超次元ゲイムネプテューヌ ~嵐の仮面ライダー~ 作:ソルヒート
第24話 罪と敗北
ーーーー時は戻って数時間前
リーンボックス街中
「はぁ...」
教会でのパーティーで一悶着を起こして出ていった俺は一人宛もなく街中をぶらついて溜め息をついていた。
《マスター...》
そんな俺に見かねたのか、相棒が話かけて来る。
《マスター、ネプテューヌさん達の所に戻って謝りに行きましょう。 ネプテューヌさん達はマスターの事を"知らない"のですから。》
「んなことはわかってるさ。」
そう、わかってる、わかってるつもりだ。 ネプテューヌ達には絶対に知られたくない、俺の"過去"。
『く、来るな"化け物"!!』
『ひ、"人殺し"の..."仮面ライダー"....!』
『返して! お父ちゃんを返してよ!』
『みんな気を付けろ! そいつは...多くの人間を殺した...."殺戮者"だ!』
俺を迎え入れたのは....英雄"仮面ライダー"としてではなく、殺戮者..."化け物"と人々がそう罵って来たあの"事件"....そして気付けば俺は"仮面ライダー"ではなく、"化け物"として人々に恐れられた。
「もし...ネプテューヌ達が俺の過去を知ったら...」
今までどうり"仲間"として接してくれるのだろうか?
元の世界の人々と同じように"化け物"と罵って来るのか?
...怖い、考えるだけでも正直怖い...それ位俺の心は弱りきっていて、ネプテューヌ達と一緒にいるのが心地よく、信頼していた。
《...マスター》
「俺は...どうすればいいんだろうな....」
じっと自分の手を見つめながら自問自答する俺にデスティニーは愚か、誰も答えてはくれない。
「きゃあああああああ!!」
「《ッ!》」
突如悲鳴が聞こえ、俺はその悲鳴が聞こえた場所に走る。
「...ぁ...ぐ...っ!」
「ゲェゲェゲェ!」
「ファルコムちゃん! 離して、離してぇ!」
「マベ...ちゃん...」
そこには2体の怪人が二人の少女を襲っていて、1体は赤毛のポニーテールの少女を踏みつけていて、もう1体は学生の制服を着たワイシャツがはち切れん程の爆乳のオレンジ髪の少女を羽交い締めをしていた。
「うおぉぉぉぉぉ!」
俺は赤毛の少女を踏みつけている怪人を蹴り飛ばし、直ぐ様にオレンジ髪の少女を羽交い締めしている怪人を同じく蹴り飛ばす。
「大丈夫か?」
「は、はい! あ、ファルコムちゃん!」
「う、うん、私も何とか....」
オレンジ髪の少女はすぐに赤毛の少女を介抱すると赤毛の少女は踏まれた腹部を抑えながらも安堵の表情を浮かべる。
「下がってろ、後は俺がやる。」
「「は、はい!」」
そう言って二人の少女は安全なところまで下がるのを確認した俺は怪人達に向き合い左手をスナップさせる。
「さぁ、腹ぁくくれよ!」
左腕にエクシアをコールして俺は近付いてくる怪人達にライフルモードで発砲して怯ませ、直ぐ様ソードモードで切りつける。
「はぁ! ぜぁ! はぁああ!!」
そのまま押しきるように怪人2体を交互に切りつけ、トドメに回転斬りをして怪人を倒す。
「...終わったか。」
「あ、あの!」
怪人を倒したのを確認した俺はエクシアをしまって一息吐くと、赤毛の少女が俺に話しかけてくる。
「わ、私ファルコムって言います! 助けて下さってありがとうございます!」
「私はマーベラスAQLです!助けてくれてありがとう!」
「...俺はメテオ、メテオ・ソルヒートだ、適当にメテオでいい。」
赤毛の少女...ファルコムとオレンジ髪の少女...マーベラスAQL が礼と自己紹介してきたので俺も自己紹介して返す。
「あ、あの...助けてくださったお礼に何か...」
「悪いが俺は礼が欲しくて助けた訳じゃない、たまたま通りすがっただけだ。」
なにか礼をしたいと言ったファルコムにそう言い放つとファルコムは「そ、そうですか...」と落ち込んでしまった...悪いな、今はそう言う気分とかじゃねぇんだよ。
「まぁまぁファルコムちゃん、とりあえずは本当にありがとう! あ、後なんかズーネ地区でモンスターと怪人が大量発生してるらしいから気を付けて下さいね。」
「ッ! ...わかった、お前らもまた怪人とかに襲われないように気を付けろよ。」
モンスターと...怪人が大量発生? 妙だな、行って調べた方が良さそうだ。 そう思った俺は二人と別れ、右肩にDシールドをコールして飛び上がり、ズーネ地区に向かう。
余談だが、ズーネ地区への行き方がわからず、戻って二人に道を聞いたのは言うまでもない。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
「はぁ~、まさか噂の怪人に襲われるなんて...」
「まあでも同じく噂で怪人を倒してる人...確かメテオさんだっけ? に助けてもらったから良かったよ!」
メテオが去ってから二人は噂となっている怪人と怪人を倒しているメテオの話をし始める。
「でもでも、噂話でしか聞かなかったけどメテオさんってなかなかカッコイイ人じゃん! そんな人に助けてもらえるなんて私達結構ラッキーじゃん!」
「う、うん、そうだね。」
「あれぇ~? ファルコムちゃんってばメテオさんに一目惚れぇ~?」
「え!? あ、え、えっと...」
顔を赤くして慌てるファルコムにマーベラスは面白いものを見つけたと言わんばかりに悪い顔をして彼女をからかう。
(あの人...カッコ良かったなぁ...)
マーベラスに散々からかわれながらもファルコムはそんなことを考えていた。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
ズーネ地区
Dシールドの飛行でズーネ地区に着いた俺は早速怪人やモンスターを探し始めるが...
「おかしい。」
怪人もモンスターも1体もいない、それに静かだ...そして何故か胸が異常にざわめく、嫌な予感しかしない。
《マスター、あそこにあるピラミッドはなんなのでしょう?》
「ん? ピラミッド?」
デスティニーに言われて振り向くと確かに遠く離れた所にピラミッドらしきものが建っていた。
「なんでこんな殺風景な所にピラミッドが?」
聞いた話によるとズーネ地区は廃棄物処理場という殺風景な場所なのでピラミッドがあるのはちゃんちゃらおかしな話だ、気になった俺はそのピラミッドに向かう。
「近づいて見ると思ったよりでけぇな...」
ピラミッドがある場所に着くとそこはまるで火山の噴火口のような大きな穴見たいな広い場所で離れてて見えなかったピラミッドの部分も見えて俺が予想してたのよりも遥かに大きく、思わず見渡してしまう。
「ん?...ネプギア、アイエフ?」
ピラミッドにもっと近付こうと歩いているとそこにネプギアとアイエフがいて誰かと話しているようなのでそこに近付く、そこで俺は最も会いたくない、声も聞きたくない、話にも出したくない位に憎い"アイツ"を見てしまった。
「...ッッッ!? ファートゥス...!!」
「んぉ? ...おォ!?おおおおおおおおおォ!?」
黒髪で赤い瞳、そして俺と同じくぼさぼさの天然パーマで同じく顔...俺のクローン、ファートゥス・クライムを見つけた俺は目を鋭くさせ、両手を強く握り締める。
「会いたかった...会いたかったぜぇ兄弟ぃい!!」
「ファートゥスッッッ!!」
なんで...なんでこいつがいんだよ! こいつは俺と相討ちになった筈なのに! 俺の目の前にいるネプギアとアイエフが何か混乱しているが、今の俺の目にはファートゥスしか映っていない。
「ッッッ!? ネプテューヌ!? ノワール!? ブラン!? ベール姉さん!?」
アイツとにらみ合う中、ふとピラミッドを見てみるとその中にはコードのような触手で拘束され、至るところに血を流し、傷だらけのネプテューヌ達を見つけた俺は更に激怒してファートゥスに問い詰めると。
「何って...お前が来るのを待ってて暇だったから遊んでやったんだが...アイツ(マジェコンヌ)が痺れを切らしてなぁ...思いっきり可愛がってやったん...」
ーーガギィィンッ!!
何て言ったこいつは? 暇だったから遊んだ...? ネプテューヌ達をここまで傷付けて...可愛がった...?
ああ...もう限界だ...こいつは...こいつだけは...
ゼッタイニ...コロス。
そこからはもう俺の理性はなくなっていた。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
「そうだぁ! 怒れ、怒れぇ!! その面をしたてめぇと殺りたかったんだよォ!!」
「うるぁあああぁぁぁぁ!!」
怒り、憎しみを込めて剣を振るうメテオに対し、ファートゥスは楽しむかのように剣を振ってぶつかり合う。
「てめぇは...てめぇはどこまで、人を傷付け、殺せば気がすむんだッッッ!!」
「ハッ! 言ってなぁ! 正義を掲げて一億の人間を殺した...."大殺戮者"がよォ!!」
色合いが違うものの、同じ武器で何度もぶつかり合う中、メテオの叫びにファートゥスはそう答えてつりばせあいに押し勝つ。
「ぐっ!? ....咎(とが)は払うさ....お前を殺した後でなぁあああぁぁぁ!! 」
「所詮てめぇは俺と同じ穴のムジナだろうがぁぁぁぁ!!」
「てめぇと一緒に....すんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!」
「がぐぁっ!?」
収まらぬ怒りで武器を投げ捨て、ファートゥスを殴りまくるメテオ、ファートゥスも同じく武器を投げ捨て、殴り合いに持ち込む。
「殺すッ!! てめぇだけは俺がコロスッッッ!!! 」
怒りに狂うメテオ、その白い瞳はルウィーでの誘拐事件と同じ"血に染まったように赤い瞳"に変わっていた。
「おお! その目ぇ!! いいぜぇその目だ! その目のてめぇと戦いたかったんだぁ!!!」
ファートゥスも同じくただえさえ赤い瞳が更に"赤黒く染まった瞳"に変わり、両者は再びぶつかり合った。
「あ、あの赤い瞳....」
拘束されてるネプテューヌは二人のぶつかり合い中、メテオがルウィーの時と同じ瞳に変わった事に気付く。
「なによあの二人のぶつかり合い....」
「....出鱈目....過ぎるだろ....」
「メっちゃんがファートゥスと同じ"目"に....てことはメっちゃんも....」
ノワール、ブラン、ベールも目を覚まし、二人のぶつかり合いを見つめていた。
「ベールも気付いた? 私もあの時のファートゥスの"目"を見て思ったの...ひょっとしたらあの"力"はメテオも使えるんじゃないかって。」
「...私達を殺しかけたあの"力"...メテオが使えるとしたらメテオも...元はダークネスの"怪人"....?」
ノワールとブランは二人の"目"を見て、メテオの正体を推測する。
「大丈夫だと思う。」
「ネプテューヌ?」
「例えメテオがダークネスの怪人だとしても、その力をみんなのためには使ってるんだもん、だからきっと大丈夫、私は信じる。」
ネプテューヌは二人の推測が正しかったとしてもメテオを信じると言い放ち、ノワール、ブラン、ベールの三人もなら自分達も信じようと思い、再び二人の戦いを見つめるのであった。
「....怖い。」
「嘘でしょ...メテオが..."人殺し"...? それも"一億"の....!?」
離れた所で見ていたネプギアは、今のメテオとファートゥスを見て言い知れない恐怖を抱き、アイエフは先程の会話を聞いて驚いて目を見開いていた。
「ん? あの"目"....」
同じく別の所で戦いを見ているマジェコンヌは二人の"目"を見て少し驚くも、ふっと怪しげな笑みを浮かべる。
「そうか、貴様らも私と"同じ"...おいネズミ、ちゃんとデータは取れているか?」
「ワレチューっちゅよオババン...大丈夫っちゅ、ちゃんと取れているっちゅよ。」
ワレチューはノートパソコンでメテオとファートゥスのデータを取り、分析をしていた。
「...にしてもオババン、あの二人のデータを取ってどうするつもりっちゅ?」
「何...知れたことよ、データで奴らを分析し、弱点を探ったり、その力を手に出来ないかを調べるのさ。 」
そう言うマジェコンヌは、パソコンのデータを見て「ま、そこまででもないか...」とがっかりしたかのように肩をすかす。
そのデータには二人のスペックが書かれていた。
『メテオ・ソルヒート
身長:175㎝ 体重:70㎏
パンチ力:1.5トン キック力:3.5トン
100m:7.0秒 ひと跳び:10m』
『ファートゥス・クライム
身長:175㎝ 体重:70㎏
パンチ力:5トン キック力:10トン
100m:5.0秒 ひと跳び:50m』
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ァァッッッ!!」
「ヒャッハァッッッ!!!」
二人の戦いをしてから時間が経ち、辺り一面は激しく荒れていた、そしてメテオの様子に変化が起き始める。
徐々に口調が変わりだし、"目"が赤黒く染まり始める。
「殺スッ! ふァーとぅスはオれガ...ブッころスッッッ!」
完全に理性を失い、まるで人格が変わったかのように狂気と殺意に満ちた顔と口調で殴りかかるメテオ。
「ヒヤッホゥ♪」
しかしファートゥスは得意の『軟体体質』でスライムのようにグニャグニャと気味の悪い動きで攻撃を回避し、メテオは更に怒りを募らせる。
「ぐお"オ"お"お"オ"オ"お"ッッッ!!!」
まるで獣の如き咆哮で叫びながら向かってくるメテオにいい加減に苛立ちを募らせるファートゥスはバックステップして後退し、"あの姿"になる。
「いい加減飽きてきた、そろそろ終わらせるかぁ...変身! 」
"あの姿"...ハイブリッドクリーチャーに変身したファートゥスは大剣 マガイノヒカリを持ち、メテオを切り裂く。
「ガ、がァ!!?」
「欲を言えば"あの姿"になったてめぇと戦いたかったんだがなぁ...いつまでもならねぇならここいらで終わりにしょうやぁ!! 」
「ゴガァ!? ぐあぁ!? ゴォ!?」
ファートゥスがハイブリッドクリーチャーに変身してからは先程までの互角の勝負とは変わって、一方的な攻撃、いや、最早虐殺の如くメテオを剣で切り刻んで行き、斬られる度、メテオの体から血が吹き出し、飛び散った血がファートゥスの体を赤く染めていく。
「あ、ああぁ...」
「やめてよ...やめなさいよ....」
「....くっ!」
「おやめになって…メっちゃんが…メっちゃんが死んでしまいますわ....!」
もう抵抗する力がないのか、そのままファートゥスに切り刻まれるメテオ、その光景を見て女神達は恐怖に怯え、そして大切な人であるメテオがやられていく様に必死に訴えるが、結果は虚しく、黙ってメテオが切り刻まれる姿を見ていることしか出来ない。
「い、いや…もう…やめて....!! 」
「メテオ…メテオ!!」
ネプギアとアイエフもこの光景に黙って見ることしか出来ずに目を背けるしか出来なかった。
「い、いくらなんでもやり過ぎじゃないっちゅかアイツは?」
「いや、女神や人間どもにはいい見せしめだ、それより見てみろネズミ、ファートゥスのスペックを」
あまりもの虐殺にワレチューは顔を青ざめるが、マジェコンヌは平然としていてワレチューにパソコンのデータを見せる。
「ん~なになに…?
『ファートゥス・クライム/ハイブリッドクリー
チャー
身長:180㎝ 、 体重:150㎏』 ....ヂュッ!?
『パンチ力:80トン、キック力:100トン』!?
『しかも100m:1.0秒にひと跳び:150m』!?
い、いくらなんでも規格外過ぎるっちゅよ!!」
ファートゥスの変身するハイブリッドクリーチャーの規格外スペックを見て驚愕するワレチューにさすがのマジェコンヌも冷や汗をかく。
「全くだ…ダークトゥダークネスはこんな"化け物"を生み出すとはな…恐ろしいものだ…見ろ、もうじきこの公開処刑が終わるぞ。」
そう言ってマジェコンヌは未だに続く惨劇に目を見やると力尽きて両膝を地面につけているメテオとそのメテオにマガイノヒカリの剣先を向けるファートゥスの姿があった。
「ぐっ....が....ぁ...」
「....これで...終わりだ。」
いつのまにか元の白い瞳に戻って両膝を着き、ファートゥスを睨むメテオ、しかしファートゥスはそれをつまらなそうに鼻で笑う。
そして訪れる最悪の瞬間。
「い、いや....やめて....」
「逃げて....メテオ逃げてぇ!」
「やめろ...やめやがれ!」
「メっちゃん! メっちゃん....いやぁッッッ!!」
メテオの危機的状況に悲鳴をあげる女神達、だが聞こえない、聞こえることはない。
「ファー…トゥ…ス….ッ!」
「あばよ、俺のオ・リ・ジ・ナ・ル♪」
ーー…ズバァンッ!!
無慈悲にも振り降ろしたファートゥスの剣は、メテオの体を切り裂き、切り裂かれたメテオの体からは大量の血が吹き出し、メテオはそのまま血の海に沈んだ。
「メ、メテオォォォォォオオオオオ!!!」
小さな孤島、ズーネ地区に紫の女神の悲鳴が響き渡った。
第24話・fin
……ふ、久々の6000文字越え....疲れたぜ……。
いかがでしたか?
次回は敗北したメテオがネプギア達に助けられるが、戻った先の教会で仲間達と...
次回予告 ~BGM ・YOUR SONG ~
次回、超次元ゲイムネプテューヌ~嵐の仮面ライダー~
「離...せ…!アイ...エフ....!」
「馬鹿なこと言ってないで逃げるわよ!」
「メテオさん...メテオさんが"人殺し"ってほんと...?」
「なんで...なんでお姉ちゃんが!!」
「あんたなんか"英雄(仮面ライダー)"なんかじゃない! ただの臆病者よ!」
「てめぇらガキどもに...俺のなにがわかるんだ!! 」
第25話 敗走と衝突
『その"希望"に君は後悔するか? しないか?』
ユニ「次回も刮目しなさいね!」
感想をお待ちしています。