キヴォトスの生徒達がロボットを開発するお話   作:レイサン

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今回から「」内以外の字は、心の声ではなくナレーションになります。


奈々地レイミの研究所奪還作戦

正義実現委員会所属の一年生大旗マキア率いる、研究所奪還作戦のためのチームは、研究所の複数ある裏口の一つを奈々地レイミの指示の元発見し、そこに集まっていた不良組織への攻撃を開始した。

 

「裏口から繋がる全ての通路は電子ロックによって塞がれているので部外者は立ち入れないそうですが、我々はレイミさんによる遠隔操作で入ることが出来ます。まずは研究所内に来て欲しいという事なので入口前を一掃しましょう!」

 

「いや一掃って言ってもねぇ!アタシ銃の扱いヘタクソだから狙い通りに当てられないのよ!」

 

「私の武器も威力と範囲は申し分ないんだけど、どうしても連射性に何があるから好きが大きいです!」

 

「え!?メロさんはまだしもアスモさん何しに来たんですか!?」

 

「仕方ないじゃない!借りは返さないと気が済まない性分のよ!それに足だけは早いから囮にはなれるわ!」

 

「と、とにかく!気付かれる前に先手を打ちましょう!」

 

 

─────────────────────

 

 研究所裏口

 

青い屋根の小屋に扉がひとつ、その扉の前には不良生徒が集まっていた。

最近存在が認知されるようになった新たな不良集団のメンバーである。

どうやら今は、裏口の扉から侵入するために扉を破壊しようとしているようだ。

 

「クソッ、やたら頑丈だぜこの扉!」

 

「退け、私がやる!」

 

 

ドゴォォォォッ!!

 

 

どこで仕入れたのかもわからない対戦車砲をぶっぱなしたが、それでも扉は破壊できなかった。

 

「な、なんだこの扉!?硬すぎんだろ!」

 

「おーい!何か知らんやつがこっちに走ってきてるよー!」

 

「知らんやつ?どんなやつだ?」

 

「何か見た感じ別々の学校の生徒っぽいんだけどね?先頭にいる人は黒と赤の制服を着てて前髪で目元が隠れてました!多分目は赤色です!」

 

「バカヤローそいつは正義実現委員会だ!あいつらミレニアム自治区の事件にまで首突っ込んでくるのかよ!?」

 

「正義実現委員会って何すか?」

 

「お前ゲヘナ生徒のくせして知らないのか?風紀委員会のトリニティ版みたいなものだ!」

 

「げぇ!!じゃあ風紀委員長みたいなのも来るんすか!?」

 

「いや、さっき言ってた三人だけなら強いやつはいないはずだ!ウチらでもやれる!迎え撃つぞ!」

 

「「「オーーー!!」」」

 

 

カッ

 

「ん?今誰かフラッシュ焚いたか?」

 

ドゴォォォォッ

 

 

「「うぎゃぁぁぁぁぁああ!!」」

 

「な、何だ今のは!」

 

メロの焼却砲だ。

50人はいた不良集団が一発で半分は気絶した。

 

「よっしゃ!あんたたち行くわよー!」

 

「なんであなたが指揮してるんですか!?」

 

巻き上がった砂埃の中を突き進み先陣を着るアスモと、それに必死について行くマキアとメロ。

 

「ゴホッゴホッ、あっ!しまった!奴ら扉の方に向かってるぞ!中にいるヤツの仲間だ!」

 

「砂が舞い上がって何も見えないよ〜!」

 

「とにかくテキトーにブッパしろ!」

 

ババババババッ

 

「ひゃ〜!あいつら容赦無いわ!」

 

「あ!扉見えてきましたよ!」

 

「おーい!開けてー!」

 

ガチャッ ウィーン

 

電子ロックが外れ扉が開いたようだ。

 

『派手にやったようだね、さぁ中へ入りたまえ。』

 

 

─────────────────────

 

 

「やあみんな、よく来てくれたね。クッキー食べるかい?」

 

「そんな事言ってる場合じゃないでしょ!?」

 

「まぁ冗談はさておき、今回はご協力に感謝するよ。」

 

「まぁ借りがあったからそれを返したいってだけよ。それで、私達3人でもあの不良生徒達を倒せるような作戦、もちろん考えてあるんでしょうね?」

 

「そんなもの、ウチには無いよ。」

 

「は?」

 

「そんな顔しないでくれ!私の用意した新兵器にかかれば作戦なんか必要ないってだけの事だよ!」

 

「そんな事言ったって、私の銃の命中精度じゃマトモに戦えないわよ!」

 

「事前にそう聞いていたからね、君には命中を補うために連射性能の高い銃を用意したよ。それと新開発のコレも使ってほしい。」

 

「な、何よこれ?」

 

「これは『チェイサーグレネード』だ。この専用ヘッドセットでターゲットを決めてからピンを抜いて投げれば、ターゲットに向かって軌道修正してくれる優れ物だよ。」

 

「それは何というかすっごいわね!」

 

「まぁひとつ作るのにもそれなりのコストがかかるけどね。」

 

「へ?なんか言った?」

 

「いや、何も。次はマキア、君にも新しい銃を用意したよ。」

 

「え、私もですか?」

 

「ああ、確か君は反動が軽すぎて扱いにくいと言っていたね。私にはよく分からない感覚だが、反動がガツガツと来る銃を開発したよ。」

 

「こ、これはまた随分と大きい武器を…でも前前衛に立つのには向いてなさそうですが?」

 

「前衛に立つのに向いてないのなら後衛に立てばいい。前衛はアスモに任せて君は後ろからこのガトリング砲、名付けて『サンドストーム』を試してみてほしい。」

 

「『サンドストーム』?変わった名前の銃ですね。」

 

「銃の名前は思いつきでテキトーに付けているんだ。」

 

「マキアさんとアスモさんに新兵器…もしかして私にも何かあります?」

 

「いや無いが?君にはその焼却砲があるだう?」

 

「……。」

 

「そんなに露骨に落ち込まなくてもいいじゃないか!ほら、このグレネードランチャーを君に譲るから元気を出してくれ!」

 

「はぁ…まぁ…はい…。」

 

「それで、やっぱり作戦は無いんですか?」

 

「無い。君たちの思うようにやってくれて構わないよ。いざとなったらフラムも一緒に戦ってくれるよ。」

 

「あれ?そういえばフラムが見当たらないわね?寝てるのかしら?」

 

「今はアップグレード中だ。あと五分もすれば、以前よりさらにパワフルになったフラムに出会えるだろうね。」

 

「パワフルになったフラム…私より足早いのかしら…?」

 

「さてと、それでは戦いやすいように準備を始めようか。幸い、例の不良集団は全員私の管理・所有する敷地の中にいる。例のプログラムが正しく機能するのか試してみたかったんだ。」

 

レイミは何かを企んでいるようで、不敵な笑みを浮かべた。

 

 

─────────────────────

 

 

「チッ、いつまで経っても出てこねぇなぁ!」

 

「お、おい!もう帰りましょうよ!」

 

「何だか嫌な感じするよ。」

 

「なんだよお前、ビビってんのか?」

 

 ゴゴゴゴゴゴゴッ………

 

「お、おい!もう帰りましょうよ!」

 

「ゲームのNPCみたいに同じ事ばかり言うな貴様!」

 

「お、おい!もう帰りましょうよ!」

 

 ゴゴゴゴゴゴゴッ………

 

「な、何だ!?周りの建物が地面に沈んでくぞ!?」

 

「何か民家が高層ビルに入れ替わってるよ!!」

 

「あっちは平原みたいに何も無いぞ!?どうなってんだ!?」

 

『説明しよう。これは戦闘用擬似市街地と戦闘用擬似平原だ。君たちがさっきまで住宅街だと思い込んでいたのも、実際には戦闘用擬似住宅街だ。あの家に人は住んでいない。無論この建物にも誰もいないので好きに暴れてくれて構わないよ。』

 

「な、なんだってぇ〜!?」

 

『ベタなリアクションをありがとう。それでは君たちを始末させてもらうよ。』

 

「おい、あれを見ろ!さっきの高層ビルに誰かいるぞ!」

 

「何か光ってないか?」

 

「はっ!あれはさっき裏口で撃たれたっていうアレか!?みんな伏せろ!」

 

 

ドゴォォォォッ!!

 

 

「おっと、結構仕留め損ねた。チャージ音と銃口の光でバレやすいですね。でも私は注意を引けばいいんですよね?」

 

メロが一人でそう呟いていた。

 

「チクショー!位置が高すぎて弾がとどかねぇぞ!狙撃用の銃とか持ってきてるやついないのか!?」

 

「はい!私狙撃できます!」

 

「よし!お前がアイツをやれ!」

 

リーダー的な人物が部下に指示を出すが、一瞬何かが視界に入ったかと思うと、いつの間にかその部下が持っていたスナイパーライフルの先端が折れ曲がっていた。

 

「うわぁぁぁぁ!!この前買ったばっかりの銃がぁぁ!!」

 

「な、何が起こってるんだ!?今一瞬何かが目の前を通ったのか!?」

 

人の影は凄まじい速さで次々に銃を破壊していく。

 

「ああ!私のショットガンが!」

 

「うわぁ!俺の愛用品のサブマシンガンがぁ!」

 

「この前借りパクしたハンドガンが!」

 

「クソォッ!!残ってるのは俺だけかよ!!」

 

そしてリーダー格だかを残して全員の銃を破壊した所で、彼女らの銃を破壊した人物、フラムが立ち止まり姿を見せた。

 

『ヴァルキューレ公安局には黙っててあげるからもうこんな事しないでね。』

 

「チッ、勝ったつもりか?建物の裏口にも俺たちの仲間が待機してるんだ!まだ負けてないぞ!」

 

『ああ、その子たちなら今ごろ制圧されてる頃だと思うよう。レイミが作った戦闘支援ロボットと一緒に私の友達がそこに向かったからね。』

 

「ぐぬぬ……くそぉぉぉ!こうなりゃもうやぶれかぶれだ!」

 

不良生徒のリーダーがフラムにショットガンを向けたが、フラムは避ける素振りを見せなかった。

 

『当ててみなよ。』

 

「舐めやがって!!」

 

 

 

バンッ

 

 

至近距離で放たれたショットガンの散弾が全て直撃したが、フラムは少し仰け反るだけでケロッとしていた。

 

『生徒相手なら通用しても、アップデートした私には通用しなかったみたいだね。』

 

「そんな…そんなバカな…!?」

 

『見逃してやるからさっさと家に帰って、これからは真面目に生きるがいい!』

 

フラムの圧倒的強さを前に唖然としていた不良生徒だったが、その直後に別で動いていた仲間から通信が入った。

 

『ヤバいよ!何かやたら早いやつが銃を乱射してるよ!6人がかりで撃ってるのに弾が当たらないよ!』

 

『歩きながらガトリング砲を乱射するヤベェやつが来た!こっちは既に三人やられたぞ!こっちはもう撤退するからな!』

 

「ぐぬぬ……チクショー撤退だ撤退!お前ら覚えてろよ!」

 

チンピラが言いがちな捨て台詞を吐き捨てて、不良達は立ち去って行った。

 

 

─────────────────────

 

「いや〜助かったよ君たち。とても良いデータ収集になったね。」

 

「初めからそれが目的だったんですよね?」

 

「え、そうだったの!?全く気が付かなかったわ!」

 

「だってあの程度の相手なら例のアバン……アバンなんとか君を出せば良かったですし。」

 

「何ですかそれ?」

 

「私も詳しく知らないですけど何か巨大なロボットです。ちょっと残念なデザインの。」

 

「そう悪く言わないでほしいな。アレでも傑作なんだよ?リオ会長の。」

 

「リオ会長ってまさか、あのミレニアムサイエンススクールのトップであるセミナーの会長を務めるあの調月リオ!?」

 

『早口過ぎて草。』

 

「おや、どこで覚えたんだいそんな言葉。まぁ私は彼女の生み出したアバンギャルド君も、私にとっては超えるべき壁に過ぎないのだがな。」

 

「超えるべき壁?どういう事よ。」

 

「ああ、語らねばなるまい。私の目標……私の夢について。」




『』の中のセリフは機械から聞こえる音声です。
フラムのセリフも機械からの音声という扱いです。
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