超次元ゲイムネプテューヌ ~嵐の仮面ライダー~ 作:ソルヒート
呑気に感想を返してる場合じゃねえ!
あ、因みにTwitterを始めました!
ソルヒート・ライダーって、調べれば多分出ます!
.....ただ、下手に弄くってたらなんか自分のアカウント二つできたっぽい.....どうしょう?
さて、今回はバカンスに来たメテオ達.....後に"悲劇"が始まる事を知らずに.....。
第75話 悲劇の前祭
OP ・ song 4U(テイルズオブエクシリア2 OP)
「世界はそんなに"天パ"が憎いか?」
《いきなり何を言ってるのですかマスター.....(-_-;)》
R-18アイランドの敷地内、ヒワイキキビーチに着いたメテオ達。
だが、到着して早々突然にメテオの一言で皆驚き、代表してデスティニーがツッコミを入れる。
「神はそんなに"天パ"が憎いか?」
《無視ですか(-_-#)》
だが、そのツッコミも彼の耳には届いておらず、再び意味不明の呟きをするメテオにイラッとするデスティニー。
「ど、どうしたんだよメテオ?」
「..........」
「.....メテオ?」
それに見かねてか、今度はカズマが訪ねるとメテオは黙り込ん.....だかと思えば急に顔を天まで仰ぐように上げ.....、
「神はぁ!世界はぁ!!.....そんなに天パが憎いかぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」
いきなり大きな声で叫びを上げた。
突然の叫びにカズマは驚いた反動で後ろへ転び、絵美は苦悶の表情で耳を塞ぎ、ネプテューヌ達は腰を抜かす。
「ど、どうしたんだよメテオ、そんなに叫んで?」
「当ったり前だろブラン!!なんだあのシステムは!?なんで"天パ"って、理由で大人に見られねぇんだよ!?天パに対する侮辱.....差別だ!!」
「んな大袈裟な.....」
あまりの出来事に驚きながらもブランが訪ねると、メテオはありったけの怒りをぶちまける。
どうやら彼は先程のシステム検査の事で相当な怒りを感じてるようだ。
その証拠に.....。
「ちょっとここの責任者の所に行ってくる.....デストロイで!」
《ちょ!?そんな事でデストロイフォームになろうとしないでください!!( ̄□ ̄;)》
「抹殺ですか!?訴えると言う名の抹殺ですかメテオさん!?」
「物理か!?お話(物理)をしに行くのかお前は!?」
変身ポーズを構え、今すぐにでもストームに変身して行きかねないメテオに女神化したままのネプギアとカズマが必死に取り抑える。
「そう言えば.....」
そこで何かを思い出したかのように絵美も呟き始める。
「あのシステム.....あたしの時も『なんか"スレンダー"で彼氏が出来なさそうだけど.....まあ、いいか(笑)』って、言ってたんだよな~.....」
すると絵美は何処からか取り出したマッハドライバーを腰に巻き、何処かへ行こうとする。
目的は勿論.....、
「ちょっとここの責任者の所に行ってくる.....デッドヒートで!」
「絵美ちゃん!?」
「ブルータス!?お前もか!?」
メテオと同じように変身ポーズ(デッドヒート装填済み)を構えて行こうとする絵美にネプギアとカズマは驚く。
まあ、当然そうさせる訳にも行かず、女神化したままのブランに取り抑えられる。
「離してブラ姉ぇ!あたしはただここの責任者に話が.....」
「そんなもの(デッドヒート)準備している時点で信用ねーよ!!」
懸命に説得するブランだが、絵美は納得行かずに暴れだす。
「だってあいつはあたしの"胸"を見て判断したんだよ!?そっちゃんとこの.....別世界のイーちゃんもあたしと同じ体型だけど立派に彼氏(仮)がいるんだよ!?だからあたしにも彼氏が出来る筈なんだよ!?」
「それはそうかもしれねぇけど.....ん?....."胸".....?」
とある"赤い勇者"の次元の史書の事まで持ち出すくらいに暴れる絵美になんとか説得をしようとするブランだが、絵美の話を聞いて考え始めた。
("胸".....大きな"胸"=大人、小さな"胸"=子供と見られるシステム.....と言うことは.....)
突然ブランは絵美を抑える力を緩め、彼女を解放すると、戦斧を取り出し何処かへ行こうとする。
理由は勿論.....、
「.....ちょっとここの責任者の所に行ってくる.....女神化したままで!」
「え、ブラン?」
「なんで!?」
「あれぇ!?ブラン様ぁ!?」
まさかのブランの便乗にネプテューヌ、ノワール、カズマは驚き、それを聞いたメテオと絵美は彼女の両隣に立ち、互いに顔を見て頷き.....、
「「「ちょっとここの責任者の所に行ってくる.....デストロイ(デッドヒート)(女神化したまま)で!」」」
「「「「「ちょっと待てぇぇぇえええ!?」」」」」
今にもここの責任者とメテオ達の全面戦争が勃発しかねない事にカズマ達は全力で止めるのであった。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
「絵美ちゃん、右ですわ!右!」
「え?えっと.....こっちかな?」
「絵美ちゃん行き過ぎ!ちょっと左だよ!」
「うえぇ!?え~と.....」
「ああ!戸惑う絵美ちゃんに必死に応援するネプギアちゃん、良いですわ~♪」
なんとかメテオ達の暴走が終わり、皆思い思いにヒワイキキビーチでのバカンスを楽しむ。
絵美、ネプギア、ベールはスイカ割りに挑んでおり、絵美がスイカを割る役で、ネプギアとベールが指示を出す役をやっているのだが、中々上手く行かずに四苦八苦する。
.....若干1名謎のトリップに至っているが.....。
因みに女神陣のみんなは未だに女神化したままである。
「あの~.....絵美ちゃん?ギアちゃん?ベール様?何故に俺は体を埋められて棒を持つ絵美ちゃんを待ち構えなくては行けないのですか?」
「あ、カズマさん声を出しちゃ駄目ですよ!声で位置がわかっちゃうじゃないですか!」
「.....はい、すいません」
さらには割るのはスイカではなく、首から下を地面に埋められたカズマの頭である事に彼は異議をするが、聞き入れるどころか寧ろ怒られて凹む。
「今よ絵美!そこよ!そこを思いっきり叩きなさい!そうすれば屑.....スイカは割れるわよ!」
「ここだねノワ姉?よ~し!」
「.....あの、絵美ちゃん?一応手加減はしてね?改造人間でも痛いものは痛いかr いやぁぁぁぁぁぁああああああああ!!」
「.....自業自得だカズマ.....一般客や私達の水着姿を見てやらしい顔でカメラなんて撮るからな.....」
「.....本当に馬鹿だよねカズくんは~?」
ノワールの指示の下、手に持つ棒を勢い良く振り下ろす絵美にカズマが絶叫し、離れた所でブランが砂遊びをしながら呆れ、プルルートが黒い笑みを浮かべる。
「.....あれ?外しちゃった?」
「何やってるのよ絵美.....」
「ごめ~んノワ姉~♪」
「..........少しチビった」
結果はカズマの顔の横すれすれで外れてしまい、ノワールとベール、ネプギアは残念がり、絵美も申し訳ないと言う顔で軽く謝る。
一方カズマは先程の恐怖で少し失禁をしてしまった模様である。
「あ、カズマさんはそのまま埋まっててくださいね.....汚いから.....」
「さて、絵美ちゃん?ネプギアちゃん?私にオイル塗っていただけません?カズマさんを放って.....汚いから.....」
「じゃあ私はカズマを放って泳ごうかしらね?.....汚いから.....」
「..........みんなして酷くね?」
少しながらも失禁をしてしまったカズマをゴミを見るような冷たい目を向けてみんなまたそれぞれに別れて楽しみ始めた。
「..........」
そんなみんなとは離れた所で一人、海を眺めるメテオ。
その顔は我、ここにあらずと言った感じであり、海風で茶色の髪を揺らしながらも瞬きすることなく静かに眺めていた。
『俺達、神殺しに与えられた試練....."審判"は残酷だ!ネプテューヌ達女神様達でも、宗谷達異世界の戦士を持ってさえも!耐えようのないくらいにな!!』
『そう、それは俺達、神殺しに課せられた....."呪い"だ!!』
『必要なのは"選択"!"自分と周りの命を犠牲にして全てを救う"か!"自分と周りの命を惜しんで自ら滅びる"か!』
『お前はどう選ぶんだ!"救済"の為の自己犠牲か!!"滅び"の為の自己防衛か!!』
『答えろ!メテオ・ソルヒート!!!!!』
そんな彼の脳裏に映るは最近見るようになった"夢".....滅んだ都市の中で激突する自分とカズマの二人の戦いの最中でいつも語るカズマの言葉。
"審判"....."救済の為の選択"か、"滅びの為の選択"か.....。
救済を選択すれば自分と周りの命が犠牲になり.....。
滅びを選択すれば自分と周りの命は守れるが結局は全てが滅んで皆死ぬ.....。
どちらを選んでも残酷な結末しかない.....神殺しに与えられた試練。
「.....なんでこうなったんだろうな」
そう呟き、ふとパーカーのポケットに手を入れるメテオ、すると中に何かがあるのに気付き、取り出す。
小さなシェアクリスタルが入った小さな球体が付いた紫のスイッチ、ネプテューヌ達女神と女神融合する際に使うフュージョンスイッチ。
全体を赤のカラーリングで施され、黄色いカラーリングでVと書かれた.....以前、異世界からやって来た"赤い勇者"との絆で得たストームの特別な力を宿す.....ヴィクトリースイッチ。
そして全体を金色のカラーリングで、所々に銀色のカラーが施され、ボタンの所に安全カバーが付いた.....ルウィーを出る前に訪れた異世界で出会った"神の後継者"と呼ばれる仮面ライダーとの絆で得たストームのもうひとつの特別な力....."ゴッドスイッチ"があった。
「..........」
それらのスイッチを手に持ち、眺めるメテオは彼らの事を思い馳せ、考える。
(宗谷.....シンシア.....稜牙....."巧".....後は絵美が言ってた"ヒロム"って奴.....そしてネプテューヌ達の世界の運命はもしかしたら.....)
俺の"選択"に掛かっているのか?
あの"夢"を見るたびにそう思ってしまうメテオは思わず顔を歪めてしまう。
(ただの改造人間である俺が.....どうしていつの間にか全ての次元世界を掛けた事に巻き込まれちまったんだろうな.....)
そう思うメテオはこれまでの事を振り返ってみた。
孤児院の皆を殺され、ダークネスによって改造人間に変えられた。そして隙を見て命かながら逃げ出し、後に"兄"となる平成15ライダー達と出会って彼らから特訓を受けてこの体、ストームの力を使いこなすようになったが、もともとメテオはダークネスの事は憎んでも復讐などは考えていなかった。
戦いを好まず、静かに人間として生きていたいと望んでいた彼は彼らとの特訓を終えてそのまま人間として就職等を考えていて、自身の特技等を活かした職場に就こうと考えて就活をしていたのだがことごとく惨敗。
計"200社"以上もの職場の面接を落ち、一時は本気で凹んだ時もあったが、めげずに頑張り、なんとか駅前の食堂に就職が出来た。それまでの彼の癒し、とある写真館の老人が出すコーヒーととあるオカマが経営するドーナツ屋が心のオアシスだった事を余談にして。
だが、就職して1日目で擦れ違った女性客に痴漢とスリの二重の冤罪を掛けられ、警察のお世話になりそうになり、その女性が逃げ出すのを見逃さなかったメテオは怒りの感情のまま追いかけた.....お陰でようやく就いた就職が白紙へと戻ってしまった事に後に気付いて。
そしてその女性が逃げた先の電車に乗った途端に起きたダークネスによる電車テロ、今思えばあの時が自分とダークネスの戦いの始まり.....。
そして、自分の"不幸"の始まりだったと.....。
「メテオ」
そんな自分の過去に思い更けていると後ろから自分を呼ぶ声が聞こえ、振り向くと女神化したままのネプテューヌの姿があった。
「.....なんだ、ネプテューヌ」
「皆が遊んでいるのに肝心の貴方がいなかったから.....どうしたの?」
一人で居たい気分だったメテオはネプテューヌにぶっきらぼうな返しをすると、彼女は海風で揺れる三つ編みの髪を抑えつつ、微笑む。
ネプテューヌからすれば本来の目的、借金返済と言うドッキリを掛けてしまったメテオへのお詫びとして来たのに肝心の本人がいない事に不思議を感じていたのである。
「..........別に」
「..........そう」
そんな彼女にメテオは素っ気なく返事をし、その場で座り込む。
ネプテューヌはそんな彼に何も言うことなく静かにメテオの隣にやって来て座る。
「....................」
「....................」
お互い、喋る事なく静かに海を眺め、この場には波による音だけが静かに響く。
「..........なんで俺の隣に座るんだよ」
何も言わず、ただ静かに自分の隣に座るネプテューヌに根負けしたのか、彼女を見て口を開くメテオ。
ネプテューヌは静かに瞳を閉じて微笑む。
「別に.....ただ私が座りたかったから座ってるだけよ.....それに、肝心の貴方がここから動かないんだもの。だから私もここから動かないわ」
「....................」
呆れた理由だ.....。
彼女の言葉を聞いたメテオは思わず溜め息を溢す。
だが、自分が動かない事には彼女も動かない、そのせいか、メテオは思わず自分の中で溜め込んでいる事を彼女に溢した。
「..........夢を見るんだ」
「.....夢?」
「.....俺とカズマが殺し合い、最後にはカズマに殺される夢」
「...............」
メテオの口から言われる内容にネプテューヌは驚く事なく静かに耳を傾けた。
「その時にカズマはいつも言うんだ.....『"創造の審判"は残酷だ、俺達神殺し、又は神殺し全員を殺した者以外は決して関われない。神々、そして世界そのものが与えた全てへの試練』だって.....」
ぽつりぽつりと、呟くように。ここ最近見る"夢"の出来事をネプテューヌに溢すメテオ。
彼女はただそれを驚く事も何もなく、ただ静かに聞く。
「本当さ、俺.....仮面ライダーに"なりたくなかった"」
そして唐突に告げられる彼からの告白。
「.....どうして?」
それに不思議に思ったネプテューヌは本音を言って顔を俯かせるメテオに優しく聞く。
そう.....優しく、壊れ物を扱うかのように、優しく肩に手を置きながら。
「仮面ライダーは常に"死"と隣合わせ、大切な者を守るためにどんな敵にも立ち向かわなきゃ行けない.....誰からも憧れる存在、俺にはそれが出来ないって、思ってた.....」
「.....そう..........」
「俺はただ平凡な"人間"として生きていたかった.....体を改造人間として変えられても、"心"は人として生きていたかった.....それなのに.....」
「周りが.....世界が....."運命"がそれを許さなかった.....?」
徐々に顔を下へ下へと沈めて行く彼の言葉を代弁してネプテューヌが言うとメテオは小さく頷く。
「なら.....どうして"仮面ライダー"って名乗るようになったの?」
「..........事件に巻き込まれたんだよ」
「事件?」
「ようやくの思いで就いた仕事先で起きた.....ダークトゥダークネスによる電車テロ.....そこに俺は巻き込まれた.....そこから俺はダークネスの怪人達と戦い続けて.....気付けばいつの間にか"仮面ライダー"を名乗って調子に乗っていた.....」
「そして.....その時に起きた.....」
ネプテューヌの言葉にメテオは頷きながら沈めていた顔を少し上げて目の前に写る海を睨み付けて話を続ける。
「....."一億人殺し事件"」
「...............」
嘗て、メテオがこのゲイムギョウ界に来る前に犯してしまった"過ち".....ネプテューヌ達と出会ってからもずっとそれを引きずり、彼女達から距離を取っていた元凶とも言える事件。
今はもう振り切っているとは言え、その"罪"は決して消える事はない。
「なんでだろうな.....」
「..........?」
突然話をやめて呟くメテオにネプテューヌは首を傾げる。
「なんで.....普通の人生を望んでいた俺は.....ここまで狂っちまったんだろうな?」
「メテオ..........」
顔を上げて自虐めいた笑いを向けるメテオにネプテューヌは悲しい顔をする。
「気付けば.....ゼ・オの器だの、神殺しだの、審判だの.....色んなものを背負い込むようになったんだろうな.....?」
「...............」
「捨ててぇよ」
「..........メテオ?」
「何もかも捨てて、ここから逃げ出してぇよネプテューヌ.....!俺は.....俺はこんな力も!こんな運命も!背負いたくねぇよ!!」
震え出し、怯える体を収めようとするように自分を抱くメテオ。その姿はいつものぶっきらぼうながらも勇敢で、勇ましい面影は見られない。
「いやなんだよ.....!逃げたくても、逃げられない.....!けど立ち向かってもキリがなくて.....!自分も.....!皆も.....!傷付いて行くのが.....!!」
情けない.....こんな自分が情けないとメテオは思いながらも涙を流して今の今まで自分が溜め込んで思いをネプテューヌにぶつける。
「もうこれ以上はたくさんなんだよ.....!!どう足掻いても次から次へとやって来る俺の.....俺自身の"運命"に!!」
惨めで、みっともなく泣き出し、今にも潰れかねない白銀の嵐の"本当の姿"。
無限のようにやって来る"運命"にメテオはもう.....耐えきれないでいた。
「..........怖がらないで」
「..........え?」
不意に聞こえて来た小さくも、はっきりとした声。
「ネプテューヌ.....?」
「..........逃げないで」
気付けばメテオはネプテューヌに抱き締められていた。
露出の多い水着姿の彼女に抱き締められ、メテオは若干顔を赤らめながらも顔を見上げて彼女の顔を見つめる。
「確かにどうなるかわからない、見えない"運命"....."未来"は怖いかもしれない.....だけど.....そこで諦めたりしたら駄目.....」
強く、しかし優しく悟す彼女の顔は凛とした顔で、しっかりと今にも潰れかねないメテオを見つめていた。
「一人でよくここまで背負えたわねメテオ.....でも、もういいの.....」
「.....え?」
優しく、そっと彼の頭を撫でるネプテューヌの言葉にメテオは戸惑う。
「後は.....私も.....私達も背負ってあげるから.....」
「ネプテューヌ.....」
「辛い事も.....苦しい事も.....悲しい事も.....一緒に側にいてしてあげるから.....」
子供をあやすかのように優しく抱き締め、そっと頭を撫でて悟す彼女にメテオの涙腺は.....。
「一緒に.....頑張りましょう?」
限界であった。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
「.....いい雰囲気だな」
『.....そうね』
泣き崩れるメテオを抱き締めるネプテューヌから離れた茂みに二人の男女がいた。
一人は白き衣に白銀の鎧を纏い、右目に赤い瞳を持った神秘的な雰囲気を纏う青年。
嘗て、世界を揺るがす大きな戦いを勝ち抜き、黄金の果実"知恵の実"を手にして"始まりの男"となり、神の存在となった男。
ーーー仮面ライダー鎧武、"葛葉紘汰"
「俺達の"弟".....メテオにはあの子のような支えが必要だな」
『そうね.....これからの戦いでは絶対に彼の心はもたないわ.....』
「ああ、でもまさかその役が君の"妹"になるなんてな"セレーナ"」
そしてもう一人、彼と親しげに話す女性.....純白の衣を纏い、1本1本が金塊のように輝く金髪の女性、始まりの女神ことセレーナ。
紘汰とセレーナの二人は視線の先にいるメテオとネプテューヌの姿から目を離さないまま見つめながら話す。
『ええ、でも本当の戦いはこれから.....ね』
「.....ああ、俺達仮面ライダーと君達女神の力を持ってしても倒せなかった初代犯罪神.....絶望神ゼ・オ、そしてその先に待ち受ける.....嘗て黄金の果実を巡って戦った俺の時よりも厳しい事になるかもしれない.....たった一つの願いを巡る戦い....."創造の審判".....」
『.....本当はそれを私達の時点で終わらせるべきだったのに.....』
「ああ.....悔しいけど、それが出来ずにあいつを苦しめる事になっちまった.....」
二人は、視線の先にいるメテオに申し訳ないと言った顔で見つめ、悲しい顔をする。
「本当はあいつには....."審判"に関わらないような生活を送って欲しかったんだけどな.....」
『そうね.....でも、だからって彼の就活活動を"妨害"して計"200社"以上も落とすのは酷すぎじゃないかしら?』
「うっ!た、確かにそうだけど.....」
『あの時から彼を見守っていたけど.....「写真館のじいさんのコーヒーとはんぐり~のドーナツだけが俺のオアシスだ.....」って呟いた時には流石に見てるこっちも泣きそうになったんだけど?』
「メ、メテオには悪いと思ってるさ!でも、あいつが"審判"に関わらないようにするにはそうするしかないって、皆で決めた事なんだから仕方ないだろ!?」
セレーナの愚痴に激しく動揺する紘汰。そう、メテオが元の世界で中々就職出来なかったのは紘汰を初めとする平成ライダー達による根回しだったのである。
だが、それも全ては自分達の大切な"弟"であるメテオの為.....彼がダークネスと戦って"審判"に関わらないようにするための行為である。
「紘汰、セレーナちゃん」
そこに神秘的な雰囲気を纏う純白な衣を纏い、セレーナと同じような金髪で、紘汰と同じように左右の目の色が違うオッドアイの女性が現れる。
「"舞"!助か.....じゃなかった、もう時間か?」
『そうみたいね、後舞さん?私の事をいい加減"ちゃん"付けはやめて欲しいんだけど.....』
「そう?可愛いと思うんだけどな~.....」
『...............』
「そ、それじゃあ俺達、そろそろ行くから!"弟"を.....メテオをよろしく頼むぜセレーナ!」
"ちゃん"付けされる事を嫌がるセレーナは舞の反論に何も言えなくなって溜め息を吐き、その隙を突いてか、紘汰は逃げるように舞が出したファスナーのような次元の裂け目....."クラック"に向かって走り出し、舞も慌てて追いかけて言った。
『.....紘汰、彼に関する愚痴ならいくらでもあるから後でたっぷり聞いてもらうわよ』
ジド目で見つめるセレーナの呟きを無視して。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
「.....悪いなネプテューヌ」
「.....良いのよ別に、落ち着いた?」
「ああ」
一通り弱音を吐き、涙を流し終えたメテオは自分を抱き締めるネプテューヌから離れる。
「..........なあ、ネプテューヌ」
「何かしら?」
「.....たまに.....たまにだけど.....またこうやってお前に弱音を吐いたりして良いか?」
恥ずかしそうに、顔を背けてめのまえにいる彼女にそう言うメテオ。
ネプテューヌはそんな彼にクスッと笑いを掛けながら微笑んで頷いた。
「.....ええ、そうね....."約束"しましょ?」
「"約束"?」
突然に申し込まれた"約束"にメテオは首を傾げ、ネプテューヌは右手の小指を差し出して彼を見つめる。
メテオも戸惑いながらも右手の小指を差し出して彼女の指に絡めて見つめる。
「私、ネプテューヌとメテオ・ソルヒートは、いつでも、どんな時でも.....」
彼の小指が自分の小指に絡まったのを確認したネプテューヌは"約束"の言葉を紡ぐ。
「お互いの"命"と"心"を.....」
一言一句、メテオは彼女の"約束"を聞き逃さないように彼女を見つめる。
「共に支えあって、共に"運命"を....."審判"を乗り越える事を.....誓います」
「..........誓います」
「"約束"よ?」
「.....ああ、"約束"だ」
共に"約束"の誓いを終え、指を離し、見つめ合う。
「..........ふふ」
「..........はは」
どちらからともなく、互いに笑う。
ーーーこれじゃあまるで"結婚"の誓いみたいじゃないか.....
奇遇にも、お互いがそう思っていて、思わず笑みを溢してしまう。
共にどんな"運命"を乗り越えると決めた"約束".....これが後にお互いに大きな変化をもたらすとは知らずに.....。
「微笑ましいな」
不意に聞こえて来た声、メテオとネプテューヌは笑いをやめ、身構える。
すると茂みの方から一人の人影が姿を表す。
「果たしてその"約束"が守られるかな?メテオ・ソルヒート?」
「バグーン.....!」
「こいつがダークネス四天王の一人.....!」
茂みから現れた人物.....これまでゲイムギョウ界の四国を回って度々メテオの前に現れたダークネス四天王の一人、ドラグワイト・バグーン。
その姿を確認したメテオはいつでも変身出来るように構え、ネプテューヌは水着姿からプロセッサに姿を変えて戦闘体勢に入る。
「またお前かホラ貝.....お前の顔はいい加減に見飽きてんだよ!」
「ノワールやブランから話しは聞いていたけど.....大した事はなさそうね」
「今の内に言ってるがいい.....そろそろ私も失敗続きで立場が危ういからな....."本気を出すとしよう"」
するとバグーンの姿を変え始める。
身に纏っていた貴族を思わせる赤い服を内側から膨張する筋肉で破り裂き、そこから筋肉質溢れた黒い肉体が露となり、下半身は民族を思わせるような布製の服へと変わり、ボリュームのある金髪は1本1本が針のように鋭く尖り、血のように赤く染まる。
顔に付けていたマスクが外れ、その下にある目は1本線のように伸び、人間とは思えない顔付きになる。
そして目の色が血のように赤く染まる事で変化が終わった。
その姿はどこかハリネズミを思わせるような姿。
「私、否....."我"は"ブラッド・ニードル".....全てを赤く染めあげるこの"針"で仮面ライダー、そして女神達を血祭りに上げてやる.....」
人型から異形へと変わったドラグワイト・バグーン.....否、"ブラッド・ニードル"は髪の毛にあたる1本の"針"を抜き、それを両手で構えた。
そして始まる.....メテオとネプテューヌが誓った"約束"を掛けた"悲劇"の始まりを.....。
第75話・fin
ED ・ Lights of my with (鎧武外伝 斬月&バロン 挿入歌)
急げ!急げぇぇぇぇぇえええええ!!
急いで白宇宙さんの描くコラボに話を繋げるように第5章を終わらせないと!!
いかがでしたか?
次回はいきなり登場、ベールとの女神融合!しかし.....。
次回、第76話 残酷なる"親子"
ネプテューヌ「次回も刮目せよ!」
感想をお待ちしています!!