超次元ゲイムネプテューヌ ~嵐の仮面ライダー~ 作:ソルヒート
第26話 俺と"過去"と"罪"
リーンボックス教会
「まずはそうだな...俺の育ちから話そうか」
リーンボックスの教会にて今まで自分の事を話さなかったメテオが自らの口で過去をネプギア達に話し出す。
「7歳の頃から俺は孤児院で育った...らしい」
「え? 7歳からですか?」
「ああ、それまでの記憶が無くてな...そこで経営していたじいちゃんから聞いた話だと俺の親父は行方不明で、母さんは事故で亡くなって親戚経由で孤児院に送られたらしい」
過去の話が始まって早々の重い話にネプギア達は暗い顔をするが、メテオは「気にするな」と言ってそのまま話を続ける。
「そこで俺は自分より幼い子供達の兄として過ごし、じいちゃんから色んな武術を、ばあちゃんからは学問を叩き込まれながらも楽しく暮らしていた」
それを聞いたネプギア、アイエフ、コンパ、そしてアイエフが開いた通信を通して聞いていたイストワールは、この世界に来たばかりの時のメテオの仕事の飲み込みの早さに納得し、ユニも以前メテオから聞いた強さの秘密と同じだと思いながらも納得した顔をする。
「俺はこの暮らしがずっと続くと思っていた...あの時まではな....」
「...なにが...あったんですか?」
顔をしかめるメテオにユニは聞く。
「俺が12歳になった次の日、俺が暮らしていた孤児院が潰され、じいちゃんやばあちゃん、そして子供達が皆殺しにされた...."ダークトゥダークネス"に」
「「「『「「「....!!」」」』」」」
ネプギア、アイエフ、コンパ、イストワール、ユニ、ロム、ラムの7人はその話を聞いて驚く。
「そして何故か俺はダークネスの奴らに連れ去られ、体のありとあらゆる所を切り刻まれ、肉体を"改造 "された」
「....え? と、と言うことは、メ、メテオさんは....」
「か、"改造人間"....です....!?」
『やはり...そうでしたか....』
メテオの体の秘密を聞いてネプギアは信じられないと言った顔で、コンパは医学を持つものとして許せないと言った顔で、イストワールは以前アイエフと一緒にした推測が当たってしまったと言った顔で更に驚く。 他の面々もネプギアと同じ信じられないと言った顔で驚いている。
「そう、俺はダークネスの怪人と同じ..."改造人間" ....コード名は"ホッパー・ストーム"...何でも、バッタの力に"嵐"の力の2つを兼ね備えた改造人間らしい」
『バッタに...嵐で『ホッパー・ストーム』...ですか』
メテオのコード名を聞いたイストワールはそれを復唱するように言うとメテオは「そうだ」と言う。
「続けるぞ、俺は何とか奴らに脳改造される前に逃げ出し、一年間、追っ手から逃げる逃亡生活をし、とある人に助けられた」
「とある人?」
「ああ、『平成15ライダー』と呼ばれる"仮面ライダー "の一人、"乾巧"...."仮面ライダーファイズ"に」
「「「『「「「か、"仮面ライダー"!!? 」」」』」」」
メテオがダークネスの怪人だと言うのにも驚いたが、メテオの世界にもこのゲイムギョウ界で伝説となっている"仮面ライダー"が存在し、それに助けられたと言う話に更に驚くネプギア達。
「そして俺はそのままその人の所で過ごして、他の平成ライダー達と出会い、あの人達の戦いを見ていた。」
もう後どのくらい驚けばいいのだろう...ネプギア達は驚きの連続に疲れ、メテオの話に黙って耳を傾ける。
「あの人達の戦いを見て...あんな風になりたい 、あんな風になれば孤児院のみんなを殺された時に感じた無力を感じる事はないかもしれない...そう思った俺は、あの人達に弟子入りを願い、そして叶った...あの人達の"義弟"として」
最早なにも言うまい...そんな感じでネプギア達は話を聞く。 ユニは、「あ、義兄さんって仮面ライダーの人達の事だったんだ」っと言う顔をする。
「そして俺はあの人達...義兄さん達に四年間の集団リンt...特訓をつけてもらった」
《マスター、今集団リンチって言いかけていましたよね?》
「...気のせいだ」
《そうですか》
「そして俺は名乗る事にした..."仮面ライダー"に」
メテオとデスティニーのコントを見てネプギア達は少しだけ気が抜けたが、メテオの言った次の一言に再び驚く。
「メテオさんは...仮面ライダーなんですか!?」
「私たち...後どのくらい驚けばいいのかしら....」
「メテオの人生…凄すぎるですぅ....」
「お兄ちゃん…仮面ライダーなの!?」
「…お兄ちゃん....凄い....(どきどき)」
メテオが仮面ライダーだった事にネプギアは驚き、アイエフとコンパは驚き過ぎてお腹一杯と言う顔をし、ロムとラムはネプギア同様に驚く。
「仮面ライダーの名を名乗った俺は内心、浮かれていた…『もう、あんな思いはしなくて済む。 この力でどんな事も乗り越えられる。』....てな、"仮面ライダー"の名を名乗るその意味と、その覚悟をわかってないでな....だから俺は"潰れた"、"あの事件"で負った"心の傷"と"罪悪感"、そして"周囲の悪意"と"失ったもの"に」
「....なにが、あったんですか?」
「…"一億人殺し"事件」
「え...」
先程まで驚きの連続ながらも比較的に明るかった話が急に重く変わる事にネプギアは驚く。
「...とある大陸に怪人の大群が現れたって知らせを聞いてな、義兄さん達は何か怪しいって考えていたが、その時浮かれていた俺は迷わずその大陸に向かった、俺の世界で統制者の存在だった"世界政府"の連中から"二万人の軍隊"を引き連れてな。 そこで俺は見た...
ダークトゥダークネスの実験によって放たれた『ナノマシン』によるバイオテロで強制的に改造人間にされていく"8000万人"の大陸に住む人達を」
「「「『「「「....!!?」」」』」」」
その事件と、その原因を聞いたネプギア達は目を見開き、開いた口が塞がらない状態になった。
「そこからは地獄絵図だったぜ...体が化け物に変貌し、正気を失った人々が暴れ狂い、変貌した化け物同士で争い、中には共食いとかした奴等もいたっけな... そんな状況に戸惑いながらも俺は仮面ライダーに変身して軍隊の連中と協力して何とか全滅させた...けど、 そこからがほんとの地獄絵図だった....何せ、一緒に戦った軍隊の連中が突然もがき苦しんだかと思えば...
今度はそいつらが"化け物"に変貌して暴れ出したんだぜ?」
一緒に戦った仲間が"化け物"に変貌して襲ってくる...その光景に出くわしたらどれ程の恐怖を感じるのだろう...ネプギア達はその話を聞いて顔を青ざめる。
「もう、なにがなんだかわからなくなった俺は自暴自棄になり、その人達までこの手で..."殺した"」
「だから..."人殺し"...ですか....?」
ネプギアはファートゥスが言ったあの言葉を思いだし、メテオに聞くと「そうだ」と肯定の言葉が返ってきて顔を暗くする。
「すべてを終えて振り向いた時にはもう...そこには "一億"とも言える"屍の山"が出来上がっていた。
ホントになにがなんだか...訳がわかんねぇ状態だったぜ、そんな俺の前に"アイツ"が現れた」
「それは....?」
「....ファートゥス....俺の..."クローン"だ」
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
数年前 メテオの世界 とある大陸
「なんだよ...これ....」
目の前には一億と言う数えるのも馬鹿らしいくらいの屍の山が写っていて俺はただただ、戸惑うしかなかった。
「いやぁ~、こんなにも殺戮ショーを繰り広げてくれるとはなぁ、流石は"仮面ライダー"様、てか?」
あぎゃぎゃぎゃと下品な笑い声が聞こえ、振り向くとそこには。
「....俺?」
赤い瞳に黒髪の天然パーマ、白い瞳に茶髪の天然パーマの自分とは瞳と髪色が違うが、その見た目はまさしく俺そのもの。
「おうとも! 俺はファートゥス、ファートゥス・クライム。
....てめぇの"クローン"だよ兄弟」
俺のそっくり...ファートゥスは手に持っているビデオカメラを俺に見せるようにちらつかせながら話を続ける。
「俺はダークネスによって作られて、てめぇの抹殺の為に生み出されたもんでなぁ、けど俺はただ潰すだけじゃつまんねぇから面白い事を考えたんだよ」
「面白い事...だと?」
「そう! てめぇを"英雄(仮面ライダー)"からただの"殺戮者(化け物)"にして社会的に抹殺するって事を考えたんだよ!」
「何!?」
ファートゥスの言葉に戸惑うしかない俺、ただでさえこの状況に思考が停止しているのにこれ以上の事をされたらどうすればいいかなんて思い付く筈もない。
「てめぇを初めとする仮面ライダーの存在を気にいんねぇ"世界政府"の連中が協力してくれてよぉ...さっきまでのお前の殺戮ショーをこのカメラで撮って世界政府の連中が今『情報操作』による細工でこの事はてめぇが起こした『自作自演』って事でてめぇは悪者に仕立て挙げられるんだよ!」
「ッ!?」
「要するによぉ...てめぇは"利用"されたんだよ! この世界を守る仮面ライダーを悪者にする計画になぁ !!」
「あ...あ....」
仕立て挙げられた? 利用された? 俺のやった事は俺自身だけでなく、義兄さん達の首を締める結果に繋がったって事になるのか?
俺は自分の仕出かした事に怯え、その場にうずくまる。
「....ぁぁぁあああああ!!」
自分の仕出かした事による恐怖、そして今更ながらに気付いたら人を殺す"感覚"、そしてその"罪悪感"に耐えきれず、その場から逃げ出す。
「あぎゃぎゃぎゃ! もうどこに逃げても無駄だ! もうお前にこの世界に居場所なんてねぇ! もう、お前は!」
ーーーー"一億人殺しの殺戮者"だ!
あの大陸から逃げた俺は街にふらつくと、そこでとある光景を目にする。
ーーーー街中のテレビから俺の名前が出ていて、そしてその映像には俺があの一億人の人々を化け物に変貌させたナノマシンをばら蒔き、変貌した人々を仮面ライダーの姿で殺す光景が流れていて。
ーーーー別のニュースでは殺戮者の俺に協力していたっと言う理由で仮面ライダーを否定する過激派の連中に処刑される人々の映像が。
ーーーー新聞には『一億人の殺戮者! 犯人は仮面ライダー!?』と書かれて。
ーーーー街中の人々が俺を見るなり"化け物"と罵り、中には殺された人の家族もいて"家族を返せ"と叫ぶ人もいる。
この光景が全て...全て俺のせいなんだ....
俺は自分の仕出かした事に心底悔やみ、その場に立ち尽くす。
義兄さん達に教わった筈なのに...仮面ライダーの力は怪人を倒す力の他に、時には人を殺せる力でもあるって。
だからその力の使い方を見誤るなって。
仮面ライダーには必ず何かしらの業(ごう)を背負う事になるって。
力を持つものにはそれ相応の"覚悟"がいるって。
にもかかわらず俺はそれらを理解したつもりでいて 、結果この様だ。
仮面ライダーの力で人を殺してしまい、力の使い方を見誤り、背負う事になった業に耐えきれず、それ相応の"覚悟"を持ち合わせていなかった....
ーーーーそんな奴が"仮面ライダー"の名を名乗っていい筈がない....
この時から俺は決めた。
「俺はもう..."仮面ライダー"を名乗らない....」
この瞬間、俺は"仮面ライダー"の名を捨てた。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
リーンボックス教会
「...これが俺の"過去"、そして俺の"罪"だ」
全てを話終えた俺はネプギア達の顔を見る...きっと、俺を失望か、化け物と罵って拒絶するだろうな...だが、ネプギア達の反応は俺の予想を裏切っていた。
「ひっぐ...えっぐ...こんなの、こんなの酷すぎます」
「なによ...なによそれ、そんなの...そんなのメテオ...あんたが惨めなだけじゃない!」
「ふぇ~ん...こんなの酷すぎるです、メテオさんが可愛そ過ぎるです!」
『殺すことしか出来なかったメテオさんもメテオさんですが、それを私利私欲の為に殺戮者に仕立て挙げるなんて...こんなの人として許される筈がありません!』
「殺すのは決して許されないけど...げど、だからって !」
「ひっぐ...ぐすっ...うぅ....(ぽろぽろ)」
「うっぐ....お兄...ちゃん...!」
なんでだよ...なんでみんな泣いているんだよ....俺は決して許されない事をして当然の報いを受けてんだぞ ...なんで俺なんかの為に泣いているんだよ!!
「ぐすっ...メテオさん、確かに貴方の罪は許されるものではありません。 でも、こんな仕打ちはあんまりじゃないですか! 貴方は人を殺しました、でもそうでもしなきゃそのあと多くの人がもっと犠牲になった筈です!」
「な、何を言って...」
「そうやっていつまでも自分を苦しめてんじゃないわよ! 確かにこれは胸を張って誇っていいってもんじゃないわよ。けど! そうでもしなきゃ守れるものも守れなかったじゃない!」
『貴方が感じて背負っているものは、自分の罪以上に情報操作に踊らされ、何も知らない心のない人々による罵倒等で苦しんでいたのですね。』
違う...違う!
「違う! これは当然の報いなんだ! どんな理由があっても、俺は多くの人を殺した! 決してそれが許される訳がねぇんだ! だから....」
「もう、やめましょうメテオさん」
必死に否定し、みんなに元の世界と同じ、拒絶される事によって罪の報いを受けようとする俺をネプギアがやさしく抱きついてくる。
「もう報いを受けることで、その罪から逃げて、一人で抱え込まなくていいんです。 これからは私が...ううん、"私達が"一緒にその罪を背負いますから」
「な、なんで....」
「私、メテオさんの話を聞いてわかったんです。 力を持つものには常に"業"を背負って生きる"覚悟"がいるって...でも、だからってその力に怯えてちゃ駄目なんだって」
俺を抱きしめるネプギアの体が徐々に光り出す。
「だから..."力"も"罪"も"怯える"んじゃない、"受け入れる"んだって!」
「ネプ...ギア....?」
その光りが止むとそこには。
「私は心のどこかで自分の"力"に怯えていました。 でも、今は違います、今はこの"力"を受け入れます。 だからメテオさん....」
白いレオタードの格好に、水色の瞳をし、背中にウィングユニットを纏う。
「貴方も"力"と"罪"を受け入れて、もう一度、立ち上がってください」
女神、パープルシスターがそこに微笑んでいた。
第26話・fin
ついにここまで来たよ来たよぉ!! ついでにここでネプギアちゃんがここで女神に覚醒で原作崩壊、これも全部メテオ・ソルヒートって奴の仕業なんだ!←夜のテンションで思考がデットヒート
次回は少しずつ薄れていくメテオの深い罪悪感、しかしそれでもメテオは前を向けず再びみんなの元を去り 、そこで謎の女性と邂逅する。
次回、第27話 本当の思い、貫き通す覚悟
パープルシスター「次回も刮目してください♪」
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