術式?呪力?最終的に物言うのはフィジカルですが?   作:ありがとうはなまる

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原作スターート!!!




【一章】過去編 懐玉・玉折編
10 懐玉


 

 姉妹校交流会から10月ぐらいが経過した

 

 あれから先輩とよく合うようになり、特にラーメン先輩や世紀末先輩には良く合い飯を食わせてもらってる

 

 特に、世紀末先輩が作ってくれたパンケーキはマジやばかった。育子と一緒に食ったがホントに、マジヤバだった。火炎放射器で焼いたとは思えないほど綺麗な色合い、スポンジのようにやわらく弾力があるきれいな円形、食欲をそそられる優しく甘味な匂い、口の中に広がる柔らかな舌触り、噛むほど旨味が増すと10点中100点満点の代物だった

 更にシロップとはちみつが出てきた時は俺も育子も死を覚悟したね

 

 

 他に変わったことといえば最近1級に昇格したことかな

 

 

 2級呪霊の討伐任務で情報になかった特級相当の呪霊がいたからついでに祓ったことで、上が特別に1級の推薦無しで昇格を許したらしい

 

 

 あんな平安時代でよく見かけるちょっと強い呪霊一体祓ったぐらいで1級に昇格してくるなんて、上も太っ腹だったよな〜

(禪院家の古参の息がかかった上層部が偽情報を流し、禪院仁を抹殺する計画だったが失敗に終わったため、より自然に危険な任務に行かせられるように等級を上げただけ)

 

 

 そんな10ヶ月の思い出を思い出していた俺は今、ある特別な任務を受けたため、待ち合わせ場所へと向かっていた

 

 何でも悟と夏油傑とか言う悟の同級生が極秘の任務を受け、その依頼に俺も指名された…というか悟が俺と一緒に任務がしたいからと、上に圧をかけて俺を任務に同行できるよう脅迫したらしい

 

 そんなわけで悟達と一緒に俺も極秘任務に赴くことになった………ことをつい先程任務終わりに知らされたため、仕方なく急いで向かっている

 

 

 これ遅れても俺は悪くないよな

 

 

 そんな愚痴を吐きつつ全力ダッシュで集合場所に向かい、現在ついたわけが……集合場所には悟の影も形もなかった

 

 

 「悟〜」

 

 

 呼んでも出てこない…………これが噂に聞くドッキリか!!

 

 

 …まぁそんな脳内冗談はともかくマジでいないな。近くにいる気配もないし…どうしよ

 

 

 まさかもう任務に向かっている?いや集合する予定の仲間をおいていくなんて非常識なことしないか………いや、あいつならやりかねないな(サングラスをかけた悟がお茶らけた笑顔でダブルピースしてる光景が仁の頭に浮かんだ)

 

 

 「マ〜ジでどうしようか……ん?」

 

 

 集合場所に誰もいない現状に、どうしようかと頭を抱えていると、ビルの一部が壊れている事に気づき、しかも破損している場所からは微量だが残穢が感じられた

 

 

 あそこにいるのか?

 

 

 待ち合わせ場所に悟達がいないため、近くにある呪力がする方へ取り敢えず向かうことにした

 

 ビルの中に入り、エレベーターで破壊されていた階へと向かうと、そこにいたのはサングラスかけた悟と、前髪が特徴的な黒髪の男、その男に抱えられている見た目的に中学生ぐらいの女性がいた

 

 

 「え?誘拐?」

 

 「「違う」」

 

 

 悟たちが中学生女子を誘拐してきたのかと思ったが違うらしく、どうやら今回の任務の護衛対象らしい

 

 前髪が特徴的な男―夏油傑とも軽く自己紹介を済ませ、今回の任務内容の詳細と現在の状況を聞いていった

 

 今回の任務は、天元からの依頼で自身と同化出来る存在"星漿体"の護衛だそうだ

 

 天元とは日本の呪術界の基底とも言える存在で、日本国内のあらゆる結界の強化・行使を行っている"不死の術式"を持つ呪術師

 その"不死の術式"を持っている天元がなぜ同化をするのかというと、天元は、"不死"ではあっても"不老"というわけではないらしく、定期的に星漿体と融合する事で肉体をリセットしなければ人間を辞めて、より高次の存在へと進化してしまう

 

 そのため、五百年に一度こうして自身と同化出来る存在と同化し、肉体を一新させていることを前世に亜生衣姉から教えられたことがある

 

 星漿体を狙っている集団が2つ。天元様の暴走により現呪術界の転覆を目論む呪詛師集団『Q』と天元様を信仰、崇拝する宗教団体。盤星教『時の器の会』がいる、らしい

 

 呪詛師集団『Q』の構成員らしき二人が星漿体のいたこの部屋を爆破したところを目撃、爆破に巻き込まれてビルから落っこちた星漿体を回収し、Q構成員二人と交戦、撃退したところらしい*1

 

 で、その色んな所からモテモテの星漿体というのが今抱えられている少女―天内(あなまい)理子(りこ)らしい

 

 

 「てゆーかお前、今回の任務の内容全く知らなかったのかよ」

 

 「仕方ないだろついさっき知らされてここまでダッシュしてきたんだからよ」

 

 「へ〜まぁどんまいw」

 

 「ハハw……悟、外でちょっと体を動かそうぜ」

 

 「寂しんぼか?一人でいけよ」

 

 「二人共落ち着いて……あ、起きたね」

 

 

 俺と悟が喧嘩しようとしていると、天内が起きたらしく、起きた天内に傑が優しく微笑んでいた

 

 

 寝起きに見知らぬ男の顔が眼前にある状況に驚いた天内はパンッ!と思いっきり傑の頬を叩いた

 

 

 「っ!?」

 

 

 抱えていた傑の腕から抜け出し、天内は三人に向かってよくわからない構えをとってきた

 

 

 「下衆め!妾を殺したくば、まずは貴様から死んでみせよ!!」オラー!!

 

 「ぷっ、傑、殴られてやんの」

 

 

 悟は殴られ、眉間にしわを寄せている傑を指差しながら大笑いした

 

 仁は天内の鋭い平手打ちに、瞬時に離脱した行動力に感心していた

 

 傑がイラっとする心を落ち着かせ天内に語り掛ける

 

 

 「ふぅ……理子ちゃん落ち着いて、私達は君を襲った連中とは違うよ」

 

 「そうそう。お前の護衛だ。安心しろ」

 

 

 悟も便乗して警戒している天内をなだめようとしている

 

 

「嘘じゃ!!嘘つきの顔じゃ!!前髪も変じゃ!!シラガ頭も胡散臭いのじゃ!!」

 

 

 しかし、そんな二人の言葉を信じず、天内は警戒を解かなかった

 

 プチッ、と何かのキレる音がした

 

 

 「傑~。手の方お願い」

 

 「分かった」

 

 「な、何をするのじゃ!!」

 

 

 悟が天内の足を持ち、傑が天内の腕を持つ

 

 そして持ち上げ、天内の体で雑巾絞りを開始した

 

 

 俺はその光景を親交を深める行為と捉え、黙って見ていた

 

 

 「ぃいやーーーー!!!不敬ぞぉーーーー!!!」ギリギリギリギリ

 

 「仲いいな…」

 

 

 天内が雑巾絞りをされていると、チーンとエレベーターの止まる音がして扉が開いた

 

 そこには黒髪に給仕服を着て、傑が用意したであろう移動用の呪霊に乗った女性がいた

 

 後で聞いて知ったが、この女性の名は黒井(くろい)美里(みさと)と言い、代々星漿体に仕える家系の女性らしい

 

 

 「おっ、おやめ下さい!」

 

 

 黒井さんは暴行を受けている天内を見て、悟と傑の二人を止める

 

 

 「黒井!」

 

 

 二人から手を離され、解放された天内は黒井さんを見て安心したような表情になる

 

 

 「お嬢様。その方達は味方です」

 

 「……黒井、何に乗っておるのだ?」

 

 

 天内は黒井さんが乗っている呪霊を指差し質問する

 

 

「これは、前髪の方の術式です!」

 

 

 黒井さんは傑の方を見ながら答える

 

 黒井さんの前髪の人発言に、傑は嫌そうな顔をする

 

 

「その言い方やめてもらえます?」

 

「思ってたよりアグレッシブなガキンチョだな。同化でおセンチになってるだろうから、どう気を遣うか考えてたのに」

 

 「まぁまぁ、そう言ってやるな胡散臭いシラガ頭君。彼女も彼女なりに気を紛らわしてあんな態度を取っているのかもしれない」

 

 「仁。後でマジ殴りな」

 

 「ふっ、いかにも下賤の者の考えじゃ!」

 

 

 天内は指を差しながら悟を煽り、

 

 

 「あ゛!?」

 

 

 その煽りに悟は眉間にしわを寄せていた

 

 

 「いいか。貴様のように同化と死を混同している輩がおるが、それは大きな間違いじゃ! 同化により妾は天元様になるが、天元様もまた妾となる!! 妾の意志! 心!! 魂は生き続け──」

 

 「待ち受け変えた?」

 

 「あぁ、井上和香」

 

 「──聞けぇ!!」

 

 「え…なに…お嬢ちゃんもしかして厨二病。イタタタタ痛いよおか〜さん!ここに頭怪我した人がいるよぉ〜!」

 

 

 理子はキレた

 

 

 「あの言葉遣いじゃ友達も少ないじゃろう」

 

 「快く送り出せるのじゃ」

 

 

 悟と傑はそう言いながら頷き、その発言に天内は顔を真っ赤にしていた

 

 

「学校じゃ普通に喋ってるもん!!……あっ、学校!!黒井、今何時じゃ!?」

 

 

 学校と言う単語にはっとした天内は、いきなり黒井さんに時間を聞いてきた

 

 

 「まだ昼前……ですがやはり学校は……」

 

 「うるさい!行くったら行くのじゃ!!」

 

 

 どうやら天内は学校に行きたいらしく、中学生らしく子供のように駄々をこねる天内

 

 そんな天内を困ったように見る黒井さん

 

 

 「おいおい、学校行こうとしてんのか!?オマエ狙われてんだぞ!」

 

 「私も賛成できないね」

 

 

 そんな天内の言葉に悟と傑も否定的な言葉を返す

 

 

 俺もあまり賛成はできない。天内は今も星漿体として様々な存在に命を狙われている

 

 例え一番勢力の大きい呪詛師集団『Q』を倒したと言っても安心できる状況ではない

 

 

 「……でも……最後なのじゃ!」

 

 

 天内は今にも涙を流しそうな瞳でスカートの裾を握っていた

 

 

 理想としてはこのまま天元がいる高専までで行くのがベストなんだろうが…あの様子だと無理強いも心苦しい

 

 

 ……仕方ない

 

 

 

 「…じゃあ行くか!学校」

 

 

 「「「「!!」」」」

 

 

 俺が放った言葉に天内は潤んだ目で、悟たちは驚いた目で俺を見てきた

 

 

 どうも俺は年下の女の子の我儘に弱いみたいだ。……全く、一体誰のせいでこうなっちまったんだろうな

 

 

 「ですが皆様……流石に危険では」

 

 

 黒井さんは俺を見ながら心配そうにして言う

 

 

 そんな黒井さんになんの心配いらないと笑顔で返した

 

 

 「大丈夫、大丈夫。何の心配もいらないですよ。もし何かあっても俺達が必ず守ってみせます。なんせ俺達は最強ですから、な…悟、傑」

 

 

 そう言って俺は悟と傑に挑発的な笑みを見せた

 

 

「はぁ……仕方ねぇ……」

 

「流石に敵が乗り込んできたら逃げるよ……それまでの間だ」

 

 

 俺の豪語に悟と傑も諦めたらしく、悟は頭を掻きながら、傑はため息交じりに了承した。交渉成立だな

 

 

 「そうこなくちゃな」ニッ

 

 「か、感謝するのじゃ!!」

 

 「…理子ちゃん。最後なんだ。未練がないよう学校生活を全力で楽しめ。そして友達にも、別れの挨拶をしっかりしておけ」

 

 

 俺は理子ちゃんの前に立ち、理子ちゃんの頭を、昔妹にやったように優しく撫でた

 

 

 「…お別れ……少し恥ずかしいのじゃ」

 

 「…人生最後の別れが言えるのは幸運なことだ。例えばもし明日交通事故にあって命を落としてしまった、家の風呂で寝落ちして溺れて命を落としてしまった、階段から足を踏み外して転落死してしまった、呪詛師に殺されるなどなど、人は自分がいつどんなときに命を落とすのかなんて分からない。だから親しい友人、家族、恋人なんかに最後の別れを告げれないまま死んだやつなんかごまんといる。その一点だけ見ればお前は恵まれている。自分の最後を生きているうちに知れて、こうして大切な人たちにお別れが出来る。そんなチャンスを恥ずかしいからなんていう理由で潰すな。これはお前より長く生きている先輩としての言葉だ。"自分の人生に悔いを残すな"。もし悔いなんて残せば最後、少なからず必ず後悔する。最後なんだ、自分のしたいこと、言いたいことをありのまま包み隠さず全部さらけ出しちまえ!!」

 

 

 俺がどうしても言っておきたかった言葉を理子ちゃんの目線を合わせて言った

 

 

 「………うん…!!」

 

 

 理子ちゃんは目から少し涙を流しながら頷いた

 

 

 説教っぽくなったが、俺みたいに最後の最後に心残りができる、なんていう事になってほしくないな。先輩からのアドバイスだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…ちっ」

 

 「…気持ちはわかるが抑えろよ」

 

 

 ビルの屋上。そこから星漿体がいる爆破されたビルの一室が見える。そこに居るであろう星漿体の姿、そしてその護衛の姿も…

 

 

 「盤星教には力がない。術師に対抗する術がない…それでも金の弾みは良いぞ。前金で二億、達成したら三億出すそうだ…どうだ? この仕事、受けてみないか?」

 

 

 男が語りかけてくる。内容は今回の仕事内容の許諾か否か…報酬は恐らく言葉通りの代金が支払われるだろう

 

 視線を男へと向ければ、男は笑みを浮かべている…軽薄な笑みだ

 

 気に食わない、しかしこの男の仕事は信頼できるし、信用も出来る…受けない理由は、無い

 

 

 「…分かった…引き受けよう」

 

 

 その言葉に、男は追って情報を伝えるとだけ告げ、足早にこの場から離れていく…良い判断だ、留まっていたなら誤って犬の餌にしていたところだ

 

 視線をビルへと戻す…星漿体の護衛は情報通りならば三人…一人は呪霊操術の使い手、そしてもう一人は最強と名高い五条悟…恐らくどちらも強敵だろう

 

 しかし…正直どうでもいい

 

 

 あんなやつらなんて眼中にも無い

 

 

 そんな奴等よりも強い存在が、その場にいるんだから

 

 

 視界に映る、黒い髪の男…その暗く吸い込まれるような漆黒の瞳が、何をしても私を離さない、身体を疼かせる

 

 

 「嗚呼…そこにいるんだね、仁」

 

 

 あぁそうだ、間違えるはずがない、忘れるはずがない、あなたのことを忘れるなんて絶対にしない

 

 

 その溢れ出る強者の気配が教えてくれる。あなたがあなたのままであることをどうしようなく教えてくれる

 

 

 報酬なんてどうでもいい、星漿体も盤星教もどうでもいい

 

 

 ようやく、あなたと再び出会うことが出来る…それだけが……それだけが今の私を潤す全て

 

 

 幾年振りだ? 数えてなんていない、あんな地獄のような日々……何方にせよどうでもいい 

 

 

 「行くか?」

 

 「…いや今は待とう。まだ迎えに行く時間じゃない。どうせやるなら、キッチリとした場で始めよう」

 

 

 嗚呼…待ちきれない…今度は絶対に死なせない

 

 

 

 ねぇ…佐藤仁…()()───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「始まったな」

 

 

 ビルの一室にスーツを着たちょいヒゲの男と口に傷跡がついてある男が佇んでいた

 

 

 「盤星教には呪術師と戦う力はねぇ。でも、金払いはいいぞ。それは保証する」

 

 「どうだ禪院。星漿体暗殺、1枚噛まないか?」

 

 「もう禪院じゃねぇ。婿に入ったんでな…」

 

 

 「今は伏黒だ」

 

 

 「いいぜ。その話、受けてやる」ニヤ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

原作という運命の歯車が動き始めた

 

 

 

 

*1
Q 組織瓦解

禪院甚爾の生死をどうしようか悩んだので、みなさんのアンケートを参考に決めようかと思いました。ぜひ、アンケートにお応えください。アンケートに答えてくれたら投稿主は喜びます。

  • 原作通り死亡
  • 原作無視して生存(前線に出て戦闘する)
  • 原作無視して生存(無理せず隠居生活)
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