術式?呪力?最終的に物言うのはフィジカルですが? 作:ありがとうはなまる
場面が何度もあっちこっち変わるため見づらくなってるかもしれません。
百鬼夜行開始の数分前
「件。私の作戦が成功する確率は?」
「…8割」
「件。私の夢は叶うか?」
「…はい」
「件。私は夢が叶った先で満足できるか?」
「…はい」
「そうか。」
東京都呪術高専side
「素晴らしい!! 素晴らしいよ!!!」
「私は今!!猛烈に感動している!!!」
「乙骨優太を助けに馳せ参じたのだろう!!?」
「呪術師が呪術師を、自己を犠牲にしてまで慈しみ!!敬う!!」
「私の望む世界が今目の前にある!!!」
乙骨の前に血溜まりの中に倒れる真希
「真希さん?」
「本当はね、君にも生きていてほしいんだ乙骨優太君。でも全ては呪術界、ひいては世界のためだ」
「パンダ君………」
腕がちぎれ、中の綿が飛び散っているパンダ
「ゆ゙ぅ゙だ………」
「!狗巻君」
地面に倒れ伏す狗巻が、乙骨に呪いの言葉を投げかける
「逃…げろ」
親友たちの姿を見て乙骨の中のナニかが切れた
「来い!!!里香!!!!」
「君を殺す。」
「ブッ殺してやる!!」
東京 新宿side
東京新宿内は未だ多くの呪霊たちが暴れ混沌を極めている中、安倍晴明と五条悟の戦闘は未だに続いていた
晴明はビルからビルへと飛び乗りながら悟に向かい呪霊を差し向け、悟は向かってくる呪霊を一撃で祓いながら晴明の後を追いかけていた
「で、いつまでそんな格好してんだ」
「何のことかな」
「白切ってるとこ悪いけど僕の目でとっくにバレてんだよバカ狸」
悟は両手を組み蒼を発動して晴明の真上に瞬間移動をして回し蹴りをお見舞いした
「ッ!」
晴明は悟の蹴りが入る直前に腕を入れ、直撃を避けたが蹴りの勢いのまま下のビルの屋上へと落下した
「さっさと正体見せろよ。それともシャイで顔を見せんのが怖いか」
「……」
ポンッ
起き上がった晴明から突然音が鳴り、それと同時に煙玉のような小さな爆発が発生し、晴明の体を覆うように煙が発生した
煙が晴れると、そこには着物を着た大人の2倍はある巨大な狸─
「儂の変化を見抜くとは、流石六眼の持ち主、目が良いのぅ」
「褒めても何もでないぞぽん吉」
「儂の名は
「はいはいポン太ポン太」
「小童が…まぁいい」
悟の挑発をいなした
「!これは驚いた」
「ふふふ 驚くだろう?儂の変化は肉体の術式だけでなく相手の力、体質、呪力全てを模倣することができる。もちろん六眼さえ完璧に模倣できている。つまり、儂の知識と小童の力を持っている儂に小童が勝てる可能性はゼロというわけじゃ」
「大層な自信だこって。あと、僕が驚いたのは、その程度で僕に勝てると思ってるお前の脳みそに驚いたんだよ」
悟は目についていた布を全て取り、
「田を、田を返せぇェェぇぇ!!!」
悟と
「うるさい」
悟の冷徹な一言とともに放たれた赫によって呆気なく上半身を消し飛ばされ消滅し、その余波で周囲の建物のガラスが全て砕け散った
「さて、あんだけ自慢してたんだ、ガッカリさせんなよ狸」
「人間が、よく吠える」
高専side
「まずは量で様子見だ。どう出る?呪いの女王」
晴明は無数の子鬼を出現させ乙骨を襲うが、乙骨はその場から飛び上がり小鬼の大群を回避
すぐさま小鬼は飛び上がった乙骨を追いかけようとヘビのように列を成し乙骨に襲いかかるが、乙骨は冷静に飛びついてきた小鬼を刀で一体一体切りつけていき、残りの大群を里香の攻撃で対処。里香の攻撃でほぼ全ての小鬼を消滅させることに成功した
小鬼を祓ったお陰で余裕ができた乙骨は、戦闘を始める前に回収しておいた3人を安全な高台まで運び反転術式をかける
そこで真希に嫉妬して里香が暴走したが、乙骨の一言で暴走をやめ、顔から涙を流しながら謝罪の言葉を口にし乙骨に縋り付く
乙骨は里香の謝罪を優しく受け入れ、高台の手すりの上に乗る
「僕らの敵はアイツだよ」
「…優太アイツ嫌い?」
「あぁ大嫌いだ」
「じゃあ里香も嫌いぃいい」ニタァ
「おかえり乙骨優太君。」
「なんで攻撃をやめた?」
電柱の上に乗り移り、晴明を見下ろしながら疑問を投げかける
「呪力による治癒には高度な反転術式を要する。他人の治癒は特にね。だから君の意識を少しでもそちらに割かせたほうが得策だと思ってね。」
「さて、続きを始めよう。今度は質と量、両方だ。」
清明の後ろから大小異なる大きさのムカデが無数に出現し、乙骨に襲いかかる
「里香アレをやる」
里香が手を広げ呪力を集中させると、手から模様がついたメガホンが出現した
「…!!」(「蛇の目」と「牙」の紋章、あれは!!)
「狗巻家の呪印!!」
迫りくるムカデの大群を前に、メガホンを握った乙骨は息を吸い呪いの言葉を吐き出す
【死ね】
乙骨が呪言を発した直後、襲いかかってきた呪霊全てが跡形もなく爆散した
(呪言は狗巻家相伝の高等術式。これを呪術を学んで1年未満の少年がやってのけたのか!!)
「ケホッ やっぱり難しいや。呪力が拡散して狙いが定まらない。狗巻君は凄いなぁ…」
(1級呪霊複数体を負担の大きい強い言葉で祓い、吐血程度で済むとは)
「そう 僕の友達は凄いんだ!!それをオマエは…オマエは…」
(やはり折本里香の正体は変幻自在、底なしの呪力の塊!!)
「ぐちゃぐちゃにしてやる」
「益々欲しいね」
京都side
京都周辺、そこは東京と同じく大量の呪霊が暴れまわっていた
京都高専組は迫りくる呪霊を連携しながら祓っていく
「ふんっ!!」
「簡易領域 抜刀!!」
加茂典俊は血がついた弓矢で、真依は拳銃で空中に飛行している呪霊を撃ち落としていき、正面から向かってくる呪霊を持ち前の火力を活かして殲滅するメカ丸と、簡易領域による抜刀で呪霊を斬り伏せていく三輪。その上空で箒に乗り周囲の索敵をする西宮
「二時の方向から5体、三時の方向から7体、七時の方向から10体以上の呪霊が接近中」
「たく、キリがないわね」
「東堂のやつはどこにいった!」
「あ~ すぐ会えると思うよ加茂君」
真依が倒しても蛆のように湧いてくる呪霊に愚痴をこぼして数秒もしないうちに、西宮の言う通り東堂は呪霊を豪快に倒しながら加茂たちの前に降り立ってきた
「今までどこに行っていたんだ東堂…!」
加茂が単独行動をしていた東堂に詰め寄ろうとしたその時、前方から特級呪霊に引けを取らない圧を放つ呪霊が東堂たちの前に現れた
東堂は呪霊を視認したと同時に駆け出した
「そいつは危険だ東堂。一人で突っ込むな連携して─「8時からのトーク番組。クリスマス特別生スペシャルに、高田ちゃんが…出る!!!」
「こんな所で、モタついてられるか!!」
加茂の制止を聞かず走っていく東堂
「東堂!!」
「加茂君そっちは東堂君に任せて私達は…!!十時の方向から4つの人影を視認!!とんでもない速度でそっちに向かってきてる!!」
「何!?……っ!この呪力は…」
「!!みんなここを離れるわよ!!巻き込まれる」
「え?」
「どういうことだ真依─「伏せて!!」
三輪とメカ丸が真依の発言に疑問を発したが、真依はその疑問に答えるよりも早く全員に伏せるよう大声で呼びかけた
真依の突然の大声に東堂と加茂を除く全員はほぼ反射でその場に伏せ、加茂は伏せた全員に血のドームを貼った
加茂が東堂を覗いた全員の上に血のドームを作ったその時、横の建物を吹き飛ばしながら1体の鬼が飛んできた。現れた青い鬼─茨木童子は勢いそのまま別の建物に激突し、建物を破壊しながら吹き飛んでいった
「アハハハハハハハハハハハハ!!」
突然青年の笑い声が辺りに響き渡る、その笑い声とともに先程東堂たちと交戦しようとしていた特級呪霊の方に1体の鬼が激突した。激突してきた赤い鬼─酒呑童子の衝撃によって特級呪霊はその場から大きく吹き飛ばされ建物の上へと倒れた
特級呪霊に単身で挑もうとしていた東堂はその光景に足を止め、酒呑童子が飛んできた方向に目を向ける
「ぬりゃぁぁああ!!」
「ぶるぅああぁぁ!!」
東堂たちがいる場所より少し遠い位置、空中で二本の短剣を持った黒い鬼─
右手に持つ短剣、大通連を仁目掛け真上から振り下ろすが、仁は体を横に動かし既の所で躱し、空を蹴り上げ大嶽丸に近づき膝蹴りを仕掛けるが、大嶽丸は左手に持つ小通連の側面で仁の膝蹴りを受け止め、振り下ろしていた大通連を戻し横に振るう
仁は下の2箇所を見た後、大嶽丸の振り上げた大通連を呪力で強化した手で掴み背負い投げの要領で大嶽丸を地面に落とす。大嶽丸に背負い投げを仕掛けた仁はそのまま空中を蹴り上げ地面に急接近した
仁が急接近した場所は、投げ飛ばした大嶽丸の方ではなく、先程特級呪霊の方へ蹴り飛ばし、仁の方へ戻ろうとしていた酒呑童子の方角へ向かっていた
酒呑童子に急接近した仁は、そのまま酒呑童子の顔面を殴り、酒呑童子を地面に叩きつける。仁はその間に地面に着地し蹴りを放つ構えを取り、地面に叩きつけられ、バウンドした酒呑童子の溝内目掛け蹴りを叩き込む。酒呑童子はその威力に血と唾液を吐き出し後方へ吹き飛ばされた
仁は酒呑童子の追撃はせず後ろから来る大嶽丸の斬撃二刀を刀の腹部分を触り流れるように受け流し、その勢いのまま大嶽丸の懐に潜り酒呑童子同様溝内に肘を打ち込む。酒呑童子のように吹き飛ばされはしなかったものの血と唾液が混じったものを口から流し苦悶の声を出す大嶽丸に追撃として
大嶽丸を吹き飛ばした仁はそろそろ戻ってくるであろう茨木童子を迎え撃つため走り出す
鬼3体との戦闘開始直後、流石の仁も鬼3体を同時に相手取るのは骨が折れるとふみ、常に1対1の状態に持ってこれるように立ち回っていた*2
反転術式を流し一瞬でかたをつけることも仁は出来たが、禪院甚爾以来の身内を除いた実力者にテンションが上っている仁の頭にはそんな選択肢は浮かんでいなかった
特級それも上位に近い力を持つであろう呪霊3体を相手取りそんな芸当が出来るのは現状現代最強の五条悟と仁の特訓で超強化された夏油傑、仁の仲間ぐらいである
余談ではあるが酒呑童子たちを殴り飛ばす仁を見て東堂の脳内で存在しない記憶が駆け巡っていたが、その内容は誰も知らない
(なお最初に出てきた特級呪霊は仁と鬼3体の戦闘に巻き込まれ人知れず消滅していた)
高専side
「生まれて初めての激情、呪力が体に満ち満ちているね。身体能力の向上、万能感、五感が研ぎ澄まされているだろう。」
「烏合共では相手にならないね、直に叩くとしよう。」
「合わせろ里香」
安倍晴明は右腕を前に突き出し肘を曲げ、手のひらを自身に向け構え、左腕は突き出した右腕の下に置き手のひらを外側に向けた八卦掌のような構えを取る
乙骨優太は刀を両手で構え、大きく深呼吸をして精神を研ぎ澄ませる。乙骨と里香が大きく息を吸い込んだと同時に2人は駆け出す
乙骨は晴明目掛け右斜めから刀を振り下ろすが、晴明は冷静に刀を左手で受け流し、空いている右手で
「……っ!」(これは……なるほど、狗巻家の子孫の身ならずあの呪骸の呪力特性まで
晴明が乙骨の使った
晴明は浮いている乙骨の足を持ちあげ壁へと投げつけ、次に迫りくる里香の攻撃を横に転がり込むことで回避する
里香の攻撃を避けた晴明に追撃しようと壁を足場にして飛び刀を振るう乙骨と、腕を振り下ろす里香を前に、体制を整えた晴明は腕に呪力を回し2人の攻撃を防いでいく。数度2人の攻撃を防いだ晴明は腕を前に突き出し2人の攻撃を受け止め、鍔迫り合いを始める
「人は食物連鎖の頂点に立ち、更に高位の存在を夢想し神と呼んだ。おかしいと思わないか?夢想せずとも我々
「結局、
「そんな小さな物差しでしか物事を判断できない
「神になりたいなんて子供じみたこと言うなよ!!」
「論点がズレているよ乙骨優太君。」
晴明の下から黒いモヤが現れその中から大量の呪霊が出現した。乙骨と里香は出現した呪霊を冷静に祓っていき、再度、晴明に攻撃を仕掛けようとしたが
【動くな】
乙骨の後ろに現れた口だけがついたハエ型の呪霊が発した声で呪霊を祓っていた乙骨と里香の動きが完全に止まった
特級
「君や狗巻家の子孫だけが呪言を使えるとでも。」
「がっ…!!」
呪言で動きが止まり好きだらけの乙骨に肘打ちを決めた晴明。肘打ちをもろに食らった乙骨は唾液を出しながら後方へ吹き飛んでいった
「優太ぁぁぁ゙ぁ゙!!!」
「少し大人しくしていてくれ呪いの女王。」
里香の周りに黒いモヤが出現し、そこから大量の呪霊が現れ里香を妨害する
晴明に吹き飛ばされた乙骨は腹に受けたダメージを反転術式で治しながら口についた唾液を拭き取り起き上がる、その頭上から岩のような呪霊が現れ乙骨を押しつぶそうと落下してきた。乙骨は落下してくる岩呪霊に既の所で気づき、横に飛ぶことで回避する。だが、乙骨が回避し地面に着地するよりも早く黒いモヤの中から筋肉質な人型の1つ目呪霊が現れ、未だ空中にいる乙骨に拳を振るう
乙骨は呪霊の攻撃を空中で刀の側面で受け止め、後ろへ飛ばされる程度に留めた。乙骨は地面に着地しすぐさま晴明の元へ行こうと足を踏み出すが、踏み出すと同時に視線の端に先程呪言を飛ばした呪霊と同じ容姿の呪霊がいることに気づき、呪霊がまた呪言を言う前に祓おうと足を呪霊の方へ向け走り出す
乙骨が呪言使いの呪霊へ向かう途中、後ろから乙骨の背丈よりも一回りでかい筋肉質な人型呪霊が現れ乙骨にダブルスレッジハンマーを放とうとしていることに気づくが、呪言呪霊に刀が届く範囲にまで近づいていたため、目の前の呪霊を祓った後、迫りくる呪霊の両腕を斬り落とそうと考えるが、その考えが実行されることなく、乙骨は顎に強烈なアッパーを食らった
「呪霊操術の最大の強みは手数の多ささ。いくら君が無尽蔵の呪力量を持っていたとしても私には勝てない。」
アッパーを食らった乙骨は、更に後ろからダブルスレッジハンマーを頭からモロに喰らい、衝撃で脳が揺れ、乙骨の視界が暗転し手に持っていた刀を落としてしまった
乙骨の意識が途切れたことなどお構いなく晴明は乙骨の周りに呪霊を出現させ乙骨を襲う
全方位から殴る蹴ると激しい暴行に意識が覚醒した乙骨は、体の痛みを我慢して周囲の呪霊を徒手空拳で祓っていく。が、呪霊の数は減るどころか増えていき、そこに晴明自身も加わり乙骨は劣勢を強いられていた
「私が望むのは
乙骨に攻撃を仕掛けながら晴明は話し続ける
「そういう猿共の
「うぐふっ!!」
呪霊の対処でがら空きになった乙骨の腹に拳を叩きつける晴明
「優太ぁ゙ぁ゙!!優太ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!」
優太の傷つく姿を見た里香は怒り、膨大な呪力を放出し周囲の呪霊全てを消し去り一直線に乙骨と乙骨を傷つける者の前に向かう
里香が向かってきていることに気づいた晴明は、里香に呪霊をけしかけるが、全て里香の周囲に放出されている呪力に触れるだけで消し飛ばされた
里香は乙骨の進行方向にいる晴明に向かい拳を放ち、晴明は腕をクロスにして防御する
「っ!!」
しかし、里香の怒りの一撃に晴明の腕は砕け、里香の攻撃を顔面に食らい横の外壁へと吹き飛ばされる晴明
(腕が壊れないよう強化した、踏ん張りが効くよう足を強化したというのに、それら全てを無にするほどの威力。)
「フフフ 流石呪いの女王。」
里香の想像以上の威力に驚き、称賛を心の中で贈りながら晴明は反転術式をかけ腕と顔を治療する
「私はね乙骨優太君。君のような虐げられる
「優太 優太ぁ 大丈夫ぅぅ」
「ありがとう里香。大丈夫だよ」
「だいぶ慣れてきた」
「……どうやら聞き入ってはくれないようだね、残念だ。」
晴明の攻撃によって受けた傷を治した乙骨は、里香から離れ里香が拾っていた刀を逆手に持ち、ファイティングポーズを取る。そんな乙骨に残念な表情を見せる晴明だが、すぐに顔を引き締め構えを取る
乙骨は息を吸い込み呪力を練り上げ、己の身体能力、五感全てを引き上げ駆け出した
「…!」(更に速い!!)
最初の攻防の時よりも速い速度に驚く晴明だったが、すぐに乙骨の攻撃するタイミングに合わせ拳を振るう。乙骨は晴明の攻撃を躱すため更に速度を上げ晴明の後ろに回り込み刀にありったけの呪力を込め晴明を斬る
バキンッ!!
しかし、刀は乙骨の流す呪力量に耐えきれず、晴明に届くより先に壊れてしまった
「駄目じゃないか、急にそんな呪いを込めては、
「呪いは少しずつ─っ!!」
【黒閃】
刀が折れ油断した晴明の頬に黒い火花を上がる
晴明はそのまま殴り飛ばされ地面を転がり、地面に背をつける
「………やるじゃないか」
「分かんないよ!」
「高専以外の呪術師のことなんか知らないし!!お前が正しいかどうかなんて僕にも分かんない!!」
「確かにいじめられて苦しかった、痛かった、悲しかった、何度も死にたいと思った」
「でも、ここで僕は友達に出会った、嬉しかった、僕が心の底から笑える居場所ができた、死にたくないって、生きたいって思えたんだ!!」
「だから、僕の友達を傷つけるオマエだけは許さない!!」
「僕が、みんなの友達でいるために、僕が!!僕を!!生きてていいって思えるように!!」
「オマエは殺さなきゃいけないんだ」
「自己中心的だね。だが、自己肯定は生きていく上でこれ以上に大事なこともない。私がそうなんだからね。」
乙骨の話を聴き終えた晴明は立ち上がり、体についたホコリを払う
「ならばこちらも全身全霊をもって君を殺す。もう質も量も妥協しない。」
「私の所持する呪霊の中で、最も強い12体の呪霊を十二天将と猿どもは呼んでいた。これはその中でも宇宙を司り、十二天将のトップに君臨する最強の呪霊
晴明の後ろに左右に灰色の翼を持ち、頭や体に金色の鎧を身に付けた人型の呪霊が現れた
晴明は左手で『
【領域展開・西方極楽浄土】
乙骨と里香、晴明は黒い空間に飲み込まれ、気付けば辺り一帯が黒くおどろおどろしい世界へと変貌した
空は黒くに、地面は黄金に輝きサラサラとした気体と液体の中間のようなものが水溜りのようにあり、その上には
「更に、私が所持している四十四万六千百二十体の呪霊を一つにして君にぶつける。」
【呪霊操術極ノ番・うずまき】
京都side
京都・東京共に呪霊数が目に見えて減りつつある中、未だ仁は3体の鬼と交戦していた
「オラァ!!」
空中で回転しそのまま大嶽丸の頬に回し蹴りを叩き込む仁。大嶽丸は唾液をだしながら地面へと落ちていく
「そろそろフィニッシュかな………ん?」
鬼たちとのルーティン戦闘に飽きてきた仁が、鬼たちに反転術式をかけることを視野に入れた時、茨木童子が雄叫びを上げ体を小刻みに震えだす。すると茨木童子の体がみるみる内にデカくなり、筋肉も先程よりも発達していき体から角のようなコブが出てきた
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仁は空中を蹴り上げ一直線に茨木童子に近づき顔面に拳を叩き込む
「!!」
速度の乗った仁の拳は茨木童子の額に直撃したが、茨木童子の体は少しよろめくだけで対して効いなかった
「ガゥア゙ア゙ア゙アア!!!」
雄叫びを上げた茨木童子は仁の腕を掴み上げ、仁の腹に拳を叩き込む
「くっ!!」
仁は咄嗟に掴まれていない腕を腹の前に出し拳の直撃を避けたが、茨木童子のパワーに庇った腕の骨にヒビが入り苦痛の声が漏れた
そんな仁に茨木童子は追撃として蹴りを放ち仁を吹き飛ばす。
仁は空中で回転し蹴りの威力を削ぎ地面に着地して蹴られた腹と腕を治すが、茨木童子同様、術式によって強化された酒呑童子が空中から棍棒を振り下ろしてきた
仁は両腕で酒呑童子の振り下ろした棍棒を受け止め、地面に大きなクレーター作った
「んんんんん!!うるぉあああ!!」
仁は酒呑童子の棍棒を押し返しその場から脱出し酒呑童子目掛け拳を放つ。酒呑童子は押し返された棍棒を懐に戻し仁の拳を迎え撃つ
仁と酒呑童子の拳と棍棒による乱撃によって激しい突風が起き、周りの瓦礫や建物を吹き飛ばしていく
互いの全力の一撃を真正面から撃ち合った末、両者は吹き飛ばされたが、互いに地面に手や足をつけそれ以上の後退を阻止した
仁は周囲を確認し酒呑童子の他に茨木童子と大嶽丸がいることに気づく。仁は空中に飛び3体を誘い、鬼たちもその誘いに乗り飛び上がる
鬼たちは三角形のように仁を取り囲み攻撃、仁はその布陣にその場で回転して真正面から受けて立った
酒呑童子の棍棒を右手で受け流し、茨木童子の大刀を左手で側面から叩き折り、大嶽丸の攻撃を足で防ぐ
1対3とは思えない激しい攻防を空中で繰り広げ、勝負は拮抗していると思われたが…
「がはっ!!」
酒呑童子の棍棒が仁の胸を捉えた。肋骨の砕ける音ともに、仁は地面に吹き飛ばされ地面に叩きつけられる
鬼たちは飛ばされた仁の近くにある建物上に乗り、仁を待つ。下手に追撃すれば強化した自分たちでもただでは済まないと、仁との戦いで鬼たちは判断した
しばらくして仁が瓦礫を吹き飛ばしながら姿を現した。肋骨と痛めた内臓を治した仁は、肺に残る血を吐き出しながら歩を進め、目の前の鬼たちを見据える
「ハハハハハハ いいな! いいな!!いいな!!!お前ら最高だぜ!!」
「正直舐めてたよお前らのこと、お前らなら俺も
仁は着ていたレザーコートを脱ぎ、
「不滅の闘争・幻想の逸脱・自由の継承」
【仁・載】
詠唱を唱えた仁の体から煙が立ち上り瞳が真紅に染まる
「行くぞ」
高専side
「乙骨優太君。君が折本里香を使いこなす前に殺しに来て本当に良かった。」
「里香」
「なぁ に」
乙骨は晴明に背を向け、
「いつも守ってくれてありがとう。僕を好きになってくれてありがとう。最後にもう一度力を貸して」
「コイツを止めたいんだ。その後はもう、何もいらないから」
「僕の未来も心も体も全部里香にあげる。これからは本当にずっと一緒だよ」
「愛してるよ里香」
「一緒に逝こう?」
チュ
乙骨が里香に口づけをする
「あ゙っ…あ゙ぁ…ああ゙あああああああ゙あ゙あ゙あ゙」
「優太!!!!優太っあ゙!!!!」
「大大大大大大大大大大大大大大好きだよぉ!!!!」
口づけされた里香は瞳を開眼させ、膨大な呪力を放出する
「…っ!!」(自らを生贄とした呪力の制限解除!!)
「そうくるか!!女誑しめ!!」
「失礼だな」
腕を上げ晴明に標準を合わせる
「純愛だよ」
「ならばこちらは大儀だ」
互いの未来をかけた最後の一撃が放たれた
乙骨優太VS安倍晴明は、安倍晴明が夏油の体を乗っ取った羂索と同程度の強さを持っているため、いくら解呪前の乙骨里香ペアでも今の乙骨ではボコボコにされるかなと思いボコボコにしました。
本編で仁がやったことは全て術師なら努力次第でできることです。詠唱も掌印も縛りの延長です。