東方現想郷 〜True or Phantasmagoria of Another Dream…   作:しゃきしゃきれたす。

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このくらいの長さで行こうと思います。短いか、?


一章 〜この夏は出会いの季節〜
第1話 どこだよ


 

 

覚醒。

普段ならば、目覚ましのけたたましい音に叩き起こされ、焦燥の中飛び起きるところだが今日は違う。

急いで支度をし、高校まで走る必要もない。

 

窓から差し込んでくる光が、少し眩しい。

今日は休みだ。 いや、今日から1ヶ月ほど、ずっと休みだ。

所謂夏休みというものである。

 

さて、初日の今日は何をしようか。そんなことを考えながら目を開け、体を起こ…

 

 

「はっ?」

 

そうとしてフリーズした。

 

緑。辺り一面緑なのである!

視界にあるのは草木の青々とした緑ばかり。

 

 

え…? 家で寝たよな?昨日。 なんで外に…??

 

 

普通ならば、この異常な状況にパニックになりそうなものだが、如何せん寝起きであり、ある意味冷静であった。

ここはどこなんだろうか。とりあえず自分が寝てた場所を見るが、特に何もない。

身一つでここに寝ていたことになる。

 

ミーンミンミン、耳をすませば蝉の声と木々の揺れる音のみ。

全くと言っていいほど人の気配がない。

 

 

近所にこんなとこあったか? というか夢遊病にしては移動しすぎだろ…

 

スマホもないので、位置の確認すらできない。着ている部屋着の他に俺のものはどこにもなかった。

幸いにも、夏の朝ということで気温はちょうど良かった。凍えることはなさそうだが、早くこの山?森?から出ないとな…

 

 

 

 

______ダッ

 

 

 

「っぐ!?」

 

背中に強い衝撃。反射的に跳び退き、背中の“何か”を振り払う。

 

「なんだ…!?」

 

振り返ってその“何か”を視認する。

 

 

え、 女の子、?

 

 

俺に振り払われて草むらに飛ばされたのは、見るからに幼い女の子だった。黒っぽいスカートと、頭にリボン。

すぐに駆け寄って声をかける。

 

「えっと、 大丈夫?ですか?」

 

謎に敬語。陰キャやめたい。

 

「んぅ、お兄さんひどいよ、投げ飛ばすなんて」

と言いながら女の子は立ち上がり、服をぱっぱと払う。

 

「ごめんよ、急に背中に飛びついてきたもんだからびっくりしちゃって。

それで、なんで俺の背中に?」

 

「ん〜? それはね〜、 ちょっと、お腹が空いちゃったからー」

 

「お腹が空いちゃったからー? それでなんで飛びかかってくるのかは謎だが、あいにくと食べ物は持ってなくてね…

君、この辺の子? 俺ちょっと道に迷ってて…」

 

 

「そーなのかー、大丈夫だよお兄さん、あっちの方に行けば神社があって、そこの人が道を教えてくれるよ〜」

 

「そ、そっか、ありがとう。行ってみるよ。君もお家に帰った方がいいんじゃない?」

 

「わたし? お家ないんだよね〜。 というかお兄さん、待ってよ。わたしすっごくお腹が空いてるんだぁ」

 

なんなんだ?この子。神社を教えてくれたから好意的ではあると思うのだが、なんだろう、

要領が掴めないというか異質な感じだな…

 

「見ての通り、食べ物はなんにもないんだ。帰ってパパとママに何か作って貰えば…」

 

 

「…食べ物? 食べ物ならあるよ目の前に。  ね、お兄さん…」

 

「へ…?」

 

その瞬間、女の子はまた飛びかかってきた!

油断していた俺は避けられず、そのまま押し倒された。

草と枯れ葉の上を掴まれたまま転がった。

 

「なんだよ!? い、いてぇ」

 

女の子は俺を押さえつけ、ニコりと笑った。その隙間から覗いた歯は…鋭く尖っていた。

 

!?

 

恐怖を感じ、同様に振り払おうとしたのだが、

 

「なんだ? 強く、ないか…?」

 

見た目の幼さからは想像もできないほどの力で押さえられていた。これでは全く身動きが取れないほどだ。

 

「えへへー、お兄さん。 外来人だよね? ってことは…食べてもいい人間?」

 

加えられている力がグッと強くなり、呼吸が苦しくなる。

なんだ?この少女は。 言っていることも少しおかしい。それにありえないほどの力だ…っ

 

女の子の目がカッと輝き、口を大きく開いて…

 

 

 

とそのとき、どこからか飛んできた光る玉が女の子に直撃し、すごい勢いで飛ばされていった。

 

 

「うっ、ぅ、、一体どうなってるんだ」

 

痛む胸を抑えつつ、俺はなんとか立ち上がって玉が飛んできた方向を見た。

 

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