

 

 そう木場は告げる。

 生徒会、ソーナ・シトリー一派は本校舎の生徒会室。オカルト研究部、リアス・グレモリー一派は旧校舎を拠点にしているのか。

 ソーナ会長の話によると彼女達は人間界に留学兼実地研修を目的で来ているらしいから拠点として丁度良いのだろう。

 

『となるとこの学園のスポンサーは悪魔か、チラホラ居る他種族からしてここは人間界の異形種の寄り合い所みたいな場所かもな』

 

「(そういえば色々いたなあ、必死に目を逸らしていたけど)」

 

『お互い去年はトラブルお断りな気分だったしな』

 

「(グランバハマルとは違う争いのない平穏な暮らしを求めていたんです)」

 

『最近は若干退屈気味なわけだが』

 

「(手にした力は振るいたい、それが人の業なのかね)」

 

 ドライグと軽口を言い合いながら、木場の後ろについていき施錠もされていない旧校舎の入口を通る。二階建ての木造校舎を進み、階段を上がって二階の奥へ。

 拠点として使用しているためか塵一つ落ちていないくらい清潔だった。

 先導している木場の足が止まった場所はオカルト研究部とプレートのかかった教室だった。

 

「部長、連れてきました」

 

 引き戸の前から木場が中に確認を取ると「入ってちょうだい」と返事がした。

 中に居るのは3人か。

 実戦を離れて一年と少しだがこの程度は分かる。

 

『ならば中に居る者達の位置を気配から察して述べよ』

 

 えーっと一番近いのが一人でその後方に、って突然試験をするのやめてくれませんかドライグさん。

 

『日頃から意識することが重要だからな』

 

 そらそうだけど。

 部室に入れば、内部は異様な空間だった。

 至るところに謎の字が書き込まれ、紋様や数式が様々な塗料で描かれていた。中でも一番特徴的なのは、教室の中央から床全体に広がる巨大な魔法陣だ。

 まさに魔法使いや悪魔の拠点に相応しい場所だが、これらにはどんな効果があるのだろうか?

 

『中央の魔法陣以外は見た目だけだな、つまりインテリアだ』

 

 インテリアかいっ!!

 

『悪魔は基本派手好きで見栄っ張りな種族だからな、それっぽくしてるだけだぞ』

 

 実用性ばかりより味があるから良いのかな?

 さらにはソファーとデスク、仕事場も兼ねているのだろう。

 と、ソファーに先程感じた気配。小柄な女の子が座っていた。

 彼女は確か学園の有名人の一人で、ロリっ子無表情美少女として人気な塔城小猫ちゃんだ。

 ロリスキーやら貧乳派な男子生徒に特に人気で、女子からも小さくて可愛いからマスコット的な扱いなんだよな。

 黙々と羊羹をもぐもぐしている姿は確かに人気になるのも納得だな。

 こちらに気づいて視線を向けてきたので挨拶をする。

 

「駒王学園二年の兵藤一誠です、今日は先日の堕天使に襲われた件の話にきました。こちらつまらない物ですがどうぞ」

 

 収納空間から小判最中を取り出して渡す。

 礼儀正しくするのはお世話になるからと年上の可能性が高いからだ。異種族の年齢は外見からじゃ測れないからな。

 

「礼儀正しいんだね、兵藤君」

 

 菓子折りを受け取りながら目をパチクリさせて驚いている塔城さんと、意外とばかりに苦笑する木場。

 

「悪いな本当なら木場にもそうすべきだったが、本校舎だと人目につくからな」

 

「いや驚いただけで気は悪くしてないから」

 

 これはグランバハマルで身につけた習慣だからな、貴族と接する時は礼儀作法一つが命に関わるから。

 シャー。

 と部屋の奥から水の流れる音がした。

 いや正確にはしていたんだけど必死に意識を逸らしていたんだ。

 視線を向けないようにしていたその先にはシャワーカーテン、誰か浴びているのか陰影が映っている。

 あ、あかん。

 

『こんなとこで気絶するなよ。グランバハマルの冒険者時代の気分を思い出せ』

 

 そうだ、仕事モード仕事モード。

 グランバハマルで貴族が平民を嬲り殺す光景を何もしないで見過ごした時を思い出すんだ(助けたこともあるが助けた相手に後ろから刺されたりもしたなあ)。

 

「木場、シャワーが終わるまで廊下で待っているわ。準備が済んだら呼んでくれ」

 

「僕も廊下に行くよ」

 

「見知らぬ神器保有者が居るのに主の側を離れちゃ駄目だろ」

 

 付き人か護衛かは分からないが役目は大事だろ。

 そう告げてから俺は廊下へと出た。

 

「(しかし活動拠点にシャワー室とか返り血を洗うためかね)」

 

『侵入者の撃退も仕事ならありえるな。あとは魔法陣を描く塗料を落とすためかもな、儀式に使う香で匂いもつくしな』

 

 いちいち自宅で洗うのも面倒だろうし、運動部用のシャワー室は此処から遠いから拠点にあるのも納得か。

 けれど学園が誇る美女のシャワーシーンとか危うく死ぬとこだったぜ。

 

『相棒は金糸雀より繊細な生き物だな』

 

 ほっといてください。

 

「準備出来たよ兵藤君」

 

「はい、失礼します」

 

 さて二度目の悪魔との会合。

 今回はどうなるやら。





 補足説明
 
 一誠は基本礼儀正しいです。
 ですが作者がそこまで詳しくないのであくまでそれっぽく書いてる感じになります。
 外見が当てにならないのはグランバハマルでの経験からですね。エルフいましたし、メイベルもアリシアも十代の頃から外見はあまり変わりませんでした。さらには逆の意味で当てにならない異世界おじさんという存在もいましたし「「これ二十歳ィー!!」」。まあ女性陣が聞いたらビンタですね、でもリアスとか本当に高校三年生の年齢なのだろうか?

 あとスマホ投稿なので長文だと読み返すのが大変なので、だいたい切りが良いとこまで書いてます。
 だから話が進まない(絶望)。
 メインヒロイン登場まで六話以上かかる作品て。
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