術式?呪力?最終的に物言うのはフィジカルですが? 作:ありがとうはなまる
プロローグ
平安時代に君臨した呪いの王両面宿儺
呪術師は両面宿儺を倒そうと総力を上げ戦いを挑むが敗北
その知らせが俺のもとまで届いたのは軍勢が向かった一ヶ月後のことだった
俺はその知らせを聞き、興味を惹かれた
あの軍勢の中には阿部家精鋭部隊やあの天使までもが駆り出されていたにも関わらず敗北した
それだけで心が踊る
闘いたい
死合てみたい
そう思った俺の行動は早かった
両親や友人に止められはしたがなんとか説得し、両面宿儺の元まで向かった
そして両面宿儺に出会い、俺は知った
圧倒的強者 圧倒的邪悪
天上天下唯我独尊
今まで見てきた呪霊、呪術師、呪詛師が赤子かのように錯覚してしまうほどの威圧感
笑みが溢れてしょうがない
俺はすぐに宿儺に闘いを挑んだ
やつ―宿儺は強かった
自身の一挙手一投足が死に繋がる極限の集中力の中、俺は己の全てを出て闘った
長く短くも感じた濃厚でどこか楽しい死闘を繰り広げた
しかし、そんな楽しい時はすぐに終わりを迎えようとしていた
油断した
やつの斬撃を避けきれず、左のくびれから左腕が切断されてしまった
俺は宿儺との闘いの余波で更地になった地面に膝をついてしまった
腕から、腹から血が抜けていく感覚が伝わる
「惜しかったな」
声がした方へ顔を向ける
そこには先程殺し合いをしていた腕が4つあり、顔が2つある両面宿儺が立っていた
「貴様、何故反転術式と術式を使わん。使えんというわけではあるまい」
宿儺が俺に投げかけた疑問を俺は沈黙で返した
「だんまりか、まぁ大方予想はつく」
流石呪いの王だ、俺の小細工を看破してるか
俺は宿儺との闘いの前に、二つ『縛り』を結んだ
一つ,反転術式を使用しない
二つ,視覚、触覚、聴覚以外の感覚機能の永久停止
これにより俺の身体能力と呪力量は格段に上がり、宿儺と互角以上に渡り合えた
俺は立ち上がろうと体に力を入れるが、全く動く気配が見えない
そんな俺を見て宿儺はもう勝負は済んだとでも言うのか、俺に背を向け俺から離れていく
待てよ
俺はまだ闘える
俺は体にある力を振り絞る、振り絞って地面に手を付き、震える足を無理矢理立たせ、軋む身体を無理矢理起き上がらせる。
「待てよ」
俺は立ち上がり宿儺を呼び止める
宿儺は俺の声に反応しこちらを見る
「…くくっ、くくひひひひひひっ…」
その顔は何かを期待するような、楽しみを前にしているような顔だった
「なぁ宿儺。お前の得意は何だ?」
俺は宿儺に問いかける
「お前の得意でやってやるよ」
俺は笑顔で宿儺を挑発する
俺は高らかに宣言する
自身の
俺の左腰に漆黒の刀を出現させ、抜刀の構えを取り宿儺を睨む
ただの攻撃ではやつの斬撃には勝てない
ならばどうする
答えは簡単だ『
それもとびきりきつい『縛り』を
縛り内容は『
宿儺も本気だな、領域を展開してきたな
腹の口が動いているということは、詠唱ありの必中必殺の斬撃が飛んでくるということ
「小僧、貴様名はなんという」
突然、宿儺が俺の名を聞いてきた
「…仁………佐藤 仁」
俺はその問いに答え、名を名乗った
「そうか…佐藤 仁誇れ────
─────俺は生涯お前を忘れることはないだろう
……ふ、ありがとよ宿儺
宿儺が言葉を発した後、
俺と宿儺はほぼ同時に斬撃を放った
音はなかった
斬撃で起こった風切音、衝撃音それらの雑音は鳴ることはなかった
そして、俺の眼の前には地面が迫ってきていた
その光景で俺の体は両断されたということを察した
あれだけでかでかと挑発しておいて最後がこれとはなんともカッコがつかんな
すべてがゆっくりに見えていく
両親は悲しむだろうな。今思えばあまり親孝行というものをしてこなかったな
友人たちもひどく落ち込むことだろう。
特にあの禪院家と五条家の当主は特にだろう
俺が宿儺と戦いに行くと伝えた時は術式を使って俺を拘束してきたしな
まぁ、その後ふたりに『必ず無事に返ってくる』という縛りを結ばせ行く許可は取ったが…
あと、『
あの二人は特に仲が良かったが、俺のことになるとたまに情緒がおかしくなるからな
俺の後追いなんぞしてほしくい
そんな縛りを友人に結ぶくらいなら、こんな事をしなければ良かったかもな
地面がもうすぐそこまで迫ってきている
もし──
──そうもし、次があれば両親や友人を大事にしよう
そんなバカなことを考えながら俺は地面に倒れ───
───死んだ
次に目を覚ました時、俺は何故か子供になっていた