異世界イッセー   作:規律式足

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 お久しぶりです。



第九十四話 北欧の主神、来日。

 

「ほっほっほ、というわけで訪日したぞい」

 

 兵藤家の最上階に設けたVIPルームで北欧神話の主神であるオーディン様が楽しそうに笑われています。主神、亡き聖書の神と同格かそれ以上の神格であり、現三大勢力のトップ達よりも存在は上とされる。そして創造に特化していたとされる聖書の神より武力という点では間違いなく格上であろう。

 なんでも日本に用事があって、そのついでにこの町に来たようです。一地方都市に過ぎないこの町は主神を招くには相応しいとは言えないが、悪魔・天使・堕天使、三大勢力の協力態勢が強く、なにより『ミルたん』がいるからか世界屈指の安全な町なんだとか。

 その犯罪率の低下ぶりから移住者が種族問わず増加しているそうです。魔法少女を見たいが為に訪れる者達もチラホラいるとか。

 北欧の主神が実家に、魔王様に堕天使総督と今更ではありますが、なんか凄いことになってますね天国のお祖父ちゃん。

 

『孫が神滅具宿してる時点で今更』

 

 最初から凄かった!?

 

 

 結局、朱乃さんとのデートは中断となった。デート中にエッチィホテル立ち並ぶ町の一角で、VIPをお招き観光する実父と遭遇し、そのまま父娘でSМ談義を始めたのだから仕方ない。

 オーディン様と付き人の戦乙女さん、さらには武闘派堕天使バラキエルさんを引き連れて帰宅した俺と朱乃さんの姿に、兵藤家に揃っていた面々は顔を引き攣らせたものだ(ラッセーとロロロは気にせずお土産を強請ってきたカワイイ)。

 ただその中で、朱乃さんとバラキエルさんの確執を知るリアス部長は二人の距離感に首を傾げていた。SМ談義で和解したと俺が伝えないといけないのだろうか?

 

「どうぞ、お茶です」

 

 エプロン姿のゼファードルが給仕し、オーディン様と応対するのはリアス部長。朱乃さんと何があったかを聞きたそうではあったけど、兵藤家のオカルト関係の責任者は彼女であるからだ。

 なお、オーディン様が来たと知った父が「斬鋼剣!!」とゲームソフトを握りしめながら目をキラキラさせていた。そこはグングニルじゃないかなパパン。家主とはいえオカルト関係だから遠慮はしたけど。

 

「かまわんでいいぞい。しかし相変わらずデカいのぅ。そっちもデカいのぅ」

 

 ゼファードル(大柄筋肉質強面顔面入れ墨)のエプロン姿にギョッとしたオーディン様だが、リアス部長と朱乃さんのおっぱいを交互にいやらしい目で見られていた。父であるバラキエルさんの前で娘である朱乃さんにセクハラとか流石は主神だ(関係ない)。

 

「もう、オーディン様ったらいやらしい目線を送っちゃ駄目です!こちらは魔王ルシファー様の妹君なのですよ!」

 

 バラキエルさんの厳つい顔に青筋が浮かびだした中、付き人であるヴァルキリーの人がオーディン様の頭をハリセンで叩いた。北欧神話にもあるのかハリセン。

 オーディン様は叩かれた頭を擦りながら半眼となる。北欧神話の主神をハリセンで叩くことを許されてるヴァルキリーの人は何者なのか。

 

『意外とどの神話もフレンドリーなのかもな』

 

 うん、悪魔勢力でも許されそうだよね。グレイフィア様とかサーゼクス様にやってそう。

 

「まったく、堅いのぉ。サーゼクスの妹といえばヤツが自慢するくらい別嬪でグラマーじゃからな、そりゃ儂だって乳ぐらい見たくもなるわい。と、こやつは儂のお付きヴァルキリーの。名は、」

 

「ロスヴァイセと申します。日本にいる間、お世話になります。以後、お見知りおきを」

 

 ディオドラとのレーティングゲームの時にも会ったヴァルキリーさんだな。鎧ではなくスーツだからか大分印象が違うなあ。ヴァルキリーだけあって美人だけど。

 見た目は銀の長髪のクールビューティー。若いのに仕事ができそうな雰囲気だ。主神の付き人だからエリートなのは間違いないだろうし。

 

「彼氏いない歴=年齢の生娘ヴァルキリーじゃ」

 

 ハリセンで叩かれた意趣返しか、悪い顔でオーディン様が追加情報を暴露した。その言葉にロスヴァイセさんは狼狽しだす。

 

「そ、そ、それは関係ないじゃないですかぁぁぁっ!わ、私だって、好きで今まで彼氏ができなかったわけじゃないんですからね!好きで処女なわけじゃなぁぁぁいっ!うううっ!」

 

 その場で崩れ落ちて床を叩き出すヴァルキリーという名の独身OL。どの業界も似たような存在はいるんだろうな。

 

『あの副官もそんな感じ』

 

 彼女は一途なだけじゃね。

 グランバハマルの王国軍副官さんを引き合いにだすな。あの人はグランバハマルでも希少なマトモな人だったろうが。

 

「まあ、戦乙女業界も厳しいんじゃよ。器量よしでも中々芽吹かない者も多いからのぉ。最近は英雄や勇者の数も減ったもんでな、経費削減でヴァルキリー部署が縮小傾向でな。こやつも儂のお付きになるまで職場の隅にいたのじゃよ」

 

 業界の闇。

 エリートじゃなく窓際部署だったでござる。

 

『つーか、肝心の英雄がテロリストじゃね。まあ自称ではあるが』

 

 ミルたんが対処しちゃうから回収しても相対したことないからなあ。

 そんなやり取りに苦笑しながら、特撮ダメージがみてとれるアザゼル先生が口を開く。

 

「爺さんが日本にいる間、俺達で護衛することになっている。バラキエルは堕天使側のバックアップ要員だ。俺も最近忙しい、通院もしてるから此処にいられる時間も限られてるからな。その間の堕天使側の責任者がバラキエルなんだ」

 

「よろしく頼む」

 

 と、バラキエルさんがシンプルな挨拶をくれた。

 北欧の主神の護衛とはまた大役だなあ。

 

「爺さん、来日するにはちょっと早すぎたんじゃないか?俺が聞いてた日程はもう少し先だった筈だが。今回の来日の主目的は日本の神々との対談だよな?ミカエルとサーゼクスが仲介して、俺が同席ってわけだが」

 

 アザゼル先生が茶を飲みつつ訊いた。

 

「まあの、それと我が神話で少々厄介事があっての。厄介なやつに批難されておってな。やらかされる前に先に動いておこうと思ってのぉ。せっかくの機を邪魔されたくないんでな」

 

 どこも揉め事は尽きないのか。

 

「こっちも土地を借りてるんだから騒動は勘弁だぜ。まあこの町は安全だがな」

 

 ミルたんがいますからね。

 

「噂の魔法少女か。あの竜宮城を破るほどの英傑、気にはなるのぅ」

 

 その後、アザゼル先生とオーディン様は軽く話をしたらおっぱいパブというキリングゾーン『お前だけだ』へと向かった。

 最近ストレスだらけなアザゼル先生にはちょうどよい息抜きかな?

 付き人だからと強引にロスヴァイセさんもついていったけど、居心地悪いだけだと思うのだが。

 

 そんなわけでしばらくまた忙しくなりそうだ。 

 なお朱乃さんとのデートの話をしたのだが、最後のオチに全員が微妙な顔になりました。

 次のデートは最後まで楽しみましょうね。という朱乃さんは可愛かったけど。

 





 禍の団のアレコレはカットしました。
 ミルたんに撃破されて禁手については把握されてないので。
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