超次元ゲイムネプテューヌ ~嵐の仮面ライダー~   作:ソルヒート

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今回はか~な~り!シリアスを多目に行くぜ!

止めてみな!←無理だろうけど


TIME 5 ~女神の過去、降臨する"停止する氷結"~

 

TIME 5 ~女神の過去、降臨する"停止する氷結(フリーズ)"~

 

 

『……なぁ、メテオ』

 

 

とある"地球"にある川原に生い茂る芝生。

そこに寝そべる一人の青年は隣で同じく寝そべる癖っ毛の少年……メテオに声を掛ける。

 

 

 

『……なんだよ、"巧兄さん"』

 

 

 

メテオはその青年……。

 

"紅き閃光の救世主"、"夢の守り人"と呼ばれし仮面ライダー……"仮面ライダーファイズ"に変身する青年……"乾巧"にまるで不貞腐れた顔を向けてその呼び声に応える。

 

 

 

 

『お前って……"夢"あるか?』

 

 

 

 

『………"夢"?』

 

『そう、"夢"だ』

 

そんな彼に顔を向けることなく、両手を後ろに組んだまま空を見つめるように寝そべる巧はく首を傾げてオウム返しのような返答をする彼に頷く。

 

『夢、か……ねぇよそんなもの…こんな"身体"になった俺に夢なんて…』

 

ポツリと、そう呟くメテオは自分の手を見つめ出す。そう、この光景は当時まだメテオがゲイムギョウ界に来ていなくて、まだ"兄"である平成ライダー達の元で暮らしていた頃の記憶…。

まだこの頃の彼は自身の"機械の身体"に馴れてなく、むしろその身に宿す"力"に怯えていた。

 

『………やっぱりお前って、俺と似てるんだな』

 

『……は?』

 

そう言う巧の言葉に理解出来ず、思わず寝そべっていた上半身を起こしてメテオは彼を見つめた。

 

『俺もな……この"オルフェノク"の身体に悩んで人と距離を置いていた…いつか俺自身が、誰かを裏切るんじゃないかって…』

 

『…………』

 

 

 

 

"オルフェノク"

 

 

 

それは死んだ人間が何らかの原因をもって再生し、超人的な…悪く言えば"化け物"としての力を得る人間の……"人類の進化態"となった怪人。

 

巧もまた、とある理由で死に、オルフェノクとして生き返ったのである。

 

『だから夢って奴を持てなかった……人との"繋がり"を持つのが怖くなってな…』

 

『……そんなの…』

 

 

 

当たり前だろ?

 

 

彼の話にそう言いたくなるメテオ。だが彼は止めることなく話を続ける。

 

『でもな?とあるお節介な奴にこう言われたんだよ……夢ってのはな、"時々すっごく切なくて、時々すっごく熱くなる"てな?』

 

『なんだよ、それ……』

 

『俺にもわかんなかった…前まではな?』

 

『……え?』

 

『今こうして俺は夢を持てたんだよ……だからその意味がよくわかる』

 

驚きながらも見つめるメテオを他所に巧は嬉しそうに微笑み、自分の手を見つめる。

 

 

 

 

 

『俺の夢……"世界中の洗濯物が真っ白になるように……みんなが、幸せになりますように"…』

 

 

 

 

 

仮面ライダーとして、人間として、ファイズとして……戦い続けてきた彼の"答え()"。

 

夢がなかったから…夢を見つける事が出来なかったから……誰かの"夢"を守り続けて、敵も…味方も死んで行く中、戦いの中で彼が見つけてきたもの…。

嬉しそうに語る彼の顔は……本当に嬉しくも、何処か悲しそうにメテオは見えた。

 

『……それでも』

 

『……?』

 

『……それでも!……世の中にはダークトゥダークネスや巧兄さん達が戦ってきたような奴らが腐るほどいる…!!死んだ方がいい連中が世の中には嫌になるくらいにたくさんいる!!……それでも巧兄さんは…そんな奴等の幸せを……夢を守りたいのかよ……守る意味なんて……あんのかよ?』

 

わからない……わかりたくもない…絶対にわかることなんて出来ない。

 

無理矢理改造人間にされ、今こうしてる間にも人々を殺し、あるいはさらって改造手術をするダークネスに怯えているメテオは、そこに自身の兄達がこれまで戦ってきた怪人、そして何処かで悪事を働く人間そのものにも嫌気を刺していた…。

 

そんな連中に守り意味なんてあるのか?

 

彼らと出会ってからそれがずっと疑問に思っていた彼はそれを隣で寝そべる一人の兄にぶつけた。

 

『……あるさ』

 

『ッ!?どうして!』

 

『夢は誰にでも持つ権利はある……例えそれが人間でなくても…お前やダークネスみたいな改造人間や怪人であってもな?』

 

『……俺には…わからねぇよ…』

 

誰にでも夢を持つ権利はある…その言葉が理解出来ず、メテオは頭を悩ます。

 

『今はわかんなくてもいいぜメテオ?時間はまだ腐るほどある、だから……ゆっくりとそれを探して行けよ?』

 

『……教えてくんねぇのかよ?』

 

『言うわけねぇだろ、これは自分で答えを見つけなきゃ意味がねぇんだからよ』

 

『……そうかよ』

 

答えを教えて貰えず、メテオは不貞腐するように乱暴に芝生に身を預けるように寝そべる。

それを見た巧は苦笑しながらも、微笑んで声を掛ける。

 

『なあ、メテオ』

 

『……なんだよ』

 

『ちゃんとその答えを見つけろよ?じゃねぇとお前、いつかぶっ壊れそうだし』

 

『……放っといてくれ』

 

『…………』

 

『どうせ俺は…巧兄さんのように夢を持てないし、兄さん達のように強くねぇ…ただ無気力に今を生きるだけの人形だよ』

 

優しく語る彼の言葉に、メテオは苛立つようにそう返し、自虐し始める。どうもメテオは自分を徹底的に卑屈する…自己否定的な性格なのである。

これでも今ではマシの方なのだが、それでも治らない、治そうとしない彼に自分と紘汰、士は何度手を焼いたのだろうか……思わず巧は苦笑してしまう。

 

『ならよ……』

 

『……あ?』

 

『誰かの夢を守り続けろよ?お前自身の夢が見つかるまで、空っぽな自分をその夢で埋め尽くすまで』

 

『……こんな夢も…信念も希望もない空っぽな俺が?』

 

『そんな空っぽなお前だからこそ、だ……俺もそうやって夢を見つけたからな』

 

『……考えとく』

 

いつまでも不貞腐するように顔をそっぽ向けて寝そべる彼に巧はどうしたもんだかと思いながらも、自身の手からこぼれ落ちる"砂"に気付き、再び彼に顔を向ける。

 

『……なあ、メテオ』

 

『……今度はなんだよ』

 

『……もし、それでも夢を見つけられなかったらよ…』

 

 

 

 

 

 

 

ー…俺の"夢"、お前が受け継いでくれないか?

 

 

 

 

 

 

『……はぁ?』

 

『あくまで"もしも"だ、万が一俺の身に何か起きるかもしれないだろ?だったらいっそのことお前にそれを受け継いで欲しいなって』

 

『…………』

 

何も言わずに顔を背けるメテオ、それを見て巧はやっぱり駄目だったか?と諦めた顔をするが……。

 

『……わかったよ、巧兄さん』

 

『ん?』

 

『あんたの"夢"……"世界中の洗濯物が真っ白になるように……みんなが、幸せになりますように"…って"夢"…俺が受け継いでやる、それが…』

 

 

 

 

 

 

 

ー夢も、信念も、希望もない…空っぽな俺が出来る事なら。

 

 

 

 

 

 

『……ありがとう、メテオ…やっぱお前をあの時助けて…俺達の"弟"にしたのは間違いじゃなかった…安心したぜ』

 

『……大袈裟だよ』

 

こうしてお互いに芝生に背中を預け、寝そべりながら語り合う"兄弟"。

通り掛かる人も、不思議と彼らが本物の"兄弟"のように見えているように微笑んでいる。

 

『(なあ、"真理"、"木場"…俺の……俺達の"夢"はこいつに託してもいいよな?俺はもう駄目だけど…こいつならきっと……俺達の"答え"を見つけてくれそうなんだ)』

 

こぼれ落ちてくる"砂"を見つめ、嘗て共に戦いを過ごし、"共に夢を語った女性"、共に戦い、時には理想を違えてぶつかり、最後は"夢を託して散った仲間"の事を思い馳せて微笑み巧。

 

 

 

 

 

ーこの語り合いを最後に、乾巧は"この世を去った"。

 

 

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

 

 

「…………」

 

時は現在、ゲイムギョウ界のプラネテューヌ教会。

その中のリビングにあるソファーに座り込み、考え込むメテオの姿があった。

 

 

 

『なんで…なんでその本を持ってるの……!?』

 

 

 

あの時、ふとネプテューヌの部屋で見つけてしまった一冊の本……ネプテューヌの日記を彼に見つけられてしまったネプテューヌ。

あのあと彼女は何かに怯えるようにその場から逃げ出し、この教会を出ていってしまったのである。

 

「なんだよ…これ……!?」

 

「こんな事が……この世界のプラネテューヌに…ネプテューヌさんの身に…!」

 

ネプテューヌを追い掛けたが、見失い、失意に暮れるメテオの手に持っていた彼女の日記の内容を見て宗谷と宗谷の世界のイストワールは衝撃を受ける。

 

「ふざけやがって…!あいつ一人に人々はこんな仕打ちをしたのかよ!!」

 

同じく日記を見てヒロムは怒りを隠しきれずに叫びあげる。

 

「……皆さん、それを見てしまったのですね…」

 

そこにメテオの世界のイストワールが現れ、ソファーに座って項垂れるメテオ、日記を見て衝撃を受ける宗谷と宗谷の世界のイストワール、怒れるヒロム、そしてそんな彼らに掛ける言葉が見つからずに戸惑うネプギア、絵美、アイエフ、コンパの全員が彼女に目を向ける。

 

「……これはどういう事だ、イストワール」

 

失意に暮れながらも、全員を代表して訪ねるメテオに彼女はゆっくりと重い口を開けた。

 

「…その日記に書かれている事は全て事実です…このプラネテューヌは嘗て、崩壊の危機にありました」

 

「…プラネテューヌの人々が…ネプ子にこんな仕打ちをしたことも?」

 

「ええ、ヒロムさん……それによってネプテューヌさんは徐々に心を磨り減らして行き、最後には…」

 

 

 

 

 

 

「自ら毒薬を飲んで……"自殺"しようと試みてました」

 

 

 

 

 

『ッ!?』

 

明かされる過去にネプテューヌ、そしてこのプラネテューヌに起きた出来事。

その場にいた誰もが、衝撃を受けて信じられないと言った顔をした。

 

「偶然、部屋に入ってそれを見てしまった私は慌てて止めました……そして、彼女を叱ってしまいました…」

 

当時の事を思いだし、今でも後悔しているように心痛な顔を浮かべるこの世界のイストワール。

 

 

 

ー何故こんな事をしたんですか!?貴方は今何をしようとしてたのかわかっているんですか!!

 

 

ー……わかってるよ…

 

 

ーなら、何故!!

 

 

ー…………死んじゃえばよかったんだよ…

 

 

ーえ…………

 

 

ー私なんて……死んじゃえばよかったんだよ!!こんな出来損ないで!信仰もされない駄目な女神の私なんて!!とっとと死んでいなくなっちゃえばよかったんだよ!!

 

 

ーね、ネプテューヌさ……

 

 

ーいーすんも!!私を支えてくれる補佐なのに……全然支えてくれないじゃん!!嘘つき!!お前も……お姉ちゃんも……みんな嘘つきだ!!

 

 

ーそ、それは……

 

 

ー嫌いだ……みんな嘘つきで…こんな国も…世界も……みんな嫌いだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ーこんな嘘つきばっかりの世界なんて……無くなっちゃえ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そして、女神化して飛び出し、、教会も…プラネテューヌも壊し始めたネプテューヌさんは涙を流して"大嫌い"と叫びながら暴れまくりました……」

 

顔を俯かせ、当時の事を鮮明に思い出して悲痛な思いで語るこの世界のイストワール。

その当時を知らなかったネプギアは顔を青ざめ、アイエフは何故こんな事を知らなかったのだろうと悔しげに下唇を噛み、コンパはどうにか出来なかったのかと涙を流し、口元を両手で覆う。

 

「それで……どうなったんだよ」

 

そんな中、メテオはこの世界のイストワールを眉を強く潜めて睨み、その続きを聞こうとする。

 

「……誰も止められない、止めることの出来ないまでに暴れるネプテューヌさんに私は……他国の女神達に助けを求めました」

 

「それって……」

 

「……ノワール達か…」

 

呟く宗谷とヒロムの二人に彼女は頷き、また重い口を開く。

 

「当時、未熟ながらも女神となったノワールさん達はいつもお世話になっていた彼女を止めようと懸命に戦いました……ですが当時から、先代の女神とはいかずともこのゲイムギョウ界において最強であったネプテューヌさんは抵抗し、あろうことか…他国にもその破壊活動を拡げ始めました……」

 

「お姉…ちゃん……!」

 

「そしてそのままノワールさん達も、自身の国を守ろうと躍起になってしまい……"戦争"へと発展してしまいました…」

 

「……まさか…!!」

 

"戦争"と言う単語に宗谷の世界のイストワールはある答えに行き着き、目を見開く。

この世界のイストワールもまた、それがあっていると言わんばかりに小さく頷いた。

 

 

 

 

 

「それがこの世界に起きた……"守護女神(ハード)戦争"の事の発端です」

 

 

 

 

「「「「……ッ!!」」」」

 

人々によってもたらされた"悪意"……それが"戦争"の原因となった事にネプギア、アイエフ、コンパ…そして宗谷の世界のイストワールの…世界は違えど同じゲイムギョウ界出身の面々は顔を強ばらせる。

 

「人々がネプテューヌに与えた"悪意"で…この世界はその戦争が起きたのかよ…!」

 

「"理由なき悪意"なんて何処にでもあるもんだが……これは"理由ある悪意"だろ…!」

 

「ふざけてる……こんなの…ふざけてる…!」

 

そして、地球出身の面々である宗谷、ヒロム、絵美もまた……"理由ある悪意"によってもたらされたその戦いに誰もが馬鹿げてると言わんばかりにその拳を震わせる。

 

「でも……突然としてネプテューヌさんは破壊活動を止めました」

 

「……どうしてだ?」

 

あれほど暴れていたネプテューヌが突然止めた……それを聞き、唯一なんとか冷静を保っているメテオが聞く。すると、彼女はネプギアに顔を向け、話を続けた。

 

「生まれたからですよ、ネプギアさんを初めとして女神候補生達が」

 

「私達……が?」

 

「何かの気紛れか、戦争の最中に教会に戻ってきたネプテューヌさんがネプギアさんが生まれる瞬間を見て、突然……」

 

 

 

 

ー……もう、終わりにしましょう

 

 

 

ー……どうして…ですか?

 

 

 

ー…もうこれ以上……私の身勝手で、この子や…ノワール達の所にも生まれてるかもしれない子達を巻き込ませたくないの…本当に身勝手かもしれないけども…

 

 

ーでも、もう今更止めると言ってもノワールさん達がそれを許すか…

 

 

 

ー許されなくてもいいの……今から私のシェアを……ノワール達に分け与えるから…

 

 

 

ーッ!?そんなことをすればネプテューヌさん!貴方は…!!

 

 

 

ー大丈夫、例え残りカスになっても最悪この子が生きてくれればいいの……こんな我が儘で…身勝手な私の代わりにみんなを……世界を繋げてくれれば…

 

 

 

ー……ネプテューヌ…さん……

 

 

 

ーごめんなさいいーすん……みんなも…ごめんなさい…!この子も……ごめんね…こんな駄目なお姉ちゃんの妹ととして生まれて…!!

 

 

 

 

「……それを契機に、ネプテューヌさんはノワールさん達と友好条約を結び、和解を試みてました…」

 

「……お姉…ちゃん……!!」

 

全てを語り終え、ふぅ…と一息吐き、まるで肩の荷が降りたかのような表情をするこの世界のイストワールにネプギアがその場に泣き崩れる。

 

だが彼はそうはならなかった。

 

「でも……その友好条約を結ぶときに来たんだよな…俺と…ダークトゥダークネスが……」

 

「……はい、まるでみんなと仲直りしたい、そんなネプテューヌさんの気持ちを踏みにじるかのように…」

 

「…………」

 

そう、その友好条約を結ぶあの式典に現れ、以降はこのゲイムギョウ界に住み着く事になったメテオ、そしてダークトゥダークネスの存在……。

ネプテューヌの気持ちを踏みにじったかもしれないと責任感を感じ、表情を暗くするメテオの訪ねに彼女は頷き、メテオは黙り込んでしまう。

 

「……なあ、宗谷、ヒロム…」

 

「ん?」

 

「どうしたんだよ、メテオ」

 

数分ほど黙り、徐に顔を上げたメテオは異世界の友人である宗谷とヒロムの顔を見て徐にこう口を開いてしまった。

 

 

 

 

 

「……俺は、どうすればいい?」

 

 

 

 

 

「……は?」

 

「何を言ってんだよメテオ?」

 

何かに悩み、力が籠っていない瞳を向けるメテオに宗谷とヒロムは戸惑い始める。

 

「俺が…俺達がやっている事は"正しい"のか?」

 

「な、なんだよそれ…」

 

「…わからなくなってきたんだ、今の話を聞いて……俺達が必死こいて守ってるもんが……こんなにも"悪意"に満ちていて……そんなものに守る意味なんてあるのかを……」

 

「……本気で言ってんのかよお前…!」

 

今の世界に守る意味なんてあるのか…悩み始めるメテオに宗谷は戸惑い、ヒロムは怒りの目を彼に向ける。

 

「ひょっとしたら俺達は"間違ってる"かもしれない……こんなにも悪意に満ちた世界を守るだなんて……もしかしたらダークネスの連中がそんな世界を滅ぼそうとするのも…正しいかもしれないって…」

 

「……ふざけんなよお前!!」

 

何が正しくて、何が間違ってるのか?それがわからなくなり、自分達のやっていることが全て間違いじゃないかと思い始めるメテオにヒロムは激怒し、彼の胸ぐらを掴み上げる。

 

「なら滅んでもいいのかよ…!世界が……ネプ子達が滅んでも……お前はあいつらが正しいって言うのかよ…!!」

 

「ヒロム!!おい、メテオも!!」

 

「うるせぇよ宗谷!!わかんねぇんだよ俺には!!あいつらやお前らが必死に守ろうとしているものが……こんなにも悪意に満ち溢れていて…そんなのを守ろうだなんて…!!」

 

「メテオ…お前!!」

 

「あんた達、止しなさ……」

 

 

 

 

 

「もう止めて!!」

 

 

 

 

 

 

「ネプ…ギア……?」

 

怒りを爆発させた宗谷とヒロム、もう何もかもがなかったメテオの3人のいがみ合いにアイエフが止めようとすると、ネプギアが叫びあげる。

 

「もう…みんな止めて下さい…!!」

 

その彼女の目からは涙が溢れ、全身を振るわしている。

 

「ネプギア……でも…!」

 

「お願いですから止めて下さいヒロムさん…こんな事をしても……意味なんてないじゃないですか!今こうしてる間にもお姉ちゃんは…悲しんでいるんですから!」

 

涙を流しながらも、必死に訴えるネプギアの言葉に宗谷とヒロムははっとなり、ヒロムは胸ぐらを掴んでいたメテオを離す。離され、力なく後ろへと数歩下がって尻餅を着くメテオはそのまま力なく項垂れる。

 

「お願いです…今はお姉ちゃんを……お姉ちゃんを助けて下さい!」

 

「……そうですね、今は私達がいがみ合っても仕方ありません……宗谷さん?一緒に今はネプテューヌさんを探しましょう?」

 

「え?あ、ああ……」

 

必死に訴え、頭を下げるネプギアに宗谷の世界のイストワールはそう言って宗谷に声を掛け、彼も戸惑いつつも、頷いて彼女と共にネプテューヌを探そうと部屋を……教会を出る。

 

「……そうだな、今はこいつをぶん殴ってるよりも、ネプ子を探した方が良さそうだな」

 

「…………」

 

ヒロムもまた、ネプテューヌを探そうと宗谷達を追い掛けるように教会を出て行き、残されたメテオは何も言わずにその場に項垂れる。

 

「……メテオ、あんたはどうするのよ?」

 

「……わからない…わからない……」

 

「ッ!!あんたねぇ!!」

 

そんな彼にアイエフが訪ねるが、メテオはずっとわからないの一点張りに連呼し、とうとう彼女も怒りを爆発させて彼の胸ぐらを掴む。

 

「ネプ子は……あの子はきっとあんたを待ってるのよ!!ずっと救われて…今度は救いたいと思っているあんたを!!」

 

「でも……俺なんかじゃ…」

 

「何も出来ないって?ふざけないで!!」

 

「ッ!!」

 

怒りのあまりに大きく腕を振るい、頬を強く叩いたアイエフにメテオは顔を歪める。

 

「なら一生そこにいなさい、この薄情者!!何度も救われた私やネプ子に惨めな思いをさせて!!」

 

そう叫びあげるアイエフの目には涙が溢れており、それを見たメテオは何も言えなくなって黙り込む。

「もういい!!私は私であの子を探す!!あんたには何も期待しないんだから!!」

 

そしてアイエフは胸ぐらを掴んだ手を離し、メテオに背を向けて教会を出た。

 

「…………」

 

「……メテ兄」

 

「メテオ兄さん」

 

失意に暮れ、死んだ魚のように虚ろな目をして行く兄に絵美とソルは彼の前に立ち、話し掛けた。

 

「メテ兄……確かにあたしも今の話を聞いて何が正しいのかわからなくなった、でも……」

 

「だからって、そこで立ち止まっては駄目だと思います……少なくても、信じられる皆さんだけでも俺は守る意味はあると思います」

 

「絵美…ソル……」

 

「誰も信じられないなら……目の前にいる信じてる、信じられてる人を守らなきゃダメだよ?」

 

「メテオ兄さんは言ってましたよね?"過去や未来よりも、見過ごせない今の為に俺は戦う"って」

 

「…………」

 

「ならあたし達もそれを信じて戦う、大切な人達の為に、こんなあたし達を信じてくれるみんなの為に」

 

「俺も……仮面ライダーじゃないから弱いけど…今、自分がやれる事を信じてやります、だから兄さんも、今を信じて……戦ってください」

 

そう言い残した二人もまた、メテオに背を向けて教会を出て行った。

 

「……俺は…どうすればいい?」

 

(教えてくれ巧兄さん……俺は…俺はあいつの……ネプテューヌの為に何をすればいいんだ?)

 

 

 

 

ー…………何があっても躊躇うな……いざって時には迷わず行動しろ

 

 

 

 

(……"達馬"…)

 

ふとそこに思い出す嘗ての強敵であり、最後にはわかりあって仲間となった自身と同じ"力"を宿す者の言葉。

 

「行動……」

 

 

 

 

 

ー"世界中の洗濯物が真っ白になるように……みんなが、幸せになりますように"

 

 

 

 

 

「そうだ……俺は……!」

 

嘗て共に過ごした兄の"夢"を思いだし、メテオは瞳に力を宿して立ち上がり出す。

 

「何をやってんだよ俺は……本当にバカだよ…俺はあの人の……巧兄さんの夢を継ぐって決めたんだ、なら簡単じゃねぇか…!!」

 

「メテオ……さん?」

 

立ち上がり出し、一人呟くメテオに気付いたネプギア、メテオはそれを他所に一人強く……"新たな決意"を見出だした。

 

 

 

 

 

 

「俺があいつの……ネプテューヌの"幸せ"を守ればいいんじゃねぇか!」

 

 

 

 

 

「え?ちょ、メテオさん!?」

 

「悪いなネプギア!心配を掛けちまって!」

 

「い、いえそんな……」

 

「行ってくる……この教会を頼む!」

 

「ッ!はい!」

 

突然の頼みに戸惑いネプギアだが、立ち上がり出した彼の言葉に強く頷き、メテオは急ぎバイクを止めてある場所へと向かおうとする。

 

「メテオさん!!」

 

そこにイストワールが呼び止め、メテオはその足を止めて彼女に顔を向ける。

 

「ネプテューヌさんを……頼みます!!」

 

「……任せろ!!」

 

不安ながらも、されども真剣な眼差しを向ける彼女にメテオは親指を立て、再び走り出した。

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

 

「……何処に行ったんだよネプテューヌの奴…!」

 

「こんなに探しても見つからないなんて……」

 

メテオが立ち上がり、彼もまたネプテューヌを探しに向かった頃、宗谷とイストワールの二人は停止したプラネテューヌの街を探し回っていた。

宗谷は自身の専用バイク"マシンヴィクトラー"で地上から、イストワールは自身の背中に蝶のような形をした羽を展開して空から探しているが、一向に見つかる気配がない。

 

「まさかネプテューヌの奴……森とかのダンジョンの方に…」

 

「ッ!?宗谷さん!あれを!!」

 

「……はっ?…あ?」

 

突然、イストワールが何かを見つけ、彼女の指を差す方向に宗谷が目を向けると……。

 

 

 

 

「……戦闘機?」

 

 

 

 

世界が停止している中、不自然にも空を徘徊する青い"戦闘機"を見つけ、宗谷は首を傾げる。

 

「こちらに向かってきています!」

 

「な、なんだ?うおわぁ!?」

 

「う、撃ってきま……きゃあ!?」

 

「いーすん!!」

 

すると、その戦闘機も彼らを見つけたのか、そちらへと向かい、機体の左右に付いている機関砲を彼らに向けて撃ってきたのである。

突如の襲撃に宗谷は驚き、イストワールは機関砲の弾丸を掠めてその場に留まる。

 

「い、一体なんなんだよあれは!?」

 

「こちらに敵意を向けてる…?てことはあれはひょっとして……」

 

「……ダークネスか!!」

 

「でしたら……宗谷さん!」

 

「ああ!リンク・オン!!」

 

明らか様な敵意を向けての攻撃……こんなことをするのはダークネスの刺客だと思った宗谷は赤剣とブイホを連結させ、クロス・ヴィクトリーに変身し、さらには……。

 

 

 

「行くぞいーすん!」

 

 

「はい!」

 

 

 

 

「「フォーチュンリンク・オン!!」」

 

 

 

 

隣に並び立つイストワールに声を掛け、それを合図にしたかのようにクロス・ヴィクトリーの腕にブレスレットが取り付けられ、同じくイストワールの左腕にも同じようなものが取り付けられる。

そのブレスレットの中央にはタッチパネルのような物が付いていて、その右側にネプテューヌ達女神を連想させる紫、黒、白、緑の4色のボタン、反対側には十字キーのような物が取り付けられた二人のブレス状のアイテム"リンクコネクター・ブレス"を付けた状態で二人は同時に叫びあげる。

 

すると、リンクコネクター・ブレスから光が溢れ出す。

 

 

 

 

《Fortune Link‼ Get set starting!!》

 

 

 

その電子音を合図にイストワールの体が一つの光と化し、そのままクロス・ヴィクトリーの中に吸い込まれて行き、彼と"一体化"していった。

 

その瞬間、クロス・ヴィクトリーの姿に変化が起き 始める。

 

赤かった装甲が銀色へと変わり、その上に赤いラインが走り、背中には赤と銀の色が入った一対の機械的な翼が展開され、マスクの額には"V"と描かれた角が加わる。

さらに自身の愛剣である赤剣の刃の中央に銀色のラインが加わった。

そして最後に、胸部の装甲に"X"と刻まれたシンボルマークが加わる事でその変化を終えた。

 

これが、いくつもの"絆"を紡ぎ、その力を表現させ、愛する人と一体化した宗谷……クロス・ヴィクトリーの姿の名は……。

 

 

 

 

 

"クロス・ヴィクトリー フォーチュンリンク"…。

 

 

 

 

 

「さあ、来やがれ……」

 

『油断しないでくださいね宗谷さん……なんだか、胸のざわつきが止まりません…』

 

「わかってるさいーすん……俺も…凄く嫌な予感がするんだ」

 

変身を果たした二人は、再びこちらへと向かってくる戦闘機を迎え撃とうと身構えるが、不意に感じてくる"予感"が彼らを不安に掻き立てる。

 

「この感じ、似てる……前にも…そう、"ブレイズ"と戦った時と……」

 

『あの戦闘機には一体……』

 

言い様のない不安に二人が感じていると、突如戦闘機から、人影らしき者が飛び出してくる。

その戦闘機から飛び出した人影はこちらへと向けて高速に落下してくる。

 

…来る……!

 

そう思い、クロス・ヴィクトリーは自身の愛剣を握り締め、落下して来る人影を待ち構える。

 

その人影は、両足を地に付け、その際に起きた衝撃をものともせずに激しい轟音を立てて着地する。

着地した際に起きて立ち込める砂煙の中、クロス・ヴィクトリーはその中でゆっくりと立ち上がる人影をその目に捉え、それを睨み付けた。

 

 

 

 

「……ふむ………こんなものか…」

 

 

 

 

やがて煙が止み、立ち上がった人影はまるでデモンストレーションでもしていたのか、何度も地面をその足で踏み締め、両手をグーバーと開いたり閉じたりを繰り返す。

 

「お前は何者だ、ダークネスの手先か?」

 

『お答願います』

 

その人影に向け、クロス・ヴィクトリーは赤剣の剣先を突き付け、問いただす。

するとその人影はゆっくりと背を向けていた体を彼らに向ける。

 

「……その認識は間違いではないな」

 

「……ッ!?」

 

『宗谷さん…………あれは…!?』

 

「お前、その姿…………」

 

 

 

 

 

 

「……"仮面ライダー"…なのか?」

 

 

 

 

 

ーーーその身を青と水色の防弾チョッキのようなコンバットスーツに纏い…。

 

 

 

ーーー首にはその色にそぐわない紅色のマフラーを靡かせ…。

 

 

 

ーーー漆黒の複眼をしたヘラクレスオオカブトを模した仮面を被り…。

 

 

 

ーーーその特徴的とも言える腰には…味方にも…あるときには敵にも付いていて、幾度も見た風車を模したバックルが付いたベルト…。

 

 

 

 

まさしくその姿は、"仮面ライダー"と言えるような存在が、彼らの前に姿を現した。

 

 

 

「いかにも…俺は"仮面ライダー"だ……だが、俺はダークトゥダークネスによって作られた…貴様達で言う"ダークライダー"の部類の者だな…」

 

その人影…仮面ライダーは顎に手を当て、撫でるような仕草をしながらクロス・ヴィクトリーの問答に答える。

 

「そのベルト……お前ってまさか……"神殺し"…!?」

 

「ふむ……メテオ・ソルヒートを初め、多くの神殺しのライダーのベルトを見てきたから流石に察するか……まあ、別に隠す者でもないがな…」

 

「……ッ!!」

 

『神……殺し…!!』

 

そのベルト、そして放たれる異様な威圧感によるプレッシャー……クロス・ヴィクトリーは嘗てその身に味わった強敵と似た雰囲気を察し、その正体を当てると、その仮面ライダー……"神殺しのライダー"は特に慌てる様子もなく冷静に彼らを見やる。

 

「そう、俺は仮面ライダーであり、神殺し……"停止する氷結"と呼ばれる"四人目の神殺し"……」

 

 

 

 

 

 

 

「仮面ライダー…………"フリーズ"だ」

 

 

 

 

 

 

 

突然として姿を現した四人目の神殺し、"フリーズ"を前に身も心も氷だすような錯覚に襲われ、身震いをするクロス・ヴィクトリー。

 

 

 

ーーーこの強敵を前にクロス・ヴィクトリーはどうするのか?

 

 

 

 

ーーー未だに行方知れずのネプテューヌを彼らは見つけられるのか?

 

 

 

 

ーーー果たしてこの異変を解決することが出来るのか?

 

 

 

 

その結末には世界も、そして神にも決してわからない……。

 

 

TIME 5 ~fin~




フフフ……序盤からシリアスフルスロットルの中、最後に遂に出てきた"四人目の神殺し"!!


"仮面ライダーフリーズ"!!

ちなみに彼のモデルは……。


仮面……仮面ライダーブレイド


ボディ……仮面ライダー4号


だぜぇい!!(≧▽≦)

次回はクロス・ヴィクトリー対仮面ライダーフリーズの戦い!そしてネプテューヌを探すメテオの二つの視点に刮目せよ!!

次回をお楽しみに!!

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