異世界イッセー   作:規律式足

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 その頃の親友二人。

 今日はプール。
 水着姿の女性に鼻を伸ばすも、過剰反応する友人がいないことに物足りなさを感じている。
 女性に声をかけて良い感じになるも、子供の泣き声などを聞いて条件反射でそちらに向かってしまい、ナンパ失敗。
 親と逸れた子供は無事家族と再会できた。
 ちなみに、声をかけられたのに放ったらかしされた女性は、駒王学園の三年女子であり、迷子の面倒を真剣に見る二人に感心したとか。
 
 駒王学園内で女子からの評価が+された。
 


第六十七話 山籠り

 

 念願の夏休み。

 今年こそは彼女を作ってエロエロな夏休みを過ごそうと松田と元浜と年始に誓い合ったのだが。なぜか俺は冥界グレモリー領で山籠りをしていた。

 

「こんなとこか」

 

「なんで山についてすぐにツリーハウスを拵えてんのこの赤龍帝。手際良過ぎて怖ッ」

 

 最強の悪魔龍がなんか呟いている。

 久方ぶりのサバイバル。大切なことは時間を無駄にしないことだ。

 アスカロンがあるから石器を作る必要はない。水にしてもタンニーン様が川の近くに下りてくれたから探す手間が省けた。火に関しては魔力で生み出せるから問題ない。川の水を木の皮で作った鍋で煮沸している間に、今日の寝床を作る。簡単に折れる枝を木の皮を割いて作った紐で結び、虫対策と気温対策のために木の上に簡単なテントを組む。

 

「食料は収納空間にあるけど、やっぱり現地で取るべきだよね」

 

『塩が問題だな。冥界は海がないからな』

 

「岩塩とか取れるといいけど、それは手持ちを使うか」

 

『だな』

 

「じゃあ、後は狩りだな。木の実や草はツリーハウスを建てる時についでに採取したから、後は肉。魚を取るか」

 

『いや、丁度いい肉がいるだろ?』

 

「肉?」

 

「ん?」

 

 ドライグの言葉に視線を動かせばそこには巨大なドラゴンがいた。というか監督役のタンニーン様。うむ、確かに身が熟成して旨そうだ。

 

「タンニーン様、尻尾を少しわけて貰えませんか?」

 

「いいわけあるかッ!!攻撃しない約束はどうしたっ!!」

 

「一緒に食べればノーカンかなって」

 

「自分の尻尾を食わねえよ!!サイコパスかお前は!!」

 

 う、確かにそうかも。

 知り合ったばかりの同胞の肉をドラゴンだからとはいえ食べたいなんて。

 でも、

 

「ドラグ・ソボールでも主人公の息子がそんな事をしていたもんで」

 

 パッコロさんに修行をつけられている期間で、襲いかかってきた恐竜の尻尾をハムみたいに斬ってたから。なんか旨そうだったよなアレ(ジュルリ)。

 

「修行に食料調達なんて無駄な時間はいらないな。よし、お爺ちゃんがグレモリー邸からご飯を貰ってきてあげよう」

 

『伝説の龍王が配達員になるとか』  

 

「黙れドライグ。プライド抱えて死んだら元も子もないだろうが」

 

 長生きの秘訣かな?

 

『じゃあ頼むわ。そろそろ強化案の話をしたかったしな』

 

「俺も興味があるから後で教えてくれ」

 

 そう言ってタンニーン様は飛びたっていった。

 

『久方ぶりのドラゴン肉が』

 

「今更だけど同族食いに抵抗ないのか?」

 

『魚だって他の魚を食うだろ』

 

 知性ある生物は避けがちな同族食いをドラゴンは抵抗が無いようだった。

 グランバハマルで散々したから今更過ぎるけど。

 

「それで強化案ってなんなの?」

 

 気になっていたことを相棒に聞いてみる。

 グランバハマル最盛期の俺。

 フィジカルを極限まで鍛え抜き、様々な事象を倍加し、精霊魔法を操るスタイル。

 赤龍帝の籠手の機能を使いこなしたそれは世界最強に届きそうな程に強い。

 正直言って、あの姿に成れるように鍛えるのが最善ではあると思うが。

 

『あの姿は、陽介との激戦と過酷なグランバハマルだから至れたようなもんだからな。こちらの世界では同じ修行をしても成れはしない』

 

 それはそうだよな。

 陽介さんとの戦いもそうだし(もうやる気はないけど)、少し足を伸ばせば魔獣達の巣窟に辿り着けるわけでもない。

 変身魔法で、適当な生物を魔獣にすることはできるが、殺すために変身させるとか、貌の精霊がキレるだろうしなあ。

 

『だから相棒は別の形で進化をするべきだろう』

 

 しかし、そうは言ってもどうすれば良いのか。取っ掛かりすら思いつかない。

 

『グランバハマルの時と、今の相棒は大きな違いがあるだろう?悪魔化したという違いが』

 

「それはそうだけど」

 

『悪魔の駒による身体能力強化、寿命の延長、魔力の取得。さらに兵士の駒の機能まで加わった』

 

「けど、どの機能も精霊魔法で事足りていたよな」

 

 寿命は別として、だが。

 

『ああ。相棒は悪魔の駒の力を殆ど使ってない。使う必要のある相手もいなかったしな』

 

 そうなんだよな。

 

『だからこそ、新たな強化案とはその悪魔の駒を使おうと思っている』

 

「悪魔の駒を、使う?」

 

『うむ。悪魔の駒・兵士の特性にプロモーションというものがある。別の駒のステータスに変化させる、まあ昇格のようなものだな』

 

「精霊魔法の身体強化で使用してない機能か」

 

『本来のレーティングゲームで切り札になる能力だがな、最弱の沢山ある駒が最強の女王に成れるのだから。だがリアス・グレモリーは相棒に全駒使用してしまった』

 

「それで、かなり戦略が狭まったんだよな」

 

 申し訳無く感じてしまうのだが、それが事実なのだ。普通は兵士の駒はその数を活かして様々な役割をさせている。プロモーションにより、どんな事態にも対応できる駒なのだ。

 だが俺一人であることで、リアス部長はその手段が取れないのだ。

 

『ま、それで赤龍帝を眷属にできたんだからむしろプラスだろうよ。

 それはさておき、相棒は兵士の駒八個分のプロモーションが可能というわけだ』

 

 兵士の駒八個分の強化か。

 

「つまり、精霊魔法を使わないでプロモーション、他の駒の性能を使いこなすことが、強化案なのか?」

 

 確かに今までやったことのない修行だけど。

 でもカタル要素はどこにいった。

 

『いや、その程度ではない。

 神器・赤龍帝の籠手をプロモーションに合わせた形に変質・進化させることが目的だ』

 

「そんなことができるのかよっ!!」

 

『わからんっ!!(ドンッ!!)』

 

 わからんのかいっ!!

 ならなんで提案したお前。

 

『これは木場の禁手のことと、相棒がグランバハマルでなんでも倍加できるようになったことから気づいたんだが。

 聖書の神は、神器をかなり適当に創造している』

 

 マジかい。

 

『正確には、可能性という形を具現化した。というのが正しいのかも知れん。

 とにかく進化の余地は大いにあるんだ。』

 

 可能性、進化の余地。

 

『というか、考えてみろ。

 聖書の神が没したのは何年前だ。その当時にそこまで発想やら知識やらがあったわけがないだろ。

 日本人みたいな変態的な発想力を持っているわけではないし』

 

 全知全能じゃないのか、神っ。

 そして日本人の扱い。

 

『だからやろうと思えばなんでもできる。じゃ、ないかなあ?』

 

 断言して赤龍帝。

 

『ま、やらんよりはマシだろ。

 やらんでも最強に変わりはないしな』

 

 ぶっちゃけたなあ。事実だけど。けどまあ。

 

「面白そうだからやってみるか」

 

 赤龍帝の籠手の変化か。

 僧侶なら魔力特化。

 騎士なら速度特化。

 戦車なら力及び頑強さ特化か。

 

「どんな形にするか。僧侶なら籠手をバスターみたいにしようかな」

 

 チャージショットをしたいなあ。

 

『赤龍帝の籠手でできれば、それを禁手・覇龍にも反映できるだろう。そうなれば相棒にグランバハマル時代とは異なる道が開ける』

 

「手数が増えるのは良いことだしな」

 

 極まればかつての自分を超えられるかもしれない。それは楽しみだ。

 

「っで、どこにカタル要素が?」

 

 参考にした点はどこだろう?

 

『ほら、超邪神英雄伝だと、獣王龍刃丸と剣王龍刃丸になっただろ。

 あんな感じのフォームにしようかと』

 

 なるほど。

 ○○赤龍帝って感じで特化形態にしたかったわけか。悪魔の駒をフル活用したらイケるかもしれない。

 

「だったらカタルみたいに、各神話の主神とかから力を譲り受けるのもありかもな。できるか分からないが四大魔王様からそれぞれ魔力の一部を分けて貰うとか」

 

『四大魔王狩りじゃァァァァ!!』

 

「しないよ。そんなハンティング。つーかサーゼクス様には勝てないだろ」

 

『切り札使えば魔力を奪えるし、イケるイケる』

 

「その切り札は存在そのものがバレたらヤバいだろ。とりあえず方向性は見えたから、二十日間はそれに集中しよう」

 

『滅王赤龍帝。氷王赤龍帝。智王赤龍帝。軍王赤龍帝。アリだな』

 

 やたらと乗り気なドライグ。

 竜殺しの聖剣であるアスカロンも、調整次第で赤龍帝の籠手と同化できるらしいから。魔力を取り込むことは可能なのかもしれない。

 いや、身体に副作用とかでそうだな。取り込みまくってキャパオーバーして身体が弾けたりしそう。

 

「帰ったぞー」

 

「おかえりなさい。タンニーン様」

 

「うむ。だから俺の尻尾は狙うなよ貴様ら。

 蜥蜴の尻尾は再生しているようで、周りの肉だけで骨まで再生してないからな。ちなみにリスのあのフワフワな尻尾も取れるが、それは毛皮部分が芯を残して取れるだけだからな」

 

 うん。

 最強の転生悪魔龍になんかトラウマを植え付けてしまったようだ。

 さて、食事をしたらさっそく試してみるか。

 





 補足・説明。

 グランバハマルに転移時に半年くらいは、ドライグ指導の元オリツエタイシさんのようなサバイバルライフを送ってました。あそこまでトラブルはありませんし、害鳥娘ズの裸体を拝めませんでしたが。
 強化案、まんま原作の赤龍帝の三叉成駒。
 それをドライグ発案で赤龍帝の籠手形態から試みている。
 予定では、僧侶形態でサイコガン、戦車形態で鉄球、騎士形態で剣となる感じ。というか後半二つはメルヘブンのバッボのハンマー&ダガー。
 四大魔王の力の取り込み。
 完全にネタだが、ドライグは乗り気。
 原作から見ても可能だと思われる。
 アジュカの知能が必須な能力も、脳機能の倍加で不可能ではない。
 
 タンニーンの尻尾。
 ドラゴンボールネタ。ラディッツ襲撃後の悟飯のサバイバルライフ。こっちだとドラグ・ソボール。
 なおリスの尻尾は作者の家族がリスを飼っていた時の実話。芯をのこしてフワフワな部分がすっぽ抜けた。
 
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