異世界イッセー   作:規律式足

90 / 98

 導入回です。



第九十話 彼らの日常。

 

『フハハハ!ついに貴様の最後だ!閃光と暗黒の龍絶剣仮面よ!』

 

 画面の中で見るからに怪人な格好の輩が高笑いしていた。

 しかし名前長いなあ。

 

『何を!この閃光と暗黒の龍絶剣仮面が貴様ら闇の軍団に負ける筈がない!いくぞ!漲れ俺の黒歴史!!』

 

 天高く掲げられた剣から物凄いパワーが溢れ出していた。雲すら掻き消したその黒歴史パワーにより、襲いかかる怪人軍団は一掃されるのであった。

 なんだコレ。

 俺達グレモリー眷属、イリナ、アザゼル先生(状態・瀕死)、は兵藤家の地下一階にある大広間で鑑賞会をしていた。

 巨大モニターに映る鑑賞作品は『閃光と暗黒の龍絶剣仮面』という特撮作品だ。なんでも、冥界で絶賛放送中の子供向けヒーロー番組らしい。

 元ネタの人には無許可の。

 先日のレーティングゲームでなぜか冥界で広まってしまった人工神器『閃光と暗黒の龍絶剣』。

 それを手にした者がヒーローとなり悪と戦うという、どこかで聞いたようなストーリーだ。

 悪魔上層部、天界熾天使一同、堕天使幹部連中がノリノリで創り出した特撮。

 なお熾天使のガブリエルは子供が喜ぶからと乗り気だったとか。魔王少女レヴィアたんはお色気シーンもあって眉をしかめる親御さんもいるからな。

 

「始まってすぐに冥界で大人気みたいです。特撮ヒーロー『閃光と暗黒の龍絶剣仮面』」

 

 膝上の小猫ちゃんが尻尾をふりふりさせながら言う。彼女はマスコット感あるからか身体が反応しなくて助かる。キスされたら死ぬけど。あとカッパのラップといい色々詳しいよね小猫ちゃん。

 大人気なのはサーゼクス様が愉しそうに語っていたから知っている。放送開始早々に視聴率がとんでもなかったらしい。正直驚いている。明らかにアザゼル先生への嫌がらせというか抹殺計画なのに、冥界の子供達に大人気なんだから。

 なんというか、愛され系総督だと思っていたけど、各方面から嫌われていたのかな?まあ有能を超えた万能な人だから敵としてはこの上なく厄介だったろうしなあ。なお堕天使幹部達は悪ノリ十割らしい、愛されてるなあ。

 泡を吹いて白目を剥くアザゼル先生をその場の全員が憐憫の眼差しを向けていた。

 ちなみに俺にも番組を創らないかと打診を受けた。けど史上最強の赤龍帝が売りな俺が、展開次第で苦戦する特撮番組に出るとイメージが損なうと上層部からストップがかかってしまったのだ。

 まあ俺も気乗りしないから良かったけど、特撮にするにしても、特徴が弱い気がするし。

 ○○ドラゴン、みたいなわかりやすいフレーズが番組には必要だと思う。

 ドライグは邪神英雄伝カタルみたいなアニメならばと思っていたようだけど(アニメ派のため特撮は嫌らしい)。

 そんな感じでアザゼル先生の公開処刑、もとい鑑賞会は過ぎていった。

 なお、ゼファードル達には大ウケでリビングで毎週観るようになりました。

 グレモリー眷属はその、アザゼル先生が哀れ過ぎてちょっと、ね。

  

 体育祭から続く穏やかな日常を俺達は堪能しているのであった。

 

 

 

 昼休み中の駒王学園。俺は松田と元浜、それとアーシア達と弁当を食べていた。今日の弁当はゼファードルか、彼が担当の日はなぜか料亭の仕出し弁当のようになるんだよな。

 

「そういや、もうすぐ修学旅行だぜ。班を決めないとな」

 

 元浜が卵焼きをつまみながら言う。

 出たな班決め、一部生徒の絶望タイム。

 ちなみに中学時代の俺はそっち側。

 しかしもうそんな時期か、色々あってすっかり忘れていた。体育祭の次の二年生最大のイベントだ。

 行き先は京都、日本有数の観光地だがオカルト関係が実在している以上、かなりヤバイ場所なのでは?

 

「確か、班人数は三、四名だったか」

 

 俺が言うと松田が頷く。

  

「そうそう。泊まるとこが男子一纏めの大部屋じゃなくて、班ごとの四人部屋だからな。後一人は入れるけど俺達ほど人命救助に長けた男子はいないからな」

 

 松田は足手まといはいらんと男らしく言い切る。

 何の班だよ。救助隊?

 ちなみに他の男子達も、推しの女の子・性癖ごとに綺麗に別れているらしい。 

 推しが違うヤツ、性癖が違うヤツと同室だと戦争になるからだとか。どんな班決めだよ。

 なお女子も割とそんな感じだとか、まあ余り者で苦しむヤツとかいないようだから良いけどね。

 

「となると自由行動はどうするか」

 

 観たいとこか、京都は街全体が観光地みたいなもんだから悩むよな。

 

「あーそれな」

 

「食べ歩き、買い物、見学、どうするか」

 

 どれも捨てがたいから悩む。けど方針を定めないと選択肢が多過ぎるのが京都。

 

「エロ三人組、エロ三人組?修学旅行の時、うちらと組まない?美少女四名でウッハウハよ?」

 

 すると眼鏡女子の桐生がそう申し出てきた。いやらしい顔でウッハウハとか言うなよ。

 

「いやそれ実質イッセーハーレムじゃん」

 

「桐生も髪を整えろよ。まあタイプじゃないからどうでもいいが」

 

 確かに桐生も美少女だから美少女班だよな。

 そして松田よ、アーシアとゼノヴィアは否定できないが、イリナは違うからな。

 

「アハハハ、なんでアンタらがモテないのか不思議だわ。私も兵藤はともかくアンタらはタイプじゃないけど」

 

「「イッセーハーレムじゃん」」

 

 だからイリナは違うと。そしてさり気なく桐生に告白されてね?

 

「ま、アーシアが兵藤と観光したいみたいだからお願いしたいのだけど」

 

「イッセーさん、松田さん、元浜さん、ご一緒してくれますか?」

 

 ニッコリ笑顔でアーシアが訊いてくる。拒否できる生命体なんていないよな。

 

「「どーぞどーぞ」」

 

 差し出すような形で了承しとる!?

 

「勿論、OKだ」

 

 アーシアとゼノヴィア、あと多分イリナも日本の観光地は初だろうから方針も決めやすいしな。

 

「はい!」

 

 俺の答えに弁当そっちのけで抱きつくアーシア。うーん拒否反応が以前より出にくいな、良いことだけど。

 キスは体育祭以降駄目だったけど、ハグとかはアーシアだけ比較的マシなんだよな。精霊さんジャッジかね?

 

『あるいは飲ませた血の作用かもな』

 

 それはあるかもな。

 龍の血は霊薬材料の定番だし、匙にも影響あったしな。

 それでも俺からいやらしく触ろうとするとアウト判定くらうから、精霊さんも一枚かんでそうではあるが。

 

「アンタら、体育祭が終わってからさらに仲良くなったわね。まあ公衆の面前でやらかしたんだから当たり前か」

 

 親しくない生徒からはカップル扱いされてますからね。リアス部長達の怒気がやばかったぜ。

 

「イッセーがよくここまで成長してくれた」

 

「感動の涙で前が見えねえぜ」

 

 君達二人もその反応でいいのか。いや体質で一番迷惑かけていたけどさ。

 

「アーシアと一緒に居たいのは本心だしな」

 

「はい。イッセーさんとずっと一緒です」

 

 前から大切だったアーシアは、失いかけた事からその想いがより強まったんだ。

 

「「今日は赤飯だ」」

 

「体育祭から毎日食ってるよなお前ら」

 

 健康の為に食う五穀米かよ。

 

「そういうわけだから、アンタらと組むわ。他の連中が誘うとは思えないけど、現地でナンパもされかねないからね。それにゼノヴィアっちとイリナさんもその方がいいでしょ?」

 

 桐生の案にゼノヴィアは重箱を置いて、食べるのをやめてから頷く。

 

「うん。私もイッセーが好きだから一緒がいいな」

 

「イッセー君と一緒だと面白いしね」

 

 パンを食べているイリナも賛成してくれた。彼女の分も弁当を頼むかな。アレ、ゼノヴィアにも告白された?

 

「モテまくりだなイッセー。修学旅行はサポートにまわるとするか」

 

「だな、まだ彼女を作る機会はあるし、イチャつきの勉強と救助活動に専念するとしよう」

 

 救助活動はする気かい。

 確かにお世話になりそうな気はするなあ。

 

「てなわけで、修学旅行はこの七人で行動しましょう。清水寺!金閣寺銀閣寺が私達を待っているわ!」

 

 桐生が眼鏡をキラリとさせながら宣言した。

 仕切り屋がいてくれると助かるなあ。

 てなわけで、旅行の班が決まった。男子は俺、松田、元浜の三名。女子はアーシア、ゼノヴィア、イリナ、桐生の四名。このメンバーで京都の町を巡ることになりそうだ。

 今度はどこを回るか話し合ってから先生に連絡しよう。京都には天龍寺とかあるらしいけど、ドライグと関係あるのかね。

 修学旅行が近い。  

 今度、アーシア達と旅行に必要な物を買いに行こうかな。俺は収納空間に揃ってはいるけど。

 





 補足・説明。

 三大勢力はアザゼルを殺しにきてるのかもしれない。イッセーに関しては、ウリが弱いのが難点となります。
 
 修学旅行は作者のトラウマ。
 見事に余り者で決められて、全員バラバラで過ごし、部屋でも親しい連中の部屋に散りました。作者はラノベ読んで終わらせました。なお翌日、不在バレした同室連中が説教を受けていました。  
 生まれ変わっても修学旅行だけはしたくねえ。
 作品関係ないですね。
 
 感想、評価お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。