超次元ゲイムネプテューヌ ~嵐の仮面ライダー~ 作:ソルヒート
遂に反撃の狼煙を上げてフリーズ達に挑むメテオ、宗谷、ヒロム達!
だが悪意は……"破壊"を呼ぶ…
挿入歌『ignited-イグナイテッド-』(機動戦士ガンダムSEED Destiny OP)
TIME 9 総力戦 ~悪意ハ破壊ト共ニアリ~
走り出す戦士達。
その眼前に写るは全ての世界を征服せんと目論む地獄の軍団。
それを率いる神をも凌駕する力を持った圧倒的な戦闘力を持ち、過去に戦士達に敗れたものの、その実力は遥かに強大である四天王の二人。
そして、それをも束ねる……圧倒的にして絶対的な力を宿す"怪物"。
その力は時と空間を自在に操り、ある時は時を止め、ある時は時を早め、ある時は時を遅める。そしてある時は空間を弄くり、変幻自在にものを入れ換えたり、その位置を変える等と全ての常識を馬鹿にしてるとしか思えない程全てを覆す"神殺し"……。
その身に宿す力とあらゆる攻撃をものともしない程の強固な鎧によって一度は戦士達を退いた"停止する氷結"。
あまりにも格が違い過ぎる程の強大な存在の前に、戦士達は再び立ち向かう……世界を救うため、守りたいものを守るため、自身が掲げる"揺るがぬ信念"のため……。
「相手はあの"ブレイズ"と同じくらいにヤバイ奴だ……出し惜しみはしてられない!」
先頭を走る戦士の一人……とある異世界で世界を救い、その身に宿す因果か、こことは別のゲイムギョウ界に召喚され、とある理由で女神と同じようで違う……似て異なる力を手にし、その力を己が信念の為に振るう"元勇者"ヒロムは、手を勢いよく振り上げる……自身が持つ"奥の手"を引き出す為に…。
「受けた借りはきっちり返すのが俺の流儀だからな!俺の世界に
そう叫んで振り上げた手を下ろしたヒロムの手の平には……淡い光を宿して輝くパソコンの電源マークと似た形をした光の結晶"シェアクリスタル"が浮かび上がっていた。
それを迷うことなく握り締め、彼は自身の胸に押し当てる。
そして叫ぶは……。
「レッツ………アクセス!!」
"
そもそも何故彼は"逸れ"などと呼ばれるのか?それは彼がその身に宿す"異能"の力が由縁している。
本来なら女性に宿るシェアクリスタルの恩恵、だが彼はそれを"異能"の力によって受ける事が可能になり、それ故に彼は自身の中に新たな"自分自身"と言える存在が誕生し、女神に匹敵する力を得た。
だがそれはこの
彼が得た力はそれだけに終わらなかった。
立ちはだかるもの全てを打ち砕く為の力、全ての闇を切り裂き、前へと進む為の異能の力……。
シェアクリスタルから発せられる光がヒロムを包み込み、身に纏っていた衣服の代わりにピッシリとアンダースーツが彼の体に張り付くように覆い、その上を足、膝、腰、胸、腕、肩と鮮やかな赤色の"プロセッサアーマー"と呼ばれる鎧が装着されて行く。
そして彼の背中には巨大な一対の機械的な翼が装着され、最後に……四つの角を備えた装甲と同じ鮮やかな赤の仮面が彼の顔に装着される事でその変化を終えた。
この姿こそ、彼が自身を"魔神"と呼ぶが由縁の力が結集された"異能"の力……。
女神とは違う、己が掲げる信念……"逸れ者"であってでも守りたい者を守ると決めた戦士の姿……。
「………変身完了、"魔神バニシングハート"……今ここに推参」
"魔神バニシングハート"……ヒロムが新たに得た彼の持つ最大の力を引き出した姿が、ここに降臨した。
変身を終えたバニシングハートは自身の愛刀"爆炎丸"を片手に肩に担ぐようにして持ち、眼前に写るダークネスの軍勢に向かって駆け出した。
「……あれが女神メモリーに適合した、"特異適合者"か……」
そんな彼の前に立ち塞ぐように現れた男性……ダークトゥダークネス四天王の一人、シャット・ザ・ハード。
嘗てこのゲイムギョウ界の地にてバニシングハートの戦友であるカズマと絵美、イストワールを苦しめ、最後は二人の絆を分け与えた力を得たメテオと宗谷によって倒された
「仮面ライダーと天条宗谷も忌々しいが……女神やその力を持つ貴様も実に忌々しい!」
怨念にも似た形相で向かってくる彼を睨み付けるシャットは赤色のジューサーにも似たのが特徴的なバックルをしたベルトを取りだし、それを腰に巻き付けて懐から透き通った水色に南国に生息するフルーツの一つ……"ドラゴンフルーツ"が描かれた錠前"ドラゴンフルーツエナジーロックシード"を取り出して構える。
《ドラゴンフルーツエナジー!》
「変身……!」
《ロック・オン…!ソーダァ……》
シャットはそれを開錠し、頭上からドラゴンフルーツを模した鎧が円形状の次元の裂け目から出現させ、ドライバーのバックルにロックシードを施錠してバックルの横にあるレバーを果実を搾るように押し込む。
すると頭上にあった鎧がシャットの頭を覆い被さるように落下し、彼の体がスカイブルーのアンダースーツに包まれ、頭に覆い被さっていた鎧が花開くように展開される。
《ドラゴンエナジー・アームズ!……THE・SATAN》
不気味なメロディーな音楽のテイストが鳴り響く中、変身を完了したシャットの姿は……。
ーーー上半身は赤い果実の鎧の細部分に禍々しい紫の炎を思わせるパーツが取り付けられ。
ーーー下半身には所々刺々しい黒い装甲が取り付けられてい……。
ーーー顔は西洋の騎士を思わせる仮面だが、額には"ドクロ"のレリーフが張り付けられており……。
ーーー背中にはボロボロのように不気味で禍々しい切れ布のマントが取り付けられた……。
まるで"死者"を思わせるような禍々しさを纏う仮面の戦士……。
「"仮面ライダーデューク・魔王"……死の世界で得た俺の力と……場違いな八つ当たりとは言え、怒りと憎しみをその身に味わえ!」
"仮面ライダーデューク・魔王 ドラゴンフルーツエナジーアームズ"がその姿を現した。
「良いだろう、はぐれなれども……暴れるぜ!」
突如として現れた四天王の姿にバニシングハートは動揺することもなく爆炎丸を構え、地面を思いっきり踏みつけて勢いを付け、デュークに向かって突撃する。
「そうこなくてはなぁ…!」
対してデュークも喜びとも取れるような表情を仮面の下で浮かべ、右手に持つ機械的な赤い弓"ソニックアロー"を構えて迎え撃つ。
バニシングハートとデューク・魔王、この二人がぶつかり合うのを皮切りに他の戦士達も、己の姿を変えて挑もうとしていた。
「んで、俺の相手はお前さんってか?……
「俺、倒す、仮面ライダー、ナイツ、抹殺!」
同じようにカズマの前に立ち塞がる怪人……金属の鎧を上半身に纏い、頭に無数のネジが突き刺さった"魔人"キャプテン・フランケンがズッシリと腰を低く構えていた。
「生憎こちとら、奴さんに構ってやるほどお人良しじゃねぇでねぇ……押し通らせてもらうぜ」
「ナイツ、抹殺!」
「奴さんにも訳があるように……こっちにも訳がある……ちょっとだけ付き合ってやるよ、その力比べにな」
通るなら力付くで退かしてみろと言わんばかりに立ち塞ぐフランケンにカズマはふと、いつもの軽口交えたふざけた態度を止め、戦士としての顔付きに変えてゆっくりと歩み、静かな闘志を秘めた雰囲気を出す。
ピタッと歩みを止めたカズマは両足を肩幅程広げ、上着を大きく広げ、腰に巻き付けたベルトを露にさせる。
「審判を越えて"願い"を叶える為にメテオ達を裏切ろうかと考えた俺だが、今は違う……あいつらが言う"可能性"…俺はそれに賭ける、だから……」
決意に満ちた表情で眼前に写る敵を睨み、自身のベルトをそっと手で撫でる。
「それの邪魔をする奴らは……皆ぶっ潰す!」
大きく叫んだ彼はその息を大きく吸い込み、独特の呼吸法と共に吐き出し、右手にピースサインを作りながらゆっくりとそれを前に突き出す。
「こふおぉぉぉ………!」
そして解き放つは、己の中に眠る"漆黒の騎士団"としての力を引き出すための動作。
「…………変!」
突きだした右腕を腰元まで引き、同時に左拳を入れ換えるように前へと正拳突きのように突き出し……。
「………身!!」
その左腕を垂直に曲げる!
その瞬間、カズマのベルトが輝き出し、ベルトから"漆黒の光"が溢れ出し、彼の体を包み込む!
闇にも等しい漆黒の光の中、カズマの姿に変化をもたらし始める。
黒い角が生えたコウモリを模した黄色い複眼の仮面に、赤いアンダースーツの上を覆う漆黒の鎧をした上半身、腰にローブが巻かれた黒い下地の下半身。
そして首に赤いマフラーが巻かれる事でその変化を終え、彼を包み込み込んでいた光が弾けとんだ。
それはカズマが戦士としての姿に変え、その身に秘めし力を遺憾なく発揮する姿…。
"漆黒の騎士団"の異名を持ち、神をも殺す力を秘めた神殺しの……否、"彼女"の祝福を受けてその願いを託された"可能性の獣"を宿す一人の"救世主"…。
「行くぜナイツ……これからは神殺しとしてではなく、
"漆黒の騎士団 仮面ライダーナイツ"がその姿を現した。
「救世主?違う、お前は神殺し、ナイツ!」
「言ってろ!こいつはお前らの言う呪われたもんじゃねぇ、祝福を受けた恵まれた力だ!」
ナイツの言葉を否定するように掴み掛かるフランケンにナイツは迎え撃たんとフランケンのその掴もうとする両手を掴み、お互いに力比べの取っ組み合いの状態になる。
だが、魔人としてのパワーでは向こうが上なのか、徐々にフランケンの力に押され気味になる。
「俺、お前より力強い!だから、諦めろ!」
「焦んじゃねぇよ!力比べはまだ始まったばっかだぜ!」
それに動揺することもなくナイツはわざと後ろに倒れ、前に倒れ掛かったフランケンの腹部に足を押し当て、蹴り飛ばすように突き出す……柔道で言う"巴投げ"である。
投げ飛ばされたフランケンはそのまま空中へと投げ出され、放物線を描いて地面に背中から叩き付けられた。
「さあ……気張ってこうぜ…!」
起き上がり、後ろでのたうち回るフランケンを睨み、ナイツは静かに呟いた。
「ギィーーーーー!!」
『ギギィーーーーー!!』
一方、工場へと突き進んでダークネス戦闘員達と出くわしたアイエフとネプギア、ソルの三人。
1体1体の戦闘力は低いとは言え、数で来られている以上、決して油断出来ない状態でいた。
「本当、何でこう雑魚って言うのはこんなにうざったらしく群がって来るのかしらね!」
「愚痴っても仕方ありませんよアイエフさん!」
「やるしかないんです!やるしか!」
カタールを使って戦闘員を片付けるアイエフだが、その多さに愚痴を溢し始め、ソルとネプギアがそれを諌める。
三人がそう言ってる間にも戦闘員達は彼女達に向かって来ていて、いくら倒してもキリがない状態でいた。
「……仕方ないわね………」
「アイエフさん?」
「こうなったら、早速あいつから貰ってきた"こいつ"を使うまでね!」
「あれ?それって……ベルト?」
埒が開かないと悟ったアイエフは懐からあるものを取り出す。
黒い象った長方形の形をし、中央に何かを嵌め込む窪みに、その横にある刀のような物が付いたバックルが特徴の"ベルト"……"戦極ドライバー"と、果実が描かれた錠前"ロックシード"である。
「やってやろうじゃない!あいつらが……メテオやねぷ子が全力で戦ってるんだもの!あたしも全力でやってやるわよ!」
そう叫ぶアイエフは戦極ドライバーを腰に巻き付け、その手に持つロックシードを開錠する!
《ドラゴンフルーツ!》
すると、先程シャットが出した物とは似て異なる形をしたドラゴンフルーツの鎧を頭上にある円形状の次元の裂け目から呼び出し、ロックシードをベルトに装着する!
《ロック・オン!》
「あいつらが自分の信じた事を為すなら、あたしも自分が信じた為すことを為してみせるわ!」
ドライバーにロックシードを装着した瞬間、中華テイストの音楽が鳴り響き、それを確認したアイエフは声高らかに叫び、目を瞑る。
そして彼女は両腕を目の前で交差させ、その両腕で円を描くように腕を回して顔の左側に構えた右腕を素早く右側に伸ばす!
「お願い、あたしに力を貸して………変身!」
祈るように思いを込めながら叫び、アイエフはバックルにある刀"カッティングブレード"を倒し、ドラゴンフルーツロックシードを"斬った"。
斬ったドラゴンフルーツロックシードからシンボルが展開され、彼女の頭上に浮かんでいたドラゴンフルーツの鎧が彼女の頭に覆い被さる!
『ハイ~!ドラゴンフルーツアームズ!竜・爪!ハイーヤッ!』
その瞬間、ベルトから電子音が鳴り響き、彼女の体がパールホワイトのアンダースーツに包まれ、頭に被さっていた鎧が花開く!
何処となく、女性用のチャイナ服を思わせるパールホワイトのアンダースーツの上に丸みを帯びた形をした龍の鱗を思わせる装甲に包まれし深紅のグラデーションをした鎧。
丸みのある複眼に腰まで伸びた、まるでポニーテールのような装飾が付いたのが特徴的な仮面が彼女の顔を覆う事でその変化を終える。
そして、"変身"を遂げた彼女は、両手に出現した龍の鉤爪のような籠手を迷うことなく握り締める。
これが、とある異世界の戦いにてメテオが手に入れた力を託された彼女の新たなる姿…。
「確か……"竜華"………だったわよね?"仮面ライダー竜華"、この力であんた達を冥土に送ってあげるわ!」
"仮面ライダー竜華"……大切な親友とその仲間の為にその力を振るう戦士が、今ここに爆誕した。
「退きなさい!」
そのままアイエフ、否竜華はその両手に持つアームズウェポン"竜果襲爪"を振るって群がる戦闘員を一掃する。
「アイエフさん……!」
「凄い………私も!」
その光景に呆気を取られるソルと自分も続かんとネプギアも自身の手の平からシェアクリスタルを呼び出し、それを自身の胸に押し当てる。
シェアクリスタルの光に包まれ、彼女の体に純白のレオタードが張り付き、足、腰、腕、肩、背中のそれぞれにプロセッサユニットが装着され、最後に右手に専用武器の銃剣"MPBL"が握られる事で変身を終える。
「女神パープルシスター、ここに見参です!」
その言葉と共にパープルシスターはMPBLを構え、別方向から向かって来る戦闘員達に砲撃をして蹴散らし始める。
(アイエフさんが仮面ライダーに、ネプギアも女神に変身して戦ってる……)
そんな中、一人取り残されたかのような疎外感を感じるソルはその場に立ち尽くしていた。
(やっぱり皆凄い!俺なんかじゃ到底足手纏いになるくらいに…!)
自分は"変身"出来ない……。
何故なら自分は何の特別な力もないただの"人間"だから……。
誰もそう言う訳でもなく、されども聞こえてくる囁き……。
自分は何も出来ないのかと歯痒そうに奥歯を噛み締めるソルはその拳を握り締めるが……。
(……でも、いざってなれば"こいつ"を使えば……)
ふと何かを思い出したかのようにソルはズボンのポケットの中に忍ばせていた"ある物"を誰にも見られないように取り出して見つめる。
それはある日の夜、とある人物によって託された"次世代の力"……。
誰にも見つからないようにしながらこっそりと何度もその力を試した事はあるが、実践で使った事がない未知なる力。
"オレンジと紫のCDーROMの形をしたアイテム"と"そのCDーROMを入れられる程の大きさをした形のバックル"を見つめ、ソルはそれを静かにポケットの中に戻した。
先に進んでいた者達より出遅れて走ってきたメテオ、ネプテューヌ、宗谷、イストワール、プルルートの五人。
その目の前には入り口の屋根の所でこちらを見下ろして来る神殺しの一人、仮面ライダーフリーズの姿が視界に映っていた。
「もうすぐフリーズの所だ宗谷!気合い入れて行くぞ!」
「ああ!今度は負けねぇ!絶対に勝ってみせるさ!」
戦いが始まってからずっとその場に動かないフリーズに向かって走る中、メテオと宗谷は今度こそ勝つと意気込み、決意に満ちた表情で先頭を走る。
「フォーチュンリンクになっても傷一つ付けられなかったフリーズに勝てるのでしょうか……」
「弱気になっちゃダメだよおっきいーすん!やりようはいくらでもあるはずだよ!」
その後ろで一人弱気になるイストワールに隣で走るネプテューヌが渇を入れる。
「……あれぇ~?」
そんな中、プルルートがあることに気付いた。
「…………絵美ちゃんは~?」
「ふっ!」
「ぬぅん!」
工場から少し離れた森の中、バニシングハートとデューク・魔王の二人の戦いは苛烈と化していた。
バニシングハートの爆炎丸とデューク・魔王のソニックアローがぶつかり合う度に衝撃が走り、その衝撃がいくつもの樹木を打って薙ぎ倒して行く。
戦いが始まってからものの数分、既に二人が戦っている森には何本も木が倒れていた。
「……やるな、はぐれ魔神よ…」
「…………そちらこそ、伊達に四天王と名乗っている訳ではなさそうだな」
互いに睨み合い、すぐに攻撃に出れるように身構えつつも、先程の攻防にての激戦でお互いの実力を認めあった。
「…先程までは小手調べ……ここからはこいつの力を使わせてもらうぞ…!」
「……?」
「俺を相手に森を選んだのは間違いだったな!」
疑問に思うバニシングハートを他所にデュークの複眼が光る。
すると、何処からともなく植物達が不気味に動き始め、バニシングハートに襲い掛かって来た。
「ッ!?これは……!」
「驚いただろう?貴様も知っているであろう、あのインベス達を束ねる"オーバーロード"の事を!」
「…………まさか!」
「そう!俺はそのオーバーロードの力を使うことが出来る!……このようになぁ!!」
デュークは植物達を驚くバニシングハートへと差し向けた。植物達はバニシングハートの周りを動き回りながら彼の逃げ場を封じ、両手両足に絡み付き始める。
「ぐっ……!」
「うかつだったなはぐれ魔神よ……そのままじわりじわりと痛ぶってくれる……!」
身動きを封じ、完全無防備となったバニシングハートに勝ち誇った態度で歩み寄るデューク。
何とか脱出を試みようともがくバニシングハートだが、いかせん絡み付く植物達の力は強く、なかなか千切る事が出来ない。
「…………?」
だが、ふと何かの気配に気付き、その動きを止めた。
「ふふふ………ではその命、貰い受けるぞ!」
「…………どうかな?」
それに気付かず、デュークは彼の首にソニックアローを当て、その首を狩り取らんと振り上げるが、バニシングハートの言葉にその動きを止めた。
「俺には心強い仲間がいる……早々首はやらん」
「てぇぇぇぇぇえええええええ!!」
バニシングハートが呟いた直後、何者かがデュークの背中に飛び蹴りを放ち、バニシングハートから距離を離す。
さらにその者は手に持つ武器でバニシングハートを拘束している植物を切り裂き、彼は解放されてその者に目を向ける。
「助かったぞ、"絵美"」
「とーぜん!ヒーくんのピンチにはマッハで駆け付けちゃうんだから!」
その正体とは"絵美"で、彼女は先程バニシングハートを拘束していた植物を斬ったハンマーと斧を一体化させた武器"ブレイクアクセレータ"を握り締めるながら彼に満面の笑みを見せる。
「……貴様ァ……よくも……ッ!?」
邪魔をされて怒りを見せて起き上がるデュークだが、突然飛んできた白と赤のサイドカー"シフトデッドヒート"に突き飛ばされ、再び転倒する。
シフトデッドヒートはそのまま、絵美の手元まで飛んで行き、彼女はそれを掴み取る。
「あたしも一緒に行くよ!」
「頼もしいなそれは……こうして共に並び立つのは"あの時"以来か?」
「ふふ♪そうだね!それじゃあ、一緒に行こう!」
《シグナルバイク・シフトカー!》
こ心強い味方の登場にバニシングハートは心を踊らせつつ、"久々の共闘"と言う事を絵美に言うと、彼女もまたそれが嬉しいのか、太陽のように眩しい微笑みを見せ、懐にしまっていた"マッハドライバー炎"を取り出して腰に巻き付け、バックルのパネル"ライディングパネル"を上げて手に持つシフトデッドヒートを装填する。
「レッツ……変身♪」
《ライダー!デッドヒート!》
パネルを押し込むと同時にマッハドライバー炎から電子音が鳴り響く。
体の左側に右腕を垂直に立て、左腕を水平に構えた絵美はその両腕をグルリと回して反対側に持って言って掛け声を上げる。
すると、彼女の周囲に純白な装甲とさらにその上を包み込む赤い装甲が現れ、彼女を包み込む!
バイクレーサーを思わせる装甲、その体をたすき掛けのように巻き付かれたタイヤにフルフェイスタイプの仮面を身に付け、その首にはストライプカラーのスカーフを風に靡かせるその戦士は!
「追跡!撲滅!」
眼前に写るデュークを見据え、独特なポージングを決めつつ……。
「世界も次元もぜ・ん・ぶ!越えて、い~ず~れ~も~……マッハーーー!!」
派手目なポージングを決めて見るものを魅了させるその白くて赤くてマッハな仮面ライダー!その名は……。
「仮面ライダー……マッハ♪」
最後に女の子らしく小首を傾げる絵美が変身した戦士、"仮面ライダーデッドヒートマッハ"。
名乗りを終えた彼女は手に持つ武器をブレイクアクセレータから白い前輪が付いたバイクを模した銃"ゼンリンシューター"に持ち変えてそれをデュークに向ける。
「覚悟しなさいよシャット、もう一度あんたをマッハに撲滅してやるんだから」
「そう言う訳だ……仮面ライダーとはぐれ魔神の夢のコンビ、一筋縄には行かないぞ?」
「当然!あたしとヒーくんのコンビは無敵なんだから!」
その横に並び立つバニシングハートもまた、再度爆炎丸を構えてマッハと共に駆け出すのであった。
「……ふむ、各々が戦いを始めたか……」
工場の屋根上でずっと静観していたフリーズは周囲の光景を見てそう呟き出した。
「………奴等もここに来るのも時間の問題だが…迎え撃つのもまた一興か?」
ふと下を見るとこちらに向かって走り出すメテオ、ネプテューヌ、宗谷、イストワール、プルルートの姿を見つけ、このまま彼らに挑むか否かを考えるように顎に手を当てる。
「……せっかくだ、"こいつ"を使うか……」
そう言ってフリーズがフィンガースナップを鳴らすと、工場の入り口から"赤い二つの光"が彼らを見据えた。
「ッ!止まれ!」
工場の入り口目の前まで来たメテオ達だが、何かに気付いたメテオがその足を止めて皆を静止させる。
「どうしたんだメテオ?」
「もうすぐでフリーズの所なんだよ?」
それを抗議するように宗谷とネプテューヌが言うが、メテオはずっと工場の入り口を睨んだまま何も言わない。
すると、工場の入り口からズシン…ズシン…と地響きが鳴り始め、何故彼が皆を呼び止めたかがわかる。
「地響き!?」
「一体なんだ!?」
「近付いて来る~!?」
腹の中から衝撃が響くこの地響きに戸惑うイストワールと宗谷、プルルートはそれが段々近付いて来てる事に気付く。
「ッ!工場の入り口から何か来るよ!」
そう叫ぶネプテューヌが指を差した先にある工場の入り口から、"何か"が突き破って来た。
広めに設計されてるはずの工場の入り口を突き破る程の大きさ……一体何が来ると言うのかとメテオ達は身構える。
「ッ!?あれは……そんな……!?」
「な、なんだあれ!?」
「巨大な……"ロボット"!?」
「ダークネスって、あんなのも扱うの!?」
工場の入り口から出現した"巨大兵器"……メテオは驚愕の表情を浮かべ、宗谷とイストワール、ネプテューヌはその"巨大兵器"の出現に驚きを見せる。
「こいつは"過去の兵器"とは言え、十分な性能を誇る…」
「ッ!フリーズ!!」
「行け、"マシンデストロイヤー"……全てを殲滅しろ」
そこに高みの見物をしていたフリーズが彼らから離れた所に現れ、突如として現れたマシーン"大国強襲殺戮殲滅兵器 マシンデストロイヤー"に指示を飛ばす。
指示を受けたマシンデストロイヤーはその赤き両目"デュアルアイ"を不気味に光らせ、彼らに向かって歩み出す。
「あんなのがあるなんて聞いてないぞ!」
「ダークネスは一体どれ程の技術力を……!」
マシンデストロイヤーが歩く度に鳴り響く衝撃が大地を揺るがす。
宗谷とイストワールは向こうの隠し玉に戸惑い始める。
「と、取り合えずやろうぜメテオ!………メテオ?」
このままやられる訳にはいかないと宗谷はメテオに声を掛けるが、彼はマシンデストロイヤーを見つめたままその場に動かない事に気付いた。
「おい!どうしたメテオ!メテオ!!」
「嘘だ…!嘘だ!どうしてこんな物が……こんな物がまた…!」
「メテオさん!一体どうしたんですか!?」
うわ言のように呟くメテオに宗谷とイストワールが叫ぶが、彼の耳に全く届いてはいなかった。
「止めなきゃ……こんなもの止めなきゃ…!もうこんな物は存在しちゃいけないんだ…!」
今のメテオの表情はまさに鬼気迫ると言った感じであった。
あのマシーンと彼の間に一体何があったのか……。
その事に宗谷とイストワールは疑問に思い始めた。
「おっと、そいつァさせねぇぜぇ?」
だがそれを許さんと言わんばかりに聞こえてきた第三者の声。
その声はメテオを蹴り飛ばし、ネプテューヌを掴んで彼の近くに投げ飛ばす。
「……ぅ!」
「きゃあ!」
「あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!よぉ!またお前らと殺し合えるな兄弟!女神様よぉ!!」
「ファートゥス……!」
「テメェ…!」
その正体はメテオのクローンであり、"狂乱の大罪人"と呼ばれるダークネス四天王の一人であり、嘗てその力を振るって一時はゲイムギョウ界を震撼させ、再び仮面ライダーとして立ち上がったメテオと彼に力を貸した女神達によって倒された"ファートゥス・クライム"であった。
特徴的である下品な笑いを上げるファートゥスにネプテューヌは睨み付け、メテオは忌々しいと言った表情で睨む。
「退けよファートゥス…!俺はお前に構ってる暇はねぇんだよ…!」
「あ~?聞こえねぇな兄弟、せっかくの再会なんだ……もっと楽しく行こうぜぇ~?」
「ッ!相変わらずふざけた態度して…!」
怒りに満ちた形相で睨むメテオに対し、ファートゥスは小馬鹿にするようにわざとらしく耳を立てて聞こえないフリをする。
相変わらずの人を馬鹿にするような性格にネプテューヌは眉を潜める。
「あ~…せっかくだ、良いことを教えてやんよぉ~……あのマシンデストロイヤーにはよぉ?」
「ッ!!」
「お前さんの事が大好きで大好きでたまんねぇ"あいつ"が乗ってんだぜぇ?」
「……ッ!?まさか!?」
突然呟いたファートゥスの言葉にメテオならず、ネプテューヌや宗谷、イストワール、プルルートまでもがマシンデストロイヤーに目を向けた。
『い"た"い"……ッッッ!!い"た"い"よ"ぉ"ぉ"……ッ!!』
マシンデストロイヤーから聞こえてくる"彼女"の声……メテオを初めとしてその場にいる者達の予感は確信へと変わってしまった。
「そうだな……確か、"シンシア"ってガキが乗ってんだっけな~?」
それを聞いた瞬間、その場にいた誰もが頭を殴られたかのような衝撃に襲われた。
シンシアがあのマシーンに乗ってる?
なんで?
無理矢理乗せられた?
だとしてもいつ?
何の為に?
いくつも思い浮かぶ"疑問"……。
ただ……ただ確かなのは……。
ーーー"シンシアがマシンデストロイヤーに乗っている事"
「…………ふざけんなテメェらぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!」
《Destroy from……Awakening take off》
怒号に溢れたメテオの叫びが辺り一帯に木霊し、彼のベルトから電子音が鳴る。
そして彼の姿に変化が起きる。
《Perfect Destroy……DEAE・END》
彼の怒りに答えるように電子音が鳴った瞬間、彼の身体から赤い光が放たれ、その光は天を登るように伸びて行く。
そして目覚める"究極の破壊"。
メテオの首に深紅のマフラーが巻かれ、上半身にクリスタル状に輝く装甲をした鎧が装着され、下半身には紺色の下地のアンダースーツが包み込み、脛に何枚も連なる銀色のプレートが取り付けられる。
そして顔には、バッタを模したオレンジの複眼をした仮面が覆い被さった。
これが"白銀の嵐"……メテオが戦士として戦う決意を決めた姿"仮面ライダーストーム"である。
だが、メテオの変化はそこで終わらなかった。
全身を血管のように駆け巡る血のように赤いライン"デストロオーラ"、両肘両足に装着される鋭い棘"デストラッシャー"、意思を持つかのように重力に逆立つ赤いマフラー……。
オレンジだった複眼は血のように真っ赤に染まり、まるで地獄の業火を思わせるような禍々しい形へと変貌……口元のクラッシャーは悪魔が"笑って"いるかのような不気味な形状へと変わった……。
これが……森羅万象、古今東西、ありとあらゆる全てを"破壊"せんとその圧倒的な存在感を放つ"破壊神"へと変貌したストームの中に宿る"究極の破壊"の力にして最強の姿……。
「止める……!あのマシーンを……何としてでも……破壊する!!」
"仮面ライダーストーム パーフェクト・デストロイヤー"が視界に映る殺戮マシーンと、それの邪魔をする己のクローンを破壊せんとその姿を現したのである。
『あ"、あ"あ"……あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"あ"あ"あ"あ"あ"ッッッ!!』
「そこを退け……ファートゥスゥゥゥゥゥウウウウウウウウウッ!!」
聞こえてくる"彼女"の苦痛を交えた悲鳴……地の底から震えて上がるような破壊神へと変身したメテオ…ストームが立ち塞がるファートゥスと言う障害を退かさんと走り出す。
「あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!いいねぇ!お前のその必死な姿!そして目覚めた究極の破壊の真の姿!こいつぁたまんねぇよぉ!!」
だがファートゥスは完全なる究極の破壊を解放したストームの姿を見てもなお……余裕で、下品な笑いを上げて相手を馬鹿にする態度を崩さなかった。
「行くぜぇ、兄弟!こっちもハナから飛ばしてなぁ!!」
するとファートゥスの身体から"漆黒の炎"が灯し始めた。
「あぎゃぎゃぁッ!!そっちが"破壊神"なら、こっちは"死神"だぁ!!」
下品な笑いを上げるファートゥスはそのまま漆黒の炎に全身を包まれ、その姿を変えて行く。
上半身は筋肉質のある白い肉体に変貌し、胸元には"XXX"と刻まれた"ナンバープレート"が取り付く。
下半身も上半身と同じく、筋肉質のある白い肉体となり、足から腰に目掛けてオレンジ色の枝分かれした細かいラインが走る。
そして顔は"鬼"を思わせるような形となり、白い鬣が特徴的な姿となる。
最後に……彼の背中から漆黒の布が現れて彼に巻き付き、まさに"死神"と呼べるような姿になることでファートゥスの変化は終わった。
「……"ハイブリッド・デスサイズ"…さぁ、こいつでテメェらを死へと誘ってやんよぉ……」
「メテオ……!」
「なんとかしなきゃいけないんだあれは……!絶対に止めなきゃいけないんだ……俺が…!」
以前と戦った時とは違う姿、違う雰囲気を纏うファートゥスにネプテューヌは隣にいるストームを見るが、今の彼の目にはファートゥスが映ってなく、その後ろで今にも暴れかねんと言った様子で佇むマシンデストロイヤーを止めるとしか頭になく、それしか目に見えてなかった。
「っ!……変身!!」
焦りに駆り立てられる彼を見てネプテューヌはやむ得ずと自身の目の前にシェアクリスタルを掲げ、それを自身の胸に押し当てる。
シェアの光に包まれ、体型が大きく成長し、髪色もピンクから、三つ編みのツインテールをしち紫色の髪に変え、全身をレオタードのスーツに身を包み、足、腰、腕、肩、背中にプロセッサユニットを纏ってネプテューヌは紫の女神"パープルハート"へと変身した。
「メテオ、私が前に行くから貴方は援護を……」
「止める……止めてやる…!絶対に……!!」
「メテオ!!」
「……うるせぇ!!」
変身を終えて太刀を構えるパープルハートは隣でぶつぶつと未だに呟くストームに指示を飛ばすが、彼は聞く耳を持たず、むしろ逆上したかのように叫んだ。
ーーー今だ!メテオ、撃て!撃つんだ!!
ーーーザック!?……でも…!
ーーー今ここで撃たなきゃ!僕達の街が滅ぶんだよメテオ!!
ーーーミッチ…!でも俺は……!!
ーーーいいから早く撃て!メテオォォォォォオオオオオオ!!
ーーー…ッ!!……ぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああ!!
ーーー…メテオ………
ーーーッ!?………"玲奈"…?
ーーー死ぬって………凄く怖いんだね
ーーー……ッ!!撃てねぇぇぇぇぇぇえええええええええええ!!
ーーーメテオ……馬鹿野郎ぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!
『ハイー!ブトウ・スカッシュッ!!』
ーーーッ!?おいミッチ、駄目だ……撃つなぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!
ーーー………君が悪いんだよメテオ……君が……君が撃たなかったから僕が彼女を……それに街だって、今よりももっと酷くなっていた……いや、今でも十分酷い……どうしてくれるんだよメテオ……街が……僕達の街が!!
ーーー俺が悪いのか……俺があそこであいつを……玲奈を………止められなかったから………
ストームの脳裏の中に過る"過去の記憶"……嘗て元の世界にも現れたマシンデストロイヤーとの戦いで起きた、彼の"悲劇"……。
(繰り返すもんか!絶対に!何がなんでも……!!)
今、目の前でまたそれが繰り返されようとしている……ストームにとって、メテオにとってそれは絶対に避けたい事であった。
(あいつを止めなきゃ……あの中にいるシンシアを助けなきゃ……玲奈の二の舞になることを止めなきゃ……)
ダークトゥダークネスと言う"悪意"がもたらす悲劇と言う"破壊"……これは今ここに始まった訳でもなく、それは数十年、数百年、数千年、数万年、数億年と人間人外神……ありとあらゆる存在が繰り返してもたらした愚行……。
宇宙が誕生し、世界が生まれてからずっと続いて来たそれは最早当たり前と言う認識となったと言っても過言ではない。
そう、それ故に……。
ーーーーー悪意ハ破壊ト共ニアリーーーーー
TIME 9 ~fin~
……さて、白宇宙さんから苦情が来るのを待ちますか(・ω・)←悟り顔
だってあの人のキャラにこんな仕打ちをしてしまうんだもの!!( ; ゜Д゜)
……まあ、反省はしてませんけどね(おい
いかがでしたか?
次回はそれぞれの場所で戦う戦士達の奮闘ぶりと、遂に動き出す……マシンデストロイヤー……。
次回もお楽しみに!感想お待ちしています!!