超次元ゲイムネプテューヌ ~嵐の仮面ライダー~   作:ソルヒート

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しばらく振りの投稿!
久々過ぎて内容がおかしいかもしれませんがそこはご了承ください!(涙)

前回、フリーズに敗れたメテオ、宗谷君、ヒロム君達……しかしここから反撃に出る!


TIME 8 ~反撃の狼煙、隠されし"真実"~時獄と天獄~

TIME 8 反撃の狼煙、隠されし"真実"~時獄と天獄~

 

 

 

 

とある異世界の"地球"……日が夕立に差し掛かるとある街の公園のベンチに上下ジャージに首にマゼンタのトイカメラをぶら下げる一人の男が一人、ポツンと座っていた。

 

「士、ここにいたんだな」

 

男性……世界の破壊者と呼ばれ、世界を旅する仮面ライダー、ディケイドに変身する門矢 士は後ろから声を掛けられるも、振り向くことなくその声に言葉を返す。

 

「世界を旅してるからな、どこにいても不思議じゃないだろ?大体、お前も似たような奴のくせに」

 

「そう言えばそうだったな」

 

いかにも俺様な態度を出す士の言葉に不快を感じる事なく、むしろこう言う奴だったなと苦笑する声の主。

士は首にぶら下げているトイカメラを弄りつつ、その声に用件を聞き出す。

 

「それで、一体何の用だ?」

 

「……お前も薄々と感じてるくせによく言うよ」

 

「………メテオの事か?」

 

恐らくこれだろうと言う士の言葉に声はああ、と頷くように短く返答して口を開く。

 

「メテオが……俺達の弟が本格的に審判に関わり始めてる、この間なんて三番目のブレイズと戦った」

 

「そして今は四番目のフリーズと戦っている真っ最中って事だろ?」

 

「………よく気付いているようで」

 

「あいつの兄として、弟の現状を把握しておくのは当たり前だろ?」

 

「…………ブラコンだな」

 

それはお前もだろ、と口には出さないが、内心そう毒づく士に声は相変わらずだなぁ…、と微笑みを溢す。

 

「で、それだけじゃないだろ?」

 

「やっぱり気付いちゃってるよなぁ……」

 

「当たり前だ、ただ旅をして戦ってる訳じゃないからな」

 

トイカメラを弄る事をやめ、ようやく声の主の方に顔を向ける士に声の主は笑うのを止め、真剣な表情で彼を見る。

 

「……"目覚め"が近い」

 

「目覚め……」

 

「あいつの……ストームの中に眠るゼ・オの力…デストロイとは違う、ストーム自身の"本当の力"が」

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

デストロイとは違う、ストーム自身の"本当の力"。

 

 

 

 

 

 

 

それが何なのか、一体どういう事なのかを知っている士は特に驚く素振りも見せずに無表情を保つ。

 

「歴代のストームの装着者誰一人として、一度も引き出すことが出来なかったストームの"本当の目覚め"……それをあいつが……"歴代最弱のストームの装着者"である俺達の弟、メテオによって引き出されようとしてる」

 

「……大体わかった」

 

淡々と……喜んでいるのか、危機を感じているのかわからない口調で語る声の主に士はいつもの台詞で返し、空を見上げた。

 

「なぁ、士……メテオは…俺達の弟は一体どこまで行くんだろうな?」

 

「さぁな、ただこれだけは言える……あいつは見つけたんだ、自分が為すべきと思った事を」

 

「……人間、神や怪人と言った人外関係なく、誰もが持つ内に秘めし光…………"可能性"…」

 

「"私のたったひとつの望み"……ゲイムギョウ界を造り出した"彼女"の願いを託され、体現した……神殺し最弱でありながら最強であり、最も多くの謎に包まれたストームの存在…」

 

「禁断の扉……いや、この場合はパンドラの箱か?それが徐々にその謎が解かれようとしてる」

 

「神にも悪魔にも、破壊者にも創造主にもなれる未知なる力を宿すストーム……その行く先は俺達にも、セレーナちゃん達にも誰にもわからない」

 

「全ては"彼女"の願いを託されたストームの力を宿す……メテオ(あいつ)次第か…」

 

誰もいない夕暮れの公園のベンチに佇む中、謎に満ちた会話をする二人は互いに空を見上げ、自分達の弟である一人の白銀の嵐の事を思い馳せる。

 

「……それで、お前はこれからどうするんだ?」

 

「……ん?ああ、これからあいつの為すべきと思った事を止めようとするマヨネーズ(バカ)にちょっとお灸を据えに行ってくる」

 

「程ほどにしてやれよ?あいつも色々と思う事があったんだからな」

 

「わかってるって、でもそれがあいつらが……巧やセレーナちゃん達が望んでるとは限らない、それこそあの戦いで犠牲になった人達の思いを無駄にしてるから」

 

「………前までは俺達もそんな感じだったけどな」

 

「わかってるって、皆まで言うなって」

 

ふと思い出したかのように士に声の主は苦笑しつつ話し、嘗て自分達が彼にやったことを思い出して皮肉気に笑う士の言葉にドキッと内心冷や汗を掻く。

 

「……もしもの事があったら頼んだぞ、"晴人"」

 

「……了解、士」

 

《テレポート・プリーズ》

 

その会話を最後に声の主、"指輪の魔法使い 仮面ライダーウィザード"こと"操真 晴人"は、右手の人差し指に指輪を嵌め、腰に巻き付いている手形を模したバックルが特徴的なベルト……"ウィザードライバー"にその指輪を当て、士の目の前から消えた。

 

「………目覚め、か」

 

晴人がいなくなり、士は一人呟く。

 

「お前はどう呼び起こすんだメテオ?」

 

 

 

 

 

 

ーーー"可能性の獣"を

 

 

 

 

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

メテオの世界のゲイムギョウ界、プラネテューヌ教会の中にあるリビングの一室。

フリーズに敗れ、時を戻されたメテオ、宗谷、イストワール、ヒロム、ネプテューヌ、ネプギア、絵美、ソル、アイエフ、プルルートの十名はこの部屋に集まり、現状の把握と今後の対策について話し合いをし始めた。

 

「フリーズ…………"達馬"の時とはまた違った感じの奴だな」

 

「ああ、女神化したヒロミの攻撃ですらも傷ひとつ付ける事が出来なかった……」

 

以前対峙した"業火の愚者"の時と同じような畏怖を感じるメテオに、もう一人の自分の攻撃をものともしなかった事に奥歯を噛み締め、拳を握り締めて悔しい表情を浮かべるヒロム。

 

「しかもシャットの奴が復活するなんて……!」

 

「一度は私と宗谷さんを瀕死に追い詰めたあの人がまた……」

 

「あたしがねぷ子を探してる間にそんな事があったなんて……」

 

そして、一度は自分達を瀕死まで追い込み、メテオとの共闘でやっと倒した相手の復活に拳を震わせる宗谷、あの時の恐怖が蘇ってしまったのか、イストワールは声を震わせる。自分の知らない所で起きた出来事にアイエフは驚く。

形の捉え方は違えど、皆この現状を重く感じていた。

 

「嘘、だよねお姉ちゃん…?あの人が……ファートゥスが蘇ったって……?」

 

「本当だよネプギア、あいつは……ファートゥスはフリーズの力でシャットと一緒に復活したよ」

 

「ファートゥス……!」

 

そしてここにも、事態を重く捉えている者達がいた。

以前、この世界のリーンボックスのズーネ地区に起きた激闘にて、メテオが再び仮面ライダーとして立ち上がり、ネプギア達女神候補生が女神化を果たし、ネプテューヌ達女神がアンチエナジーに取り込まれるも、メテオと気持ちを一つにしてようやくの思いで倒したメテオのクローンであり、メテオの宿敵、そしてこのゲイムギョウ界にて初めて姿を現したダークネス四天王の一人、ファートゥスの復活に嘗ての恐怖が蘇って身を震わすネプギアとネプテューヌ、そしてアイエフの三人。

これまで既に、ファートゥスにシャット、バグーンて戦い、勝利を掴んだ彼女達だが、最も印象に残り、トラウマとして残るファートゥスの存在に恐怖を抱いていた。

 

「その四天王が復活したって事は……それまでの事が振り出しになるって事ですか?」

 

「いや、ならないなソル、唯一バグーンだけがあの場にいなかったからあいつだけは復活してないって考えてもいい」

 

「そう……なんだ…」

 

この教会に来てから日も浅く、ダークネスの事もそこまで知ってるわけでもなく、四天王の事を知らないソルが何気なく聞くと、メテオは首を左右に振って否定する。家族の仇でもあり、最も彼に憎しみを持っていた絵美はその事に安堵する。

 

「四天王が二人だけしか復活してないのが幸いとは言え、向こうには俺達を終始圧倒した神殺しの一人、フリーズがいる……この上なく厄介な話だ」

 

だが安心はしていられないと気を引きしめた表情で言うメテオの言葉に全員が頷く。

一人だけでも非常に厄介で、メテオ、カズマ、絵美の仮面ライダー三人、ネプテューヌ、ノワール、ブラン、ベールの四女神、ネプギア、ユニ、ロム、ラムの女神候補生達全員の力を合わせてやっと互角に渡り合える実力を誇る四天王が二人に、メテオ、宗谷、ヒロムの三人が最大の力を持って挑んでも勝てない程の強大な力を持つ神殺しが一人。誰がどう見ても状況は最悪だと明らかにわかる。

 

「…………でも」

 

「……メテオ?」

 

この事態に誰もが静まり返った瞬間にメテオが口を開き、ネプテューヌを始め、皆メテオに注目する。

 

「それでも、希望はまだあるはず、ここで諦める訳にはいかない」

 

諦めを感じさせない強い決意を込めた瞳を向けるメテオの言葉に、みんな立ち上がり始めた。

 

「……そうだよな、こんな所でゲームオーバーを認める訳にはいかないよな」

 

「それに、ヒロミを散々弄んでくれたお礼参りをしてやらないとな?」

 

宗谷とヒロムもまた、強い決意に満ちた瞳でメテオに目を向ける。

相手は全次元世界を敵に回し、さらには神をも殺す程の絶大で、強大な力を持つ存在…自分達の力では到底及ばないようなちっぽけな力で、とても太刀打ちは出来ないかもしれない……。

 

でも、それでも……。

 

 

 

 

「信じるんだ、自分が為すべきと思った事を」

 

 

 

 

彼らは決して諦めようとはしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーおー、目が覚めて来てみりゃあ随分と盛り上がってんな?俺も混ぜてもらっていいかい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

不意に部屋の扉が開かれ、入ってきてや否や、軽口を叩く人物が現れる。

 

黒いジャケットを羽織り、下を白いジーパンに包んで首に一眼レフのカメラをぶら下げ、白髪の頭の上に緑のメッシュをあしらい、何処かキザったらしい雰囲気を纏う顔付きをしたエメラルドのような緑の瞳を持つ"漆黒の騎士団"……。

 

 

 

 

 

 

「……カズマ!?」

 

 

 

「よっ!また会ったな宗谷、ヒロム!そしておはようメテオにソルの坊っちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

カズマ・カスミが驚く彼らに軽く敬礼のようなポーズを決めてそこに立っていた。

 

「お前…………なんで……!?」

 

「大方、フリーズって野郎の影響だろうな?過去に起きた出来事をなかったことにする能力のお陰で俺もついでみたいな感じで俺の死もなかったことになった的な?」

 

驚く宗谷に彼は軽い口調と態度を崩さずに答え、

イストワール、ネプテューヌ、ネプギア、アイエフ、絵美、プルルートの女性陣の前に立ち、カメラを構える。

 

「おーおー、随分と鳩の豆鉄砲でも食らったようなアホな顔をしてんね君達?どうだい?この俺にパンツを撮ってもら……ヒェェェェエエエエエエエ!?」

復活して早々にセクハラ発言をするカズマの顔の左右をカタールとエネルギー弾が通り過ぎた。

 

「……目覚めて早々に騒がしいわねアンタ?」

 

「また死にたいんかな屑マ?」

 

「いえいえいえ!?そんな滅相もございません!!」

 

その正面には阿修羅を纏ったかのような怒りの雰囲気を出し、カタールを構えるアイエフとゼンリンシューターを構えた絵美が彼の目の前にそれぞれの武器を突き付けていた。

 

「ま、まあ、何がともあれ、生き返って良かったじゃないかカズマ」

 

「うぅ~ヒロムぅ~…そう言ってくれんのはお前だけだよぉ~!」

 

「おいこら」

 

「まるで俺らもお前に酷いことを言った事にすんなよ」

 

なんとかそんな二人を諌めようとするヒロムに抱き付くカズマだが、その発言にメテオと宗谷がツッコミを入れる。

 

「……お礼にヒロミちゃんと変わってあの子に《自主規制》な事を…」

 

「それは俺が許さん」

 

「がーん………!?」

 

……が、懲りずにセクハラ発言をするカズマの言葉にヒロムが真顔で断り、彼はショックを受ける……当然と言えば当然である。

 

「まあ……こうしてカズマも復活した事だし、少しは対策も………なんだ?」

 

そんな目の前の光景に呆れつつも、本題である今後の対策に戻ろうとしたメテオのパーカーのポケットからNギアの着信バイブが鳴り、彼はそれに出る。

 

「……もしもし?」

 

『メテオ、そっちの状況はどうなってるの?』

 

「ノワールか?ああ、流石に参った……フリーズの奴がファートゥスやシャットを蘇らせやがった、状況はスゲェ最悪だぜ」

 

電話の相手はラステイションの女神ノワールで、彼女はこちらの状況を聞いてきた為、メテオはこれまで起きたことを全て話した。

 

『ファートゥスとシャットが!?嘘でしょ……あいつらが……また……!』

 

「……ノワール、今は……」

 

『……わかってるわ、今はあいつらに怯えてる場合じゃないって……それに、"あれら"が完成した事を貴方に報告したかったのよ』

 

「ッ!?本当か!」

 

嘗て激闘を繰り広げた強敵の復活に身を震わすノワールだが、メテオの言葉に落ち着きを取り戻し、電話をした用件を伝えると彼は驚きの表情で彼女を見る。

 

『ええ、だいぶ苦労しちゃったわ……プラネテューヌ、ラステイション、ルウィー、リーンボックスのゲイムギョウ界全ての技術を詰め込んだユニ達女神候補生のカスタム装備』

 

『貴方がダークネスの技術を盗んでそれをこちらなりに応用しようって言い出した時は驚いたけども……お陰でこちらの技術を組み合わせた最高の装備をロムやラム達に届ける事が出来たわ』

 

『既にユニちゃん達はそのカスタム装備を使ってプラネテューヌ以外の各国で暴れるダークネスの怪人やこちらにも現れた改造されし悪魔達(カスタム・デビルズ)の鎮圧に向かっていますわ』

 

「ブラン、ベール姉さんも」

 

Nギアの通信越しからルウィーの女神ブランとリーンボックスの女神ベールも割り込んで話しに混ざり出す。

 

『後はネプギア、あの子に届けるだけよ』

 

「私のカスタム装備、"ウィングカスタム"……!」

 

「……なぁ、一体何の話をしてんだよお前ら?」

 

そこに気になり始めた宗谷がメテオに声を掛け、ヒロムも同じく気になったのか、興味津々の表情をして彼に駆け寄る。

 

「ネプギアやユニ、ロムとラムの新装備をノワール達に頼んで作って貰ったんだ……見るか?」

 

そんな彼らにメテオは、Nギアから送られてきた装備と、その装備をしたパープルシスターのイメージ図が描かれた画像を見せる。

 

「こんな感じらしいな……」

 

(……これ、ガンダム?)

 

ほほう、と画像を見るメテオの横でそう思う宗谷が見る画像には、"両肩に天使のような羽を付け、中央に淡い緑の球体が付いた胸部の青い装甲を纏い、両手に長身なライフルを持ったパープルシスター"の姿が映し出されていた。

 

(これ……どう見てもガンダムだよなヒロム?)

 

(ああ……しかもこれってEW版のウィングガンダムゼロ…だよな?)

 

(……これ、ネプギアが使って大丈夫なのか?)

 

(……さぁ?)

 

「……?宗谷、ヒロム?お前らどうした?」

 

その画像を見た宗谷とヒロムがそう思っていたのは余談である。

 

『あ、そうそうメテオ』

 

「どうしたノワール?」

 

『実はユニ達の装備以外にも、こっちの方で勝手に一つ、貴方用の装備を作ってみたの♪』

 

「…………は?」

 

突然の事を言ってウィンクするノワールに思わずメテオはマヌケな表情を浮かべてしまった。

ネプギア達女神候補生の新装備以外に作った自分用の新装備……それが一体何なのか彼には予想も検討も全く着かなかった。

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

プラネテューヌとラステイションの国境の境目にある廃工場。

そこにメテオ達の姿があった。

 

「フリーズの野郎が指定して来た場所ってのはここかい?」

 

「はい、宗谷さんとヒロムさん、メテオさんに私のNギアのメールから送られてきた場所はこの工場のようです」

 

「そうかい、いよいよフリーズって奴の面を拝むことが出来るんだな?」

 

指定された廃工場へとゆっくりと歩いて向かう中、確認の為に訪ねるカズマの呟きにイストワールが答え、彼は話の中でしか知らなかったフリーズの姿を見れると知って右拳を自身の左手に打ち込んで正面に見える工場を睨む。

 

「今度は負けない……!」

 

「ああ……勝つぞ、絶対に」

 

「行こうぜ宗谷、メテオ、カズマ、おっきいーすん!」

 

宗谷とメテオも今度は絶対に勝つと意気込み、ヒロムはそんな彼らにそう言うが……。

 

「ちょっとヒーくん?あたし達の事を忘れてない?」

 

「そーそー!私達も戦うんだから!」

 

「ノワールさん達から送られて来た新装備……使いこなしてみせます!」

 

「あたしも~、頑張る~!」

 

「それに、せっかくメテオから貰ってきたこの"プレゼント"を使ってみたいしね?」

 

「俺も……仮面ライダーではないので皆さんの足を引っ張るかもしれませんが、頑張ります!」

 

自分達の事も忘れるなと言わんばかりにヒロムをじど目で見る絵美に便乗するネプテューヌ。ネプギアは送られてきた新装備をいかにして使いこなすかと考えながらも意気込み、それを見て触発されたプルルートも気合いを入れる。

アイエフは、メテオがとある戦いにて手に入れ、彼女に渡した"プレゼント"……

黒く、無骨に象った長方形のシルエットをしたバックル、"戦極ドライバー"と果実が描かれた錠前"ロックシード"を見せびらかすようにコートの内側から取り出す。

そして自分の力量を弁えてなのか、無茶をし過ぎないようにソルは意気込んでいる。

 

「……にしても、着実に始まってるんだな……"審判"が……」

 

「ああ………なぁ、カズマ」

 

ふと呟いたカズマの言葉に頷くメテオだが、"審判"と聞いてあることを思い出した彼は不意に訪ねた。

 

「お前は知ってるんだろ?……"創造の審判の全貌"を?」

 

「………………」

 

「…………カズマ?」

 

審判の全貌……カズマが一体何を知ってるのか、何処まで知ってるのかの真意を聞きたいメテオの問いに彼は口を閉じたまま何も言わない。隣にいたネプテューヌはそんな彼の様子を不思議そうにして顔を見つめる。

 

「どういう事だよメテオ?」

 

「こいつが……カズマがこの戦いの……審判の全貌を知ってるって?」

 

そこに詳しい事情を知らない宗谷とヒロムが訪ねて来る。

 

「……お前らは知らないんだよな、こいつは…カズマはとある戦いで"審判の真実"を知ってるらしいんだ……けどこいつは何も言わないんだ」

 

「………………」

 

メテオがそんな彼らにそう話していると、ずっと表情を曇らせて黙っていたカズマが徐に閉じていた口を開いた。

 

「………あれは俺の口から言っていいもんじゃねぇ……"真実"は自分の目で確かめるしかねぇんだよ」

 

「……"真実"?」

 

突如と語りだしたカズマの言葉に宗谷は首を傾げた。

 

「………"時の牢獄が壊されし時、天の獄炎の扉が開かれる"」

 

「時の……牢獄?」

 

伝承のような言葉を出す彼にネプギアが目を丸くした。

 

「俺達神殺しは所詮、その時の牢獄……"時獄(じごく)"を壊し、天の獄炎…"天獄(てんごく)"の扉を開くための"鍵"に過ぎない」

 

「天……獄………?」

 

時の牢獄…"時獄"と天の獄炎…"天獄"。

謎に包まれしワードを出す彼にイストワールは顔をしかめる。

 

「今やってる俺達のこの戦い……創造の審判を巡るこの戦いも、所詮は時の牢獄を破壊し、天の獄炎の扉を開くための"前哨戦"に過ぎない」

 

「前哨戦!?私達の戦いが!?」

 

全ての次元世界を巻き込むこの戦いが"前哨戦"……ネプテューヌは驚きを隠せない。

 

「所詮俺達……いや、全ての次元世界で生きる人間、人外、そして神々も……

 

 

 

 

 

 

 

この時の牢獄に囚われた……言わば"囚人"に過ぎねぇんだ」

 

 

 

 

 

 

 

時の牢獄、天の獄炎……そして、自分達、否……全ての世界に生きとして生きる者全てが時の牢獄の"囚人"……。

 

今自分達が命を掛けて行っている審判の戦いも、所詮は前哨戦に過ぎないと言う事実。

その事実を前に誰もが驚愕し、誰もが言葉を失い、誰もが開いた口が塞がらない。

 

神殺しもまた、時の牢獄を壊し、天の獄炎を開くための"鍵"と言う事実に皆進めていたその歩みを止め、立ち尽くしてしまった。

 

「だが、まだ希望はあるんだ……」

 

だがカズマの話しはそれで終わりでなかった。

 

「俺達神殺しにはまだ隠された力がある……」

 

「隠された……力?」

 

険しい表情を浮かべつつもそう語るカズマにソルがオウム返しのように呟くと、彼は驚愕の表情を浮かべて立ち尽くすメテオを見つめる。

 

「メテオ……お前は感じないか?ゼ・オがお前に与えた……"デストロイ以外の力の存在"に?」

 

「……デストロイ以外の……力?」

 

驚いた表情のまま呟くメテオにカズマは頷く。

 

「神殺しなんてのは"偽りの名前"……決してそんな物騒で、呪われた存在なんかじゃない……俺達は"祝福"を受けて生まれた存在だったんだ」

 

「……どういう事だ?」

 

「神殺しなんて名前はその存在に畏怖したバカな神々が捻じ曲げてその名前を変えた偽りの名前……俺達の力の本当の名前は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大いなる"可能性"を宿し、"彼女の願い"を託された……人間と人外、神と言った生きとして生きる者達全ての"進化と可能性の先駆者"……"救世主(ディセンダー)"だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

救世主(ディセンダー)……」

 

カズマの口から告げられた神殺しの本当の名前……。

 

その力に畏怖した神々によって存在を捻じ曲げられ、いつの間にか呪われた存在に変えられてしまった進化と可能性の先駆者……"救世主(ディセンダー)"。

 

「宗谷、ヒロム、大きいイストワール様、絵美ちゃん、ネプテューヌ、ギアちゃん、アイエフちゃん、ソルの坊っちゃん……俺は…俺やメテオは決して呪われた存在なんかじゃねぇ、"彼女"の祝福によって生まれ、"彼女"の願いを託された……恵まれた存在だったんだ」

 

自身の両手をじっと見つめ、悲しい表情を浮かべるカズマにメテオはふと気になった事を聞いた。

 

「カズマ……その"彼女"って、誰なんだ?」

 

「………悪いがそれ以上は言えねぇ……ただ今の段階で言えるのは……俺達は"彼女"から託されたんだ……"可能性の獣"を」

 

「可能性の………獣?」

 

「神殺しが時の牢獄をぶっ壊す為の力を持つなら、可能性の獣は後に迎える天の獄炎に対抗するための力、としか言えねぇよ」

 

「可能性の獣……俺達神殺し……いや、救世主(ディセンダー)に託された力…」

 

次々と明かされる真実の中にあった"可能性の獣"。

ネプテューヌには何故かそれを懐かしく、何処か引っ掛かる錯覚をは感じ、メテオはそんな力が自分達の中に宿していると知って自身の拳を見つめる。

 

「……どうやら無駄話はここまでのようだぜ?奴さん達のお出ましだ」

しかしそんな感傷に浸ることは許さないと現実を叩き付けられて皆工場に目を向ける。

目を向けた先に映る廃工場には、まさに"地獄の軍団"と呼ぶに相応しき者達の光景が待ち構えていた。

 

「来たか、天条宗谷、ヒロム、そして俺と同じ力を宿す白銀の嵐メテオ・ソルヒートと漆黒の騎士団カズマ・カスミ……そして、この世界を束ねる一人、紫の女神ネプテューヌよ……」

 

「ッ!フリーズ……!」

 

「あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃッ!!ようやく来たか、兄弟ぃ!」

 

「ファートゥス……ッ!」

 

「今度こそ……今度こそ貴様達を殺す、天条宗谷、メテオ・ソルヒート!」

 

「シャット・ザ・ハード……!」

 

廃工場の入り口にて待ち構えるメテオとカズマと同じ力を宿す神殺し…否、救世主(ディセンダー)の一人、"停止する氷結"仮面ライダーフリーズがヒロムを見下すように見つめ……。

 

ダークネス四天王であり、メテオのクローンでもある"狂乱の大罪人"ファートゥス・クライムがオリジナルに当たるメテオに下品な笑いを上げて……。

 

同じくダークネス四天王であり、嘗てマジェコンヌ四天王に身を埋め、その座をマジック・ザ・ハードに奪われた"冷酷な処刑人(ブラッド・エクスキューショナー)"シャット・ザ・ハードが忌々しい目付きで宗谷を睨み付ける。

 

そして、そんな彼らに従うように群がるダークネス戦闘員達。

 

今まさに決戦とも言える状況がこの場を支配していた。

 

「……"時の牢獄の門を潜りし者達の前に天の獄炎の扉は開かれる"……その時の牢獄を司る創造の審判と言う門を、果たして貴様達が潜り抜ける事が出来るかな?」

 

「潜る潜らねぇかじゃねぇんだよフリーズ……潜るんだよ、俺達は」

 

工場の入り口の屋根の上から見下ろすフリーズもまた、カズマのように審判の真実を知っているのか、そう意味深な言葉を彼らに向けるが、メテオがそれを否定するように不敵に笑う。

 

「あぎゃぎゃ!そこに永遠とも言える絶望が待っているとしてもか?」

 

「それでも俺達は前へ進む!前へ進まなきゃいけないんだ!」

 

「例えそれがどんなに困難な道であっても!」

 

それを小馬鹿にするように下品な笑いを上げるファートゥスに宗谷とイストワールが1歩前に出て叫ぶ。

 

「時の牢獄……審判の前には例え神であろうと、如何なる力であっても無意味であってもか?」

 

「そんなのは関係ない、俺達は"可能性"を信じて突き進む……ただそれだけだ」

 

二人の言葉を一蹴せんと鼻で笑うシャットにヒロムは静かな怒りを秘めた目で睨み返す。

 

「時獄を越えた先に待ち構える天獄に、貴様達は抗えるのか?」

 

「抗うよ!それがみんなの本当の未来を閉ざしているなら!」

 

「ぶっ壊して手に入れるだけよ!」

 

「あたし達の未来は、あたし達自身で決める!」

 

「未来は……私達の手で切り開きます!」

 

「時の牢獄だが天の獄炎だが知らないが、そんなものの囚人だなんて真っ平ごめんだ!」

 

「あたし~、もう絵美ちゃんみたいな悲しい思いをする子をもう見たくないんだから~!」

 

ネプテューヌ、アイエフ、絵美、ネプギア、ソル、プルルートもまた、真実を知ってもなお、戦う決意を揺るがすことなくこの戦いに望む姿勢を見せる。

 

「……いいだろう、なら見せてもらおうか…貴様達の言うその可能性とやらを!そして、その力と思いでこの俺の闘争心を満たしてみせろ!!」

 

「おーおー!だいぶ熱くなってんじゃねぇの、フリーズの大将さんよぉ!」

 

「それは俺達もだろファートゥス?過去に奴等に負けた事をなかった事にして生き返ったとは言え、負けた屈辱は消えてないからな!」

 

「あぎゃぎゃぎゃぎゃっ!!違いねぇ!それじゃあおっ始めようぜぇ!!神殺し、異世界の勇者とはぐれ魔神に女神や仮面ライダーとか諸々交えた……とんでもねぇ殺し合いって奴をよぉ!!」

 

そんな彼らを前に、フリーズも望む所だと自身の拳を握り締め、その漆黒の複眼を彼らに向けて睨み付ける。ファートゥスとシャットもまた、フリーズに触発されて鋭い眼差しを彼らに向けて待ち構える。

 

「宗谷!おっきいーすん!行くぞ!!」

 

「おう!」

 

「はい、ヒロムさん!」

 

「おいおいお三方!俺達もそこに混ぜてくれや!」

「仲間外れはなしだよヒーくん!そっちゃん!大きなイーちゃん!」

先陣を切らんとそれぞれの武器を取り出して走り出すヒロムに宗谷とイストワール、カズマと絵美も拳とゼンリンシューターを構えて追い掛けんと走り出す!

 

「ネプギア!ソル!あたし達も行くわよ!」

 

「はい!アイエフさん!」

 

「やってやる!俺もやってやるんだ!」

 

その後に続くようにカタールを構えるアイエフとビームソードを構えるネプギアも走り出し、両手に籠手を取り付けて自身に言い聞かせるソルもまた駆け出す!

 

「あたしも~!今回は張り切っちゃうよ~!」

プルルートも、共に戦わんと人形を取り出して走る!

 

「メテオ、私達も行こう?」

「ああ………ネプテューヌ」

 

「うん?」

 

「……何でもない、一緒に行こう!」

 

そして最後に、鞘に収めた刀を取り出し、鞘を引き抜いて銀色に輝く刀身をした刀を抜いて構えるネプテューヌと、エクシアを取り出して刃を起こし、剣形態にしたメテオも共に行こうとすると……。

 

「メテオ!」

 

「なんだ?」

 

 

 

 

「メテオの事、信じてるからね!」

 

 

 

 

「……っ!………ああ!」

 

不意に後ろにいるメテオに向けて微笑むネプテューヌに、彼は一瞬見惚れるが、すぐにいつもの無愛想ながらも真剣な顔付きに戻して頷いた。

 

 

 

 

ーーーもう恐れる事なんて何もない。

 

 

 

 

ーーーだって、お互いに信じてるから。

 

 

 

 

ーーーだから戦える、前へ進める。

 

 

 

 

ーーーそれがお互いを信じ、わかり合えるものだとわかってるから……。

 

 

 

 

想いを心に秘めた嵐は、先に進む紫の女神と共に皆がいる戦場へと走り出した……。

 

 

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー目覚めて……。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーもう目覚めていいんだよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーだってあの子は見つけたから……"可能性"を……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー私が君に託した"願い"…………きっと彼なら叶えてくれるはずだから……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーだからお願い、目覚めて……神話の者でありながら神話を凌駕する"可能性の獣"……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー"可能性の一角獣(ユニコーン)"ーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TIME 8 ~fin~




……ひ、久々過ぎていつもの執筆感覚がわからない……(汗

まあ、とんでもな"伏線"を出せたからいいですけどね(笑)

次回はついに始まるフリーズとの"総力戦"!
ついでにメテオのあの"力"が大活躍しちゃうぞ♪

次回もお楽しみに!感想をお待ちしています!
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