早く1巻を終わらせて、女王様やバカ、変態な人たちを出していかなくては!
sideゆかり
あの帰宅時の騒動も無事に沈静化できてから6日後、私は五行さんとデートするために、出掛ける準備をしていた。
「ふんふん、まさか五行さんとデートができるなんて」
数日前に五行さんを誘ってみたら、快く了解してくれたのだ。私は今まで五行さんと、学校以外で遊んだことがないのだ。
実を言うと、デートとは言っているが、実際はただの買い物。ショッピングなのだ。
「それにしても、あのときの驚きようには……おっと、」
私が誘うときに『五行さん、今度の休みにデートしない?』と聞いたら、顔を真っ赤にして『で、ででデート!??!な、なな南条さん、私たちは同性なんだぞっ!』とあたふたとしていた。本当に可愛かったな。こう、普段とのギャップに。
つい、『愛さえあれば、性別なんて二の次なんだよ。でなきゃ、アメリカで同性愛者のデモ行進なんて起きないよ』と言ってしまった。おかげで周りから「南条 百合華(ゆりか)」と呼ばれるようになってしまったが。
縁から百合華って……。それになんで華なの?百合花でもいいと思うのに。そもそも、私に華やかさなんてあったっけ?
「さて、行きますか」
時間は……ちょうどいいですね。何もなければ、待ち合わせの20分前には着きそうだし。
リビングへ行くと、ルナが嬉しそうな顔をしている。
この前の騒動、帰宅時大泣き事件(私命名)以降、ルナさんの笑顔が増え、気を張った感じがなくなってきたのだ。忍の話(お母さんが無理矢理聞き出した)ではルナは捨て子で、左の掌には人為的につけられた、十字の大きな傷があると言っていた。
そのことに、私は驚き、お母さんは怒っていた。
そして、お母さんはルナさんを養子にしようと奮闘していた。
別に養子や結婚してなくても、家族にはなれる。ただ、周りからなんと言われるか分からないが。
いつまでも、暗い話をするのもあれですから、ここまでにしましょう。
あ、私がルナと呼んでいるのは、ルナが希望してきたからです。家族にもなりますし、いうまでも『さん』をつけるのもなんですし、快く了承した。
「ルナ、なんか、いつもより嬉しそうだけど、どうしたの?」
「あっ、ゆかりさん、実は午後から忍さんとなずなちゃんと一緒に買い物にでかけるんです」
「私もこれから友達と買い物にでかけるんだよ。ちなみに、ルナは何を買ってくるつもりなの?私は服とかだけど」
「じ、実は、下着や服を買いに」
私の質問に、顔を染めながらルナが答える。って下着?忍がいるのに下着を買いに行くの?
「へー、なるほど。ルナが忍に誘惑をしに」
「な、なんでそうなるんですか!」
「え?だって、男の忍がいるのに下着を買いに行くんでしょ?」
「そ、そうですが……」
さらに頬を染めるルナ。ん、そういえば、ルナさんがこの家に来た(?)とき服が見つからなかったよね。てことは、もしかして。
「違ったらごめんね。ルナ今、ノーブラ?」
「え、はい、そうです」
当たってたよ。そして大変なことですよ!私みたいな貧乳ならまだしも、ルナみたいな巨乳、いや爆乳?どこから爆乳なのか分からないけど、胸がかなり大きいからブラをしてないと、私よりたるみやすいと思うのですよ。
「お母さんのだと、サイズがあわないんだよね?」
「はい。胸が窮屈で」
お母さんも胸が大きいが、ルナはそれ以上なのだ。
……私ってお母さんの子供なんだよね?
自分の胸をペタペタ触っていると、べ、別に小さくなんかないんだもん!Cは、かなり頑張ればCはあるよ、きっと!
私がルナのおっぱいを凝視していると、ルナが手でおっぱいを隠した。
「ゆかりさん、どこをみているのですか」
「ん、ルナのおっぱいだよ。いつ見ても大きいよね」
「やっぱりそうですか?」
「そうだよ。きっと忍も夢中だね」
「し、忍さんが、私の胸で……」
ルナは妄想しだした。そらより、やっぱりルナは忍のことが好きなんだね。でももう少し押しがないと。そういえば、忍の好みってどんなのだろ?
と考えてながら、ふと、時計を見ると待ち合わせの時間に遅刻しそうな時間になっていた。
「私、待ち合わせしているから、いってくるね!」
「ぶつふつ……あ、いってらっしゃい、ゆかりさん」
ルナが笑顔で見送りきた。
さてと、走れば時間前にはつくかな。
私は、待ち合わせの公園へ走っていった。
__________________________________________________
無事、時間前に公園に着いた。
はぁ、はぁ、思ったよりペースをあげてしまったらしく息があがっている。ひとまず、水でも飲もうかな。
周りの人にぶつからないように、水道のある所まで歩いていく。
この公園はそこそこ有名で、今日みたいな休日だと、公園の遊具で遊ぶ子供や、私みたいに待ち合わせをする人が沢山いる。
「ごく、ごく……ふぅ、ここの水道は鉄臭くなくていいや」
水を飲み終ったので、五行さんを探す。
先程も話した通り、この公園は待ち合わせ場所としても使われているので、チャラい方々がいることもある。
待ち合わせポイントは、遊具があるところから離れているため、子供たちも安心、とまではいかないものの、チャラい人に余り絡まれない。
ちなみに水道があるのは遊具付近である。
「五行さんはどこかな~」
五行さんを探しながら待ち合わせポイントに近づいていくと、
「ねえ、ねえ、お嬢ちゃん一人?一緒に遊びに行かない?」
「僕たちと楽しいことしようよ」
「帰りたくなくなるくらいにな?」
「なぁ、いいだろ?」
チャラい方々(4人)に、絡まれました。
それにしても、誘い方が古くない?
たしか、こういう人たちには断ってもしつこいから、無視しよう。
五行さんはどこかな?と歩きだそうとすると、1人のチャラ男が行く手を阻んだ。
「無視はいけないよな~、お嬢ちゃん」
「ロリコンがなにを言ってるのですか?」
「ロリコ……ふざけやがって!」
「まぁ、落ち着けよ」
え?ロリコンじゃないの?私は彼らより20cmくらい低いし(不本意だが)胸も小さい。昔、ロリと言わたこともある。
今はそれより、チャラい方々と会話をしてしまったことだ。
「あ、ロリコンじゃないのなら、貧乳好きなんですね。ですが、私は巨乳好きですから、諦めてください」
「俺はそんなこと、聞いてねぇんだんよ」
「だから落ち着けって」
「あ、なら、僕たちが君を巨乳にしてあげるよ。だから一緒に来ない?」
「ふぁ~」
チャラ男の1人が飽きてきたようだ。
「それから、そんなに女の人とえっちなことがしたければ、」
「してくれんのか?」
「楽しませるぜ」
「(ニヤリ)」
「よく考えたら、おっぱいが大きいやつとヤりたいから、帰るわ」
飽きていた人が帰っていった。そんなに巨乳がいいのか!なら、アメリカに行きやがれ!あ、私にも言えることか。
「女の人とエッチなことがやりたければ、ふーぞくてんに行けばいいじゃない」
「おいおい、お嬢ちゃんがヤらせてくれないのかよ?」
「風俗は高いんだぞ」
「どこにあるか、分からないんだよ」
……統一感くらい見せようよ。
「南条さん大丈夫か?」
あ、五行さんが、助けにきてくれたよ。私も飽きてきていたし、ちょうどいいね。
「五行さん遅いよ。お陰で絡まれちゃったよ」
「ごめん、家から出るのに少しごたついてしまって」
「うん、許す」
あ、まだ集合5分前だよ。
五行さんと会話をしているとチャラ男たちが
「君も一緒に遊ぼうよ」
「そうだよ」
「そうするべきだよ」
と言い、私の肩に掴み引っ張ってくる。
ひとまず、私は、
「きゃっ」
転倒した。
痛い、だけど、これで反撃できるよね?
過剰防衛はしないから。しても、きっと当たり所が悪かったんだよ。
「南条さん大丈夫か!」
五行さんが慌てたように、腰を落とし、私が怪我をしていないか確認をする。
私は……泣けばいいのかな?いや、泣かないけどね。
「君たち、いくらなんでもやり過ぎだと思うぞ」
「ち、違う。俺じゃない」
私を倒した人は、自分じゃないと主張しているが、無意味だろう。ここは待ち合わせ場所によく使われ、今日は休日、そしてナンパ男たちに絡まる少女。そして、つい先程までナンパされているはずの少女がナンパ男たちと親しげに話していた。
つまり、人の目が自然と私たちに集まるのだ。あれ?五行さんが悪く言われないよね?大丈夫だよね?
まぁ、私が倒れたのはわざとなんだけどね。ちょっと失敗して、擦り傷が出きたけど。
「南条さん、血が!」
「え?」
あ、左肘あたりから血が出ている。痛々しい見た目だが、あまり痛くない。指先はちゃんと動かせるし問題ない。
あと、周りの人たちがきゃーきゃー、うるさい。
「大丈夫だよ。あまり痛くないし」
「で、でも……」
「あ、チャラい人たちが逃げていくよ」
「本当か、あ、待って!」
ナンパ男たちは全力で逃げていった。く、せめて殴っとけばよかった。
「応急処置をしないとな」
五行さんはナンパ男たちより、私の傷をどうするか考えている。
「お嬢様、これを」
声のするほうを見ると、救急箱を持ったメイドさんがいた。
「あ、薫さんありがとう」
五行さんは薫さん(?)に礼をいうと、私を連れて水道のあるところに向かう。
なんか、本当に倒れるのを失敗してすみません。
心の中で謝りつつ、傷を見る。
「南条様あまり傷を見ないほうがいいですよ」
「え、そうなの?あとなんで私の名字を?」
薫さんが話かけてきた。それにしてもなんで知ってるんだろ?
「はい。傷を見てますと痛くなってくるかもしれませんし。あと、何故わたくしが、南条様を知っているかというと、お嬢様がお家で話していたからです」
「そうでしたか」
「気軽に話して大丈夫ですよ。そういえば、自己紹介をしていませんでしたね。わたくしは薫といいます気軽にかおるん――なんて呼ばないでくださいね」
「分かったよ、かおるんるん」
「カビル○ルンみたいにいわないでください」
「それで、薫さんはなんでメイド姿なの?」
「わたくしは五行家のメイドですから」
「なるほど」
薫は「何故でしょう。馬鹿にされた気が」と言いつつも私とも会話を楽しんでくれている……はずだ。顔が無表情なので、なにを考えているのか分からない。
「南条さん、本当にすまない」
「ん、なにが?」
五行さんがいきなり謝ってきた。いったいなんだろ?
「私がもう少し早く着いていれば、こんなことにもならなかったのに」
「ん……あぁ、別に五行さんが謝らなくてもいいよ」
「だが、」
「私が自分で、自分の意思で転んだ、だけもだん」
「「え?」」
五行さんと薫さんが驚いた顔をしている。まぁ、仕方ないよね。ナンパ男が倒したようにしか、見えないように倒れたし。
「ど、どういう意味なのでしょうか?」
驚きながらも、薫さんが訊ねてくる。
「だから、私が自分から倒れたの。下がアスファルトだってことを、忘れて盛大に倒れたから、怪我したの。つまり、自業自得」
「わたくしもその場を見ていましたが、倒されたようにしか」
「私もだ」
「あはは、これでも道場に通ったことあるし」
一週間と続かなかったが。
「早く応急処置して、ショッピングにいこ。あ、薫さんもだよ」
__________________________________________________
私たちは今、五行さん家に向かっている。
え、理由?救急箱を家に置いてくるのと、薫さんに私服を着させるためだよ。五行さんの話では薫さんはいつもメイド服のようなのだ。流石にそのまま買い物すると、さすがに目立ちすぎる。
あとは、五行さんに『なら、私の家に来ないか?』と誘われたからだ。
「へー、ここが五行さんの家なんだ」
そこは前、五行さんをストー――尾行したときに見失った原因である屋敷であった。
「本当に、惜しかったな」
「?」
「なにが惜しかったのでしょうか?」
こ、これは……正直に答えるべきなのかな?でも五行さんを尾行してたから、怒られるかな?
「どうかなさいましたか」
「はぁ、怒らないでね?」
「あぁ、分かったぞ」
「わかりました」
「それじゃぁ」と私は五行さんを尾行したときのことを話した。それを聞いて2人とも、驚いていた。なんで?
「私は気づかなかったぞ」
「気配を消してたもん」
「南条様、お嬢様を見失ったあと、気配を消すのをやめましたか?」
「うん。バレたと思ってたから」
「そうですか……」と薫さんはなにかを考え始めた。
「薫さん、考えごとをしているところ悪いけど、着替えてきてくれないか?」
「あ、はい。分かりましたお嬢様」
薫さんは玄関に行ってしまった。
「それじゃあ、薫さんが準備できるまで、あがっていてくれ」
私たちも玄関へ向かった。
それにしても大きな屋敷。いったい五行さんの両親はなんの仕事をしているのだろうか?せっかくなので聞くことにした。
「五行さん、五行さんの両親はなんの仕事をしているの?」
「――っ!え、ええと、人の為になることをしているんだ」
「スゴいね。人の為になることかー」
そう言いながら、玄関をくぐろうとすると、
「――っ」
「えっ――」
五行さんに倒れかかる。
急なことに反応できなかったであろう、五行さんは私を受け止めきれずに、一緒に倒れた。
ドン!
そこそこ大きな音が出た。その音に気がついたであろう薫さんは焦った様子で玄関に来た。
「お嬢様!南条様!大丈夫です……か?」
「う~ん……」
「んっ、な、南条さん、離してくれ……」
私にはそこまでの記憶しかなく、そのまま気絶した。
後から薫さんに聞いたのだが、どうやら私は五行さんのおっぱいを鷲掴みにしながら、気絶したようだ。しかも、死後硬直が出たかのように手が離れなかったらしい。
それにしても、なんで私倒れたんだろ?つまずいたわけでもないのに。
まさかのかおるん登場!
いやー、かおるんのお陰でゆかりんのキャラが崩壊して……元からですね。
あれ?買い物はデパートでいいけど、どうやって忍とかおるんの出会いを回避しようか……。この際、会わせちゃう?それとも忍との接触そのものをなくす?
あ、自分はふーぞくてんに行ったことすらありません。