ヒーローは絶対死なない死なせない   作:キラトマト

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首筋にカメムシがいた。あ、カメムシの異形型(ヴィラン)とか良さそう。


第14話 いざ、職場体験!

「早すぎんぜ未効!」

 

「男の勝負に手加減は野暮、だろ? 切島」

 

「ちょっと女子もいるんですけど! でもま! 思う存分身体動かせたのは楽しかったよ!」

 

 ぷんすかと触覚を立たせる芦戸。

 

「にしてもお前らも十分早かったぜ? 特に上鳴、すごかったぜ? 枝グルって一回転したじゃんか」

 

 上鳴は褒められていい気になったようで鼻を人差し指で拭ってみせていた。

 

「入試のあの縦横無尽な動き、あれはやっぱこれのおかげだったんだな!」

 

「相変わらず腕は落ちてなかったねお兄ちゃん!」

 

「へっへへ〜かっこよかったろ〜料〜」

 

「ベタベタだなお前」

 

「いいだろ? 兄妹の特権だぜ?」

 

「んなことより気づいたらもう夜だぜ。どんだけ長くいたんだ俺たち?」

 

「うーんとね〜1時間半くらいかな!」

 

「楽しかったぜ未効!」

 

「また明日!!」

 

 3人とも手を振っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう! 指名あったんだよ俺! んで選んだのが〜? ここ!」

 

 名前を決めたあとは指名があったヒーロー事務所を選び、職場体験先を決めた。そこで選んだのが〜? 

 

「パーカーヒーロー?」

 

「わぁ未効くんはそこ選んだんだ! パンパカパーン! (ヴィラン)組織への潜入調査から猫探しとかの地域密着型まで、幅広い活動が魅力な事務所だね! でもなんでここ?」

 

 俺も調べるまで聞いた事なかったとこだし、よく知ってたな緑谷。さすがヒーローオタク。

 

「パンパカパーンさんの個性って俺の無効化が通じるような個性じゃなくて、そういう相手と戦うときの対策が欲しいってのもあるんだけど、サイドキックのレフティってヒーローの志にすごいビビッときてさ!」

 

「あ! 知ってるよレフティ! ここぞって時にすごい力を発揮する火事場の馬鹿力が売りのヒーローだよね! あぁ……あまり知らなかったよ反省だな……また詳しく調べないとな……あ! でも僕の行く予定の事務所も選ばないといけないしな……今自分に足りないものを……」

 

 自分の世界に入っちゃったよ緑谷。そういや緑谷には指名が来てなかったっぽいからな……。受け入れ可能なとこから選ぶんだっけか。

 

 職場体験 当日、駅にて。

 

「あららぁ雄英の子だね?」

 

「お〜これはこれはお母さん、そうなんですよ〜。今日は職場体験でして〜、あ、飴ちゃんありがとうございます。いやぁこうやって人の温かさに触れると緊張も安らぎますね〜」

 

「コスチューム持ったな。本来なら公共の場じゃ着用厳禁の身だ。落としたりするなよ」

 

「はーい!」

 

「伸ばすな。『はい』だ芦戸。それと未効もお婆さんに絡むな。くれぐれも失礼のないように! じゃあ行け」

 

 そうして始まった職場体験。俺の行くパンパカ事務所は近畿方面にある。皆とは結構離れるっぽい。が、1人一緒のヤツがいたようだ。

 

「よろしくな障子!」

 

 そういや障子とは戦闘訓練以来だったな。

 

「あぁ、よろしく頼む」

 

 いいねいいね! かっこいいよ障子!

 

「あの時お前が言っていたレフティの志っていうのが気になってな。それで俺もここに決めた」

 

「いやぁ友達がいると心細くなくって嬉しいよ!」

 

「友達?」

 

「まー1回戦ったら友達っていうわけじゃないけどさ! でも仲良くなりたいって思ったからさ! ごめん、嫌だった?」

 

「いや、俺もそれは嬉しい」

 

 おいおいおいマスクしてるけどちょっと頬赤くなってるの見過ごさないぞ障子!! ちょっとニヤニヤしちゃうよ。

 

「なら友達だ!」

 

 俺が手を差し出すと握手してくれた。それはそうと。

 

「翼っぽくてめっちゃかっこいいよね。それ」

 

「あぁ……ありがとう」

 

「なーに感謝してんの! お! 今さっきの駅で静岡抜けたっぽいぞ!」

 

「そのようだな」

 

 まぁまだまだかかるっぽいし寝るかぁ……。

 

「……い、起きろ未効。おい!」

 

「おぉ! おっとごめんごめん結構長い間寝てたっぽいな……」

 

「着いたぞ」

 

「ありがと……っておぉ! ここがパンパカ事務所……プロヒーローの事務所……すげぇ……」

 

「何か張り紙が……入ってもいいようだぞ」

 

「まじか……セキュリティ。お邪魔しま〜す。ってあれ誰もいない……」

 

 室内にあるのは服をかけるハンガーとクローゼットと……パーカー……だけ。

 

「なぁなぁ障子……もしかしてあのパーカー」

 

「……だろうな」

 

 俺と障子のコソコソ話。

 

「そのパーカーからと思わせてからの……? クローゼットからの参上!!」

 

「うわぁ!!」

 

「……」

 

 すごくびっくりしてる俺とは対照的に障子はとても冷静のようだ。

 

「いやぁごめんごめん驚かせちゃって。私はパンパカパーン。よろしくね」

 

 と握手しようとしたら一瞬で手が無くなって着ていたパーカーがファサッと地面に落ちる。

 

「うわぁ!?」

 

「弄ばれているな」

 

「うちのパンパカパーンがすみません……おいこらぁ! 職場体験の子に何やってんの!」

 

「あ、あなたは!」

 

「あぁ、すまねぇ。俺はレフティ。ここのサイドキックやってる。って知ってるみてぇだな」

 

 お調子者のパンパカとレフティ、俺たちは結構いい印象を与えられたのではないだろうか。




パーカーヒーロー 『パンパカパーン』
本名 服織(ふくしょく)(かざり)
個性『パーカー』
自分の体をパーカー服の中に丸ごと隠すことが出来る! パーカーとパーカーの間を行き来することもできるぞ!

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