術式?呪力?最終的に物言うのはフィジカルですが? 作:ありがとうはなまる
side東京
乙骨と晴明の激闘から少し前、新宿では絶えず押し寄せる呪霊たちを相手に、呪術師たちが奮闘していた
「大丈夫ですか!?」
「わ、悪い、無茶しすぎた」
呪霊との戦いで怪我を負った術師たちを見つけた伊地知と他の補助監督たちは、術師の応急処置を開始する。幸い、この場にいる全員は怪我こそしているものの命に関わる重症者はいず、補助監督たちは術師たちの応急処置を終えるとこの場からの離脱を始める。伊地知は術師に肩を貸し家入のいる場所へ向かおう徒歩を進める
「っ!?そんな……」
しかし、補助監督たちが帰路につこうとした所で、呪霊の増援が接近してきた。しかも、ちょうど家入がいる方向から来ているため戦闘は不可避。かといってこのまま戦闘になれば四級よくて三級程度の補助監督と、疲弊している術師たちではあの大群には勝てないこちらに分が悪い
絶体絶命、そう思ったその時、突然接近していた呪霊の横の建物から赤い閃光が放たれ建物が粉々に吹き飛び、近くにいた呪霊たちも全て消し飛ばした
何が起きているのか分からず放心していると、建物が合った場所から銀髪の男が吹き飛んできた
「…?……!?五条さん!?」
「「「え?」」」「「「!?」」」
壊れた建物から出てきた男にいち早く気付いた伊地知と伊地知に言われ気付いた補助監督と術師たちは驚愕の声を漏らす
そして吹き飛んできた悟と、飛んできた悟を追ってきたであろう悟と同じ顔と服装をした男が現れ、飛ばされた悟が追ってきた悟に向かい飛び上がり戦闘を始めた
「「「「「!!!?」」」」」
同じ外見の人間が現れ、しかも戦っている光景に伊地知たちを更に驚愕し困惑するしかなかった
「!!皆さん!!今のうちにこのまま直進して家入のいる医療所まで向かいます」
いち早く正気に戻った伊地知は未だ困惑している全員に大声で話す
「え、でも─」
「でもではありません!五条さんがいるなら周囲に呪霊はいないはず、なら一刻も早くこの場から離れ、術師の皆さんの安全を確保することが先決。私達は五条さんの邪魔になる!!」
伊地知の鬼気迫る発言に反論することができず補助監督たちは術師たちを連れて伊地知の後ろへついて行った
伊地知は悟と長い付き合いなため、遠目からでも悟がキレていることに気づき、巻き込まれる前に一刻も早くこの場から退散しようと躍起になっていた
「どうした狸!!俺の力を全部真似たんじゃねぇのか!!」
「…ッ舐めるなぁ!!」
五条悟に化けた
悟は飛んできた巨大な槍に赫を発動し、飛んでくる槍を逆に押し返した
(儂の術式は相手の経験、力、術式全てを模倣する最強の術式。何百年と生きている儂の頭脳と戦闘経験が合わせれば非力な人間なんぞ敵ではない、はずなのに!!)
「ぐふっ ガハッ ブフアァ!!」
「こんなナイスガイな男の顔を殴んのは気分が悪い な!」
殴り合っていた
「どうしてだ!!儂は貴様の力も術式も何もかも完璧に模倣しているんだぞ!!なのに何故勝てない!!」
「そんなン決まってんだろ、お前は俺じゃねぇそれだけだ」
「ッ儂が人間なんぞに負けるかぁ!!」
ガンッ!!
そして、激しい瞬間移動の攻防は、一つの大きな打撃音が響き渡ると同時に終わり、空中には
「ぬぅぅうお゙おぉぉぉぉ!!」
「気合い入れろよ はぁああああ!!」
「うおぉぉあぁあああああ!!」
上空へ急上昇した悟は掴んでいた
「ぐぅぁ゙あ゙!!」
飛ばされた
「術式反転・赫」
「グゥア゙ア゙ア゙ア゙アア!!!」
赫によって新宿の町に大きなクレーターができ、たくさんあった建物は全て消え去り、辺りが更地となった。そんな場所の中心にボロボロの
「ハァ ハァ ハァ み、認めるものか、こんな事があってたまるか!!に、人間なんぞにこの儂が」
これまでの攻防で
「儂は1000年以上も生きた大
「知るか、僕の1秒の方が勝ってる」
「ッ…殺す!!!」ブチッ
「九網、偏光」
「烏と声明、表裏の間」
「虚式・茈!!」
「虚式・茈」
2つの茈が同時に放たれぶつかり合う
高専side
純愛と大義、友と秩序、互いに譲れぬ想いを胸に放たれた全力同士のぶつかり合いは晴明が優勢で事を運んでいた
四十四万六千百二十体の呪霊全ての呪力を放出したうずまきは乙骨の放った
「ぐうぅぅぅ!!!」
「ウハハハハハハ どうだ私の大義は!!私は誰にも負けない!!誰も私は止められない!!」
「君の命と君の最愛の人を奪い、私は楽園を作るのだ!!」
晴明は更に呪力を放出しうずまきの威力を上げる
より威力が上がったことで乙骨の体は後方へ押されていき、呪力砲も徐々に押し込まれてきていた。乙骨は苦しげな声を上げながらも呪力を放出し続ける。だが、そんな絶望的な状況の中、乙骨の目は死んではいなかった、諦めず微かな勝利をもぎ取ろうと必死に足掻き続けていた
「里香!!踏ん張れぇぇ!!」
「優太ぁ゙ぁぁ里香頑張るぅ゙ぅ゙ぅぅ!!!」
里香の頑張りによって少し押し返せたがそれも微々たるもの、未だ劣勢に立っている
「さらばだ!!乙骨優太!!」
グサッ!!
「…………あ?」
乙骨にとどめを刺そうと呪力を放出しようとした晴明の腹に刃が突き刺さる
晴明の後ろには、呪霊を巻いた黒髪の男が自身の腹に刀を突き刺していた
「き…さま…なに、もの…」
「さぁ あいにく死人に名乗る名は持ってねぇ」
「今だ!!!」
晴明の【うずまき】を出力が弱くなったことを感じた乙骨は、文字通り全ての力を放出した最大出力を放ち【うずまき】を押し返す
『はぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁぁぁぁ!!!!』
『はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
「!!んぐぅああああ!!」
晴明も負けじと出力を上げようとするが、男に刺された腹のせいで出力が格段に落ち、乙骨の
晴明を揉み込んだ乙骨の
「素晴らしい……本当に素晴らしいよ、折本里香、彼女が手に入れば私の野望は実現できる。呪霊は減ったが
乙骨の一撃になんとか命からがら生き延びた晴明は、失った右手を押さえ路地の壁を伝いながら歩いていく
今の消耗した晴明の反転術式では失った右手を完全に治すことは難しく、止血と傷を塞ぐことしか出来なかった
「次だ! 次こそ必ず叶えてみせる私の野望を!!」
自身の目指す野望に向け、心を燃やし獰猛な笑みを浮かべる晴明
「!」
しかし、そんな晴明を許さないとばかりに駆けつけた五条悟と戦闘で痩せてしまった夏油傑が路地前に立っていた
「遅かったじゃないか。」
悟達を見て逃亡はできないと悟り、その場に座り込む
「君達で積むとはね。」
傑は悟が晴明に近づこうとするのを手で制し、自分一人だけ晴明まで近づく
「………何故こんなことをした」
弱者を滅ぼし、
「………………千年前、私は君達のように弱者を守る1人の呪術師だった。」
1秒か2秒か、晴明は静かに、しかしはっきりと聞こえる声で話し始める
「陰陽寮という組織に入り、呪霊を祓い、部下を持ち、部下と共に呪霊に襲われ怯える人々を救っていった。」
「部下たちは全員正義感の強い若者たちで、私を慕い、互いに背中を合わせ戦い、一緒に食卓を囲み、他愛もない話をした私にとって家族のような存在だった。」
「貴族の嫌がらせも呪霊を取り込むストレスも部下たちのお陰で苦ではなかった。」
「だが、私がたまたま別の任務に赴いていた時だった。部下たちが呪霊討伐に向かい全滅した。」
「相手は部下たちでは到底太刀打ちできない程強く、部下たちは弱者たちを守るため自身の命を賭けて呪霊に挑み相打ちになった。」
「私は悲しんだ、それと同時に誇りに思ったよ、彼らはその命尽きるまで正義を掲げ立ち向かい弱者を守ったのだと。だが、そんな部下たちが命がけで守った非術師たちは私に罵詈雑言を吐いてきた。」
「ふふふ 非術師は何と言ったと思う?」
「『お前の部下のせいで私の大事な畑が目茶苦茶だ責任を取れ』『お前たちのせいで村はこの有り様だなんとかしろ』『倒せるなら何でもっと早くこなかったの、あなたたちが来れば私の子供は妖怪に食い殺されずに済んだのにどうしてくれるのよこの無能』『お前たちが来ないほうが村はまだ平和だった』。」
「救われたはずの人間に罵詈雑言を吐かれるあの気持が分かるか、 自分の大事な部下たちが命を賭けて助けた人間が自身のことしか頭にないクズだった時の気持ちが分かるか!!!」
その時のことを思い出し大声が出てしまう晴明
「…奴らの薄汚い声は私の中の支柱を壊すには十分だった。」
「だが、もう一つ私の正義を変えた出来事がある。」
「私の母が
「「!」」
「私の力に恐れた貴族共が私への嫌がらせとして私の母が狐の化け物だというデマを流し、私の母を襲う口実を作った。」
「ある日私の力を不気味に重った非術師共が、私の留守を見て母を襲った」
「私がそれに気づいたのは下らん貴族共のご機嫌取りを終え帰宅していたときだった。」
「母は腹を切り裂かれ臓物を生きたまま引きずり出され、無造作に地面に倒され、見るも無残な姿になっていた。」
「すでに息絶え、冷たくなっていた母を見て私は確信した。」
「非術師は愚かで卑怯なおぞましく醜悪な化け物だと」
「私は母を殺した非術師たちを、母が化け狐だと情報を流した貴族共を殺した。」
「部下を罵倒した非術師も京都に住む非術師も全て鏖殺しようとも思った。だが、それは京都を守り、非術師を守り抜いた私の部下たちの行動に泥を塗る行為にほかならなかった。」
「だから私は待った、非術師が、人間が変わるのを」
「だが、私は甘かったのだ!!」
「千年立っても人間の醜悪さは変わるどころか更に増大し増え続けている!!
「狂気の沙汰だ!!」
「誰かが正さなければならない!!たとえこの身を血に染めようと、部下たちが守りたかった平和を壊そうと!!」
晴明は傷が完全に塞がっていないにも関わらず、自身の過去と信念、揺るぎない覚悟を叫ぶ。そのせいで塞がっていた傷が広がり血が垂れている
「………誰がなんと言おうと非術師は嫌いだ………だが、別に全ての
「ただ…この世界では私は心の底から笑えなかった」
夏油傑は晴明の壮絶な過去とその悲痛な顔に既視感を感じ、分かってしまった
これは自分のあったかもしれない未来の姿なのだと
目の前にいる晴明はあの村で一線を越え、非術師を猿として見下す最低最悪の呪詛師になった自分なのだと
それは晴明の思考、行動、掲げるもの全てがかつての自分と酷似していた、故に晴明のことを聞いてみたくなった、かつて晴明の身に
傑は口をパクパクと上げ下げし目を泳がすが、目を閉じ息を吸うと、しっかりと晴明に焦点を向け晴明の側に歩み寄る。その手に呪力を纏い、
「………何か言い残すことはあるか」
傑の問に、晴明は少しの
「ありがとう夏油傑。これでようやく彼らの元に行ける。」ニコッ
晴明は笑を浮かべ遺言を残し、この言葉を最後に晴明は傑によって殺された
『件。私は夢が叶った先で満足できるか?』
『…はい』
晴明を殺した傑は血だらけとなった己の手を見つめた後、悟に乙骨たちの方へ使向かわせ、自分は補助監督に晴明の死体を回収するよう指示をだそうと電話を取り出す
乙骨たちの方へ瞬間移動する悟を見送った傑は電話を持ち晴明の死体へと顔を向けるが、その場にあるはずの死体がどこにも見受けられなかった
「!?」
忽然と消えた死体に目を見開いて驚いたが、傑はすぐさま呪霊を周囲に放ち、死体を持ち去ったであろう人間を探す
だが、そんな傑の捜索も虚しく犯人を見つけることができず、晴明の死体は消えたままとなった
それから原作通り乙骨が里香の解呪を成功させ、折本里香を成仏させたことで百鬼夜行は幕を下ろした
「ふーっ 危なげなく本体機を回収できたよ」
「君はここでゲームオーバーだけど、私たちが新しくコインを入れてあげよう」
「プレイするのは君じゃないけどね」
遺体となった晴明を担ぎその場を並べようとする男
「さてさて、久しぶりに日本に帰ってきたら面白い敵が沢山ポップしていたね。ふふふふ 遊ぶのが楽しみだよ」
2018年6月 宮城県仙台市 杉沢第三高校
「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ」
「あの~呪術高専って入学できますか?」
隠神刑部VS五条悟戦はアルティメットブウVS超ベジットの
攻防、
安倍晴明VS乙骨優太&折本里香の呪力砲対決は孫悟飯(SS2)VSパーフェクトセルのかめはめ波対決をイメージして描きました
安倍晴明の過去は夏油に寄せながらマギのマタル・モガメット学長っぽくしました。
それとおめでとうございます。甚爾さん生存です。今回はプチ登場でしたが、渋谷事変か死滅回遊でまた登場させるつもりです。
これで呪術廻戦0編は完結です。本編の呪術廻戦はまだ全く製作していないため+もう一つの作品を出したためそっちを中心に書いていきたいため、また投稿は途切れますが失踪する気は特にないため気長に待っていてくれると嬉しいです。