ヒーローは絶対死なない死なせない   作:キラトマト

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第10話 怪奇 改人脳無

 飛ばされる直前に何人かは飯田たちによって助け出されるのを見た。そして飛ばされた俺"たち"が生きてるってことは他のやつらも生きてる可能性は十分にある。だから……。

 

「油断すんなよ轟! 勝利を確信した時が一番危険なんだからな!」

 

「ん……悪ぃ」

 

 土砂ゾーンに待ち構えた(ヴィラン)を一瞬で蹴散らした轟だったが運悪く氷結に耐性のあるヤツがいたためそいつの不意打ちから轟を救った訳だが……。

 

「っと、別に気づいてたみたいだな」

 

 (ヴィラン)の足元からは少し氷が出かかっていた。

 

「しかし、(ヴィラン)も間抜けだな。お前の個性知らなかったんじゃないか? こんな平地に送り込むなんて」

 

「あぁ、恐らく奴らは知らねぇんだろう。知っていたらあっちの水難ゾーンや暴風・大雨ゾーンに送り込んでいたはずだ。それにお前と一緒で助かった。巻き込む心配をしなくてすんだ。なぁお前ら……このままじゃ身体壊れちまう。俺もヒーロー志望。そんな酷え真似はなるべく避けたい。あのオールマイトを殺れるっつう算段はどこにあんだ?」

 

「ヒィ……」

 

 氷漬けにした(ヴィラン)どもはチンピラなだけあってすぐに情報を吐いた。ただ……。

 

「お、俺らは死柄木から聞いただけだ!! なんか殺せるくらい強えやつがいるって!」

 

 あまりにも曖昧だった。だが死柄木……名前か? 

 

「すまん。あまり聞き出せなかった」

 

「ボスの名前が聞けただけでも十分。今からあの広場に向かって先生を援護出来れば……」

 

「あぁ、"急いで"向かうぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 一方その頃、外に出てプロヒーローの救援要請に向かった飯田。重症を負った13号。しかし飯田は走らなければならない。委員長として、ヒーローとして。

 

「くそう!!」

 

「散らし漏らした子ども……。教師を呼ばれてしまってはこちらも大変ですので」

 

 しかしその前に無情にも立ち塞がるワープの個性を持つ(ヴィラン)、黒霧。

 

(みんなを……僕が!! 任された! クラスを! 僕が!)

 

 委員長に選ばれたのも緑谷からの推薦。13号から託された使命、果たす以外に道はないのだ。

 

「行け飯田!! 早く」

 

 複製腕で黒霧を包んだ障子、しかしそれも長くは持たない。

 

「くっ……!!」

 

「ちょこざいな……外には出させない……!」

 

 だがその一瞬だけでも十分だった。今の飯田は天かける星よりも速い。出口に着く直前に黒霧が迫る……!! 

 

(自動ドア! 蹴破るか!? 蹴破られる厚さか!?)

 

 しかし彼には目の前のドアしか見えていない。

 

「麗日どうしたの!!」

 

「ええい!!」

 

「生意気だぞメガネ! 消えろ!!」

 

 目の前に黒霧が現れてもそれは変わらない。だって……。

 

「理屈は知らんけどこんなん来とるんやったら、実体あるってこと、じゃないかな……!」

 

 麗日が黒霧のボディに着せた装甲をタッチし、上空に吹き飛ばした。そして瀬呂がテープを装甲に貼り、降下を阻止する。

 

「行けえええええ!!」

 

 ドアをこじ開けた飯田。そのまま走り続けるのだった。

 

「応援を呼ばれる。ゲームオーバーだ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 そしてイレイザーヘッドは着々と(ヴィラン)の数を減らしていっていた。次は本命、手男こと死柄木弔。

 

「24秒 20秒」

 

 何かを数えて死柄木はイレイザーのマフラー、捕縛布を掴む。

 

「ちっ!!」

 

 たちまち布が砕けていくのを察知したイレイザーは布を引っ張り手繰り寄せ、強烈なパンチをお見舞いしてやった。

 

「動き回るので分かりづらいけど、髪が下がる瞬間がある。1アクション終えるごとだ。そしてその感覚はだんだん短くなっていく。無理をするなよ。イレイザーヘッド」

 

 死柄木が掴んだのはイレイザーの右肘。咄嗟に後ろに下がる彼を狙うチンピラ達は相手にならず一瞬で蹴散らされる。

 

「だが残念。本命は俺じゃない」

 

 どこかから現れた脳みそ剥き出しの(ヴィラン)

 

「対"平和の象徴" 改人 脳無」

 

 イレイザーの体をおもちゃのように踏みつけ押さえつける巨大な怪物。

 

 ────脳無が来た

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