緑の人造人間はパーフェクトなヒーローになる   作:フィーンド

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中国で光る赤子が発見されてから、人類には『個性』と呼ばれる超常の力が発現するようになった。

 

『個性』はこれまでの人類の社会を根底から覆し、新しい社会を形成していった。人類の約八割が『個性』を持つ時代。

そんな時代に、一人の少年に個性が発現しようとしていた。

 

それは少年が4歳のとき、家にいるときに突然起こった。

 

「うっ…!か、からだがあつい…!あついよぉっ…!」

 

「大丈夫!?しっかりして!すぐに病院に連れていくから、それまで頑張って!」

 

「アァッ…!おかあさん…あついよ…!たすけて…」

 

少年の母親は直ぐに病院に連れていき、そのまま緊急入院となった。少年はそのまま1週間の間、高熱にうなされ続けながら眠り続けた。

 

 

 

少年は夢を見ていた。

「これはいったいなに…?」

 

その中で少年は様々な体験をした。

最初に見たのは何か水のようなものに入っている記憶。その時に何か使命のような事を告げられた気がしたが、思い出せない。

次に見た記憶は、自身が髪が金色の青年と戦っているところ。最終的に青年が倒れ伏したところで記憶が途切れている。

次の記憶は沢山の人が悲鳴を上げているところだ。自身から伸びる尻尾を突き刺し、そのエネルギーを吸収しているようだ。吸収されきった人々は身に着けたものだけを残し、跡形もなく消えてしまった。

その後は激しい戦いの記憶ばかりだった。緑の肌の異星人、自身と同じ人造人間、はじめに見た青年と同じく髪が金色に光る人達、そして自身が好敵手と認めた戦士、その息子…見た記憶は期間としては長くないものの、非常に濃密なものだった。

そして記憶を見ていくうちに、自身が以前は何者であったのかを思い出した。

 

「そうか…ぼく、いや私は…」

 

そして、最後の記憶は…

 

『ハァァァーーーッッッ!!!』

 

金色の髪の少年…「孫悟飯」と「かめはめ波」の打ち合いとなった。最初は優勢だったが、一瞬の気の緩みから、そのまま押し切られ…

 

「私は…負けたのか…」

 

その後の記憶はなかった。恐らくそのまま死んだのだろう。ところどころ思い出せない部分はあるが、おおよそのことは把握した。

自分は前世ではかなり悪いことをしてきたらしい。罪のない人たちを吸収して殺し、自分を倒しに来た軍隊を壊滅させ、セルゲームの結果次第では地球を滅亡させようとしていた。

掛け値なしの極悪人…それが前世の自分であると知ってしまった。

だが、今の自分にそのような気はない。むしろ、そんな前世を知って今世は世のため人のためになることをしよう、と強く思った。

 

「前世を思い出したとはいえ、今のぼくは変わらない。むしろ、これで目標ができた。ぼくはヒーローになって、沢山の人の役に立つ!!」

 

前世の記憶を思い出した少年は決意を新たにする。

その日、新たなヒーローが生まれた。まだ世の中には知られていない。しかし、近い未来人々は知ることになる。全ての敵を打ち倒す、パーフェクトなヒーローの存在を。

 

 

 

 

 

少年が倒れてから1週間が過ぎた。

少年の母親は仕事を休んで毎日息子に寄り添った。そして1週間が過ぎた日の朝…

 

「ううっ…ここは…」

 

「っ!!目が覚めたの!?体は大丈夫!?どこか痛いところとかはない!?は、早くお医者様を呼ばなきゃ…!」

 

大騒ぎしながらナースコールを押して慌てる母親を見て、戻ってきたんだと実感する。

 

「大丈夫だよおかあさん。だからそんなに慌てないで?」

 

「で、でも…その体…何も異常はないの?」

 

自分のすっかり変わった姿を見て母親は言った。その手に持った鏡で自分を確認すると、倒れる前は普通の子供だった自分が、記憶の中の「セル」を小さくしたような姿に変わっていた。

 

「え〜っと…今のところは大丈夫…かな?」

 

姿が変わったことに驚きつつも、そう返事をしたのだった。




現時点での姿は4歳児相当のセルジュニアです。
異形型個性が発現したとき体がどうなっているのかは自分詳しくないのですが、本作ではこんな感じになりました。
主人公の本名は次回出します。正直しっくりくる名前が思いつかない…
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