ヒーローは絶対死なない死なせない   作:キラトマト

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第8話 さぁ、ゲームスタート

「ただいまー!!」

 

「おかえりお兄ちゃん!! 今日お兄ちゃんテレビ出てたよ!!」

 

「え!? あれ採用されてたの!? まじで!? あちゃ〜それならもっとかっこよくしていけばよかったなー」

 

「十分だったよ! そもそも雄英ヒーロー科ってだけでかっこいいんだからね!! 私の自慢のお兄ちゃんだよ!」

 

「じゃあ料は俺の1人目のファンだ!!」

 

 そう言って無勝は料の髪をわしゃわしゃと撫でてあげる。

 

「それならお母さんは無勝が生まれた時からファンよ〜」

 

「な、なんだって〜!? ま、負けた〜」

 

 と、料はわざとらしく頭を抑えるふりをする。

 

「年齢の差で張り合ってどうすんだよ母さん」

 

 そんな他愛のない会話もそこそこに、彼らは眠りについた。

 

「ん〜? お兄ちゃんいつも起きるの早くな〜い?」

 

「ちょっと毎朝用事があるんだよ! それじゃあいってきまーす!」

 

「わ!! ちょっと朝ごはんこれ!!」

 

 目玉焼きを乗せたトーストを無勝に渡して料はまた1人になった。

 

「もぅ……お母さんも早いし……」

 

「おやぁ? お困りのようだねぇ、僕が助けてあげようか?」

 

「…………。えぇ誰!? え!? そんな顔の人初めて見た! あ! でも助けられるほど困ってないので大丈夫です!!」

 

 なんてまくし立てて料は開けていたドアを勢いよく閉めた。

 

「はぁッ、はぁッ、はぁッ……」

 

(え……なにいまの……もしかして(ヴィラン)……? でも危害が加えてこなかったし……)

 

 閉めたドアの内側にヘタリ込み、息切れを起こす。あんな短時間で彼女はその日1日を過ごしたかと錯覚してしまうくらいの疲労に陥ってしまったのである。

 

「勘違いしてしまったよ。すまないねぇ。じゃあここに連絡先を置いておくから、助けて欲しい時はいつでも僕に連絡しておいで」

 

 甘ったるくもあるそんな声でドア越しの語りかけるその男は、お目当ての人物はいないと悟ったのか、すぐにどこかへと立ち去っていった。

 

 帰り際に連絡先を置いていったのはただの気まぐれか、脅しのつもりか、いずれにせよ彼にしては1万、いや1000万に1度あるかないかの失態であると言わざるを得ないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「お姉ちゃ────猫子(にゃあこ)さん……まだ起きないんですか……?」

 

「えぇ……あまり詳しいことは言えないけど……傷はもう完全に治ってるの。だけど……」

 

「そう……ですか。でも!! まだ生きては……いるんですよね……?」

 

「えぇ……それは安心して」

 

 毎日、登校する前に猫子が入院している病院に通っている無勝。

 

「って、昨日も時間かかっちゃって遅刻ギリギリだったんだ。もう行かなくちゃな」

 

「どうか怪我のないようにね未効くん」

 

「はい! いつもありがとうございます!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 今日遅刻してはならないのには理由がある。そう、課外授業なのだ!! 

 

「今日のヒーロー基礎学だが……俺とオールマイト、もう1人の3人体制で見ることになった」

 

 しかも!! プロヒーロー3人がかりなんだよ!!

 

「ハーイ! 何するんですかー!」

 

 正直その待遇だけで満足していたが、瀬呂が先生に手を挙げて質問した。

 

「災害水難なんでもござれ、人命救助(レスキュー)訓練だ!」

 

「レスキュー……今回も大変そうだな」

 

「ねー!」

 

「バカおめー! これこそヒーローの本文だぜ!? なるぜ腕が!」

 

「水難なら私の独壇場ケロケロ」

 

「おいそこ、まだ途中」

 

 クラスのお調子者たちがガヤガヤしていると先生がギロりと目を光らせる。一瞬でみんな静かになって先生は話を再開する。

 

「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上、準備開始」

 

 ということでバスに乗り込んだ俺たち。

 

「切島か! よろしく!」

 

 席は切島の隣だった。その隣の梅雨ちゃんは緑谷と個性について話していた。

 

「あなたの個性、オールマイトに似てる」

 

 すると緑谷のやつ、すんげぇ動揺し始めた。

 

「そそそそうかな!? 嫌でも僕はそのえー」

 

「待てよ梅雨ちゃん。オールマイトは怪我しねぇぞ。似て非なるアレだぜ」

 

 と切島の訂正が入る。

 

「しか増強型のシンプルな個性はいいな! はででできることが多い! 俺の"硬化"はたい人じゃ強えけど、いかんせん地味なんだよなー」

 

「僕はすごくかっこいいと思うよ。プロにも充分通用する個性だよ」

 

「ほら切島、おでこ硬化してみ?」

 

 俺はトントンと切島の肩を叩くとでこを硬化させた彼にデコピンをお見舞いする。

 

「いった! いきなり何すんだよおま────ってえ?」

 

「あ、やっぱり効くんだ防御系の個性にも」

 

「お前の個性もなかなかだな未効。性格も」

 

「え!? 俺そんな性格悪いかな!?」

 

「いや悪いとかじゃねぇよ! てか突然なんも言わずデコピンしてきたの怖かったよ!」

 

 っと、そろそろ着く時間っぽいな……ってあれは!! 

 

「USJじゃね!?」

 

「USJだ!!」

 

 そう! 訓練場所はUSJ(ウソの 災害や 事故ルーム)だったのだ! 

 

(それでUSJ!?)

 

 と多分クラスのみんなも思ったことだろう。そして今回のプロヒーローは

 

「13号!」

 

 しかしオールマイトは来れないらしい……。うわーもうまじで残念!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 相澤の個性把握テストで個性の可能性を知り、先日のオールマイトの戦闘訓練でそれを人に向ける危うさを、そしてこの授業では人命を助けるために。

 

「人命こそ最優先だからな。ヒーローは……!!」

 

 無勝は改めて気を引きしめる。しかし彼は見た。黒い霧のようなものが広場に突然兆候もなく現れるのを。

 

「ひとかたまりになって動くな!!」

 

「え?」

 

「13号! 生徒を守れ!」

 

「なんだありゃ!? また入試ん時見たいなもう始まってんぞパターン?」

 

「動くなあれは(ヴィラン)だ!!」

 

「13号に……イレイザーヘッドですか……先日"頂いた"教師側のカリキュラムでは、オールマイトがここにいるはずなのですが……」

 

 全身が影になったヴィランが言った。

 

「やはり先日の門破壊(アレ)はクソどもの仕業だったか」

 

「どこだよ……せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ……オールマイト……平和の象徴……いないなんて……子どもを殺せば来るのかな? 

 

 ボサボサの髪に大量の手首が全身に張り付いた異様な(ヴィラン)。軽薄な声でヤツはそう言った。

 

 無勝は思い出す(ヴィラン)の恐怖を、あの日の決意を。

 

「さぁ、ゲームスタートだ」

 

 ────それは、途方もない悪意

主人公に好感は持てますか?

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