「うわぁぁ~!
「ヒーローはまだか!?このままじゃ町が…!」
とある田舎町で一人の男が暴れていた。その男は3メートルを越す巨体を持ち、全身がまるでクマのように毛でおおわれ、人間離れした身体能力を持っていた。
「ヒーロー出てこい!早くしないと被害がどんどん増えるぜぇ!それともこの俺に怖気づいたかぁ!?」
ここは都市部から離れた田舎町だ。この町に常駐するヒーローはおらず、パトロールに来てくれるヒーローも今日は不在の日だった。
そのため、住人はなすすべなく敵に蹂躙されるしかなかった。
その男が来るまでは…
「ハハハハハハ!思う存分暴れるのは楽しいぜぇ!」
「ふむ…力が有り余っているようだ。なら私の相手をしてもらおうか」
「あん?ようやく来やがったなヒーロー!
って、テメェは…!」
その男の姿は異形だった。全身は緑と黒の斑模様、その質感はツルツルしており、カブトムシなどの昆虫を連想させる。また、背中には大きな翅を持ち、腰からは長い尻尾が伸びている。
そして、その顔からは余裕が見て取れた。まるで自分が負けることなど一切考えていないように。
「まさかテメェが来るとなぁ!テメェを倒せば俺も一気に有名人だ!」
「フッ…では、お手並み拝見といこうか」
「余裕こいてんじゃねえぞ!ボコボコにしてヒーロー引退させてやるよ!」
「それは怖い。お手柔らかに頼むよ」
「ナメやがって…!」
そのヒーローは言葉とは異なり全く恐れを抱いていないことは敵の男にも分かった。怒り心頭の男はヒーローにその丸太の様な腕を振り下ろした。
しかしヒーローは全く避ける素振りもなく、無抵抗に殴られた。
周囲で見守っていた町の人々から悲鳴があがる。決まったと思い、ニヤリとした敵の男にありえない声が聞こえた。
「ふむ…なかなかいい攻撃じゃないか。…で、それで終わりかな?」
「な…っ!?」
男の攻撃はヒーローに効いていなかった。全くの無傷。痛みすら感じていない様子だった。
「クソッ!これならどうだ!」
敵の男はその巨体から雨あられとパンチを繰り出した。その全てが直撃し、周囲にはドゴッ、バキッという攻撃が当たる音が響いていた。
「ハァッ、ハァッ…クソッ!なんで効かねぇんだ!!」
しかし、敵の男の攻撃を全てくらっても、ヒーローには全く効いていなかった。
「ふむ…そろそろ私の番ということでいいかな?」
敵の男の攻撃が止まったところで、ヒーローが一歩踏み出す。
その姿から先程までとは別次元のプレッシャーを感じ、敵の男は全身から汗を流しながら後退る。
「教えてやろう。攻撃とはこうするのだ…」
そこからの戦いは一方的なものだった。敵の攻撃は一度も当たることはなく、逆にヒーローの攻撃は一度も外れることはなかった。
自身より1メートル以上大きい相手にもかかわらず、敵を子どものようにあしらい、あっという間に倒したのだった。
「グッ…クソォ…強すぎる…」
「ウォーミングアップにもならなかった。まぁ、相手が悪かったと諦めるんだな」
そのヒーローによって、田舎町に平和が戻ってきた。そしてヒーローは敵を警察へ引き渡すと、次の現場に向けて飛び立っていった。
「まったく…正義の味方がこうも忙しいものだとは…奴らと戦っていた日々が懐かしいな」
愚痴をこぼしつつパトロールを再開する。その男の名は『セル』。かつて人類に恐怖を与えた人造人間の生まれ変わりで、現在は名の知れたトップヒーローだ。
はじめまして。これまでは読み専でしたが、ちょっと書いてみたくなったのでかいてみました。初投稿で至らない点などあると思いますが、よろしくお願いします。