ヒーローは絶対死なない死なせない   作:キラトマト

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第4話 やばやば先生登場!

「行ってきます母さん!」

 

 その日は雄英の初登校日。無勝にとって新たな1歩を踏み出す記念日である。

 

「いってらっしゃい無勝」

 

「お兄ちゃーん!! なんかお土産ちょうだいねー!!」

 

「ねーよ!!」

 

 そう言って手を振って彼を見送るのは母親である涼夏、それに続いて料、そして無勝が勢いよく突っ込んだ。

 

早めに家を出て病院に寄った無勝。まだ彼女は目を覚まさない。それでも毎日寄ることにしているのは彼の"原点(オリジン)"を忘れないように、だろう。

 

「お姉ちゃんも……絶対よくなってね」

 

 そして辿り着いた雄英高校。ヒーロー科1年、例年は20人ずつの2クラス40人だが今年は違う。A組のみ21人なのだ。

 

「中も広ぉ!! ヒーロー科1-Aは……うわドアもでかぁ、ドでかぁ」

 

(受験者の時点でうちの中学からは誰も受けてなかった。全員が初対面だし……よし!!)

 

 無勝は顔をパンと両手で叩き、心の中で意気込む。

 

「よろしくお願いします!! ────ってあれ、誰もいない……」

 

「早すぎると思って不審者でも入ったかと思って来てみたが、まさかこんな時間に来てる馬鹿がいるとはな」

 

 時間としては始業のチャイムまで約1時間前。あまりにも気が早すぎたのだ。

 

「え、誰……こわ」

 

 長いざんばら髪で長い長いマフラーを首に巻いた男がそこにはいた。

 

「不審者……? 」

 

「失敬、教師だ」

 

「教師〜!?」

 

「まぁ、生徒ならいい」

 

 そう言って教師を自称する男性はスタスタとどこかへと行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 40分ほど経った頃、ようやく1人来た。

 

「あァい1番乗りィ! あァ!? 誰だテメェ! モブか!?」

 

「やべぇのが来た!!」

 

「なんだテメェ! どこ中だ!? ぶっ殺ぉす!」

 

 ブロンドでチクチク頭、目付きが悪魔のように悪い少年は爆豪勝己。

 

(え、こんなんでホントに受かったの? でもまぁ……)

 

「よろしく!!」

 

 爽やか笑顔で握手を求めれば大体は応じる、彼の経験則だ。

 

「だれがするかァ!!」

 

「怖ぁい……」

 

「入学早々騒がしいぞ!!」

 

 と、忙しなく指をピンと伸ばした腕を上げ下げしている少年が3番目に入ってきた。

 

「わお。暴れん坊の次は真面目くんか〜」

 

「暴れん坊って誰のことだァ!!」

 

「騒がしいぞ! やめなさい!」

 

 そのメガネの少年は飯田天哉、プロヒーローを兄に持つヒーロー一家である。彼に続き続々と登校してくる生徒たち。

 

「お! 緑髪の君! 受かったんだね! 俺は桐ヶ丘中学の未効無勝(いまき むがち)

 

 後から教室に入ってきたのは緑谷出久、オールマイトを師とする爆豪と同じ中学出身の"元"無個性の少年である。

 

「あっ、僕 緑谷。よろしく未効くん……」

 

「あ! 俺の仮想敵横取りしたヤツ!!」

 

「あ! 君の名前は知ってるぞ! 上鳴電気! よろしくな!」

 

「お、おぅ……」

 

 そんな無勝の勢いに押される上鳴。

 

「お友達ごっこしたいなら他所へ行け」

 

 デカイ寝袋を持ったざんばら髪の……。

 

「あ! さっきの先生?」

 

(先生なの!!?)

 

 その外見に圧倒され先程まで騒々しかった教室内は静まり返った。先生だからとかの理由等ではなく、不審者じみたその外見からではあるが。

 

「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね」

 

「先生ってことは、この人もプロヒーロー?」

 

(でも見た事ないぞこんなくたびれた人……)

 

 緑谷出久は自分の頭の中にあるヒーローを思い起こしていた。

 

「担任の相澤消太だ。よろしくね」

 

(担任!?)

 

 またもや生徒の気持ちが一致した瞬間である。

 

 相澤は持っていた寝袋から体操服を取りだし、グラウンドへと集めた。

 

「個性把握……テストぉ!?」

 

「入学式は!? ガイダンスは!?」

 

 そう先生に突っ込んだのは麗日お茶子。

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間はないよ」

 

 そう言うと先生は爆豪にソフトボールを渡し、個性を使用した投擲を指示した。

 

「思いっきりな」

 

 すると爆豪は力いっぱい振りかぶり……。

 

「死ねえ!!!」

 

(……死ね?)

 

(まじでヒーローなる気あるのかな?)

 

 球が手から離れる瞬間に爆発を発生させ、爆風が球威を上乗せする。

 

「まず、自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

 彼が示したタイマーに書かれていた数字は705.2m

 

「なんだこれ! すごい面白そう!」

 

「705mってまじかよ!」

 

「個性思いっきり使えるなんてさすがヒーロー科!」

 

(おいおい個性使えるって言っても俺の個性……どうしよ)

 

(ちょっと待てよマズイぞ……8種目だって……? いきなりこんな……)

 

 そんな中2人の生徒だけは不安を抱えていたのだった。

 

「面白そう……か。ヒーローになるための3年間、そんな腹積もりで過ごす気でいるのか? よし、トータル成績最下位のものは見込みなしと判断し除籍処分としよう」

 

(嘘嘘嘘嘘!? まじかよこの先生!?)

 

「生徒の如何は先生(おれたち)の自由。ようこそこれが、雄英高校ヒーロー科だ」




未効 涼夏
個性:空調管理
エアコンのように温度湿度をある程度操作できる! ただし連続稼働時間は6時間までだぞ!

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