異世界イッセー   作:規律式足

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 朱乃さんとバラキエルさんですが、兵藤家でも揉めることなくSМ談義に花を咲かせて周囲から引かれてました。



第九十五話 サイン会。

 

 次の日、俺達グレモリー眷属+αは三大勢力首脳陣主催で行われる冥界のイベントに手伝いとして参加していた。

 そう「閃光と暗黒の龍絶剣仮面」の握手とサイン会に。

 

「ハイ、アリガトウネー」

 

 握手とサインとお礼と笑顔をするナニカと成り果てた堕天使総督の姿を見ながら、閃光と暗黒の龍絶剣の玩具を握りしめて並ぶ三大勢力の子供達の列を誘導する。

 存在の格として加護的なアレが発生してもおかしくない堕天使総督のサインと握手。子供達は嬉しそうにサインを受け取り、握手をしてもらうと満面の笑みで、

 

「アザゼル様!がんばってね!」

 

 って声をかけていた。

 そこは本名なんだなと思うけど、元からの知名度と人気もかなり高い人だから当然だよな。

 ただしサイン会に参加できるのは子供限定で、列に並べないアザゼル先生の配下達は遠巻きから羨ましそうに眺めていた。

 三大勢力、種族を問わない子供達が喜ぶ場所。これは三大勢力融和の第一歩なんだろうな。

 

『首脳陣も手を組んでアザゼル相手に愉悦してるからな』

 

 アザゼル先生という尊い犠牲のおかげで大人達も手を取り合ってました。

 

「すっげぇ人気ッスね。アザゼルの旦那」

 

「アリガトウネー、アリガトウネー」

 

 サイン会に併設されたグッズ売り場の商品を運びながら同じく手伝いに参加しているゼファードルが言う。

 

「元から人望で天使を引き抜いて堕天させた方だからね。しかし驚いたよ、ゼファードルの仲間達が閃光と暗黒の龍絶剣仮面に参加してたなんて」

 

 ゼファードルの眷属だが番組の敵役として簡単な変装して登場しているようだった。

 兵藤家に閃光と暗黒の龍絶剣仮面のグッズがチラホラあるのもそれが原因だったとか。

 

「兄貴のトコで家事や護衛したり個別の依頼をこなしても基本的に暇ですからね俺達」

 

 やりたいようにやるためにグラシャラボラス家を出奔したゼファードル達。

 だからこそしがらみなくこんなイベントに参加できるのだろう。

 

「またサイラオーグ様とか怒りそうな言葉だね」

 

 そしてそんなスタンスを若手悪魔No.1である彼は気に入らないんだろうな。

 サイラオーグ様とは親戚であり、ゼファードルの人柄を知ったリアス部長はなんとか仲直りさせたいと考えているようだけどスタンスの違いがなあ。

 

「過ごしやすいように周りを変えたいアイツと、過ごしやすい場所を探す俺はどうにも合わないっスからね」

 

 決定的に違うのは本人の周りへの期待だろう。

 サイラオーグ様は周りの人が変わってくれると期待しているが、ゼファードルは周りの人が変わらないことを確信している。

 

「そもそも、サーゼクス様達化け物四大魔王相手にも基本的な体制を変えない上層部の変革とか、やれると思うほうがおかしいっスよ」

 

 サーゼクス様達による冥界の改革。

 旧魔王派を政治から追いやることには成功したが、以前として七十二柱の血統を尊ぶ純血貴族制だ。

 本人達が政治体制変革にそれほど熱心でなかったという理由はあっても、不機嫌にさせたら滅ぼされかねないサーゼクス様達を前に旧体制を維持しきったという実績が上層部にはあるのだ。

 サイラオーグ様のやろうとする事。

 実力ある者が平等に認められる社会。

 それはゼファードルからしたら無謀過ぎる挑戦なのだろう。

 また逃げた先にも居心地良い場所があることをゼファードルは知っているからだろうね。

 

「アリガトウネーアリガトウネーアリガトウネー、ッガガガガガ」

 

「っとアザゼル先生が限界みたいだし、そろそろおしまいかな?」

 

「アーシア姉さんの治癒を3回、フェニックスの涙を投与5回しましたからこれ以上は無理っスね」

 

『哀れ過ぎるだろアザゼル』

 

 治癒するアーシアもあんまりな姿に涙目だったしなあ。壊れたアザゼル先生を回収して俺達は楽屋テントへと戻っていった。

 これにてイベントは終了、任務完了だ。

 ちなみに俺こと赤龍帝兵藤一誠もそこそこ人気があるみたいだ。

 レーティングゲームでの合力異装が変身ヒーローみたいだとウケたみたいで子供達からも「変身してー」と強請られたからな。

 アザゼル先生を寝かせ氷嚢を額に乗せてると、スタッフが近づいてきた。

 

「イッセー様、お疲れ様ですわ」

 

 タオルを配っていたのは、縦ロールヘアのお嬢様であるレイヴェル・フェニックス様だ。

 

「ありがとうございます、レイヴェル様」

 

「もう、様はいりませんのに」

 

 なんだかんだで兵藤家の住人は全員このイベントに手伝いとして参加している。ウチの両親すらもやっているくらいだからな。本人達はめっちゃ乗り気だったし。

 

「こういった協力し合うイベントはやりがいがありますわ。意外とゼファードル様の眷属の方々の手際も良いことには驚きましが」

 

 人間界の祭りとかにも参加しているみたいだからなあ。お祭りとか準備も含めて大好きなんだよアイツラ。

 

「それに子供達に夢を与える立派なお仕事だと思いますしね」

 

 それはそうだよな。

 悪魔、天使、堕天使の子供達が諍いなく同じ場所で笑いあえていた(大人達もアザゼル先生の姿に嗤いあっていたけど)。

 これからの聖書の神話にはこんな機会が重要なんだと思う。

 

「アリガトネーアリガトネーアリガトネーアリガトネー」

 

 尊い犠牲はあるけど。

 

「イッセー、そろそろ人間界に帰還する時間よ」

 

 リアス部長が楽屋テントに入ってきた。

 この後はオーディン様の護衛任務だ。このイベントにも参加していたけど、日本の観光もしたいらしいからな。

 

「レイヴェルもお疲れ様。今日はありがとう」

 

「いえ、私も兵藤家の一員ですから!!」

 

「・・・・・・・・・いつの間にか貴女もすっかり居着いていたわよね」

 

 元気に頷くレイヴェル様に、リアス部長は頭痛をこらえるように頭を押さえていた。

 

「では、また自宅で」

 

「ハイ!お義父さまとお義母さまは一緒に帰りますので」

 

 そんなやり取りをした後、俺は部長達と共に人間界に帰っていった。

 犠牲はあるけど、良いイベントだったな。

 

『上層部もアザゼル苛めが好き過ぎだろ』

 

  





 短めな話でした。
 おっぱいドラゴンはいないのでアザゼルが犠牲に。
 まあ三大勢力のトップではネタにして問題ない存在扱いなので(笑)。
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