術式?呪力?最終的に物言うのはフィジカルですが?   作:ありがとうはなまる

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戦闘回です。


戦闘シーン書くのむずいんじゃ



14 千年前の五条VS現代の五条

 

 日中には多くの観光客が押し寄せる美しく輝く海に砂浜

 

 

 そんな美しい沖縄の砂浜には巨大な黒いクレーターが出来上がっていた

 

 クレーターの中は赤黒く焦げた砂に包まれ、所々から煙が立ち上っており、血と黒く濁ったガラスが散乱した地獄となっていた

 

 そんな場所に服がボロボロになっている二人の人間─五条悟と楓が殴り合っていた

 

 

 格闘戦が始まる数分前、二人が同時に放った茈は、互いに直撃したと同時に茈同士が混ざり合い、直後、茈が白い光を放ちながら大爆発した

 

 悟と楓は爆発が起きた直後、互いに領域を展開。領域効果を互いに術式を付与せず、結界の強度を重視することで、茈の爆発を抑えようと奮闘

 

 結果、爆発の範囲は悟たちが展開した領域に留めることができ、爆発で起きた衝撃等も楓が事前に張っていた帳のお陰で外に漏れることなく、帳外の被害をほぼ完全に抑えることに成功していた

 

 

 しかし、領域内にいた二人は茈の大爆発をモロに受けていたため、互いに反転術式で肉体は新品同然に治せても、精神はそうはいかず、殴り合っている二人には少なからず疲労の色が出始めていた

 

 

 だが、そんな疲労も気にせず、二人は目の前の邪魔者を排除しようと躍起になっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「五条悟!!」

 

 「大きい声出さなくても聞こえてるよ!クソ女!!」

 

 

 領域を展開したことで術式の使用が困難になった俺とクソ女は互いに近づき、拳を振るう

 

 

 こっからは拳と拳の醜い殴り合い!殴り殺してやるよ!クソ女

 

 

 

 

ドッ!!

 

 

 

 俺とクソ女の拳がぶつかりあう

 

 

 拳同士の競り合いに勝ったのは俺の拳で、クソ女の拳ごと吹き飛ばし後ろに吹き飛ばした

 

 

 これまでの攻防、そして今の拳の鍔迫り合いで分かった。こいつの呪力量や呪力操作は俺とほとんど変わんねぇ。けど、単純なパワーと肉弾戦なら俺のほうが上だ

 

 

 吹き飛んだクソ女は体制を立て直し、黒く焦げた地面に手を突っ込み、そのまま焦げた砂を俺目掛け飛ばしてきた

 飛んできた砂は散弾銃のように広範囲に散らばり、速度も散弾銃以上の速度で俺に迫ってきた

 

 俺は向かってくる広範囲の砂を腕をクロスにして全身に呪力を纏うことで防御

 

 

 「!」

 

 

 防御を終えた俺の眼の前にいるクソ女は、右手を銃のように構え、赤く光る玉を指先から打ち出してきた

 

 

 砂の次は、"赫"かよ!

 

 

 俺は飛んできた赫をジャンプで躱し、お返しにこっちも空中から赫を放つ

 

 クソ女は俺と同じように赫を横に飛ぶことで回避していた

 俺はクソ女が赫を回避した方向を見た後、蒼の収束で一瞬でクソ女まで近づき、不意打ちで拳を放つ

 

 だが、あっちも無下限呪術使い。蒼の不意打ちを見抜いていたクソ女は俺の拳を左手で掴んで、そのまま俺に背負投げを仕掛けてきた

 

 俺は特に抵抗せず投げられ、地面に叩き……つけられることはなく、無下限バリアによって地面すれすれで停止

 地面に背を向けたまま俺は、クソ女に向かって右腕を突き出し、指先から赫を打ち出す

 

 

 「ぐっ!」

 

 

 クソ女はフリーだった右手を赫の射線上に持ってきて直撃を回避した。だが、当たった右手はダメージを受け、少し腫れて焼け跡ができていた

 

 

 

 楓が赫を食らってこの程度で済んでいるのは楓が無下限呪術の術式を持っているため、赫の耐性をもっていたのと、無下限バリアに身に纏っていたため赫の威力が軽減されていた

 もし、楓以外が同じように赫を食らっていれば腫れる程度では済まなかっただろう

 

 

 

 

 クソ女は赫を食らった拳を握り、怒りの表情で拳を振り下ろしてきた

 

 俺は蒼で自分の体を引っ張り体を起き上がらせ、振り下ろされた拳を回避。起き上がってすぐに拳に蒼を纏い、クソ女に殴りかかる

 

 クソ女も俺と同じく拳に蒼を纏って、俺の拳を往なし、俺に拳を突き出してくる

 

 俺も負けじと拳を往なし、反撃で攻撃を仕掛けていく

 

 

 どちらも当たれば確定でクリティカルヒットになり得る攻撃を押し付け、往なし合う

 

 

 

 

 

 

 幾度も行われた激しい拳の応酬

 

 その均衡を破ったのは現代最強の五条悟ではなく、千年前の最強、楓だった

 

 

 

 

 

 

 流石、現代最強と言われるだけはある。同じ術式に同じ呪力量、呪力操作も遜色ないというのに私が押されかけている

 

 悔しいが認めてやる五条悟。お前は私には持っていないフィジカルに卓越した格闘センスを持ち合わせている

 

 このまま殴り合いを続ければ、負けるのは私のほうだろう

 

 

 だがな、それでも私の勝ちは譲らない

 

 

 お前がフィジカルとセンスなら私は術式の"技術"と"応用"でお前を…殺す

 

 

 私は何度目かの拳を放つ。ただし、放った拳には収束ではない"発散"の力を纏い拳を打ち出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 …は?

 

 

 俺の頭は驚きと疑問でいっぱいになった

 

 クソ女が放ってきた拳を何度も繰り返したように受け流そうとした瞬間、俺の腕は弾き飛ばれ、片腕が上に押し出された

 

 

 「ゔグッ!」

 

 

 がら空きになった俺の脇腹にクソ女の右ストレートが綺麗に命中し、クソ女の拳がめり込んだ

 

 脇からミシミシやブチブチと肉と内臓が押し潰され、悲鳴を上げている音が聞こえた

 

 俺は口から出る血を無視して挙がっていた腕を振り下ろし、手刀を繰り出した

 

 だが、俺にめり込んでいた拳から赤い光が立ち上り、俺は脇腹をえぐられながら後方へ吹き飛ばされ、俺の手刀はクソ女に当たること無く空を切った

 

 俺は吹き飛ばれた後、脇腹に反転術式をかけながら、さっきクソ女がしたことを考察する

 

 俺の腕を弾いたあの現象は、おそらく蒼を拳に纏うのと同じ原理で赫を腕に纏い、触れたものを弾く拳にしたのだろう

 

 そんな拳に気づかず受け流そうと、クソ女の腕に触れた俺の腕は弾き飛ばされた

 

 そして弾き飛ばされて隙が生じた俺の脇腹に蒼を纏った拳をぶつけ、更に赫で追い打ちをかけてきたわけか

 

 

 先程の一連の流れを思考している俺に、クソ女は急接近*1して上段から蹴りを放ってきた

 

 まだ脇腹が完治していない俺は、腕をクロスにして蹴りを防御

 

 しかし、クソ女の蹴りが防御していた俺の腕に当たった瞬間、ものすごい衝撃が腕に伝わり、俺の体は黒い砂浜へ叩きつけられた

 

 俺が地面から起き上がろうとした瞬間、クソ女の足が頭上から迫っていることに気付き、俺は慌てて転がり込み足を回避するが、クソ女は転がり込んでいる俺目掛けて足を出し続け、追ってくる

 

 俺は転がりながら、クソ女の後ろに蒼を設置してクソ女を引っ張る。だが、クソ女は両手を握ることで蒼を発動して回避して俺に迫る

 

 俺も起き上がり拳を構える

 

 

 蒼と赫を切り替えて殴ってくるのは驚いたが"もう慣れた"、次来ても対応できる。この勝負、俺が勝つ!

 

 

 

 

 楓の能力を分析し、対応できると思い込んだ五条悟は楓の振り上げた拳を見て、自身の判断が間違いだったことを身を持って知ることになる

 

 

 まず……

 

 

 

 

 

ズドン!!!

 

 

 

 

 楓が振り上げた拳の風圧による衝撃音が聞こえたと同時に、突き出した五条悟の腕は跡形もなく消し飛んでいた

 

 

 そんなこともできんのかよ

 

 

 

 

 楓は自分の腕、いや筋肉の繊維全てを蒼で自壊しないギリギリまで収束、圧縮して力を貯め、赫で貯めた力を空気を押し出し、爆発的な威力を叩き出してきた

 もし、蒼の出力をミスれば腕がグチャグチャになり、押し出す赫の出力をミスっても腕に貯めた力を無視して腕ごと吹き飛ぶ

 そんな高等技術を成功させることは、六眼を持った五条悟でも現状真似することができないほど難しいことだった

 

 そんな高等技術をやってのけた楓の腕は皮が剥がれ、ところどころ骨や筋繊維が見えて血に染まってはいるものの、腕としての原型をかろうじて保っていた*2

 

 それもそのはず、この技術を使用するのは今回が初めてではなく、千年前の平安の世でこの技を幾度も使用して、腕が壊れないギリギリを彼女は知り尽くしていた

 

 腕が欠損したものと、腕がボロボロになっているものとでは治癒にかかる時間は明白で、五条悟は片腕を治癒しながら片手で、楓は片腕を治癒しながら両の手で攻撃を仕掛けていく

 

 両手と片腕、どちらが不利かは明白、五条悟は楓の激しい攻撃のラッシュに耐えきれず攻撃を幾度も食らい、片腕を治した時点で五条悟の体は血だらけになり、かなりのダメージを食らっていた

 

 

 楓の赫を纏った攻撃を受けた悟は、地面に削れた足跡を残しながら、大きく吹き飛ばされた

 

 

 

 このまま行けば勝てる!

 

 

 

 楓が勝ちを確信した瞬間

 

 

 

 五条悟は体にかけた反転を解き、呪力を高める

 

 

 

 

 

 『領域展開』

 

 

 

 

 悟は指を絡め、掌印を結ぶ

 

 

 

 それは自殺行為だぞ!

 

 

 

 楓は両手を指で組んで前に突き出し、『彌虚葛籠(いやこつづら)』を発動

 

 

 それよりも早く、五条悟は領域を展開

 

 

 

 

 

【無量空処】

 

 

 

 

 五条悟が領域を展開。瞬間、周りは宇宙空間のような光景が広がり……そして空間が崩壊した

 

 

 五条悟が行ったのは、これより未来、渋谷事変で使用した0.2秒の領域展開。その"短縮版"

 

 

 五条悟は領域を"0.1秒"だけ展開。楓の脳には、約三ヶ月分の情報が流し込まれた

 

 だが、楓は無下限呪術使い。当然領域効果にも一定の耐性を持っている。そのため、楓は脳にくるダメージを抑えることができていた

 

 

 「ぶふッっう!」

 

 

 

 五条悟の拳が黒く光る

 

 

 

 "抑える"ことができただけで、脳には少なからずダメージを受けていた楓は動けず、五条悟の『黒閃』を腹からモロに食らっていた

 

 五条悟は両手両足全てを使い、楓にラッシュを仕掛けていく

 

 頬に右ストレート、腹に左ストレート、髪を掴み顔面に膝蹴り、首目掛け足蹴りと、相手を殺すよう殺意を込めた全力の一撃を入れていく

 

 だが、いつまでも無防備に攻撃を食らっているほど相手も弱くはない

 

 楓は顔面に来る拳を躱し、悟の顔面に頭突きを仕掛け、次に腹を赫を纏った足で蹴ることで無理やり距離を取らせ、ラッシュから逃れることに成功した

 

 

 「ハァハァ…調子に乗るなよクソガキー!!」

 

 

 楓は五条悟の『黒閃』にラッシュがかなり効いているのか、かなり息が上がっていた

 

 

 対する五条悟は楓につけられた傷を反転術式で治し、黒閃によるブーストで体力は減ってはいるもののテンションとコンディションは絶好調に達していた

 

 黒閃にハイになったのだろう五条悟は、()()()()()()()()()()()()()()()()に打って出た

 

 

 

 

”九網”

 

 

 

 「!」

 

 

 いきなりの詠唱に驚いた楓は、すぐさま阻止しようと赫を放つ

 

 

 

 

”偏光”

 

 

 

 しかし楓の放った赫をひらりと避け、そのまま詠唱と"舞"を続行する

 

 

 

 

”烏と声明”

 

 

 

 楓は今領域を展開しても間に合わないと悟り、蒼で悟との距離を詰め攻撃を仕掛ける…が、悟は攻撃をしてきた楓の拳を掴み、そのまま恋人繋ぎをした

 

 

 「離せ!!」ブチ

 

 

 楓は仁以外に恋人繋ぎをされたことに激怒し、振り払おうとするが、悟の方が素の力が上のため振り払うことが出来ずにいた

 

 

 「おいおい、恥ずかしがるなよ。こっちまで恥ずかしくなるだろ」

 

 

 人を小馬鹿にしたようなヘラヘラとした笑みにも、狂気的な笑みにも見える笑顔を見た楓は、現代に来て初めて恐怖を覚えた

 

 

 

 「さぁ……一緒に食らおうぜ」

 

 

 

 ─無制限の

 

 

 

 「や、やめろー!!」

 

 

 

 

 

【茈】

 

 

 

 

 五条悟の手から紫色の球体が出現し、ふよふよと上に登り、一定の高さまで登りピタリと止まった

 

 

 瞬間、茈は膨れ上がり、紫色の光が悟達を包み込む

 

 

 

 

バン!!

 

 

 

 

 だが、茈に何かが通過した瞬間、茈は風船のように弾け飛び飛散していった

 

 

 「おいおい、こんな夜中にお祭りするなんてよ、俺も混ぜてくれよ悟、楓」

 

 

 

 何が起きたのか混乱していた二人の前に、今一番聞きたくない声が聞こえてきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「う…ぅ……」

 

 「…」

 

 

 悟が楓に黒閃を食らわせたころ、仁たちが泊まっているホテル、その前に傷だらけで横たわる夏油傑とそれを上から見下ろしている恵の姿があった

 

 

 「…驚いたよ。まさかお前みたいな雑魚が領域を展開するなんて、才能だけはあったようだな。だけど、所詮は付け焼き刃、私の領域に勝てるわけがない」

 

 

 傑は傷から多量の血を流しながら浅い呼吸を繰り返していた

 

 

 そんな傑を観察し、恵は影から小刀を取り出し、傑に矛先を向けた

 

 恵はあの少ない攻防で領域展開を未完成ではあるが展開し、使いこなしていた傑に対して呪術師としての才を見出し、同時に警戒した

 

 

 こいつを生かしておけば後々面倒事が舞い込む。今の内に殺しておこう

 

 

 そう考えた恵は小刀を傑の首に狙いを定め、振り下ろした

 

 

 

 

 

 小刀が傑の首に刺さる

 

 

 

 

 

 

 

 直前

 

 

 

 

 ガシッ

 

 

 

 「!」

 

 

 振り下ろした恵の腕が掴まれ、傑の首元に刺さる寸前で止められた

 

 

 「あまり若い()を摘むもんじゃないよ、恵」

 

 

 「!?………何故…お前がここいる、加茂亜生衣」

 

 

 

 そこにいたのは加茂家次期当主にして仁の姉(自称)─加茂亜生衣がいた

 

 

 「相変わらずクールビューティーだね、恵は」

 

 「…何故いるのかと聞いたはずだ」

 

 

 亜生衣に握られた手を振り払う

 

 

 「…おまけに堅物ときた。そんなんだから弟に友人以上の感情を向けてもらえないのよ」ハーヤレヤレ

 

 

 

 ブチ

 

 

 

 ナニかが切れた音がした

 

 

 「…お前が何故ここにいるのか、何故私の邪魔をするのか、そんな疑問は…もうどうでもいい…」

 

 

 

 恵の呪力が高まるのを見て、亜生衣も呪力を高める

 

 

 

 「…たった今、お前を惨殺処刑することに決めた!」

 

 「バイオレンス女子はモテないわよ、少女漫画読んで出直してきなさい!」ニッ

 

 

 

 千年前当主同士の戦いの火蓋がきられた

 

 

 

 

 

 

*1
蒼による瞬間移動

*2
刃牙の愚地克己がピクル戦で放った鞭撻による負傷 イメージ





弟いるところにお姉ちゃんあり

禪院甚爾の生死をどうしようか悩んだので、みなさんのアンケートを参考に決めようかと思いました。ぜひ、アンケートにお応えください。アンケートに答えてくれたら投稿主は喜びます。

  • 原作通り死亡
  • 原作無視して生存(前線に出て戦闘する)
  • 原作無視して生存(無理せず隠居生活)
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