旧魔王派による現四大魔王の身内襲撃。
サーゼクスとセラフォルーは逆鱗だけど、アジュカとファルビウムには無意味なような?
勝手なイメージですか、アジュカは家族を同じ生命体と認識してなくて、ファルビウムは家族を面倒としか思ってなさそうな気がします。というか兄弟だか親戚のゼファードルに一言も無かったような?
神殿に入るなり俺達は耳にオーディン様から渡された通信機器を取り付けた。するとすぐさまアザゼル先生の声が聞こえてきた。
「無事か?こちらアザゼルだ。オーディンの爺さんから渡されたみたいだな」
「こちらリアスです。現在眷属であるアーシアが裏切り者であるディオドラに攫われ、旧魔王派の軍勢をイッセーが殲滅した後、敵拠点に潜入しております」
アザゼル先生からの連絡にリアス部長が現状を報告する。
「アーシアが?こんな時に欲望優先か、それとも狙いがあるのか?とにかくこのレーティングゲームは『禍の団』旧魔王派の襲撃を受けている。そのフィールドも、近くの空間領域にあるVIPルーム付近も旧魔王派の悪魔だらけだ。だがこちらも予想していたことだ。現在、各勢力が協力して撃退している」
俺達は囮に使われた、というわけか。
最近の現魔王に連なる者達の不審死。ゼファードルの身内の死も連中がやったという。
そもそも頑強な悪魔が事故死するというのがおかしい話なのだ。悪魔なら車に轢かれた程度じゃピンピンしているからな。慕っていた存在が暗殺されていたとなるとゼファードルになんと言えばよいのか。
これらについては今までの疑惑と、先日のアスタロトとアガレスのレーティングゲームから確信されていたらしい。
「ディオドラがオーフィスの蛇をゲームで使ったことは旧魔王派からしても予想外だった筈、だから何かあるかと疑われている今回のゲームは何もしない可能性もあったんだが、奴らは作戦を覆さなかった」
そこは確かに不思議だ。
警戒されていることが明白なのに実行するとは、それでも勝算があるからなのか。
中級・上級悪魔による軍勢の奇襲程度で、他神話の主神や幹部達が殺れるならとっくに悪魔が世界を統べているだろうに。
「一部の旧魔王派は三大勢力会談で捕縛したカテレア・レヴィアタンの説得に応じているみたいだけどな。カテレアにしても上層部との七日七晩にわたる愚痴合戦もとい説得により、スッキリ、ではなく理解をしたようでな」
どれだけ魔王少女へのストレスが溜まってたんだろ皆さん。温泉旅行でもプレゼントした方が良いかな?
「もうゲームどころではないわね」
「悪かったな、リアス」
アザゼル先生の心からの謝罪。
彼もまた戦争を厭い、若手が散ることを良しとはしていないのだ。
「では、私達はこれからアーシアを救いだします」
諸々の事情を聞いてリアス部長が出した結論がこれだ。この神殿の地下に避難場所となる隠し部屋が用意されていてそこに隠れていろとも言われたが、ディオドラが女性に最低な真似をする悪魔である以上は、すぐに助けださないとアーシアがどうなるかわからない。
「安全を理由にしてもイッセーがいるから止められねえしな。わかった、お前らの好きにしろ。俺もすぐにそっちに向かう」
「このフィールドの中にはいるのですか?」
「かなり広大なフィールドで離れてはいるがな。結界をなんとかしようと試みたが中からは破壊は不可能だ。恐らく『禍の団』所属の神滅具所持者が創った結界だ」
神滅具『絶霧』、空間系最強の神器はここまでできるのか。
『だが完全無欠の結界の作成は不可能だ。何かしら解除条件があるからこその頑強さだろう』
流石ドライグ。なるほどそんな縛りがあるからオーディン様にも破壊できない結界になるのか。
「アザゼル先生、ドライグの予測通りならディオドラの元にはなんとしてもいくべきだと思うわ」
「亀の甲より年の功だな。よい着眼点だドライグ」
『いやお前とは同世代くらいだろ』
アザゼルとドライグ、実際どっちが年上なのかな?誤差の範囲だとは思うけど。
「わかった存分に暴れてこい。ただ気をつけろ、ディオドラは馬鹿だが裏で手を引いてるヤツは狡猾だ。どんな手段をとるかわからないからな」
そういうのが一番苦手なんだよな。
陽介さんも遺跡の謎解きより破壊を選ぶたちだったから。
その点、今回は部長達がいるから大丈夫だな。
さて、とにかくアーシアがディオドラになにかされる前に助けだし、そこにあるだろうこの結界の核を対処する。それが俺達のやることだ。
「じゃあ、まずは探さないと。小猫、アーシアは?」
部長が小猫ちゃんにサーチするよう促した。小猫ちゃんは猫耳を頭部からぴょっこりと出す。猫魈としての力を使うようになってからは仙術もあり、探知役としても活躍できるようになったんだよな。でも、
「大地走査」
この場合はこちらの方が早い。
精霊魔法の大地を走る索敵。それは神殿内を把握させ、隠し通路すら容易く発見する。
「あそこ、か」
神殿の奥に、装置に繋がれたアーシアとディオドラを確認。その手前にあるいくつかの部屋にはそれぞれ眷属が待ち構えている。
「私の存在意義」
ジト目で睨みつけないで小猫ちゃん。これを陽介さんは深闇の迷宮でやったんだから。
しかし、アリシアさん達の時のように(無かったことにされたけど)直通の通路が無いからショートカットはできないか。
なら、
「光剣顕現、闇剣顕現」
まずはこの二つを発動して。
「? 何をしているのイッセー」
位置的に角度はこの辺かな?
クソ、ディオドラがアーシアの前にいなければこれで仕留めたのに。
光剣と闇剣を交差させるとバチバチと音が鳴り、封印都市ルバルドラムの防衛結界を破るほどの威力があるエネルギー弾が発生する。
陽介さんの得意技だったよなコレ。
どんな原理なんだろ、相反するエネルギーをぶつけ合わせたとかそんな理屈かな?
「よし、道ができた」
「「「「何をやってるの」」」」
そのエネルギー弾は神殿の壁をブチ抜き、最奥までの直通路ができる。
皆が頭を押さえてツッコミをいれてくるが、だってねえ。
「ディオドラの眷属って堕されたシスターやら聖女らしいので始末するのは気が引けて」
大地走査で把握した限りだと、入口からまっすぐに撃ったらまとめて殺れそうだったんだよね。
「そういう事を言いたいのではないのよ。そっか、この子本当に普段は自重してるのね」
赤龍帝の僧砲のチャージショットでもできたけど、アレは時間がかかるからな。
そもそもアーシアが攫われなければ神殿ごと光剣で真横に切り払ってたし。
「さ、アーシアを救いましょう!」
「史上最強の赤龍帝。その称号をもっとちゃんと理解すべきね」
『今のは赤龍帝が一切関係なかったぞ』
陽介さんでも同じことができるよね。
さあ、皆で全力ダッシュだ。
「なんか見せ場とか活躍とかあった気がする」
「正しいけど納得できないような」
「アーシアの為だ、問題ない!!」
何やらぶつくさと後ろで言っている。いや気持ちはわかるんだ陽介さんと冒険している時は俺もそっち側だったから。
でもさ、優先すべきなのはアーシアなんだ。
「皆、通信機器は繋いだままにしておきましょう。アザゼル先生からの助言が必要になるかもしれないわ」
流石は部長。
こっちの状況が伝われば経験豊富なアザゼル先生からアドバイスを貰えますからね。
そうして走り抜けた先、最深部の神殿・祭壇へと辿り着いた。さっきのアレで半分ほど抉られているけど。
その内部に入れば、前方に巨大な装置らしきものが設置されていた。
壁に埋め込まれた巨大な円形の装置で、あちこちに宝玉が埋め込まれ、怪しげな紋様と文字が刻まれていた。
これがドライグの言う結界の要か?
疑問に思うが、今はそれよりもアーシアだ。
「アーシアッ!!」
装置の真ん中に彼女は繋がれていた。頬が張られたように赤くなっているが、衣類の乱れはない。良かったとにかく無事ではある。
だがおかしい。
あのディオドラ・アスタロトが、女を襲うよりも装置に接続することを選ぶなんて。
「なんて野蛮な男だ」
装置の横からディオドラ・アスタロトが出てきた。優男風のその顔は怒りと屈辱に歪んでいた。
「通路の存在を無視して、壁を破壊して道を作るなんて、お前は始皇帝のつもりか!!」
朕の進む先、それ即ち道也。だっけ?
いやそっちじゃなく、陽介さんリスペクトだからな。は、もしや陽介さんは始皇帝だった?!
あと、なんで味方の皆もウンウンと頷くのさ。良いじゃん早く着いたし、余計な戦闘を避けれたんだから。
「貴方の怒りなんてどうでもいいわ。アーシアは返して貰うわよ」
リアス部長が一歩前にでて、そう宣言する。
「ははは、ずいぶんと強気じゃないかリアス・グレモリー。偶々赤龍帝を手に入れたからと偉そうに」
馬鹿にするかのようにディオドラは言う。
なるほど、こいつは他種族だけじゃなく性別でも見下すタイプなのか。
だから部長の評価が面白くないんだろう。
「そうね。確かに私はイッセーと出会えたからこそ得られたものばかり。アーシアだって、可愛い妹分だってそうだもの。だからこそ、この子達に胸を張れる主でいようと思うのよ」
ディオドラの言葉にリアス部長は揺るがない。しっかりと堂々と立ち向かう。
「自らの欲望のために、裏切りと姑息な工作を繰り返す貴方と違ってね!!」
その姿に迷いはない。
支えていたいと思う主がそこにはいた。
「フフフ、いいだろう。どうせ和平の為に持ち上げられた女悪魔風情。何を言われても聞くに値しない。眷属諸共相手してやろうじゃないか!!
そうした後にアーシアで楽しんでやるさ!!」
「リアス様、俺がやります」
オーフィスの蛇で強化された上級悪魔。部長達なら負けることはないだろうが、それでも舐めてかかれる相手でもない。
それに何よりも、俺がコイツを殴りたい。
「大きくでたね、赤龍帝。
だがお前が四大魔王が転生悪魔を評価させるために持ち上げられた看板なのはわかっている」
なんのこっちゃ?
『アレだろ、転生悪魔が活躍することで悪魔の駒を推奨する現政権の立場を盤石にする。という政治工作の駒だと思われてんだろ』
初耳なんですけど。
『だから今までの功績はでっち上げで、赤龍帝は弱いって思い込んでるのさ。プライド高いから』
それもう妄想レベル。
というか今まさに壁をぶち抜いて来たよね?
「それだけの火力も大方アザゼルから道具を得ているんだろ?なにせヤツは和平したくてたまらなかったからねえ」
もしかして実力も堕天使からの技術提供によるもの認識?
『接触の機会が多かったのと、姫島がバラキエルの娘だからな』
無理矢理な理屈づけだなあ。
リアス・グレモリーの活躍全てが和平のための布石で、評価は下駄を履かせたものだなんて。
「だがねえ、どんな人工神器を与えられようとこれには及ばない」
するとディオドラは何やら剣らしきモノを取り出した。
「あの堕天使総督アザゼルが、自らの手で厳重に封印した最強の人工神器」
まさかそんなものを盗みだしたのか。どれだけ内通者は潜り込んでいるんだ。あとアザゼル先生「ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいアレかアレかアレか」ってなんですか?耳元がうるさいです。
「この、閃光と暗黒の龍絶剣、にはねえ!!」
「「「「「「「「のひょーー!!!!」」」」」」」」
耳が、耳が痛いです。
アザゼル先生が全力の悲鳴を上げたから、耳に付けていた通信機からとんでもない音が。
なんかすっごいキーンとした。
ほら他の皆も頭を抱えているよ。
「相反する二つの力を宿した至高の人工神器。恩師であるアザゼルの力の前に敗れるがいい!!」
さっき似たようなことをしたような。
しかし、木場の聖魔剣みたいなものを創り出すとか流石はアザゼル先生だよな。「嘘だろおい、なんで盗まれてんだよアレがアレが禍の団に知られたのかアレがアレが」、あの、どうしんですかさっきから。
「さあ、身の程を知るんだね、薄汚いドラゴンが!!」
そう叫びながら、オーフィスの蛇により増大した魔力を漲らせ、二つの輝き放つ剣を振りかざしながら突っ込んできた。おお、魔力の多さを示す翼まで八枚もある。
「イッセー!!」
「イッセーさん!!」
リアス部長とアーシアが叫ぶ。
まあ端から見たらピンチだしな。
でも、俺の気持ちはもう怒りの熱さを通り越してさ。氷のように冷え切っている。
「縛動拘鎖」
ただ一言、精霊魔法の発動。
それだけで調子にのって突っ込んできたきた間抜けは、現れた鎖により捕縛される。
「!?」
「ゼファードルの家族の件、アーシアの件、色々言いたいことはあるけど、もういい」
神器を赤龍帝の戦槌に切り替える。
「ハーーンマーーッ!!」
言葉を交わす価値すらコイツにはもう見出せないのだから。
裁きは政府にしてもらえ。
俺はこの一発で終わりにする。
拘束されたクソ野郎の顔面に思い切り赤龍帝の戦槌を叩き込む!!
ズンッ!!
音が呑まれるような衝撃音が響いた。
グシャリッと顔面が潰れる音が聞こえる、まあディオドラの意識を奪うほどの威力ではないがな。
殺しはしない。
せいぜい痛みに悶えていろ。
まだやってもらうことはあるからな。
縛動拘鎖で固定してからの攻撃、この戦法は有効的だけどマトモな戦いにならないからあまり使えないよな。どうにも卑怯くさいから。ただコイツみたいな存在を駆除する時なら使える。
「記憶走査」
固定して自慢の面が潰れたディオドラの頭に手を当てて記憶を探る。
一体アーシアは何に繋がっているんだ?
「『・・・・・・』」
「畜生がっ!?」
記憶を探りこの装置が何なのか理解する。
なんてことしやがるコイツは。
「イッセー、何がわかったの?」
「この装置は、『絶霧』の所有者が創り出した結界装置で、一度使わないと停止できないようになっています」
思うがままの結界装置を霧から創り出せる『絶霧』の禁手である『霧の中の理想郷』。空間系なのか創造系なのかはっきりしろ!!
「発動条件と、この結界の能力は?」
リアス部長の問いに知り得た情報を告げる。
「ディオドラと関係者の合図か、ディオドラを倒されたら。意識を奪わなくて正解でした。能力は、枷に繋がれた者、アーシアの神器能力を増幅させて反転させることです」
「ソーナとのレーティングゲームで使用された術式ね。回復をダメージへ変換する気ね。堕天使の技術、盗まれすぎじゃない」
「面目ねえ」
通信機ごしのアザゼル先生の謝罪も今は虚しいだけだ。
「フンッ」
クソ、闇剣では駄目か。
不可視世界を司る闇魔法も、装置になっているため通じないとは。精霊様、もっと融通効かせられませんかねぇ!!
『無茶を言うな相棒』
アーシアの神器の凄まじい回復能力を増幅反転させて各勢力のトップ陣を一網打尽にする計画。
これならば強行するのも無理はないか。
「イッセーさん、私ごと」
「馬鹿なことを言うな!!アーシアでも許さないぞ!!」
優しいアーシアが耐えられないのはわかる。けどそんなことができるか。
「クソ、クソ、クソ、クソ、切れろ、斬れろ、切れろ、斬れろよお!!」
何度も何度も光剣と闇剣をアーシアに繋がっている装置へと振るう。
いっそ形貌変躯で変身すればこれを千切ることが出来るか?
『やめておけ相棒』
「うるせえぞドライグ!!」
なんでこの娘なんだ。
なんでアーシアなんだ。
誰かを癒やしたい優しい娘のチカラを、なんでこんなことに利用できるんだよ。
なんで、血に塗れた俺じゃなくて、汚れのないアーシアが辛い目に合うんだよ。
『冷静になれ阿呆』
「ああ?!!」
『俺には三つのチカラがあることを忘れたか?』
「倍加、譲渡、透過、それがこの状況でなんの役に立つっ!!」
透過に関しては試みようとした。アーシアをそれで外そうと、だがあれは自分にしか使用できなかった。
『だから冷静になれと言ったんだ、アルジェントを自分にすれば良いだろ』
形貌変躯か?
いや枷も神滅具ならばサイズ調整くらいするだろう。ならば、
「そうか!!」
絶霧は赤龍帝の籠手よりも上位神滅具、だがそれは今まで一度も為されなかった、赤龍帝の籠手の全開放がされていない状態でだ。
そして、アーシアを俺と同一にするには。
「アーシア、先に謝っておく。一生許さなくてもいい」
思いつきは最低の所業。
でも、俺はアーシアを助けたい。
「え?」
手首を思い切り抉り、血を吹き出さす。それをアーシアにぶち撒けて、さらには自らの口に含む。
「ンンン!?」
そして俺は、アーシアの唇を奪い自らの血を口写しで飲ませる。
優しいアーシアならいくら言っても血なんて飲まないだろう。だから無理矢理にやる。
「「「「!?」」」」
大切な人を救うための、自分から初めてしたキスは、熱くて鉄臭い血の味がした。
『Penetrate』
コクリとアーシアの細い喉が鳴ったと同時に透過を発動する。
掴んだその手を引っ張り、スルリと感触もなくアーシアだけを装置から引き剥がす。
アーシアの着てるシスター服?不可抗力だしょうがないだろ。
生まれたままの姿の彼女を抱きかかえ、装置から距離をとる。
「なんとか、なったな」
失血し過ぎて少しふらつくが、アーシアを助けられたのだから大丈夫だ。
「あらあら大変」
朱乃さんがすぐさま魔力でアーシアに服を着せていた。ありがとうございます。
「すごいわイッセー」
リアス部長がそう俺を褒めてくれる。
「上手くいくかは賭けでしたけどね。自分以外の透過はやったことがなかったですから」
血を呑ます行為は、宗教的にも意味があるし、誓いの定番だ。
それが上手く作用したんだろう。
まったく、形貌変躯でなんとかなればこんなことには。ん?もしや形貌変器ならばなんとかなったのでは?わざわざ無理をしなくても。
いや、ちょっと、でも試してもいないことだし、不可能だった可能性も。
「ハァァァ、最強ってことに胡座をかいて、能力の把握を怠るから無駄に混乱する」
そんな自分に呆れ果てるよ。
でも、まあ今は。
「イッセーさん!」
「アーシア!」
これで解決。
失敗は次に活かせば良いよな。
「信じてました。イッセーさんが来てくれるって」
「当然だ。皆アーシアのことが大切なんだから」
輝くような笑顔。幸せになってほしいと思える存在。彼女がどれだけ大切か、失いたくないか思い知らされた。
「ドライグさんもありがとうございます」
『やったのは相棒だ。俺はいつだって口しかだせん』
照れてる姿が皆に伝わっているぞドライグ。
「アーシア!!」
「ゼノヴィアさん!!」
抱きしめあう親友同士。
本当に良かった。
オカルト研究部の皆で助かったアーシアに声をかけ、その無事を喜んだ。
リアス部長も、朱乃さんも、木場も、小猫ちゃんも、ギャスパーも。皆ミンナ、喜んでいたんだ。
「さて後は帰るだけだ。どんな敵がきても俺が倒してやるからな!!なにせ俺は、史上最強の赤龍帝だからな!!」
「はい!とその前にお祈りを」
祈るアーシアの姿。
神なんて碌でもない存在だと知っているのに、そんな彼女を微笑ましく見えた。
「アーシア、何を祈ったんだ?」
恥ずかしそうに笑う彼女。
「内緒です」
笑顔で俺の元に走り寄る彼女。
だが、突如まばゆい光が駆け抜け。
視線を送るとアーシアが、光の柱に包まれていた。その柱は瞬きほどの時間で、
アーシアと共に消え去った。
「アーシア?」
考えて見れば当たり前だった。
敵は『禍の団』はテロリスト。
利用しているだけの存在であるディオドラに、全てを正しく伝える筈もない。
ましてや旧魔王派において、裏切ろうがディオドラ・アスタロトは怨敵の身内なのだ。
悪いのは俺だ。
敵の情報をそのまま信じた間抜け。
最強なだけの、自分のできることすら把握していない役立たず。
上手くいくわけなんてないだろう。
世界はそんなに優しくないと知っていただろう。
血塗られた俺が幸せになんてなれるわけないだろう。
俺は、
自らの驕りで、大切な存在を失った。
慢心した阿呆の引き起こした、最悪の事態。
補足・説明。
作者は感想からアイデアを思いつくことがかなりあります。
前回の、閃光と暗黒の龍絶剣ネタも、ディオドラの勝算はなんだろう。という感想から強化しないとマズイと考えた結果思いついたものです。
ですのでいつもありがとうございます。
絶望展開な終わりですが、現在通りですいません。ただ転生者でもない限り、事前に防ぐことは不可能なので。情報は本当に大切ですね。
縛動拘鎖からの攻撃、作者はバニッシュデスがだいすきなんです。
これやるだけで大抵のヤツに勝てます。
ちなみに、アザゼルが「のひょー」と叫んだ時に、目の前にオーフィスがいました、タンニーン さんが反応に困りました。全員の耳から聞こえたからの「」ですね。
なんとか明日の朝までに次話は書き上げます。というか作者が鬱展開に耐えられない口なので。