術式?呪力?最終的に物言うのはフィジカルですが?   作:ありがとうはなまる

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五条悟のシーンで一番好きなところは「今際の際だぞ」のところです

そのシーン見て、かっこいい〜ってなりました


6 怪物 五条家で現代最強を目撃する〜わからせも添えて

 

 

 

 甚爾との楽しい闘いをして数日が経過した

 

 結局あの後、甚爾には一発しかまともな攻撃を食らわすことが出来なかった

 

 もう少し戦えていればもっと食らわすことができただろう………多分

 

 それもこれも、甚爾との闘いの途中に突然後ろから現れた向日葵のせいだ

 

 甚爾との闘いで腕と足に呪力を集中させていた状態で、向日葵の投射呪法の高速みぞおち腹パンは、俺の意識を刈り取るには十分で、俺はそのまま意識を失ってしまい、楽しい闘いを妹によって強制的に幕引きされてしまった

 

 

 妹恐るべし

 

 

 まぁ呪力をすぐ腹に集中出来なかった俺が悪いしぃ〜、あの出来事で俺の足りない部分を知ることの出来たいい機会だったしぃ〜

 

 

 全然、そう全然引きずってないですけど〜

 

 

 意識が戻った俺は、急いで甚爾を探し周ったが甚爾の姿はなく

 あとから向日葵に聞いた所、俺が気絶している間にやつはもう禪院家を出奔していたらしい

 

 勝ち逃げされてたことと、禪院家一番の強者がどこかへ行ってしまった喪失感で俺は、ここ数日ふてくされて現代のマンガ、ジャンプとやらを布団の中に包まって読んでいた

 

 

 ドラゴンボ◯ルやHUNTER×2めっちゃ面白かった

 

 

 そんな俺の元に直毘人の爺さんがいきなりやってきた

 

 なんでも五条家に行くからお前も来いとのこと

 

 最初は面倒臭くてイヤだと答えた

 

 相伝の術式を持つ天才少女の向日葵とその弟の直哉が行くのは分かるが、術式もないただの子どもの俺を何故連れていくんだよと

 

 そしたらおっさん若干キレながら

 

 五条家の当主が禪院家の精鋭部隊を単独で倒した子供を見たいから連れてこいと理由を説明してくれた

 

 半分ぐらい自分のせいなので俺は渋々了承し、直毘人達と一緒に五条家へ向かった

 

 向かう途中、向日葵には腕を捕まれ離してもらえず、弟の直哉には凄い殺気ダダ漏れでガン飛ばされていた…………何で?

 

 五条家についた俺達は最初こそ会議らしい事を話していたが、途中から禪院と五条の息子自慢大会とネチネチ悪口言い合い大会が始まり、退屈になった俺は気配を消してその場から離脱した

 

 離脱した俺は五条家の庭の池の上に立ちながら、ぼーと塀の外を見ながら呪力操作をして時間を潰していた

 

 

 あ、あの雲、ハートみたいな形だな

 

 

 「おいお前」

 

 

 後ろから声を掛けられ、声を掛けた人物を見ようと、振り返ると俺は目を見開き驚いた

 

 前世の友人と同じ空のように透き通った蒼い瞳に白髪の子供がそこにいた

 

 あの青い瞳は間違いなく五条家だけが持つ六眼、全てを見透かす最強の瞳

 

 

 「…俺に何か?」

 

 

 友人と同じ六眼持ちには驚きはしたがすぐに気持ちを切り替え、呼ばれた理由を聞く

 

 

 「お前…名前は」

 

 「?……禪院仁」

 

 

 何だ名前を聞きたかっただけか、もしかしてこいつ俺と友達になりたいのか?

 背丈は俺と同じぐらいだし、歳もそこまで離れてはいないだろうし同年代の友人が欲しいのだろうか

 

 

 「仁ね…お前、強いだろ?」

 

 

 ん?思ってた反応と違うな、友達になろうぜとか言ってくるのかなと思っていたんだが、いきなり強いだろと言われても確かに俺は他のやつより強いと思う

 最近負け続き*1で自身がなくなってきてるが、それがどうしたんだ

 

 

 「お前の呪力は他の奴らと明らかに違う、量も質も」

 

 「しかも呪力の巡りに無駄が全く無い、俺と同じくらいにな」

 

 「もう一回聞くわ、お前強いだろ?強いよな?」

 

 「暇そうだし俺と遊んでいけよ」

 

 

 俺が白髪の子供の弾丸トークについて行けず、困惑していると、突然殺気を飛ばされ嫌な予感がした俺は反射的に池から跳躍し、その場から離脱

 

 俺がいた場所はゴミを拳で握りつぶしたように池の水が丸め込まれ飛散した

 

 あの圧縮の仕方、五条家相伝の無下限呪術「蒼」か

 

 

 「ハハッ、やっぱ避けるか避けてくれなきゃ面白くないもんな」

 

 

 「いきなり蒼とはとんだクソガキだな!」

 

 

 見知らぬやつにいきなり蒼をぶち込むとは、性格は初めて出会った時のあいつ並に捻くれているな

 

 

 面白い

 

 

 実力はまだまだだが、六眼と無下限呪術を持ち合わせているやつとこうしてまた戦えるなんて嬉しくてたまらん

 

 

 「遊ぶ前に一つ、お前の名前は何だ?」

 

 「あ?あ~言ってなかったっけ、俺の名前は五条悟だ。悟でいいぜ」

 

 「悟か」

 

 

 俺は笑みを浮かべ、右手をクイクイと上げ悟を挑発する

 

 

 「かかってこい半人前!稽古つけてやる」

 

 「調子乗ってんじゃねーぞ、雑魚が!」

 

 

 俺の挑発に怒った悟は手のひらをこちらに向け、全てを圧縮する蒼を放ってきたが、視線と手の向きで蒼の発生場所をいち早く特定し、横に動き蒼を回避

 横に動いたあとも悟は止まらず蒼を連打し、俺も蒼の大群を全て回避していく

 ちらりと庭の方へ視線を向けると、蒼の影響で綺麗だった庭がクレーターだらけの荒地に早変わりしていた

 

 俺は呪力で強化した足で地面を蹴り上げ、悟に向かい突っ込む

 悟は突っ込んできた俺になんの構えも取らず、ニヤニヤと余裕の顔を浮かべていた

 

 笑みの原因は、おそらく近づくにつれ攻撃が遅くなる無下限呪術の無下限バリアだろう

 

 

 その余裕の笑み、いつまで続くかな

 

 

 俺は拳に無下限呪術の無限のバリケードを破る領域『領域展延』を展開

 

 悟は俺の拳に領域を纏わせた事に気づき、蒼を撃とうとするが、俺はギリギリまで近づいて領域を展開したため悟の蒼は間に合わず、悟の無下限バリアを中和し、俺の拳は悟の頬にクリーンヒットした

 

 殴り飛ばされた悟は叫び声すら上げず、地面に二転三転と転がっていき庭の塀に突っ込んでいった

 

 

 「ハッ、それで慢心しているから半人前何だよ」

 

 「一体何の騒ぎだ!!」

 

 

 騒ぎを聴きつけた両当主とその他部下たちがやってきた

 

 直毘人はまたお前か、と呆れたような引いているような顔をしてこちらを見ている

 

 

 なんて弁解しようかな

 

 

 お宅のボンボンがいきなり蒼打ってきたから殴り飛ばしたっていうか

 

 

 「あ〜これはおたk………っ!」

 

 「ハッハハハハハ!!」

 

 

 俺が弁解の言葉を発する前に、悟がふっ飛ばされた塀の中から笑い声と俺目掛け、先程よりも大きい蒼が飛んできたのを感知し、その場で飛躍して上空に回避した

 上空から見た悟は、さっき俺が殴った頬が青く腫れて痛々しくなっているものの、目はギラギラと輝き、口角は大きく孤を描き、とても楽しそうに笑っていた 

 

 

 「ハッハハハ!元気そうじゃ〜ないか、悟」

 

 「あぁ、お陰様で元気ピンピンだよ!」ニィ

 

 

 地面に着地した俺は悟の様子を伺う

 

 強がって入るものの、さっきのパンチがかなり効いてるな

 

 無下限バリアに頼りすぎてパンチのときに呪力強化しきれなかったのだろう

 

 

 あともう2.3発殴ればダウンするな

 

 

 悟の観察を終えた俺は、戦闘を再開しようと悟に近づくが、後ろから五条家の当主が待ったをかける

 

 

 「悟こんなところで何をやっている、それにその傷!?まさかこの小僧にやられたのか、待っていろ今すぐそのガキをしm……」

 

 「うるせー、雑魚がしゃしゃり出てくんな」

 

 

 悟が待ったをかけた当主に向かって蒼を放ったので、俺はその蒼を手で受け止め妨害した

 蒼を受け止めた俺の手はズタズタに押し潰され、手の原型をとどめていなかった

 

 

 「ッ…おいおい妬けるじゃないか」ニッ

 

 「お前の相手は俺だろうが、なに他のやつに気取られてんだよ」

 

 「…!」

 

 

 悟は驚いた顔をしていたが、次第に嬉しいと楽しいが混ざりあった満面の笑みで目を輝かせ、こちらを凝視してきた

 

 

 お前も嬉しいいんだな悟

 

 

 反転術式で手を治し再び構える

 

 

 「行くぞぉ!仁!」

 

 「来い!悟!」

 

 

 

 

『思う存分、呪い会おうぜ!』

 

 

 

 互いに相手を全力で叩きのめそうと走り出し、至近距離で互いの拳を突き出していく

 

 

 防御する、躱す、避ける、防御される、避ける、弾かれる、弾く、逸らす、逸らされる

 

 

 あぁ、久しぶりだ、この攻防は!甚爾とも「炳」でも味わえなかったこの拮抗した拳のやり取り!

 

 悟は今成長している、俺の首を取ろうと、凄まじい勢いで成長を遂げている

 

 

 成長速度は友人以上、なんて原石だ面白い!面白い!!

 

 

 取っ組み合いをやめ空中に飛び、そのまま踵落としを繰り出したが、悟はバックステップで避けられ、お返しとばかりに蒼を打ち込んできた

 

 俺はそれを避けずに左手を盾のようにして、そのまま悟目掛け前進した

 蒼によって左手は肩まで潰され、激しい痛みの嵐が体に訴えかけてくるがそれらを無視し、地面に大量の血を流しながら前進

 

 悟は好機と捉え、蒼の収縮を纏った拳を俺に突き出してきた

 

 悟の引っ張られる拳を展延で防ぎ、ギリギリで回避、左側を後ろに向け、左腕を後ろに振りかぶったような体制を取る

 振りかぶった体制を取ったあとに、左腕に全力で反転術式を掛け復元*2

 腕の回復速度に目を見開いている悟の腹に、呪力を集約させた拳を突き刺そうとしたが、悟は腕を交差させ、俺の拳をガードして防いできた

 

 

 だが、殴った感触的に骨にヒビはイッているはずだ

 

 

 顔の傷を治していないところを見るに反転術式は使えないはず、格闘戦は俺のほうが上、もう一発殴ればガードもろとも粉砕できる

 

 そう確信した俺は悟に向かい拳を放つが、いきなり悟の体が目の前に来ていた

 

 

 「ッ!」

 

 

 俺との間に蒼を展開して俺を引っ張ってきたな

 

 

 「お返しだ!」

 

 

 距離が突然変わったせいで、俺の拳は悟に当たらず、逆に悟の拳が俺の腹に突き刺さった

 

 

 「うっ!」

 

 

 防御は間に合わず、変わりにギリギリで呪力を腹に集中させ、ダメージは減らせたが威力は殺せず、後方へふっ飛ばされてしまった

 

 

 まさかここで向日葵の教訓が生きるとはな…

 

 

 

 位相(いそう)

 

 

 

 「!」

 

 

 

 黄昏(たそがれ)

 

 

 智慧の瞳(ちえのひとみ)

 

 

 

 この詠唱、蒼の完全詠唱か。悟のやつ本気で蒼を撃つつもりだな

 

 避けてもいいが、その場合五条家が跡形もなくなるな

 

 何より、()()の全力を躱すなんて俺にはできないね

 

 俺は口の中に手を突っ込み、自身の奥歯を引っこ抜く、それを両手の中に入れ呪力を込める

 そして、そのまま悟の前へ手を突き出し狙いを定め、手の中に込めた呪力を限界まで圧縮

 

 

 加茂家の友人が使っていた赤血操術の穿血を模倣した()()()()()

 

 

 

 

 

― 術式順転最大出力『蒼』―

 

 

 

 

 

― 極ノ番『穿(せん)』―

 

 

 

 

 発動直後、手のひらの中にあった奥歯が発射され、それと同時に俺の腕が弾け飛んだ

 

 

 悟が放った蒼に、俺の放った高濃度の呪力の光線がソニックブームを出しながらぶつかり貫通

 

 

 悟の額に俺の奥歯だったものが当たり、悟が吹き飛ぶ

 

 

 

バン!!!

 

 

 

 発動後の発射音と破裂音が遅れて鳴り響き、蒼は風船に針を刺したように消し飛び、発射された方向に衝撃波が生まれた

 

 

 『穿』は俺の極ノ番の中で、一番の貫通力と速度を誇る技

 

 その一撃はたとえ全てを圧縮するエネルギーだろうと容易に貫ける

 

 破裂した腕を治しながら、横たわっている悟に近づく

 

 出力は抑えたから死んではいないだろうが、いい笑顔で気絶してんな

 

 

 こう、爽やかなというか

 

 

 当主連中を見ると、直毘人は腹を抱えて爆笑して、五条家当主と直哉たちは口を開けて呆然としてる

 

 

 向日葵は………………なんか怖い

 

 

 真っ暗な目ガン開きにしながら、真顔でこっちを凝視してるし

 

 

 瞬きしてる?

 

 

 このあと俺達はそそくさと五条家を後にした

 

 道中、車の中で直毘人の爺さんが良くやったと褒められ、妹に膝の上乗られながらずっと説教を聞かされる羽目になった(›´ω`‹ )ショボーンダゼ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「よっ」

 

 

 五条家を去った翌日に頭に包帯を巻いた悟が訪問してきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この日、呪術界に激震が走った。最強と呼ばれた六眼と無下限呪術の抱き合わせ、五条悟が術式を持たないとある少年に敗れたという噂が瞬く間に広がり、同時に五条悟と同額の懸賞金をかけられ、その命を狙われることになった

 

 

 五条悟を倒したというその少年の名は禪院仁。

 

 

 現代最強を倒した禪院仁は、術師と呪詛師から畏怖を込めて後にこう呼ばれるようになった

 

 

 

現代の怪物

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────

 

 

 

 

 五条悟side

 

 

 今日は禪院家の当主と当主候補の奴らが来る事をおやじに知らされたが、特に興味もなく会議には行かず家の中をブラブラとしていた

 

 

 毎日が退屈だった

 

 

 少しでも退屈が紛れるものがないか探していると、ふと池の上にいる変なやつを見つけた

 

 黒い髪、黒い目をもった俺と同い年くらいの何処にでもいそうな子供が池の上に立っていた

 

 

 一言でいえばパッとしない奴だった

 

 

 だが、やつの呪力操作は異常なほど無駄がなかった

 

 体内の呪力を体の中ですべて循環させて、一般人と変わらない呪力を体外から意図的に漏らしていた

 

 

 六眼を持ってる俺じゃなきゃ気付かないほどだ

 

 

 六眼を持ってる俺とどっこいの操作技術なんじゃないか?

 

 

 「おい、お前」

 

 

 そん馬鹿げた呪力操作をしている変なやつに興味が湧き、話しかけた

 

 こいつなら俺の退屈な生活を裏返せる、そんな確信めいた考えが頭をよぎった

 

 

 「お前…名前は」

 

 「?……禪院仁」

 

 「仁ね…お前、強いだろ?」

 

 「お前の呪力は他の奴らと明らかに違う量も質も」

 

 「しかも呪力の巡りに無駄が全く無い俺と同じくらいにな」

 

 「もう一回聞くわ、お前強いだろ?強いよな?」

 

 「暇なら俺と遊んでいけよ」

 

 

 俺は仁に向かって蒼を打ち込んだが、余裕で回避され、池の水だけが圧縮された

 

 

 やっぱり今までの雑魚とは違う

 

 

 今までの雑魚ならこれでただの肉塊になっている攻撃を、こいつは避けてきた

 

 

 ()()()()()

 

 

 俺は蒼を躱されたことに喜びを隠せずにいた

 

 

 「ハハッ、やっぱ避けるか避けてくれなきゃ面白くないもんな」

 

 「いきなり蒼とはとんだクソガキだな!」

 

 

 ワクワクする、こんなにワクワクするのは産まれて初めてだ

 

 

 「遊ぶ前に一つお前の名前は何だ?」

 

 「あ?あ~言ってなかったっけ、俺の名前は五条悟だ。悟でいいぜ」

 

 「悟か」

 

 

 俺の名前を聞いた仁は構え、挑発的な笑みを浮かべて俺に言い放った

 

 

 「かかってこい半人前!稽古つけてやる」

 

 「調子乗ってんじゃねーぞ、雑魚が!」

 

 

 挑発されたことにキレた俺は仁の生死などお構いなく蒼を打ち込み続けた

 

 だが、俺の打った蒼は仁に掠りもせず、ただただ地面にクレーターをつけるだけだった

 

 俺が蒼を打ち圧縮するよりも速く、あいつは蒼の効果範囲から抜け出し続けている

 

 やつは自身の呪力100%を片足だけに集め地面を蹴り、もう片方の足に片足の呪力を素早く移し、足を前に出して地面を蹴るを繰り返し行うことで、驚異的な速度を出している

 

 六眼を持ってる俺ですらあんな速度で呪力操作出来ないってのに、俺と同じぐらいの歳のあいつは平然とやっていやがることに驚きと同時に悔しくもあった

 

 仁は蒼の隙間を縫ってこちらに近づき、拳を突き出してきた

 

 対する俺はノーガードで対応

 

 どれだけ呪力操作が上手くても無下限バリアには突破できないと判断、あいつの困惑した顔を見て笑ってやろうと考えた

 

 だがそんな慢心も仁の拳に展延が展開されたことで消え、急いで蒼を放ち迎撃しようとしたが、仁はそんな俺をあざ笑うかのように無下限バリアを突破し、やつの拳が俺の頬に直撃した

 

 何度も地面に叩きつけられ、塀のある方に吹き飛ばされた

 

 泣き叫びたく鳴るぐらい痛い、だがそれ以上に喜びが押し寄せてきた

 

 

 生まれて初めて他人に殴られた

 

 

 殴られるってこんなに痛いんだな

 

 

 

 俺が挑戦者(チャレンジャー)だったわけか

 

 

 俺は立ち上がり蒼を仁目掛け、蒼を撃ち込んだ

 

 

 「ハッハハハハハ!!」

 

 

 最高に気分がいい、自分の全力を出しても良い最高の相手が眼の前にいることに、心の底から高揚している

 

 

 「ハッハハハ!元気そうじゃ〜ないか、悟」

 

 「あぁ、お陰様で元気ピンピンだよ!」

 

 

 仁との戦いを再開しようと動き出したが、親父が横からしゃしゃり出できて俺と仁の戦いに水を挿そうとしてきた

 

 

 邪魔だな

 

 

 俺は邪魔しに来た親父に蒼を打ち込み黙らせようとした

 

 だが、仁は親父に放った蒼を腕で受け止め、妨害してきた

 仁の腕は空き缶が潰れていくように潰れていった

 

 反転術式で治せると言っても痛覚は普通にあり、腕にはそうとうの痛みがきているはずだ。なのに何故…

 

 

 俺は仁の行動に酷く動揺した

 

 

 「ッ…おいおい妬けるじゃないか」

 

 「お前の相手は俺だろうが、なに他のやつに気取られてんだよ」

 

 「…!」

 

 

 俺は仁の発言に驚いた

 

 なぜそんな雑魚を庇ったのか、なんていう疑問よりも俺はやつの目に釘付けにされていた

 

 

 それは、俺を捉え離さない野生の目だった

 

 

 その目に、殺気に恐怖し一瞬体が震えた

 

 

 だが、それ以上に嬉しかった俺を…俺だけを見てくれていることに…

 あいつは最強の俺ではなく、五条悟の俺を見ていることに心が不思議とポカポカとしていた

 

 

 「行くぞぉ!仁!」

 

 「来い!悟!」

 

 

 

 

『思う存分、呪い会おうぜ!』

 

 

 

 それから俺と仁は互いに近接戦を行った

 

 互いの攻撃を捌き合い拮抗した戦いを繰り広げた

 

 

 いや、実際は劣勢だった

 

 

 あいつの攻撃一撃一撃は重く、しっかりと威力を逸らさないとすぐに腕がおしゃかになるほどだ

 

 あいつの踵落としを避け蒼を打ち込むが、あいつは蒼を避けずにこちらに近づき、欠損した腕を瞬時に治して俺に殴りかかってきた

 

 

 キッショ、なんだよあの回復力

 

 

 あいつの攻撃を腕で防御したが威力が強く、腕から鈍い痛みが来るが、それを無視してすぐに眼の前蒼を展開し、仁との距離を無理やり詰めさせ仁の攻撃を開始し、呪力を乗せた拳を仁の腹に突き刺し仁を後方へ吹き飛ばした

 

 

 このまま殴り合ってたら先にこっちがやられる

 

 

 そう判断した俺は、仁との距離を離しすぐさま蒼の詠唱を開始した

 

 

 

 

 位相(いそう)

 

 

 

 「!」

 

 

 

 黄昏(たそがれ)

 

 

  智慧の瞳(ちえのひとみ)

 

 

 

 

 仁に勝つには俺の全力をぶつけるしかない

 

 

 そう考えた俺は限界ギリギリまで呪力を練り上げ、『蒼』の出力を上げていた

 

 仁も俺に乗ってくれたのか構えを取り呪力を手のひらに集中させていた

 

 

 勝つのは俺だ!

 

 

 

 

 

 

― 術式順転最大出力『蒼』―

 

 

 

 

 

 

 出力100%の『蒼』を放った後、俺は気づけばベットの上にいた

 

 ベットにいた俺はすぐに立つことができず、俺の意識が戻った事を使用人に知らされ、駆けつけた親父に一部始終を聞き納得した

 

 何でも俺がいきなり吹き飛ばされ、『蒼』も風船のようにパンと消えてしまったとか

 

 

 つまり、俺はあの火力勝負に負けちまったということになる

 

 

 不思議と悔しくはない、いやちょっとだけ悔しい

 

 

 ただ、それよりもワクワクする気持ちがフツフツと湧いていた。自分よりも強いあいつを倒せるようになりたいと思った

 

 

 禪院仁覚えてろよ、今回はお前が勝ったが次はそうはいかないぞ

 

 

 《b》次は絶対俺が勝つ

 

 

 そう心の中で()()に向かって宣言した

 

 

 

 

 

 

 

*1
1に呪いの王、2に天与の暴君

*2
だいたい1秒ぐらい




極ノ番【穿】

 禪院仁が赤血操術の『穿血』を模倣し、いくつもの縛りを結んで威力を上げた必殺技の一つ

 【今回の縛り内容】(場面場面によって縛る内容は変わる)

 1.手のひらの中に呪力を貯める無機物を必ず入れること(ただし手のひらの中に入れられるものに限定)

 2.両足を必ず地に付いていること

 3.極ノ番『穿』発動後、腕は出力関係なく弾け飛ぶ



 高濃度の呪力を穿血動揺、圧縮して放つため、簡易領域と同じ相手の術式を中和出来る

 そのため、五条悟の無下限バリアも貫通することができた
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