術式?呪力?最終的に物言うのはフィジカルですが? 作:ありがとうはなまる
晴人side
先輩らと修行して3日が経過した
「こい」
木刀を持った育子さんと、素手の瑠美さんが突っ込んでくるのを、俺は木刀を構え迎え撃つ
瑠美さんが飛び上がり、踵落としを繰り出したので後ろに下がり、瑠美さんを陰にして横から来た育子さんの膝を狙った木刀を木刀で受け止め弾き返す。育子さんは軽いから弾き飛ばしやすい
踵落としから着地した瑠美さんの中段回し蹴りを腕で受け止め、そのまま足を掴み育子さんの方へ投げ飛ばす
下手に木刀を盾にすれば折れてしまう危険が高いため、木刀よりも硬い自身の身体で受け止める
投げ飛ばされた瑠美さんをキャッチすることなく避けた育子さんが突っ込んでくる。まだいるな
この3日で上達した剣捌きで、育子さんと素早い木刀と木刀の応酬を繰り広げ、お互いに一歩も引かない攻防を続ける
!瑠美さんの姿がない、来る!
育子さんとの応酬の最中に鳴り響いた六感に従って、後方へジャンプしてその場から離脱する。すると、先程まで影も形もなかった瑠美さんの姿が見え、ちょうど俺の腹ぐらいの位置に手刀が置かれており、先程まで俺と育子さんがいた間に立っていた
「やっぱその術式反則すぎやしませんか」
「そういうのは〜当たった後に言ってね」
「おいどけ瑠美パイ、前が見えねぇだろ」
「あら、ゴメンね」ヨシヨシ
「頭撫でんな殺すぞ」
「仲良いなおい」
軽く軽口を叩いた後、今度は2人同じ速度で同時に突っ込んで来た
拳と蹴りと木刀の応酬という、加減しろ馬鹿と叫びたくなるような猛攻を何とか捌いていくが、反撃の隙を作ることができず、逆に隙を突かれリズムが崩されなし崩しにボコボコにされた
「3日前より強くなったな、あたし達2人と真正面からやりあえるなんて。だが、まだまだフィジカルに頼って動きに無駄が多いな」
「そうだねぇ、天授君の体ならあれぐらいの攻撃切り抜けれそうなのに、勿体ないなぁ」ペタペタ
距離近いしめっちゃ体触ってくるし、いい匂い⋯いい匂いかこれ?森とか自然みたいな匂いするぞ、ギャルなのに、怖ぁ
「ま、それだけ動きれば大抵の呪霊には負けないだろ、あとは呪具の方だな。いつ頃届くんだ?」
「今伊地知さんが俺用の呪具を探してくれてるみたいで、最低1級呪具は流石に無理な要望でしたかね」
「そりゃあ1級呪具なんて数千万、下手すら億するぐらい希少品だ。おいそれと1年に渡すほど上もバカじゃないだろ」
「なら育子ちゃんの持ってる呪具を晴人君にあげたら?たくさん持ってるでしょ」
「あれはあたしが心血の全てを注いで集めたもんだ、絶対渡さん!」
「えぇ~いいじゃぁん」
「ダメだ、あたしから1本も取れない雑魚に渡す刀はなに1つない」
「いいですよ瑠美先輩、俺が今は雑魚なのは事実ですから。すぐ育子さんが刀を渡したくなるぐらい強くなってみせます」
「お前⋯」
「あたしの刀達は絶っっっっっっったい渡さないからな!!!」
「そんなに刀手放すの嫌なんですか!?」
「育子ちゃんは重度の刀オタクだからねぇ」
原作には絶対にいなかった個性的な先輩方と稽古した後にするこの会話する時間は正直楽しい
前世合わせて、女の子と喋ることなんてほとんど無なかったし、先輩ら美人だから初めの時は少し緊張したが、接しやすい性格に今ではフランクに話せている
「そういえば恵の奴ら遅いな」
「確かに、飲み物を買ってくるって言ったっきり戻ってこないね。それに、真希ちゃんたちもいつの間にかいなくなってるし」
「自分、飲み物買ってくるついでにちょっと様子見てきます」
「おう、ついでにあたしの分も買ってきてくれ。甘けりゃ何でもいい」
「じゃああーしのもお願〜い、飲み物は何でもいいからね〜」
「分かりました」
俺は瑠美さんと育子さんと別れ、釘崎たちと真希先輩らがいるであろう自販機前まで歩いていく
高専にある自販機の数はかなり限られているが、その中で一番グラウンドから近い場所が原作の現場だろう
何事もなく、原作通りに終わってくれればいいんだけど、不安だな
アニメで見てた時は面白くて強くて頼りがいのある奴って認識だったが、いざ直接会うってなると足が重くなるのは何故だろう。俺、東堂好きなんだけどな⋯
恐らく、東堂と真希先輩の妹、真依が来て釘崎たちとかち合ってる頃だろう
原作だと東堂が恵に「どんな女がタイプだ」質問をして、恵の返答に理不尽に切れて恵がボコボコにされてたはず
で、先輩らに助けてもらってたんだっけ⋯⋯俺、行く意味あるか?まぁもう向かってるから行くけど
今恵は女だから質問は「どんな男がタイプだ」になるのかな?
どうしよう、東堂も女の子になってたら。恵の女体化と真希先輩のメガネ消失に次いでショック受けそう
そうこう考えている内に、目的地が見えてきた⋯⋯建物爆発した。うん、アソコだな
第三者視点side
〜時は数分前に遡る〜
「お前らが乙骨と三年の代打⋯ね」
「なんで)
真希にパシリとして飲み物を買いに来ていた恵と釘崎の前に、一組の男女が姿を現した
「嫌だなぁ伏黒ちゃん。それじゃあお姉ちゃんと区別がつかないわ。真依、真依さん、真依先輩、真依お姉ちゃん、どれか好きな呼び名で呼んで」
「あっ、やっぱり真希さんと姉妹?雰囲気近いわよね、妹?」
「
「話は聞いたわ。同級生が死んだんでしょ、辛かった?それとも、そうでもなかった?」
「⋯⋯何が言いたいんですか?」
「何も⋯?同級生が死んで、その場で足踏みしてるだけの弱虫ちゃんなのか、そうじゃないのか。戦うことになるかもしれない相手のことを知ろうとするのは間違ったことかしら?」
「⋯」
「真依、どうでもいい話を広げるな。俺はただ、コイツラが乙骨の代わり足りうるのか、それが知りたい」
上着を破り捨てた男は、釘崎と伏黒に向かって臨戦態勢を取る
「お前たちの実力が少しでも不足していると判断したら、お前らを半殺しにして乙骨⋯最低でも三年は交流会に引っ張り出す」
「ちょっと!?なんでコッチが戦う前提で話し進んでんのよ!」
「⋯」
男の急な臨戦態勢に抗議する釘崎。伏黒は付き添っている真依に目をやるが──
「頑張ってねぇ1年生」ニコニコ ヒラヒラ
──男を止める気など微塵もない笑みをこちらに向ける真依に、助け舟は来ないことを悟り、ため息を一つ吐くと、無駄だと思いながらも男に抗議の言葉を投げかける
「なんで初対面のアンタといきなり戦わなきゃいけないんですか」
「京都三年、東堂葵。女のタイプはケツとタッパのデカい女が好き。以上、自己紹介終わり。これで知らぬ仲じゃなくなったな」
(東堂、もしかして"あの"東堂か⋯?去年起きた呪詛師、安倍晴明による未曾有の呪術テロ「新宿・京都 百鬼夜行」、京都の夜行に現れた1級呪霊30体を一人で祓ったっていうあの東堂か!)
「釘崎、やるぞ」
「えぇ 私、丸腰なんすけど⋯」
「丸腰だからと攻撃を止める呪霊(敵)はいないぞ!」
「!ちょっ⋯!」
「!くっ⋯!」
体から悪寒を感じ、釘崎と伏黒2人は咄嗟に両腕を前へ構え、正面から来る衝撃に備えるように防御の姿勢を取ると同時に、ほんの少し遅れて2人を狙う東堂のダブルラリアットが襲いかかる
東堂の放つダブルラリアットの威力は、決して軽くない2人を軽々と宙へと浮かし、衝突の勢いそのままに2人を後方へと投げ吹き飛ばす
訓練の賜物と言うべきか、吹き飛ばされた2人は受け身を取ることでラリアットの勢いを逃がし、土汚れこそ付いたものの傷一つなく地面へと着地する
「攻撃の瞬間、腕に呪力を集中させて攻撃の威力を減衰させたな。いい反応速度だ。これなら少し本気を出しても死にはしないな」
「ちょっと、いきなり何すんのよ!危ないでしょ!!」
「交流会は血湧き肉躍る俺の魂の独壇場。最後の交流会で退屈なんてされられたら何しでかすか分からないからな。俺なりの優しさだ、お前らが交流会に出ても問題ない実力を持っているか否か、見定めてやる。なに、実力不足なだけなら半殺しで済ませてやる」
「勝手すぎでしょ!!」
「チッ⋯釘崎構えろ、来るぞ」
『鵺』+『
『
2種類の手印を結んだ伏黒の足元から影が伸び、中から翼の生えたカエルが3体現れる
(相手はゴリゴリの近接タイプ。距離を取って拘束する)
先程のやり取りで、東堂が遠距離タイプではないことを見破った伏黒は、式神同士を組み合わせ、機動力を上げた蝦蟇を使い東堂の捕縛を考える
「なっ⋯!?」
「!」
しかし、伏黒と伏黒の使役する不知井底が動くよりも早く、東堂は伏黒の間合いに接近し、不知井底を吹き飛ばしながら伏黒の後ろへと回り込むと、伏黒の腰に手を回し地面が割れるほどのバックドロップをおみまいする
バックドロップにより地面へと叩きつけられた伏黒の頭からは血が流れ出す
頭に強い衝撃が加わったことで、伏黒の目の前はチカチカと点滅し、意識が途切れそうになるも、気合と精神力でなんとか耐え抜き、追撃を仕掛けようと拳を握るも、危険を察知した東堂はすぐに伏黒から距離を離される
伏黒と距離を取った東堂が起き上がり、態勢を立て直そうとする伏黒に追撃を仕掛けようと駆け出すも、横から釘崎のドロップキックが炸裂──
「!」
「なかなか良い蹴りだ!」
──したはずが、分厚い筋肉に阻まれダメージは0。東堂はキックの体制のまま硬直していた釘崎の両足をつかみ取ると、そのまま伏黒の方へと投げ飛ばす
避ければ釘崎が無事では済まないと、投げ飛ばされた速度で感じ取った伏黒は、投げ飛ばされた釘崎を真正面から受け止め、地面に数メートルほど足の引きずる跡を残しながらも、なんとか無事釘崎をキャッチしきるが、東堂の接近に気づかず、2人は東堂に頭を鷲掴みにされ、後ろにある寺の懸造りのような木の柱に叩き付けられる
「終わりじゃないぞ」
東堂の攻撃の手は緩まる事を知らず、柱に押し付けられている伏黒と釘崎の
「退屈だな、お前ら⋯!」
空中に投げ出された伏黒に、東堂が拳を振り上げようとした瞬間、左右後ろから不知井底の舌に絡み取られ、少しの間行動を封じられる──
「フン!!」
「ガハッ!!」
──ことはなく、不知井底の下を引きちぎりながら伏黒の顔面に拳を振り下ろし、釘崎には回し蹴りを食らわせる
伏黒は、木でできた地面にクレーターが出来るほどの威力で叩き付けられ、釘崎は、地面を何度もバウンドして寺の手すりへと叩き付けられた
「こんなチャチなものじゃ俺は止められないぞ」
地面に横たわる伏黒と、手すりにもたれ掛かっている釘崎を見下ろしながら、腕に付いた不知井底の舌を取り、東堂は一つのため息を吐き出す
「一目見た時から分かってはいたが、やっぱり退屈だったよお前らは⋯」
「次、もし交流会で出会うことがあればこんなもんじゃ済まないからな」
東堂は伏黒たちを一目見ると、踵を返し真依の居る方へ向かおうとした瞬間⋯
「『動くな』」
「!」
「何、やってんの!!」
突然、男の声が聞こえたかと思うと、東堂の体はピクリとも動かなくなり、目の前に飛び出してきたパンダの拳をモロに顔面に受け、後ろに後ずさる
「⋯⋯パンダか、久しぶりだな」
「結構良いの入ったはずなんだがな、ノーダメージって⋯相変わらずバケモンみたいに強いな オーイタタ」手ブンブン
「師匠に比べたらまだまださ」
「そりゃあリアル化け物と比べたらそらそうだろ」
「ツナ、おかか!」
「⋯そうか、釘崎たちは一様無事らしいな。全く、おたくらなんで交流会まで我慢出来ないかねぇ」
「で、どう落とし前付ける気だ?まさか内の1年襲っといて何も無しとは言わせねぇぞ」ギロッ
呪力を迸らせ、内に宿る怒りと共に東堂を睨み威嚇するパンダと、それに続く棘だが、威嚇を受けている当の東堂はどこ吹く風で、笑みを絶やさずパンダたちを見据える
「これは俺なりの善意さ。最後の交流会でこんな体たらくな戦いをされていたら殺してた。コイツラが起きたら言っておけ、交流会には出るなとな。そして、乙骨、最低でも三年共は連れてこい、じゃあな」
そう言い放つと、今度こそ踵を返し帰ろうとした時──
「なら、俺は交流会に出ていいんですかね、先輩」
──丁度よく到着した晴人によって行く手を阻まれる
「ん?誰だ、お前は⋯」
「天授!?なんでお前が⋯」
「昆布!?」
「オタクがボコボコにしてくれた恵たちの同級生ですよ」
「ほぅ⋯⋯⋯中々、面白い体質をしているな」
晴人をじっと見つめるやいなや笑みを浮かべる東堂は、徐ろにポケットに手をいれると、腕時計を取り出し現在の時刻を確認すると、腕時計をポケットに仕舞い晴人の方に向き直る
「高田ちゃんの
東堂の呪力が爆ぜる
「オマエの実力も測ってやる!」
東堂が構えを取り、それにつられて晴人も構えを取る
「1年、名前は⋯?」
「天授晴人だ」
「そうか、俺の名は東堂葵だ。天授、お前に一つ聞いておきたいことがある」
「どんな女がタイプだ!!」
人を威圧するような満面の笑みを浮かべ、人の性癖を聞いてくる東堂に、臆すこともなく晴人は自分の性癖を大声で口に出す
「俺は、ケツとタッパの小さい子がタイプです!!」
「特に、『ワンパンマン』のタツマキとか、『魔法少女まどか☆マギカ』の
「うわぁ⋯」「お、おかか⋯」
後輩の性癖に引く先輩2人を尻目に、晴人は駆け出し、東堂の顔面目掛け拳を振りかぶる
晴人の拳が目の前まで迫る中、東堂の脳内には、
〜一方その頃の姉妹たち〜
「ほらよ、兄貴にシゴかれてんだってな」
「ありがとお姉ちゃん。毎日、特訓と言う名の鏖殺を味わってるわ⋯そのせいで、三輪と西宮、メカ丸の目が日に日に死んでいってね。まるで、昔の私たちを見ているみたいだったわ」(死んだ魚の目)
「⋯⋯そうか」
自販機で購入した飲み物を
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本編真依は、幼い頃から仁と真希たちと交流したお陰で、原作真依のような捻くれた嫌な性格になることはなく、真希との仲も拗れることなく良好。仁ニウムを埋め込まれたことで、ほんの少し性格や考え方が仁のようになっている
東堂は真希たち同様、仁と修行を行っていたことにより原作より少し強くなってます。
あと、特級討伐の件は仁たちがはっちゃけ過ぎたため、この世界では討伐していません。
晴人の肉体は甚爾と遜色ないほどのスペックをしていますが、一般人だった前世の記憶や感性に引っ張られ、無意識に力をセーブしている状態。もちろん、空気の層は見えてませんし知りもしないです。
天授晴人の性癖はキャラが作られる前から決まっていて、自分の性癖とは真逆の性癖を持つ相手への東堂の反応が知りたくて、主人公をロリコン紳士にしました。
私もその1人です。
東堂の見た存在しない記憶をアンケートで投票します。これの結果によって東堂の晴人を見る目が変わるため、慎重に、お巫山戯て、自分の心に正直になってお選びください。
東堂の見た存在しない記憶内の晴人は⋯?
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悪敵
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生涯の宿敵
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ライバル(好敵手)
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心の友(親友)