超次元ゲイムネプテューヌ ~嵐の仮面ライダー~   作:ソルヒート

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おおう……気付けばこのコラボももう10話まで達しとる……この作品のお気に入りも140行ったし……。

もうこれから何処まで行けるか、トコトンやってみるしかないですねこれは!

繰り広げられる激戦、動き出す殺戮マシーンとそして……。




TIME 10 総力戦~目覚めの芽吹き~

TIME 10 総力戦~目覚めの芽吹き~

 

 

 

プラネテューヌとラスティションの間の国境にある小さな廃工場にて火蓋が切って下ろされた戦い。

 

仮面ライダーフリーズ率いるダークトゥダークネスの軍勢と激戦を繰り広げる戦士達。

 

「はぁ!」

 

「ふぅん!」

 

「こんのぉ!」

 

「その程度か!」

 

工場から少し離れた森の中で戦いを繰り広げる異世界のはぐれ魔神バニシングハートと仮面ライダーデッドヒートマッハのコンビとダークネス四天王の一人、シャット・ザ・ハードが変身する仮面ライダーデューク・魔王。

バニシングハートが振り下ろす刀、爆炎丸をデュークはその手に持つ機械的な赤い弓ソニックアローで受け流し、マッハは前輪が付いた白いバイクを模した銃、ゼンリンシューターの前輪部分、ゼンリンストライカーを横に振るって背後から奇襲を掛けるが、ソニックアローで受け止められて逆に腹部を蹴り飛ばされて反撃を受ける。

 

「ふん、所詮は貧弱なる者か……力に長けた魔神と速さに長けたライダーの二人が力を合わせてこの様だものな?」

 

「絵美、大丈夫か?」

 

「……うん、お腹を蹴られた程度だから何ともないよ!」

 

反撃を受け、片膝を着くマッハにバニシングハートが駆け寄ると、マッハは何ともないような姿勢を見せて立ち上がる。

それを見たデュークは見下す態度で二人を見据える。

 

既に戦ってから数分、連携で挑むバニシングハートとマッハだが、いかせん決定打が打ち込めていない。

パワーと防御に優れるバニシングハートが牽制で前に出て、スピードに優れたマッハが本命として死角から攻めるパターンで挑んでいるも、デュークはそれを読んでいたかのように事如く防いだりと封殺される。

 

「……だが、これでやっと奴の戦い方が読めた……ここから一気に攻めに出るぞ」

 

「……うん!」

 

《バースト!キュウニ!デッドヒート!》

 

だがそれはほんの様子見……これまでの攻撃は全て相手の出方のパターンを読み取るまでの探りであった。

攻めに掛けると出たバニシングハートの言葉に頷いたマッハは、ベルトのブーストイグナイターを4回叩き、全身に赤い紫電のエネルギーを纏ってバーストモードになる。

 

「……行くよ!」

 

その言葉を合図に地面を蹴った瞬間、その場から消えるようにロケットスタートしたマッハはゼロ距離までデュークと距離を詰めると、ゼンリンストライカーでありったけ殴り付ける。

 

「でぇぇぇぇぇやぁぁぁぁああああああ!!」

 

「っ!ぬぅぅぅぅうううううううう………!!」

 

予想以上の速度と連続攻撃に呆気を取られ、何とかソニックアローで全てを防御するデュークは防戦一方となる。

やがて、バーストモードによる限界稼働状態が解除されたマッハはデュークの目の前で突然横に転がって距離を取る。

 

「追加だ、遠慮なく受け取っとけ」

 

「むっ!?」

 

すると、先程マッハがいた場所の方から声が聞こえ、デュークは振り向くと、そこには倒れた大木を持ち上げて投げる体勢に入ったバニシングハートの姿が見え、彼がそれに気付いた時には既に遅く、バニシングハートは持ち上げた大木を豪速球とも言えるような速度で投げる。

それに反応出来なかったデュークは直撃を貰い、大きく後ろへとぶっ飛ばされる。

 

『シグナルコウカン!カクサーン!』

 

「あたしからも追加オーダーだよ!」

 

「ぬぉぉぉぉぉおおおおおおお!!」

 

そこに追撃を掛けるようにベルトに青いバイク"シグナルカクサーン"を装填したマッハがゼンリンシューターで拡散光弾を放ち、畳み掛ける。

 

「絵美、今度は俺が前に行く、援護を頼む」

 

「任せてヒーくん!」

 

今度は自分が行くとバニシングハートは再び愛刀を構え、マッハに援護を任せると、よろよろと起き上がるデュークに接近し、袈裟懸けに爆炎丸を振るう。

 

「舐めるな!」

 

やられてばかりでないとデュークは左手から鍔に銃が付いた刀"無双セイバー"を出現させると、その攻撃を受け止めた。

 

「何………?」

 

「貴様は知らないだろうが、このデューク・魔王は"斬月・極"を発展させたライダーなのでなぁ………鎧武・極アームズのようにあらゆるアームズウェポンが使える!」

 

「ちぃ……!」

 

予想外の能力にバニシングハートは舌打ちして距離を取るために後ろへ下がる。

そう、シャットが変身するこのデューク・魔王は嘗て彼が変身し、メテオと宗谷のコンビに敗れたものの、その猛威を振るっていた"仮面ライダー斬月・極"を発展させた仮面ライダーなのである。

 

バニシングハートが下がったのを確認したデュークは左手に持つ無双セイバーをブドウを模したハンドガン"ブドウ龍砲"に持ち換え、後ろに控えるマッハに紫の弾丸を放つ。

 

「ちょ!?うわわわわわわわ!!」

 

突然こちらに攻撃してきた事にマッハは慌てて飛び込むように横へ跳んで回避する。

 

「覚悟するがいい、そして……改めて思い知るがいい………ダークネス四天王の実力を!」

 

右手にバナナを模した槍"バナスピアー"を、左手にマンゴーを模したメイス"マンゴーパニッシャー"に持ち変えてそれらを引き摺るように歩くデュークを前にバニシングハートとマッハは戦慄を感じた。

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

 

「こん……のぉお!!」

 

「やぁぁぁああああ!!」

 

別の場所にて、工場の横にある建物の近くでダークネス戦闘員達と戦っているアイエフが変身する竜華とパープルシスターはその数の多さに内心舌打ちをした。

1体1体は別に大したことない、苦戦する程でもないただの雑魚。ゲイムギョウ界で言えばスライヌと何ら大差ない程度の連中である。

だがいかせん数が多すぎる……塵も積もれば山となると言う諺を体現するように数の暴力で攻めかかる戦闘員達を前に竜華とパープルシスターは徐々に押されて来てるのである。

 

「こいつら、一気に蹴散らそうとしても……!!」

 

『ハイーッ!ドラゴンフルーツ・スカッシュッ!』

 

「冥龍……螺旋撃!!」

 

ベルトのカッティングブレードを1回倒し、竜果激爪を上に構え、ドリル状に回転しながら戦闘員達の群れに突っ込む必殺技の"冥龍螺旋撃"を決める竜華だが……。

 

「ギギィーーー!!」

 

『『『『ギィーーーーッ!!』』』』

 

「数が、多すぎます!ミラージュダンス!!」

 

無限にでも沸いてくるかのように現れる戦闘員達に顔をしかめるパープルシスターはMPBLを握り締め、舞うように踊る剣技"ミラージュダンス"で1体1体を確実に切り裂いて倒すが、それでも減る様子が見られない。

 

「それでも……それでもやるしかない!うぉぉぉぉおおおおおおおお!!」

 

それでも一人奮闘するソルは戦闘員の1体を背負い投げのように投げ飛ばし、左右からナイフを構えて突撃してくる戦闘員を回避して同士討ちさせ、背後から奇襲してくる戦闘員の顔面に肘鉄を食らわせる。

 

「行くぜオラァァァァァアアアアアアア!!」

 

「ッ!」

 

ふと離れた所で叫び声が聞こえ、竜華がそちらに顔を向けると、カズマが変身する仮面ライダーナイツと改造されし悪魔達(カスタム・デビルズ)の一人、キャプテン・フランケンと一騎討ちをして激闘を繰り広げていた。

 

「行くぜキャプテン・フランケン!!」

 

互いに宙に跳んでぶつかるナイツとフランケン。

ナイツは一瞬の隙を突いてフランケンの片足を掴み、フランケンを逆立ちの状態にさせて彼の両腕を踏みつけるように両足を乗せ、彼の両足を両手で掴む。

 

「反転ブリッカァァァァアアアアアアッ!!」

 

空中で相手の四肢を封じた状態で頭から地面に叩き付けるナイツの"反転ブリッカー"がフランケンの頭を地面へと叩き落とす!

 

「へっ、どうだい……いねぇ!?」

 

技が決まり、地面にクレーターが出来上がる程の威力で叩き落としたナイツだが、立ち込める砂煙が治まり、フランケンが消えた事に気付いて周囲を見渡す。

 

「カズマ!後ろよ!!」

 

「ッ!何……!?」

 

竜華の叫びも虚しく、背後の地面から出てきたフランケンにチョークスリーパーで首を締められてしまうナイツ。

 

「効かない、俺、お前の攻撃、効かない!」

 

「……へっ、上等だぜ…!」

 

頭から叩き付けられたにも関わらず、何ともないように振る舞うフランケンはそのままチョークスリーパーを決める腕に力を込めてナイツを締め上げるが、ナイツは苦しそうな声ながらも余裕の態度を崩さない。

 

「カズマさんが押されてる……!」

 

「不味いわね……助けに行こうにもこいつらが邪魔で…!」

 

「くっ!カズマさん!」

 

それに気付き、助けに行こうとするパープルシスター達だが、それを許さんと阻む戦闘員達によって助太刀に行けない。

 

「おいおい……情けねぇ声を出してんじゃねぇよお前ら……俺はまだまだこんなもんじゃねぇんだ……ぞ!!」

 

「ぬぅ!?」

 

「どらぁぁぁぁあああああああ!!」

 

しかしナイツは平気と言わんばかりに声を上げ、首を締めるフランケンの右手の小指と薬指の2本を同時にへし折り、苦痛に顔を歪めるフランケンを強引に振り払う!

 

「はっ!流石に指を折られるのは痛いってか?」

 

「貴様……!」

 

「来いよウスノロ、その顔を泣きっ面にしてやるまでぶん殴ってやんよぉ!!」

 

指を折られて悶絶するフランケンに立ち上がったナイツはクイクイと指で挑発し、拳を握り締めながら構えた。

 

 

 

 

『ア" ア" ァ" ………!!…ァ" ァ" ァ" ァ" ァ" ア" ア" ア" ア" ア" ア" ア" ア" ア" ア" ア" ア" ……ッッッ!!』

 

「シンシア……!」

 

「シンシアさん……」

 

工場の入り口前にて立ち塞がるように佇む破壊の巨人マシンデストロイヤーを見つめる宗谷とイストワール。

そのマシーンを動かしてる……いや、この場合は動かされると言えばいいのだろうか?シンシアの絶叫が辺り一面に響き、巨人もその悲鳴に合わせるように天を見上げていた。

 

「……いーすん、やるぞ」

 

「……はい、こんなものを止めて……シンシアさんを助けないと行けませんから」

 

そう決意を込める宗谷とイストワール。

この巨人にはまだ腑に落ちない点が幾つもある……何故シンシアがこのマシーンに乗っているのか?何故メテオはこのマシーンを見て我を忘れ、取り乱したのか?メテオとこのマシーンにはどんな因縁があるのか?……一々例を挙げたらキリがない疑問を抱えるが、今二人がやるべき事は一つ。

 

「絶対に助け出してみせるからなシンシア!」

 

「それまで我慢しててください!」

 

『た" す" け" て" ……ッッッ!!い" た" い" よ" ぉ" ッッッ!!』

 

あのマシーンに囚われているシンシアを助け出す事。

それを決めた宗谷は自身の変身アイテム"V.phone"と自身の愛剣"赤剣"を取り出す。

 

 

 

 

「リンク・オン!!」

 

 

 

自身が掲げた二つのアイテム……赤剣の刃にV.phoneを連結させると、彼の周囲に光が浮かび上がり、それが装甲へと変化して彼の身体の身に纏われて行く。

白地に鮮やかな黄色のラインのアンダースーツに包まれし彼の、両手、両腕、両足、胸、頭へと装甲が装着されて行き、首にはストームやナイツと同じ深紅のマフラーが風に靡くように巻かれる……。

 

最後に、赤い仮面の額に刻まれる特殊なVのシンボルマーク携え、その姿を現した宗谷の……彼の"赤き勝利の勇者"としての姿……。

 

その名を"クロス・ヴィクトリー"、赤き勇者が眼前に映る破壊の巨人を止めるべくその姿を現した。

 

 

「モード……アクティブ」

 

 

 

そして、彼の隣に並び立つ異世界の"司書"もまた、共に戦うべく己の姿を変える。

 

両肩に機械的な装甲を纏い、背中には半透明な蝶の翅のような形をした羽が展開され、右手に白い細剣が握られる事でその変化を終えた。

 

これが彼女の……イストワールが戦う決意を持った姿"モード・アクティブ"である。

 

「絶対に止めるぞ、いーすん!」

 

「はい!これ以上あの子を苦しめる事は、許せません!」

 

共に並び立つ勇者と司書……その目の前にいるは全てを殲滅せんと佇む破壊兵器。

 

『ァ" ァ" ア" ア" !!や" め" て" ぇ" ッ!!』

 

二人が変身を終えると同時に、その殺戮マシーンは動き始めた。

 

「来るぞいーすん!」

 

「はい!」

 

それを確認した二人は左右に別れる。

同時に、マシンデストロイヤーの胸部から、強力な熱量が籠った砲撃が放たれ、二人がいた場所から、その後ろ先まである森を一瞬で焼け野原に変えた。

 

「ッ!……なんて威力…!」

 

「あれに当たる訳にはいかないな……いーすん!」

 

「ッ!!」

 

放たれた砲撃の威力を見て二人は息を飲むが、クロス・ヴィクトリーは何かに気付き、イストワールに叫ぶ。

それに気付いた彼女が後ろを振り向くと、マシンデストロイヤーが捕らようとその大きな巨体を動かして巨大な手が彼女に迫ってきていた。

だが、その手は横から風を斬るような音を立てて飛んでくる何かによって弾かれた。

 

 

「……ほんっと、ダークネスって最低な連中が多いわよねぇ~……」

 

 

 

不意に聞こえてくる声、クロス・ヴィクトリーとイストワールはその声に聞き覚えがあり、無条件に相手の背筋を凍らせるような妖艶な"女性"の声……。

振り向くとそこにはずっと沈黙を保ち、静観していたはずのあの少女が、いつの間にか"女神"へと変身をしてその武器を振った体勢でそこにいた。

 

「……プルルート!?」

 

「い、いつの間に女神化を……」

 

「そっちゃんといーすん、あたしもこのデカブツの相手するの混ぜてもらっていいかしら?」

 

女神化したプルルート……"アイリスハート"が静かな声でマシンデストロイヤーを睨み付け、彼らの助太刀にやって来たのであった。

 

「あ、ああ……助かるよ……」

 

「な、なんでしょう……何時もなら恐ろしい事を言ったりするプルルートさんが、違う形で怒ってるように見えます……」

 

「……そっちのあたしがどうだか知らないけどぉ……あたしぃ、ダークネスの事凄く許せないのよねぇ……」

 

自分達の知るプルルートとは違う雰囲気を見せる彼女にクロス・ヴィクトリーとイストワールの二人は戸惑うも、当の本人は特に気にする様子もなく、静かにマシンデストロイヤーを見つめる。

 

「ここに来たときも言ったけどぉ、あたしはもう絵美ちゃんのような悲しい子はもう出したくないのよねぇ……」

 

知る人からすれば全く違うベクトルで放たれてる彼女の怒り……それは嘗て自分がいる神次元にやって来た子供……絵美の存在。

始めまだ幼かった頃の彼女はプルルートを始め、誰にも心を開かず、家族とも言える孤児院の子供達や育ててくれたメテオの祖父母を失った事と、未だに脳裏に映るダークネスへの恐怖に怯えていた。

自分達の奮闘によって何とか立ち直り、孤児院にいた頃よりもかなり明るくなって心を開いて自分達と友達、家族となった絵美。

だがそこに再び彼女の前にダークネスが現れ、再び怯える彼女を守る為にプルルートもまた、戦った。

ゲイムギョウ界に生息するモンスターとは違うベクトルで、手強い怪人達に苦戦を強いられてしまった。

そんな中、絵美が偶然怪人からベルトを奪い、仮面ライダーとして戦いに身を投じてしまった事に心苦しくプルルートは感じていた。

本来なら戦いとは無縁に生きて、普通の女の子として生きれた絵美だが、プルルートを始め、そこに生きる人達の為に戦う戦士として生きる道を選んでしまったから……。

それ故にプルルートは責任を感じていた。

 

 

 

ーーー早くダークネスとの戦いを終わらせて絵美を普通の女の子として生きさせる為に……。

 

 

 

 

「アンタ達のような外道のせいで、絵美ちゃんは……!!」

 

目の前にいるマシーンもまた、絵美のように巻き込まれてしまった者であり、その怒りをぶつけるのは間違い、八つ当たりなのはわかっている。

だが、プルルートはそれでも怒りを感じられずにはいられなかったから……。

 

「待っててちょうだい……アナタを助けて、その苦しみから解放させてあげるから……!」

 

『う" ぁ" あ" あ" あ" ッ!!』

 

怒りの感情が勝りつつも、クロス・ヴィクトリーとイストワールの二人と同様にシンシアを助けたいと思うプルルートもとい、アイリスハートは何とか彼女を助け出そうと模索しつつ、自身の愛剣を構え、彼女を閉じ込める巨人に飛びかかった。

 

 

 

 

 

「おいおいおいおいぃ……やる気あんのかお二人さん?……そんなもんじゃねぇだろぉ?」

 

「くっ!」

 

気付けばあのマシンデストロイヤーからは視界には映るものの、今すぐには迎えない位置まで距離を離された場所で戦うネプテューヌことパープルハート、メテオこと仮面ライダーストーム パーフェクト・デストロイヤー。

そして、彼らがマシンデストロイヤーに近付くのを妨げるダークネス四天王の一人、ファートゥス・クライムが変身するハイブリッド・デスサイズ。

デスサイズはその手に持つ武器"リッパー"と呼ばれる死神を思わせる大鎌を肩に担いで二人の前に立ち塞ぎ、妨害をされてどうするかと思考するパープルハート。

その隣にいるストームはずっと顔を俯かせて黙ったままである。

 

「おいおい兄弟、一体どうしたんよぉ?せっかくの再会と殺し合いなのにずっとそこに立ちっぱじゃねぇか……さっきから俺にぶつかってくんのはそこの紫女神様だけだぜぇ?」

 

「メテオ……」

 

「…………」

 

デスサイズの言う通り……先程から彼と戦っているのはパープルハートだけで、ストームはその場に立ち尽くして動かないでいた。

そんな彼を嘲笑うように見るデスサイズにパープルハートは心配そうに見つめる。

 

「………けよ……」

 

「あ?」

 

「…………退けって言ってんだろファートゥスッ!!」

 

突然、激怒の声を上げて背中に備わってる2本の剣……悪魔の片翼を模した"ルシファー"と魔獣の角を模した"ディアブロ"を抜いて彼に飛び掛かるストーム。

デスサイズは慌てる事もなくそれをリッパーで受け止めた。

 

「おうおう、急に動いたかと思えば随分とご立腹だな兄弟?……そんなにあのマシーンを止めたいんか?そんなにあれに乗ってるガキを助けたいんか?」

 

「黙れ……喋んなぁぁぁぁぁああああああああ!!」

 

あぎゃぎゃぎゃ…と笑うデスサイズにストームは怒りに身を任せるように荒々しく2本の剣を振るう。

その度にデスサイズはリッパーで受け止めたり、受け流したりと冷静に捌く。

 

「テメェの相手をしてる暇はねぇんだ……あれは…あれは絶対にあっちゃならねぇ災厄なんだよ!!」

 

「ああ、そうだなぁ……なんせあのマシーンを乗りこなすには大量の"薬物"をパイロットに与えないと行けないからなぁ……ぎゃぎゃぎゃ…」

 

「…………え?」

 

呟くように言うデスサイズの言葉にパープルハートは一瞬硬直した。

 

 

大量の……"薬物"?

 

よくテレビのアニメとかで言う"強化人間"に与えるようなあの非人道的な?

 

 

 

それをシンシアに?それも大量の?

 

 

 

『イ" ヤ" ァ" ァ" ァ" ア" ア" ア" ッッ!!』

 

シンシアの悲鳴が響き渡る中、顔を青ざめるパープルハートはマシンデストロイヤーに乗る彼女に思わず目を向けてしまった。

 

過去の傷で沈んでいた自分を励ましてくれたシンシア……そして、同じくメテオに特別な感情を向けてるシンシア。

 

そのシンシアが大量の薬物を打ち込まれ、あれに乗せられている。

あまりにも非道、あまりにも精根が腐ってるとしか思えないダークネスのやり方。

 

改造人間を生み出している時点で既に彼らが非道なのはわかっていた筈、わかっていたつもり……なのにそれを聞いてパープルハートは改めてそれを認識してしまい、血の気が引くように顔が青ざめていく。

 

「テメェらは!テメェらは何処までクソ外道なんだ!!そうまでしてお前らは全ての世界が欲しいのかよ!!」

 

今ならわかる彼の怒り、その悲しみと憎しみ……デスサイズに何度も荒々しく剣を叩き付けるストームの言葉にパープルハートは耳を傾けた。

 

「こんなの……ふざけてる…でも……だからこそ止めなきゃ…あの子も……メテオも…!!」

 

そう決意を固めるパープルハートはデスサイズと戦うストームの元に駆け寄る。

 

「あぎゃぎゃぎゃぎゃ!そう言う訳だ兄弟!あのガキはどの道にしろ助からねぇ……このまま暴走させようが、助けようが結局は与えた大量の薬物があのガキを殺す!」

 

「ふざけんなぁぁぁぁぁぁああああああああ!!」

 

「ワクチンとかもねぇんだ、どんなに治療をしても施しようがねぇんだよ!」

 

「テメェェェェェェェエエエエエエエエ!!」

 

激怒するストームの大振りな攻撃を全て最小限の動きで避わすデスサイズ。

怒りのままに剣を振るうストームの攻撃に大して彼は驚異を感じてなかった。

だが……。

 

「せぇぇぇぇええええい!!」

 

「おっと、紫女神かい……あの話を聞いても冷静ってこたぁ、こいつは余裕をぶっこいてらんねぇな」

 

そこに駆け付けてきたパープルハートが太刀を袈裟懸けに振るって攻撃してくるので、デスサイズはそれを横に跳んで回避と同時に距離を取る。

 

「フー……!!フー……!!」

 

「……メテオ、あのマシーンを止めたい気持ちはわかるは……でも…」

 

「わかってるんだよネプテューヌ…!わかってるつもりなんだよ…!!でもな……でもな…!あのマシーンを見てると冷静にいられねぇんだよ…!!」

 

ストームと合流したパープルハートは荒い息を立てるストームを嗜めるように言うが、やはり"あの出来事"があるのと、彼にとって"最愛の人"の一人が乗っている事によって冷静さを無くしてしまっていた。

 

「……なら………私があいつを引き付ける、その間に貴方はあの子の元に行って」

 

「ネプテューヌ……!!」

 

「あの子を助けたいんでしょ?なら早く行ってあげて!」

 

パープルハートに激を飛ばされ、頷いたストームはマシンデストロイヤーの所に向かうように走り出す。

パープルハートもまた、それの邪魔をするであろうデスサイズの足止めをしようと飛翔して駆け出す。

 

「ハッハァ!!」

 

狙い通り、ストームを妨害しようとするデスサイズだが、さっきとはうって変わって少し冷静になったストームはルシファーで彼が振るうリッパーを受け止め、ディアブロを袈裟懸けを振るって切り裂く。

「退けぇ!!」

 

「ギャガッ!このやろ……ッ!?」

 

「メテオ、行って!!」

 

妨害するデスサイズを斬ったストームはそのまま行こうとすると、彼がそれを止めんと飛び掛かる……だが、彼の横を何かが通り過ぎ、振り返ると、そこにはシェアのエネルギーを使って、エネルギー状の剣を無数に展開して宙に浮かばすパープルハートの姿があった。

先程デスサイズの横を通り過ぎて行ったのは、彼女が放ったそのエネルギー状の剣"エクスブレイド"であり、デスサイズの妨害をしたのである。

 

「てんめぇ……!」

 

「悪いけど……メテオの邪魔はさせないわ!」

 

「……ハッ!一人じゃこの俺に太刀打ち出来ないくせになぁ!!」

 

「ええ、悔しいけど私一人じゃ貴方を倒せないのはわかってるわ……だから、時間稼ぎに徹させてもらうわ!」

 

邪魔をされて苛立つように睨むデスサイズに涼しい顔をするパープルハートは宙に浮かばせて展開するエクスブレイドを彼に向けて飛ばす。

 

「時間稼ぎぃ?無駄無駄!まさかお前さん、俺の"能力"を忘れたんかぁ?」

 

「……?…………まさか!」

 

「そのまさかのまさかよぉ!!」

 

死神を連想させるその大鎌でエクスブレイドの大群を捌くデスサイズの言う言葉に一瞬理解できずに首を傾げるパープルハートだが、彼の言う"能力"と言う単語に思い出し、顔を強張らせる。

 

「思い出したか?もう遅せぇよ!!それになぁ……」

 

あぎゃぎゃぎゃ…と下品に笑いながら不敵な笑みを溢す。

 

「俺が死んでる間にうちの組織の奴等がたくさんデータを取ってくれたからよぉ……あの"天条宗谷(勇者さま)"と"ヒロム(はぐれ野郎)"の能力も俺はコピー出来たのよぉ!!」

 

デスサイズの体が突然、二つに分裂したかのように別れたかと思うと、その一体がストームの方へと向かう。

 

「逃がさねぇぜ兄弟ぃ!!」

 

「なに!?」

 

「ハッハァ!こいつはスゲェな!"勇者さま"の能力はよぉ!!」

 

「勇者さま?…お前まさか!?」

 

「そうよ!こいつぁあの天条宗谷って坊っちゃんが持ってる分身能力をコピーした奴だぁ!」

 

ストームに向かったデスサイズがマシンデストロイヤーを止めようと走る彼に追い付き、真後ろまでに距離を狭めていた。

驚くストームが生み出した隙をデスサイズは逃さず、その手に持つリッパーを振り上げ……。

 

 

 

 

 

ーーードスッ!

 

 

 

 

 

……容赦なく、ストームの背中に目掛けてリッパーを振り下ろし、振り下ろされた死神の刃は嵐を貫いた。

 

「が……は…っ……!?」

 

彼の腹部から刃が見える程まで深々くま突き刺したデスサイズはデスサイズは狂気と、悪意に満ちた下品な笑いを上げた。

 

「あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃッ!!いい様だな兄弟ぃ…?そのまま逝っちまいな!!」

 

「メテオ……!?」

 

最愛の人が貫かれる姿を眼前に映してしまったパープルハートは顔を青ざめ、その手に持つ武器を落としてしまった。

戦意喪失……今の彼女はまさしくその状態であった。

 

「おうおう隙だらけじゃねぇのぉ?女神様よぉ!」

 

「うあぁっ!?」

 

そんな彼女を奴は見逃す筈もなく、もう一体のデスサイズが彼女の横腹に蹴りを入れる。

蹴られたパープルハートはゴロゴロと地面の上を転がり、別のデスサイズに貫かれて俯せに倒れるストームの目の前で止まった。

 

「メテ……オ……」

 

「…ネプ………テュー…ヌ……?」

 

転がる勢いが止まり、目の前で地に伏せる想いの人を確認したパープルハートは、傷付いた体に鞭を打ち、その右手を伸ばす。

彼もまた、腹部を貫かれ、痛みが走るその身を押してこちらに手を差し伸べる最愛の人を視界に映す。

 

「…ネプテュ……ーヌゥ…」

 

『う" あ" あ" あ" あ" あ" ぁ" ぁ" ぁ" ッッッ!!』

 

「シ……ン…シア……」

 

その時、もう一人の最愛の人の苦痛に満ちた悲鳴を聞き取り、その名前を呟くが……致命傷を負った今の彼には指1本動かす力も残されてはいなかった。

 

「………ごめん」

 

そして彼は……ストームは救えなかった事に悔やみ、懺悔するように静かに呟き………仮面の下の瞳を閉ざした。

 

 

 

 

 

 

 

『た" す" け" て" ぇ" ぇ" ぇ" え" え" え" え" ッッッ!!』

 

破壊兵器マシンデストロイヤーの暴走を止めんと奮闘するクロス・ヴィクトリーとイストワール、そしてアイリスハートとまた、彼女の悲鳴を聞き取ってそれぞれ苦虫を潰した表情を浮かべる。

 

「くそ……!シンシア!シンシアァ!!俺達だよ!宗谷だよ!頼むから止まってくれぇ!!」

 

「お願いですシンシアさん!もうやめてください!!」

 

『ア" ア" ア" ア" ア" ア" ァ"

ァ" ァ" ァ" ッッッ!!』

 

仮面の下で舌打ちしつつも必死に呼び掛けるクロス・ヴィクトリーと悲痛な思いで叫ぶイストワールの声も届かず、シンシアの苦痛に満ちた叫びと共に両手の指から灼熱の熱が籠った熱線を放つマシンデストロイヤーの暴走に3人は手を焼かされていた。

このままではシンシアの身が危うい、だからと言って下手でに攻撃すれば中にいるシンシアにも危害が及ぶ。

八方塞がりなこの状況にクロス・ヴィクトリーは苛立ちが募りつつもひたすら回避に専念していた。

 

(どうする?どうすればいい?時間を掛けても、下手でに攻撃してもシンシアが危ない……!一体どうすれば……?)

 

口、両手、胸部、腹部、から放たれるビームと背中のユニットから飛び出され、雨の如く降ってくるミサイルを避けつつ、彼は思考する。

だが一考に良い手段が見つからず、ただ時間と体力だけを浪費して行く一方である。

 

そんな彼の瞳により最悪な知らせを伝えるかのような光景が目に映った。

 

「あれは……!?」

 

ふと、足を止めて見つめるクロス・ヴィクトリーの視線の先には……。

 

 

 

 

"ファートゥス(ハイブリッド・デスサイズ)"にやられ、地に伏せるストームとパープルハートの姿があった。

 

 

 

 

「メテオ……ネプテューヌ……!?」

 

信じたくもない光景にクロス・ヴィクトリーは仮面の下で驚愕の表情を浮かべ、身の毛がよだつような錯覚に襲われた。

何度も共に戦った友達がやられ、死に絶える姿に彼は悲しみと……そして怒りが腹のそこから煮えぐるように溢れて来ていた。

 

「あぎゃぎゃぎゃあ!!呆気ねぇな兄弟、女神様よぉ……所詮は俺の敵じゃなかったって事かい?ええおい!」

 

何度も夢に見て、そしてようやく叶ったデスサイズの"復讐"……。

 

だがそれはあまりにも呆気ないものであり、果たせた理由が"たった一人の少女を助けようとした所を後ろから襲撃"したと、何とも端から見れば姑息とも言えるような感じである事にデスサイズは内心苛立っていた。

 

 

 

ーこんな奴らに俺は負け、苦汁を味会わされたのか?

 

 

 

そう思って来るとより中で抑え込んでいたモノが爆発したようにデスサイズは物言わぬ者となったストームの横腹を蹴り飛ばす。

 

「ふざけんなよ……高々ガキ一人で必死こく奴の後ろを襲って……はい、復讐終わり!とか………ざけんなよ兄弟ぃ!!」

 

ムカつく、ただムカつく。

 

欲しいオモチャを買って貰えなかった事に苛立つ子供の如くデスサイズは何度も地に伏せて動かぬ者となったストームの頭を踏みつける。

 

「もういい………」

 

するとデスサイズは踏みつけた足を降ろし、右手に持つリッパーを両手で握る。

 

「何がともあれテメェの首を狩り取りゃちったぁスッキリするだろうなぁ……?」

 

 

 

ーーー"狂気"。

 

 

 

 

ただその一言に満ちた声でリッパーを振り上げ、ストームの首を狩り取らんとするデスサイズ。

その顔は全くわからないが、もし人間のように表情があれば相当不気味に満ちて、酷く歪んでいるであろう。

 

「ッ!?させるかよぉ!!」

 

《Skill Chein!Kateikyosi Hittoman Reborn!Mario!》

 

慌ててクロス・ヴィクトリーは赤剣に連結してあるV.phoneの画面を操作し、スキル"家庭教師ヒットマンREBORN"によってジェット機並の推進力を得るガントレットとシューズ型のスキルウェポン"ブースデット・フィアンマ"を装備し、さらにジャンプ力の強化と炎の力を与えるスキル"マリオ"の組み合わせによる…二つのスキルの組み合わせで無限の戦略性を生み、様々な能力を与える"スキルチェイン"を発動し、手のひらから生まれた火力による爆発的な推進力で今にも振り下ろさんとリッパーを構えるデスサイズに向かって突撃し……。

 

「ビックバン・アクセレータ!!」

 

「ごぉうっ……!?」

 

その手に集まった火力で殴る炎の拳でデスサイズの顔面に目掛けて放つ!

放たれたその拳は見事彼の顔面を捉え、クロス・ヴィクトリーはそのまま勢いを乗せて振り抜いた!

 

「ごっ…あ……!?」

 

振り抜かれた拳によって吹き飛んだデスサイズは放物線を描きながら宙を舞い、そのまま草原の上に大の字で倒れる。

 

「メテオ!ネプテューヌ!………呼吸はある、気を失ってるだけか…」

 

それを確認する事もなくクロス・ヴィクトリーはうつ伏せのまま動かない二人の体を揺する。

だが二人はピクリとも動かず、彼は最悪な事態を一瞬考えたが、ほんの微かに聞こえる呼吸の音にほっと胸を撫で下ろす。

 

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