異世界イッセー   作:規律式足

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 キャラ改変、オリジナル設定ありです。
 退場キャラだから好き放題してよいかなって。



第七十九話 ゼファードル・グラシャラボラス(に木刀○竜要素を加えたナニカ)

 

 ゼファードル・グラシャラボラス。

 グラシャラボラス家の次期当主にして、グラシャラボラス家の凶児と呼ばれる存在。

 彼がどんな人物であるかと一言で評するなら、英才教育が嫌で家を出た不良である。

 グラシャラボラス家。

 七十二柱の名を冠する、悪魔の名門。

 しかし、その一族が最も栄えたのは先代四大魔王の時代ではなく、一族のファルビウムが新たな四大魔王となった現代である。

 新たな四大魔王就任により、グレモリー、シトリー、アスタロト、と並ぶ七十ニ柱から抜きん出た一族となったのだ。

 そのような状況で一族が望んだのはさらなる発展。その原動力となる力ある次代である。

 二人目のファルビウムを、二匹目のドジョウを一族は求め、若き次世代に苛烈な教育を施すようになったのだ。

 さらにファルビウムが実力者である以上に、軍略家であったことが悪く働いてしまった。

 生来の特異な能力であるならばともかく、軍略・戦略・知識であれば、学ぶことで補える。

 ゆえにグラシャラボラス家直系の者たちは幼少期より自由を与えられずに訓練と勉強詰めの生活を送る羽目となった。

 全てはグラシャラボラス家のさらなる飛躍のために。

 しかし、そんな生活が嫌になる者が、耐えきれない者がいた。

 それが、ゼファードルである。

 教本を破り捨て家を飛び出した彼は、もっと自由に生きれる、もっと過ごしやすい居場所を求めて、地元・グラシャラボラス領を放浪しだした。そう、自らのベストプレイスを追い求めるために。

 その旅路で多くの出会いが、戦いがあった。いつしか彼の周りに似たような境遇の、居場所のない者たちが仲間として集い、領内でも名を知られる存在となった。

 もっとも、その評判は悪くない。

 好き放題はしても無体な行動は一切せず、魔獣や犯罪者を討伐することで生計をたてていた。生活する勝手に占拠する建物も、かつての内乱後に空き家となり放置されたものばかりだ。当人達が暮らしやすいように環境を整えるため、周囲からは歓迎されている。

 また凶児という異名も、自分で名乗りだしたものが定着したものだったりする。

 カッコいいだろ?とドヤ顔かましたゼファードルに仲間達はソッと顔を逸らしたものだ。

 真っ当に暮らしてはいなくても、外道に堕ちていないアウトロー集団。それがゼファードル一派だった。

 だが、そんな彼らの楽しく充実した日々が終わったのは、グラシャラボラス家にて次期当主候補が突然事故死したからだ。

 その次期当主候補とゼファードルの仲は悪いものではなかった。

 家を飛び出したゼファードルが一定期間という約束とはいえ次期当主に任命されたのも、その関係性によるものが大きい。

 そして、嫌々ながらも引き受けたゼファードルは会談前の顔合わせでナンパをしようとして、運命の出会いを果たす。 

 それが、今までゼファードルが見たことのない、同世代の圧倒的強者、史上最強の赤龍帝・兵藤一誠である。

 その覇気に魅入られた彼らは、人間界に帰還しようとする兵藤一誠に舎弟となることを望むのであった。

 

 ナニカ(クソカス女好き外道)を轢いたことに気づきもしないで。

 

 

 

「というわけなんでさあ」

 

 グレモリー本邸。

 俺、兵藤一誠は人間界の帰還を一旦取りやめてゼファードル様の話を聞いていた。

 幸いなことに日数にはまだ余裕があり、またナニカ(ディオドラ)を轢いたことで列車のメンテと、行方不明者の捜索依頼を出さなければならないため、すぐに出発できないという事情もある。

 そんなわけで、突然俺の舎弟になりたいというゼファードル様の話を聞いたのだが。

 

「どうしたらいいですか、部長?」

 

 ぶっちゃけどうしたら良いのか分からない。

 舎弟になりたいという話だが、そこに利益やら利権を求めてのものではなく、単に一緒に過ごしたいだけらしい。

 このタイミングになったのも、跡取り教育から逃げ出した身ではグレモリー家に連絡する伝手も、人間界に行く手続きも取れないかららしい。

 そもそも次期当主になる以前も地元(グラシャラボラス領)から出たことがないんだとか。

 

「難しいわね。これが下位の貴族なら傘下につくって話で終わりなんだけど。グラシャラボラスとなると流石に無理よ」

 

 同格を傘下にするのは無理がある。 

 またグラシャラボラスにしても、下につくことなど認めないだろう。

 

「それに個人的に、シーグヴァイラに、異性にあんな無礼をはたらく者を側に置きたくないわ」

 

 あー、それは確かに。

 

「普通に口説いただけなんですが」

 

 その部長の言葉に困ったように頬をかきながらゼファードル様は言う。

 

「「「どんな蛮族っ?!」」」

 

 野生動物の方がもっと文化的に異性へとアピールすると思う。

 

「地元じゃ、アレで「素敵!抱いてっ!」になるんですけどね。やっぱ都会の女は身持ち硬いんすかね?」

 

 どんな地元だ。

 部長達も絶句しちゃったじゃん。

 

「あー、ウチのゼファーは地元じゃモテまくりでしたから」

 

 そんな俺達の反応に、ゼファードル様の女王であるマッスルパンチさんが説明する。

 たらこ唇が特徴的な中級悪魔の青年で、グループのサブリーダーポジだったから女王になったそうだ。

 

「モテるよな、ゼファーさん」

 

「そうそう、異性に縁の無さそうな暗い娘とか」

 

「物陰からこっちをニヘラニヘラ笑いながら見ている娘とか」

 

「髪の毛乱れて、目元に濃い隈があって、包丁握りしめた娘とか」

 

「いつのまにか写真に写っている娘とか」

 

「「「「不思議と羨ましくないけどな」」」」

 

「廃品回収業者なのかな?」

 

 彼の仲間である眷属達もそのモテっぷりを語りだす。うんロクな女性がいないじゃないか。羨ましくないのも不思議でもなんでもないよ。

 

「オイオイ、兄貴の前で俺様のモテ話なんて恥ずかしいじゃねえか」

 

 照れながら言われる内容じゃないと思う。

 というかお祓いが必要なレベルの厄とかついてないかな?

 そして兄貴じゃないから。

 

「そ、そう。大変な娘もいるのね」

 

『相棒を殺してるお前も大概では?』

 

 そこは突っ込んじゃ駄目だろドライグ。

 

「まあ、舎弟は置いといて親しくする分には構いませんけど。そんなに舎弟になりたいの」

 

「無論でさあ。デッケエ漢に従いたくなるのは漢の本能みたいなもんですから。アンタの下について学べば自分の漢を高められる、そう感じたんです」

 

 うーん。

 

「ライザー師匠を慕う身としては断りにくいんだけど」

 

 別に眷属にしてくれと迫っているわけではないのだし。了承しても良いけど、何もなしで認めるのはそれはそれで不味いよね。さっきから木場とギャスパーが仇を見るような目で睨みつけているし。女性陣も抵抗がある感じだしなあ。

 

「悩んでるなら、条件をつけたらどうだ?」

 

 すると、アザゼル先生が思い悩む俺に横から助言をくれた。

 

「条件、ですか」

 

「ああ、皆が認めるような事をさせるとかな」

 

 そっか、確かにライザー師匠とも最初は反感があったけど、あの男振りを見たから皆受け入れてくれたんだよな。

 なら、そうだ!

 

「ゼファードル・グラシャラボラス」

 

「うす」

 

「君が俺の舎弟になる条件を言おう」

 

「なんなりと」

 

 居住まいを正す彼に俺は、先日聞いたとある一件を持ち出す。

 

「近日行われる若手悪魔同士のレーティングゲーム。君の相手であるサイラオーグ・バアル様との戦いで、『心が折れない』ことだ」

 

「心が折れない、ですか?」

 

 呆気に取られたゼファードル様が思わず聞き返した。普通ならば勝利が条件になるだろうが、彼の実力では不可能だし。

 多分、サイラオーグ様も潰すつもりで戦いそうなんだよね。対戦者の精神を断つほどの気迫で臨みそうなタイプに見えたし。

 

「まあ、それなら妥当だな」

 

 アザゼル先生も理解してくれたみたいだ。

 どうせ折れたら、舎弟なんてやらないだろうし。立ち上がれたら光るものがあるからね。

 

「あー、兄貴に意見するようで何ですが。サイラオーグは魔力の使えない無能ですよ?」

 

「なっ?!」

 

 その常識のように悪意の無い言葉にリアス部長が反応する。従兄弟だからこそ、サイラオーグ様の事情を知っているからだろう。

 

「いや今の反応から、強いには強いんでしょうか。それでも、そんなんでいいのかな、って」

 

 サイラオーグ様に失礼な物言いだが、これが一般的な悪魔の見方なのかもしれない。

 

「けど、実の弟を打ち破ってバアル家の次期当主になったそうだから。強いと思うよ」

 

「あんだけ身体鍛えたヤツが、殴り合いで勝てても別に驚くことじゃないっすよ」

 

 うーん。

 なんであの闘気とかが伝わらないかな。

 あとバアル家の次男ってあんまり強くないって思われているのかな?

 

『見た目に反してコイツは生粋のウィザードタイプなんだろ。だから推し量れないのさ』

 

 なるほどだからか。

 それなら仕方ないか。

 

「サイラオーグ様は君より強いよ。それは彼と戦ってみればわかることだ」

 

「兄貴がそこまで言うならわかりやした。けど」

 

 そこでゼファードル様はニヤリと笑う。

 

「別に、倒しちまっても、良いんすよね?」

 

「ウン、イイヨー(無理そう)」

 

『(無理だな)』

 

(駄目そうね)  

 

(駄目そうだわ)

 

(なんかフラグみたいだね)

 

(カマセ犬くさい人)

 

(あわわわ)

 

(イッセー先輩の舎弟は僕なのにー)

 

 自信有りげにそう言って、ゼファードル様と愉快な仲間達は去っていった。

 負ける気はない。

 そう、その背中は語っていた。

 そんな彼らを俺達は引き攣った表情で見送るのだった。

 

 

 

 これは、ゼファードル・グラシャラボラスが、サイラオーグ・バアルに敗北する数日前の出来事である。

 





 補足・説明。

 ゼファードルの設定はオリジナルです。
 地元ではかなり人気ある集団です。
 眷属に関しては、シャーマンキングの木刀の竜の仲間達と+αを採用しました。
 出るかわからないけどオリキャラを全員考えるの大変でして。
 ちなみに他の候補は、BLEACHのグリムジョーの部下、ワンピースのフランキー一家でした。グリムジョーの部下は強いからやめましたが。ただ強化案として帰刃は使うかもしれません。
 そして、ゼファードルがサイラオーグを低く評価しているのは、魔力以上に弟を蹴落としたことが気に入らないからです。詳しい事情は知らないからこその印象ですが。最後にざっくり眷属説明。

 女王 マッスルパンチ
 中級悪魔 怪力でパンチ力はかなりのもの。ゼファードルに同性だがガチ恋中。

 僧侶 ブルーシャトー
 上級悪魔だが友人であるゼファードルついていった。黒髪、細身のイケメン

 僧侶 アパッチ
 中級悪魔 筋肉質なタンクトップの男性
 チームの先鋒

 戦車二駒 ロロロ
 元ネタはオーバーロードのリザードマン編に登場した5つ首のヒュドラ。弱くてはぐれた(捨てられた)ところゼファードルに拾われた。人工神器で車輪をつける予定

 騎士 ボールボーイ
 下級悪魔 スキンヘッド 半裸 腹に入れ墨と外見の濃いキャラ
 
 騎士 デスマシーン
 下級悪魔 ヘヴィメタ好き

 兵士
 シルヴァーサン
 下級悪魔 画面からはみ出るくらいでかい

 ジャンクフード
 元人間 フード姿の元苛められっ子 神器持ち

 スペースショット
 下級悪魔 坊主頭 聞き間違いが多い

 フリーデイ
 悪魔ハーフ 軍人っぽい格好 神器持ち
 
 です。

 本編には絡まないだろうけど一応は。
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