東方現想郷 〜True or Phantasmagoria of Another Dream…   作:しゃきしゃきれたす。

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第3話 異世界?

だが考えててもしょうがない、か。

まずはこの山から抜けるのが先決かな。

 

 

「さ、行きましょうかね」

 

「どこに行くっていうのよ」

 

 

…?

 

はい?

 

後ろから声がする。

 

俺はここで一人で休んでたはずだが。

 

 

 

振り返りながら急いで距離をとる。

 

「そんなに警戒しなくても大丈夫よ、さっきも助けてあげたじゃない」

 

「えっ…」

 

そこにいたのは先ほどの巫女だった。

女の子と戦っていたはずだが。 無事だったようだ。

 

 

「あ、あぁ。その節はありがとう。おかしな幼女に食われるところだったよ」

 

食われる(物理)である。意味深だったらどれほどよかったことか。

あ、いやロリコンではない、うん。

 

「そうね、でもこんなところをフラフラしてたらまた襲われるわよ」

 

「えっ、あんなのが他にもいるってことか? だけど俺は家に帰りたいんだよ。

どういう訳か起きたら山ん中でさ、ここがどこかわかる、?」

 

「えぇ。ここは裏山…ってことじゃなくて、多分アンタが聞きたいのは_____

 

この世界は幻想郷。アンタがいた世界から見ると異世界、ってことになるわね。

だから歩いてても元の世界には帰れないわよ」

 

 

…は? 異世界?

いやいやいや、どういうことだってばよ、俺は昨日普通に寝ただけだぞ?

 

異世界転生というのはよく聞く。漫画やアニメでのことだが、百歩譲ってそれが現実に起きたとしよう。

 

相場は交通事故とか神様の手違いとかじゃないか? 俺は死んでない。

飛び出した子供を助けるためにトラックの犠牲になったわけでも、通り魔に刺されたわけでも、

神々しいおじいちゃんに会ったわけでもない。

 

 

何にもないのに急に異世界…? だがここが俺の世界でないんだとしたら、これまでの怪奇にある程度説明がつくわけだが。

 

 

「すぐには信じられないと思うわ、でも見たでしょ?さっきアンタを襲ったのは妖怪よ。

この世界では普遍的な存在なの。妖怪は人間を襲う。弱い人間を助けるのが私の仕事だから」

 

待て待て、情報が多いな。混乱してよくわからない。

 

「正直異世界転生とかはあんまり信じないで生きてきたが…さっきのを見るとな。

かっ、帰る手段はないのか、?」

 

「あるわ、でもここで話すのもなんだから神社まで来なさい、付いてきて」

 

「? わかった」

 

神社。そういえばさっきの子も最初に言ってたっけ。その後が衝撃的すぎて忘れてしまっていた。

なるほどな。そこの巫女さんという訳か。

帰る手段を知ってるっぽいし、ついて行くとしますかね

 

変に思考を巡らせるのをやめ、素直に従うことにした。

 

 

 

その場所からかなり歩いた。俺も巫女さんもその間は無言で、やや気まずかったが致し方ない。

コミュ障なのだから。

 

道中は他の人間に会うことはなかった。美しい自然が広がっているだけで、人工物も見られない。

 

本当に異世界なんだろうか。

 

 

体感20分。走って疲れていた足にはちょっときつかった。が、前を歩く巫女さんは全然疲れる様子もないため、

なんとかついていった。

ついに社の一部が見えた。そう大きくはないが、立派な赤い鳥居もある。

ここが目的地に違いないようだ。

境内に入っていくと墓標や拝殿、手を洗うやつがあった。なんだっけ正式名称。

 

その中で一番大きい建物の扉を開け、巫女さんは言った。

 

「着いたわよ、ここが博麗神社。とりあえず上がりなさい、」

 

「お、お邪魔しまスー…」

 

これは“女の子の家”に該当するのだろうか。そう考えるとちょっと緊張するな…

 

玄関で靴を脱ぎ、一つの部屋に案内された。

中は整頓されていて掃除も行き届いている綺麗な和室だった。

 

障子や縁側がある。今の日本ではあまり見なくなってきている造りだ。

 

巫女さんはお茶を持ってくると言って奥に行ってしまったので、俺は座って待つことにした。

 

こういうちゃぶ台ももうあんまりないよなぁ。

 

 

縁側から見える景色もよく、鳥のさえずりと蝉の声がきこえる。

時計がないので時間はわからないが、日の角度から見てもう昼ごろだろうか。

夏の初め。もちろんエアコンはないが、吹き抜ける風が心地良い。

 

すると、遠くの方からゴゴゴという音が近づいてくるような気がした。自然が生み出す音にしては不自然だ。

 

いや待て、どんどん近づいてるぞ…?

 

何がなんだかわからなかったが、縁側から顔を出して確かめようとした。

音はどうやら上空からしているらしい。

 

ん、上空?

 

俺が上を見上げた瞬間。

 

 

 

 

 

 

ズドーーーーン

 

 

 

 

 

爆音と地響きが遠くの山々に反響した。

 

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