東方現想郷 〜True or Phantasmagoria of Another Dream…   作:しゃきしゃきれたす。

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第2話 死にたくないよ

 

見ると、数十mほど離れたところに別の少女の姿があった。

 

さっきの玉は彼女が出したのか?

 

紅白の装束にこれまた頭にでっかいリボン、手には大幣のような物。

巫女だろうか? その迫力からは年齢が推測できない。年上かな。

 

そんなに視力がよくない俺としては、認識できるのはその程度だった。

 

 

と、推察する前にまず逃げなければならない。飛ばされた女の子が立ちあがろうとしている。

あれだけの距離を飛ばされたのに全くの無傷のように見える。

 

左に巫女らしき少女、右に力が強い女の子。どちらも異質であるが、さっき俺を助けてくれたことから、

少なくとも敵意はないだろうと即決して巫女の方へ駆けた。

 

が、後ろから女の子の気配が近づいてくる。スピードも尋常じゃないのか…?

とにかく全力で走るしかない、! また捕まったら逃げられるかわからないぞ…!

 

 

俺が向かってくることに気付いた巫女は少し驚いた表情をしたが、すぐに戻って何かを取り出して構えた。

 

ヒュン___

 

「あっぶねぇ!」

 

構えた何かを超高速で投げてきた。いや、後ろの女の子に投げたのか、?

 

後方で小爆発。 危険物じゃねぇか!

 

振り返る暇はなく、木を避けながら走り続けるしかなかった。

 

 

しかしまた不可思議なことが起きた。 巫女の方に向かって走っていたのだが、瞬きのわずかな瞬間で彼女は消えてしまった。

 

すると後方で連続した爆発音が。 視界の端に巫女の姿が映った。 

 

あの一刹那であそこまで移動したというのか?

 

疑問は絶えなかった。しかし俺はその思考を一旦捨てて、走りに集中した。

 

 

 

 

「はぁ…、はぁ」

 

どれだけ走っただろうか。 少し開けた岩場に出た。

 

呼吸は乱れ、足はもう限界だ。

 

後ろからもう音はない。ここで休んでも大丈夫だろう。

一際大きい岩に腰掛け、滴る汗を拭った。

 

息が整うのにともなって、冷静さが取り戻され思考ができるようになってきた。

 

「それにしても、よく逃げ切れたな…」

 

安堵の独り言である。

かつてはクラスでも足が速い方だった。運動会のリレーでも活躍していた。

だが最近ではめっぽう運動不足である。インドア派の極地に達し、休日ともなればほとんど動かずに1日を終える。

…火事場の馬鹿力、というものか。

 

などと言いつつ、状況整理に取り掛かった。

 

まずはこの場所である。起きたところからはかなり離れたと思うが、途中で全く人工物を見なかった。

完全に手付かずな山の中のようだ。

なぜこんなところに来たのか。とりあえず今は結論が出そうにはないが…

 

次に最初の女の子。見た目の年齢からは想像もつかないほどの身体能力。

体格差はかなりあるはずなのに、対峙したときには背筋が凍るような感覚がした。

ただの幼女というわけではないようだ。

 

それで結局どうなったのだろう? あの巫女は?

 

謎は多すぎる…が、 とりあえずここからどうするか、それを考えようか。

 

 

 

 

 

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