超次元ゲイムネプテューヌ ~嵐の仮面ライダー~   作:ソルヒート

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今頃気付いたのですが、ドライブって、良曲多くね?
進之介、剛、チェイスの三人が歌うSpinning wheelなんて神曲じゃね?って思いながらずっとYouTubeを見てました(笑)

さて、運命の女神が変身するバロンによって強制的にデストロイフォームになってしまったメテオ、一体どうなる?


第58話 目覚めぬ"破壊"、否定されし"絆"

第58話 目覚めぬ"破壊"、否定されし"絆"

 

OP ・Power to Terror (仮面ライダーオーズ プトティラコンボ テーマソング)

 

 

 

ミッドカンパニーに響くこの世のものとは思えない獣の咆哮、デストロイフォームとなったストームの叫びが、大地を、空間を、全てを震わせる。

 

『さあ、来なさい!その力を、目覚めさせてあげるから!』

 

「グッ、ウゥ..........ウオォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!」

 

そんな中でも余裕綽々とバナスピアーを構えるバロン。

その姿を視界に捉えた破壊の獣、ストームはさらに雄叫びを上げてバロンに突撃する。

 

「ぐるぅあァァああッッッ!!!」

 

放たれる破壊の拳、その威力は先程のストームとは比べ物にならない。

一撃一撃が必殺の威力を持っていると言っても過言ではない。

まともに食らえばいくら先程のストームを圧倒したバロンでも、無事ではすまない筈、だがバロンは、その攻撃を....."片腕で受け止めた"。

 

「グウッ.....ゥ.....!?」

 

『こんなもの.....?私が知っているデストロイ.....ゼ・オが使ってたデストロイの力は、この程度じゃなかったわよ?』

 

まさかの片腕で受け止められた攻撃に動揺するストーム、バロンは涼しげな態度でデストロイの力を受け止めていて、力押しで行こうにもびくともしない。

 

『はぁ.....所詮、究極の破壊の力を使っても貴方はこの程度なのね.....がっかりした』

 

この程度.....デストロイを使ったストームの実力を見てつまらなそうに首を左右に振るバロンは、ストームの腹部に蹴りを入れ、バナスピアーを肩に担ぐ。

 

『こんなつまらない奴が、ゼ・オの器で.....セレーナから究極の希望を託されたって、言うの?.....バッカじゃない』

 

蹴られた腹部を抑えて片膝を着くストームを見て、バロンは苛立った様子で首を回す。

 

『こんな"弱い奴"がこの世界を救える訳ないじゃない!!』

 

「グッ.....!?」

 

するとバロンは怒りの感情剥き出しの声で片膝を着くストームの顔面を蹴り飛ばす。

 

『大体貴方はあの平成ライダー達の元で特訓してたんでしょ!?なのに、なによこの"弱さ"!!』

 

「ガッ..........!!」

 

『はっきり言ってね、以前この世界にやって来た天条宗谷って、奴の方がまだ強かったわよ!!』

 

「.....ゥ.....!!」

 

『他にも、貴方が行った別世界の連中.....稜牙って、奴とかもまだ貴方よりは強くて見込みはあるわよ!!』

 

「..........ァ.....グッ.....!!」

 

苛立ちをぶつけるように、罵り、蹴り飛ばすバロン、ストームはなすすべもなく蹴られ、地面に転がる。

 

『ほんっと!セレーナも..........あのヴィクトリオンって魔神も見る目がないわね!!こんな奴にどうして究極の希望を託したの!?なんでこんな"弱い奴"に宗谷を重ねているの!?訳がわからないわ!!』

 

地面に倒れるストームの顔を踏みつけ、その怒りをセレーナと.....嘗てメテオと共闘した魔神に、バロンは向け始める。

 

『まったく、頭に来るわ!!なんでこいつに期待を.....希望を持ってるの!?こんなよわ.....』

 

「おい.....」

 

そのままヒートアップするように叫びだすバロンの足下から声が聞こえ、下を向くと、バロンに踏まれているデストロイフォームのままのストームが体を震わせていた。

 

『あら?なによ?』

 

「俺の事を罵るのは構わねぇが.....ヴィクトリオンを.....俺に"絆"を教えてくれた奴を罵るのは、許さねぇぞ..........!」

 

バロンに踏みつけられたままの状態で立ち上がろうとするストームに、バロンは踏んでいた足を下げ、後ろに後退する。

 

『"絆".....ね、いい響きだけど.....貴方がそれを言う資格はないんじゃないの?』

 

「なに.....?」

 

『絆絆って、馬鹿みたいに言ってるけど.....貴方はその絆で"強くなれた"かしら?』

 

気だるそうにバナスピアーを再び肩に担ぎ、問い掛けるバロン、ストームはその意味がわからず、首を傾げる。

 

『貴方は色んな人に"変身"って言って、変えてるけど....."貴方自身は変わったの"?』

 

「俺は.......」

 

『"変わった"って?いいえ、変わってないわね、だって現にそのデストロイの力を"抑えているもの"』

 

「..........っ!」

 

自分が言いたいことを言い当てはめられ、仮面の下で苦虫を潰したかのような顔を浮かべるストームに、バロンは続ける。

 

『貴方は根本的な所で変わってない、その究極の破壊.....デストロイの力に怯え、その力を抑えているもの、デストロイを使っているのに自我を保っているのがその証拠よ』

 

物を言わせぬバロンからの的確な指摘.....ストームは何も言えずに沈黙する。

 

バロンの言う通り、本来、デストロイフォームは自身の理性を捨て、内に眠る"闇"を解き放つ代わり、ストーム"本来の姿"を晒し、"神をも殺す"絶大的な力を解放する力.....ストームは、メテオはそれを自身の精神力で無理矢理押さえ付け、自我を保つ代わりにデストロイ本来の力を抑えてしまっているのである。

 

「.....当たり前だろ」

 

『..........』

 

「どんなに強い力を得たところで、それでみんなを傷付け、自分を見失ったら意味がねぇだろ!それに、例え力を抑えて勝てなかったとしても、みんなとの"絆"で乗り越えればいい!俺はそう学んだ!」

 

例え本来の力を引き出せずに勝てなかったとしても、みんなの"絆"で乗り越えればいい.....ストームは自分の胸に手を当てながら叫ぶ。

だが、バロンはその言葉を聞いて失望したかのように肩に担いでいたバナスピアーを下ろし、顔を俯かせた。

 

 

 

『あっそ.....なら、貴方は一生ダークネスにも勝てないし、あの子達や異世界の彼らの足を引っ張るだけの足手まといね』

 

 

 

突如放たれた言葉に、ストームは驚き、問おうとしたが、それよりも早く放たれたバナスピアーの突きに対応することが出来なかった。

 

「がっ..........!?」

 

放たれたバナスピアーの突きは、ストームの胸部に直撃し、ストームは大きく後ろへ吹き飛ぶ。

 

『本っ当に下らないわ.....!その程度の甘さでよくこれまでダークネスとの戦いに生きてこれたわね.....!!思わずヘドが出るくらい.....!!』

 

「なん..........だと.....!」

 

『よく考えてみなさい.....!貴方が倒したと思っているダークネス四天王の二人.....ファートゥスとシャットを.....貴方がそのデストロイの力に恐れず使えていれば、あの子達を苦しませずにもっと早く倒せたし、異世界の子.....宗谷やシンシアだって苦しませずに済んだのよ.....!!なのに貴方はいつまでも"女々しく"怯えてそうしなかったから、ズーネ地区でのファートゥスとの戦いでは、あの子達がアンチエナジーに取り込まれるなんて、事態はなかったし、異世界ではシンシアって子が足を折られるなんて痛い思いをさせずに済んだのよ.....!!シャットの時だってそうよ.....!そうしてればシンシアって子は貴方と一緒に塵になるなんて事にはならなかったし、宗谷って子も巻き込ませずに済んだ筈よ!!』

 

倒れるストームの胸ぐらを掴み、激しい怒りをぶつけるバロン、ストームはそれら全てが事実であると思っているため、反論出来ずに黙り込む。

 

『私は貴方を許さないわよ.....!!あの子達を.....私の"妹"を命の危機に晒した事を.....!異世界でのシンシアって子が足を折られた事も.....ヴィクトリオンって魔神は貴方を責めなかったけど.....あんな子を巻き込んで更には救えなかった事に.....!!私だけじゃないわ.....!ココロ.....不屈の女神だって私と同じ気持ちよ.....!セレーナやローリィ.....栄光の女神は貴方を許してはいたけど、私は貴方を決して許しはしない!!』

 

「..........」

 

胸ぐらを掴んでいた手でストームを突き飛ばし、ストームは尻餅を着くが、そのまま立ち上がろうとはせず、ストームは顔を俯かせてバロンの言葉に耳を傾ける。

 

『"過去"にも"破壊の力"にも怯えていた貴方が、人に"絆"や"変身"を語るな!!』

 

《マンゴー!》

 

激しく激怒するバロンは、ベルトに付いたバナナロックシードを取り外し、代わりにマンゴーが描かれたロックシード、マンゴーロックシードをベルトに嵌める。

 

《マンゴーアームズ!Fight of Hammer~♪》

 

騎士から、闘士のような鎧に変えたバロン.....マンゴーアームズは、右手に持つマンゴーを模したメイス、マンゴーパニッシャーを引きずりながらストームに近付く。

 

『だから貴方を裁く.....いつまでも女々しく、"絆"とか"変身"を説く癖に自分が根本的に変わっていない怠慢な貴方を.....私が!!』

 

《マンゴー・オーレ!!》

 

そしてバロンはマンゴーパニッシャーを両手で持ち、ハンマー投げの要領でその場で回転し、その勢いで相手を殴り飛ばす技、パニッシュマッシュで顔を俯かせたまま座り込んで動かないストームを殴り飛ばした。

 

「..........ぐっ.....あ.....ぁ.....!!」

 

殴り飛ばされ、変身が解けたメテオは、地面を転がり、うつ伏せの状態になった所で止まり、沈む。

 

『.....本当に弱い.....そんな貴方が、"これら"を持つ資格はないわ.....』

 

「..........っ!.....ぐっ.....それ.....は.....!」

 

倒れた自分を見下ろすバロンの手には、先程の攻撃で落としてしまった"絆の証".....。

 

 

 

ネプテューヌ達、女神と"繋いだ"絆の証.....フュージョンスイッチ。

 

以前の戦いで"繋いだ"天条宗谷との絆の証.....ヴィクトリースイッチ。

 

 

そして、異世界での出会いで貰った、シンシアと"繋いだ"絆の証.....白い花の髪飾りであった。

 

 

「返.....せ!.....それ.....は.....ぁ.....!!」

 

『"俺が繋いだ絆の証"って、言いたいの?残念ね、その資格がない貴方にはこれらを持つ資格なんてあるわけないじゃない』

 

必死に.....必死に取り返そうと手を伸ばすメテオ、しかし受けたダメージがあまりにも大きく、立ち上がる事すらままならない。

『じゃあね、いつまでも弱いままでいる臆病者さん.....後であの子達や異世界にいる宗谷、稜牙、シンシアやヴィクトリオンに、"絆とか変身とかほざいてごめんなさい"って土下座でもしていきなさい』

 

バロンはそのまま変身を解くことなく、地面に倒れるメテオに背を向けて手を振って立ち去るのであった。

 

 

 

 

バロンが立ち去ったミッドカンパニー、そこには虚しさという静寂に包まれた。

 

「ハァ.....ハァ..........くそっ!!」

 

《マスター.....》

 

うつ伏せの状態から仰向けの体勢に変えて地面に寝そべり、激しい悔しさからか、地面を殴るメテオ。

 

「弱くて、怯えている奴は....."絆"を持っちゃいけねぇのかよ.....!!」

 

《..........》

 

「弱いからこそ....."絆"って、あるんじゃないのかよ.....!!」

 

負けた悔しさより、自分が見出だし、大切にしたかったもの、"絆"を否定された事に悔しさを持つメテオ、その顔からは涙は出ていないが、心の中で泣いているように見えた。

 

「...............くしょう.....」

 

何故、こんなに"自分は弱いのか".....暫く黙り込んだメテオだが、答えは出ず.....。

 

 

 

「..........ちくしょおおおおおおおおおお!!」

 

 

 

悔しさによる叫びを上げるしかなかった。

 

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

 

 

 

『ご苦労だったわね、"フェイト".....』

 

『別に.....大人気ないし、内容もあまりに強引過ぎたと思ってるわよセレーナ.....』

 

メテオが悔しさによる叫びを上げているミッドカンパニーの外では、変身を解いた運命の女神"フェイト"が始まりの女神、セレーナから労いの言葉を受けていた、だが、その顔は何処か曇っていた。

 

『.....仕方ないわよ、今の.....究極の破壊、デストロイに怯えているメテオに少しでも変わって貰うには、強引でもそうするしかないから.....』

 

『お陰でこっちは嫌な気分よ、いくら昔の私がああやっていたからって、こういう役をやらせないでよ.....お陰でむしゃくしゃしてきたじゃない』

 

苦い顔をしてセレーナを睨むフェイト.....そう、メテオに対するあの態度は全てが"演技"であり、全ては未だにデストロイの力を引き出そうとしないメテオに発破を掛ける為であったのである。

 

『ごめんなさい.....でも、こういう役が出来るのは貴方と.....不屈の女神しかいなかったから.....私と栄光の女神じゃとても出来ないわ.....』

 

『まったく、貴方も栄光の女神....."ローリィ"も優し過ぎるのよ!彼を目覚めさせる為に鬼になるなら少しは私や"ココロ"を見習いなさいよね!!』

 

頭を掻きながらメテオから取った"絆の証"をセレーナに渡すフェイト。

 

『.....そうかもしれないわね』

 

それを受け取りながら暗い顔をするセレーナ、そんな彼女を励まそうとしてか、フェイトは話の話題を強引に変えた。

 

『まったく、彼もいい加減にデストロイの力を受け入れて強くなってもらわないと.....私の"妹"を任せられないじゃない!』

 

『.....あら.....?貴方もメテオを自分の"妹"をくっ付けさせようって、考え.....?彼は私の"妹"とくっ付けさせるべきよ』

 

うまい具合にセレーナは話に乗っかってくれたが、"妹"と言う単語に彼女は過剰に反応し、フェイトを睨み付ける。

 

『はぁ?馬鹿言ってんじゃないわよ!あんなグータラで、女神化したときしか見た目と性格が似てるだけの貴方の"妹"をくっ付けさせる訳にはいかないじゃない!メテオは!仕事も完璧で、家事も出来る容姿端麗で完璧、そして見た目も性格も私に似ている私の"妹"の方が断然幸せよ!!』

 

『..........ツンデレボッチな所も貴方に似ている貴方の"妹"とくっ付けて、彼にまで影響を与える訳にはいかないわ、私の"妹"は確かに普段はグータラで女神化したときしか私に似てないけど、ああ見えてあの子は貴方の"妹"よりも完璧よ?彼を幸せにするなら私の"妹"の方がいいわ』

 

『.....な~に~を~!!』

 

.....フェイトから本来の話の腰を折ったとは言え、二人の話は完全に"メテオの覚醒"から、"どちらの妹が、メテオを幸せに出来るか"の話題になり、二人はヒートアップして行くのであった。

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

 

 

「やれやれ、これは面白い事になったよだな.....」

 

場面はミッドカンパニーの中に戻り、地面に寝そべって悔しさを露にするメテオを遠くから眺める人影がいた。

 

「彼女達が何を狙っているかは定かでないが、今の彼の心を壊すには、ちょうどいいな.....自分が見出だした"絆"を否定され、その"証"さえも奪われて弱りきった彼の心に漬け込むのは容易い.....」

 

その人影の姿は、金髪に目元を隠す仮面を被り、貴族を思わせるような赤い服を着た男性の姿をしており、男性は遠くからメテオの姿を見て不敵に笑う。

 

「見せてやろう.....ダークネス四天王の一人である私の....."嘘の力"を.....」

 

男性は、ようやく起き上がり、あまりに重い足取りでミッドカンパニーから出ていくメテオの姿を見て、怪しげな笑みを浮かべるのであった。

 

 

第58話・fin

 

ED ・ Last Engage(仮面ライダーウィザード ED)




ふぃー、なんとか書き終えた.....いかがでしたか?

突如始まる借金返済からの"鬱展開"!

大切な事を否定され、大切な物を奪われ、意気消沈のメテオの前に、新たなるダークネス四天王が.....。

次回、第59話 嘘つきな探求者(ライアー・シーカー)

次回もお楽しみに!

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