術式?呪力?最終的に物言うのはフィジカルですが? 作:ありがとうはなまる
『それでは姉妹校交流会─スタァーートォォ!!!』
五条の掛け声と同時に、京都校・東京校の術師たちは森の中へと走り出した
「全く、団体行動というものを知らんのか東堂は⋯」
「どうせ一直線に
「呪霊と呪詛師(役)、どっち行く?」
「呪霊の方は両校の中環地点だと思うが、まあじっとはしてないわな」
「呪詛師の方も、もうコッチに向かってきてるかもしれん」
「呪詛師の強さがどんなもんか分からない以上、ソイツらは基本無視して作戦通り別れて呪霊だけを狙っていくぞ」
「例のタイミングで索敵に長けたパンダ班と伏黒班に分かれる。後は頼んだぞ悠仁、晴人、順平」
「オッス!!」「了解」「分かりました!!」
一匹の黒い玉犬を先頭に、ひとかたまりになって森の中を疾走する一行は、先程新たに知った情報を元に今後の方針を話し合う
「マでよばガァー?」
「2級(ハズレ)だな」
「!!」
「先輩ストップ!!」
そんな中、森を抜けてくるように現れた頭に2本の角が生え、1つ目の人型サイズの2級呪霊が行く手を遮るも、一同はスピードを緩めることなく現れた呪霊に向かって走る
しかし、持ち前の嗅覚で一同から少し離れ周囲を探知していた玉犬が、こちらに猛スピードで向かってくる呪力を持つ何者かの気配を感じ取り、大きな鳴き声を1つ上げて脅威の接近を後方にいる全員に知らせ、玉犬の警告に気づいた伏黒が止まるよう声を上げる
バガッ!!
伏黒が制止の声を上げた直後、2級呪霊が虎杖たちに気づき攻撃体制に入るも、それよりも早く森をなぎ倒しながら2級呪霊の顔面に拳を叩き込み殴り祓う呪詛師役の人間が姿を現した
「なっ!?」(なんでコイツがここに⋯!?)
「嘘だろ!?」(停学中のはずじゃ⋯!?)
「!?」
その姿に、2年生はあり得ないものを見たかのようなリアクションを取り、伏黒、釘崎、天授の1年生たちも登場したのが東堂でない知らない術師なことに驚きを顕にする
「後輩共!!先輩のキンキンに冷めた心を熱くさせろ!!」
呪詛師役の正体、それは現在停学処分中の東京校3年生、"秤金次"
本来高専にはいないはずの術師が出てきた衝撃に、思考が停止する一同だったが─
「おらっ!!」
『!!』
東堂の顔を知らない虎杖は、森から出てきた秤のことを東堂だと勘違いし、手筈通り登場から速攻で秤に向かい走り出し、秤の顔面目掛け先制攻撃の膝蹴りを顔面に仕掛けた
「散れ!!」
虎杖の行動に我に返った真希は、皆に合図を出し手筈通り二手に分かれさせ、虎杖の作った隙に出来るだけ秤との距離を離す
よって、この場にいるのは虎杖に蹴られ鼻から少量の血を流す秤に、地面に着地し構えを取る虎杖、こめかみを抑え唸る晴人、式神を呼び出し臨戦態勢を取る緊張した順平だけとなった
「知らねぇ顔ってことは新入生か。登場直後の先輩に蹴り入れてくるとか、中々いい度胸してんじゃねぇの」ブッ(鼻血出し)
(マジか?結構いいの入ったろ)(汗)
「お返しだ1年、死ぬ気で守れよ」
「!」ゾクッ
呪力を集中し力む腕を掲げる秤の威圧に、無意識に防御の構えを取る虎杖
秤は、腕を前に出し防御の構えを取る虎杖向け、呪力を乗せた一撃を放つ
「
ボコ!!
「!」
しかし、秤の拳が虎杖に着弾する直後に、横からクラゲ型の式神─「澱月」が乱入、秤の拳の威力を軽減。虎杖は澱月に包まれながら後方に吹き飛び木に激突する
突然割り込んできた式神に驚く秤だが、すぐさま術者である順平に気づき目線を向けると、順平の方へと広げた両手を閉じるように動かす
「っ!!」
「!」
すると、順平を挟むように電車の扉のようなものが現れ、出現した扉は順平を挟みながら勢いよく閉められ、順平はその場から身動きが取れなくなってしまった
「くっ⋯ぐぅッ⋯!!」(びくともしない!!)
「術師ならもっと鍛えな。モヤシくん」
扉の閉まる力に為す術がなく、身動きが取れない順平に向かい呪力を纏う一撃を放つ秤だったが、横から乱入した晴人によって拳は受け止められ、秤の拳が順平に当たることはなかった
秤の攻撃を受け止めた晴人は、秤が突きだしている腕の方向から鋭い蹴りを放ち、秤が物理的に防御がほぼ不可能な箇所を攻撃し、秤の脇腹に上段蹴りを炸裂させ横方向へと吹き飛ばす
だが、蹴りの衝撃によって吹き飛ぶ秤はうめき声すら上げず、手と足を地面に付け減速し踏みとどまる
(コイツも見ねぇ顔だな。俺の殴打を真正面から受けてすぐさま反撃してくるとは⋯よほどアイツらにしごかれたのかね)
(なんなんだこいつのパンチ。受け止めた腕が目茶苦茶痛ぇ、まるでヤスリの付いたバットで殴られたみてぇだ)
晴人は、秤の一撃を受け止めた腕に残るヤスリで皮膚を削ったような痛みに顔を顰めるが、育子たちの訓練で痛み自体に多少の耐性を得ていたため、すぐさま意識を切り替え順平を拘束する扉を背中に背負う剣で破壊する
その頃には式神共々殴り飛ばされていた虎杖が式神を抱え戻って来た
「すまん、遅れた。大丈夫か?」
「いや、大丈夫だ。そっちの方は大丈夫か?」
「俺は大丈夫だ。けど、順平の式神の方はなんかに削れたみたいな怪我ができちまった」
「!」(虎杖の攻撃で傷一つ付かなかったこれが?)
(順平を拘束した電車みたいな扉に、ヤスリみたいな打撃。クソッ⋯関連性がまるで分からねぇ。こいつの術式は何なんだ)*1
「これぐらいの傷ならすぐに治るから大丈夫だよ。それより、これからどうする」
「そんなもん決まってんだろ。勝つ気で戦う!!」
「いやそうじゃなくて!!あの人に勝つための作戦を考えようって話し」
「アイツの術式は不明だが、今分かってるのは扉を出現させての拘束とヤスリみたいに痛い打撃だ」
(原作が崩壊してることなんて交流会が始まる前から分かってたこと、東堂のことはもう野となれ山となれだ。接敵した以上、今は目先のアイツを倒す。考えるのはその後でいい)
「俺と虎杖でアイツを攻めるから、順平は隙を見てアイツに麻痺毒とかをぶち込んで無力化してくれ。あと、式神でコッチを防御はしなくていい、俺と虎杖なら耐えられるからお前は攻撃の隙だけを狙ってくれ」
「わ、分かりました」
「おお~!!」
「⋯?どうしたいきなり」
「いやさ、やっぱ天授って伏黒に似て作戦立てるの上手いなって思ってな」
「そうか⋯?」
「僕もそう思います。先輩の能力を看破したり、会って間もない僕たちの能力を理解して作戦を立てるなんて中々できることじゃないですよ」
(原作知識で何が出来るか知ってるから出来ることだけどね)
「もう作戦会議はいいのか?」
「律儀に待ってくれるなんて優しいですね、先輩」
「先輩だからな。後輩の作戦会議なんて大目に見てやるよ」
「だが、待ってやって冷めた戦いしたらマジで半殺しにするから、マジで頑張れよ」
「心配しなくても、すぐに真夏並みに熱くしてあげますよ、俺達でな」
「行くぜ先輩!!」
乙骨優太(特級)に並ぶと五条悟から豪語される程の実力を持つ秤に、未だ未熟な1年生たちが戦いを挑む
ー
ーー
ーーー
虎杖たちと秤がかち合う中、別の場所にてある2人が戦いを始まていた
「まさか来ていたとな!!嬉しいぞ、乙骨!!」
「相変わらず元気そうだね東堂さんは」
東京校と戦うため、先んじて一人行動を取っていた東堂、そんな彼が接近し、今尚戦闘を繰り広げるのは、東京校2年生にして任務のため海外にいるはずの特級術師、"乙骨優太"
地面を踏み込み弾けるように加速する東堂は、同じくこちらに向かってくる乙骨に拳を振るう
しかし、乙骨は東堂の攻撃を涼しい顔で難なく避け、カウンターのごとく鋭い拳を東堂の腹部に打ち込む
パン
乙骨の一撃が東堂に当たる直前、手を叩く音が響き、次の瞬間東堂と乙骨の位置が完全に入れ替わっており、東堂の拳が乙骨の腹に直撃していた
乙骨の腹に拳を当てた東堂は、そのまま拳を振り抜き乙骨を吹き飛ばすが、まるで鉛を背負っているかと思うほど乙骨の体は浮かず、せいぜい数メートル吹き飛んだ程度で地面に着地する
(東堂さんの術式は呪力を持つ物との入れ替え(不義遊戯)。入れ替わる際の体制は入れ替わる前と同じはず⋯入れ替わった瞬間に拳を出した?それにしては入れ替わるタイミングと
(絶え間なく漏れ出る膨大な呪力が一種の防護服となって、俺の打撃を軽減している。相変わらず出鱈目な呪力量だな)
「行くぞォォォォ!!乙骨」
「⋯フッ お手柔らかにお願いしますね」
膨大な呪力を纏う苦笑いをする乙骨に、咆哮と呼ぶべき大声と共に獰猛な笑みを浮かべ東堂が迫る
真希「あのボンクラ!!まさか兄貴の奴が連れてきたのか?いやぜってぇそうだ、クソッ!」
伏黒「真希先輩、さっきのやつは!?」
パンダ「本来交流会に出るはずだった3年の秤金次。停学中で本来
狗巻「ツナ⋯」
釘崎「どうすんのよ、虎杖たち置いてきちゃったけどアイツらに任せて大丈夫なの?」
パン「東堂に比べればまだ常識の分かる奴だ。良くて半殺しの目にあうだけで死にはしない」
棘「しゃけ こんぶ」
パ「あぁそうだな。あいつテンション高くなると東堂レベルになるし、早いとこ
釘「つっても1級呪霊見つけてどうすんの?私らだけで戦う?」
パ「そこは仁の奴が引っ張ってきた呪霊の実力次第だな」
真「私らだけで勝てそうなら見つけ次第祓う。そうじゃないなら見つけ次第連絡、遠くから呪霊の後を追い合流次第全員で祓う」
パ「急ぐぞ。グズグズしてたら
釘「当然⋯!!」「「!!」」
走るパンダ、狗巻、釘崎の三人。その内の一人、いや一匹、前線で走るパンダの足にワイヤーロープが絡み付きいてきた
当然のことでバランスを崩したパンダは、ボヨンとデカいぬいぐるみが落ちたような可愛らしい音とうめき声と共に地面に叩きつけられる
地面に倒れたパンダは、急いで立ち上がろうと体を持ち上げようとするも、それよりも早く脚に絡みつくワイヤーがパンダを引っ張るようにピンと伸ばされ、パンダは叫び声を上げながら森林の奥へと消えていってしまった
「パンダ先輩」
「おかか!!」
連れ去られるパンダを追おうとする釘崎だったが、狗巻の制止の声に意識が傾いたことで走る速度を緩めるも、釘崎は既に敵の射程範囲内に入ってきてしまっていた
走り抜こうとする釘崎を狙い澄ますように木の陰から刀が伸び、釘崎の腹部へと吸い寄せられていく。その事に一瞬遅れて気づく釘崎だったが、既に刃は釘崎の眼前まで迫ってきていた
『動くな!!』
ガチン
「!!」
迫る刃が釘崎に当たる直後、服のチャックを外した狗巻が
狗巻の放った呪言によって釘崎に伸びていた刀は空中で制止し、その隙に釘崎はその場から距離を離し狗巻の元へと戻る
「危機一髪、ありがとう狗巻先輩」フゥー
「コンブ イクラ」ユビサシ
危機一髪の状況から抜け出し油断する釘崎に、刀が止まる木を指差し警戒を解くなと訴える狗巻
「一撃で終わらせるつもりでしたが、想像以上の効き目ですね」
突如聞こえた声に警戒度を高める釘崎たちを尻目に、木の影から現れたのは、目隠しをした水色髪の少女、京都校2年生、三輪霞が現れた
三輪は二人に姿を見せると、刀を鞘に戻しいつでも攻撃できるよう鞘に手を置き抜刀の構えを取る
「いきなり奇襲仕掛けて、姿現したと思ったらすぐさま構えるなんて、随分と急かすじゃない。何、トイレでも近いの?」
「おかかぁ⋯」
「いえ、トイレなら始まる前にしっかり行ってきましたので大丈夫です!」
「くっ⋯!!私の嫌味が全然通じてない。何この子、光の者過ぎない!?」
「⋯メンタイコ」
「昇級するために、全力で行かせてもらいます!!」
目隠しをする三輪は、修行で磨き上げられた刃を釘崎たちに向け、己が野望を果たすため*2領域を広げ釘崎たちを襲う
「クソッ どんだけ呪霊放ったんだあのバカ!!」
「真希先輩、四時の方向からまた呪霊が一体来ます。呪力の反応からして3級程度だと思います」
「無視すんぞ、いちいち相手してたら切りがねぇ。
「まだ見つかりません。森の中に呪力が混在し過ぎていてどれが本命の呪霊か判断が難しいです」
「チッ⋯虱潰しに探すしかないか。恵、鵺を出して上空からも索敵させろ。
「分かりました。『鵺』」
伏黒が両手を交差させ合わせた手印を結び、影から仮面をかぶった大型の鳥─「鵺」を出現させ、上空へと飛ばした
「「!!」」
「鵺」が上空へと飛び立った直後、ガガガッ と上から銃声音が鳴り響き、伏黒と真希は咄嗟に左右に分かれて向かってくる銃撃を避ける
突然の奇襲を回避した真希は、木を背にしてすぐさま攻撃が放たれた方向を向き敵の居場所を探るも、敵は位置はすぐさま見つかることができ、真希たちのいる場所から少し距離がある木の枝に敵は陣取っており、そこには真希のよく知る顔がサブマシンガン(H&K MP7)を持ち、枝の上に立っていた
「良く避けたわね。けど少し避け方が大袈裟すぎないかしら?真希姉さん」
真希たちに奇襲を仕掛けてきた相手、京都校2年生3級術師、禪院真依。彼女は木の後ろに隠れた真希を一瞥すると、手に持つサブマシンガンを体に着けているショルダーホルスターに戻し、太腿に着けているレッグホルスターから拳銃(Five-Seven)を一丁取り出し木の影に隠れる真希目掛け発砲する
拳銃から放たれた弾丸は真依の呪力を帯びており、真希の隠れる木を軽々貫通させ、木越しに真希を狙う
しかし、真希は真依が拳銃を取り出し発砲する前に、隠れていた木から移動していたため弾丸は真希に当たることはなく地面に着弾する
真希は木々を障害物に真依のいる場所へと走るも、真依は木から木へと移動しながら追ってくる真希へとサブマシンガンで牽制し、真希が木の後ろに隠れた瞬間貫通力の高い拳銃で木ごと撃ち抜き、真希と一定の距離を保ちながら攻撃を仕掛け続けていく
「真希先輩!!」
真希の名を叫ぶ伏黒は、防戦一方の真希を助けるため「蝦蟇」を呼び出し、木の上にいる真依を引きずり下ろそうと真依目掛け舌を伸ばすも、蝦蟇の舌が上へと伸びた直後、森の奥から現れた3本の赤い矢によって、蝦蟇の舌は木へと打ち付けられてしまう
「!!」
蝦蟇の舌が打ち付けられたことに驚く伏黒は、矢が放たれたであろう方向から向く、それと同時に森から呪力を感じ取りる
次の瞬間、複数の矢が蛇のように木を避けながら伏黒目掛け襲い掛かってきた
伏黒は拘束された蝦蟇を影へと戻すと、上から飛んできた矢を後ろに跳んで躱し、後ろに跳んだ勢いのままバク転の要領で後方回転し、空中で自分の体で出来た影に手を入れ、中に入れていた木で出来たトンファーを両手に持ち地面に足を付け着地、飛んでくる矢を全てトンファーと足技で叩き落としていく
「術式を使わず全て叩き落とすとは、しっかり体も鍛えているようだね」
伏黒が全ての矢を破壊したタイミングで、下草を別けて現れたのは弓(カーボンファイバー弓)を持つ京都校3年生
「悪いが、君の相手は私だ」
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【対戦表】
虎杖悠仁&天授晴人&吉野順平vs秤金次
東堂葵vs乙骨優太
釘崎野薔薇&狗巻棘vs三輪霞
パンダvsメカ丸
禪院真希vs禪院真依
伏黒恵vs加茂憲紀
の人選でお送りします。
Q:乙骨と秤が参加している理由
A:仁が無理やり連れてきました。
【キャラ関係値】
秤→仁
偶に賭け試合に出てくれる太客。話の合う熱い大人。
乙骨→仁
話したりする機会が少ないためあまりどういう人かは知らないけど目茶苦茶強いことは知ってる。少し苦手。
里香→仁
嫌い。怖い。会いたくない
・真依の戦闘姿はバイオハザードの主人公たちをイメージ
真依はバイオハザードよろしくハンドガン、ショットガン(かアサルトライフル)、スナイパーライフル、サブマシンガン、マグナムを携帯して戦闘を行います。
特殊部隊に所属している兄から、護身術等を受けただけの一般女子大生が色んな銃ジャラジャラ持ち歩いて特級以下、1級以上の化け物(G、T等)を倒してるなら、身体能力ブーストできる呪力を持って、狙撃の才能に仁先生監修のシゴキを受けたら真依も同じぐらい強くなるでしょ(適当)と思ったので本作の真依の戦闘スタイルはこれで行こうと思います。
・
『Five-Seven』=貫通力が高い拳銃
『H&K MP7』=小型で装填数があって持ち運びがしやすそうなサブマシンガン
めっちゃ調べた。(間違った解釈だったらごめん)
次回はモニター室の先生sideから始めて秤戦を書こうと思います。